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移り変わる季節と、変わる環境

log-077 紛れ込むモノ

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―――サンダーファルコン。
 雷とともに現れ、人々を襲撃することから自然災害に追随した恐怖のモンスターの一つとして数えられることもあるが、別の見方もある。

 それは、体内に取り入れたものを、死後にその場に残すために、少しばかりのギャンブル要素を残す娯楽鳥として見られていることだ。

「何しろ、サンダーファルコンは様々なものを襲うが、元が雷といって良い体だから、何でも目についたものを喰らいつくす。ある事例だと、家一軒が飲み込まれていたという話もあるぐらいだ」
「いったい何を思って、そのファルコンは家を食べたのだろうか…というか、食べれるものなの?」
【んー…実はモンスター全員に言えることなのですが、どのようなものでも食べようと思えば、食べれるのですよ。体の中で、分解できるものに限る話ですけれどね】

 種族によってそのあたりの差は大きいらしいが、やろうと思えばできなくもないらしい。
 モンスターたちは食べたものを分解して吸収し、それを自身のための活動に利用するらしく、追い詰められた時は地面すらも捕食し、エネルギーとして利用するとのことだ。

【でも、基本的に無茶はしない方なの。味が分かる分、不味いものは食べるつもりは無いのなの】
【あとは普通に、ゲテモノよりも他の生物の血肉のほうがより効率よく取り入れられるという話や、育った環境によって変わるらしいぞ】
「なるほど…」

 まぁ、この身の問題や体質的なものなど色々とあるため、本気の最終手段がなんでも食べることであり、普段は好きな物やまともに食べられるものしか選ばないようだ。

 とにもかくにも、そんな例にこのサンダーファルコンもしっかりとあてはまっており、何かしらの面白いものを食べている可能性があっておかしくないようだ。

「運が良ければ宝石や金銀財宝…っていうのも、過去にあったらしい。半分ぐらい消化された盗賊たちもいたようだが…」
「やめてください、メッチャ不安になるじゃないですか」
【いくら何でも、その光景は見せられませんね…うぇっぷ…昔似たようなことを、道中で見た気持ち悪さが…】
【うぐっ‥!!い、言うなそれを…アレは流石に我も…流石に今も思い出したら、吐き気を…】
【一体何を二人は見たのなの?】
【【100%、ジャック(主殿)にはお見せできない、凄惨な光景】】

 珍しく口をそろえて答えるハクロとルミ。
 彼女たちの過去の道中に何を見たのかと思ったが、G判定が付きそうな話題のため、避けて置きつつ、今ははそのような物が出ないか警戒して、残したものを確認する。


「やばいものはなさそうだけど…何かがらくたが多いな」
【お鍋にタライに商会の名が書かれた箱…中身が毒草なの】
「おいそれ、大丈夫なものか?後でどこの商会か照会をしないといけないものじゃないか」
【ふぅむ、どうやら我らを襲う前にどこかの商会の馬車でも襲撃をしたようだな。ほら、帳簿も出てきたぞ】
【ちょっと見せてください。…なるほど、これ裏帳簿ですね。糸の関係で私、少しばかり商会方面の伝手や噂話を得ているのですが、怪しい噂のあったところのモノですよ。王都に戻りましたら、しかるところへ提出いたしましょう】

 どうもジャックたちを襲撃する前に、既に被害受けたところがあったらしい。
 だがしかし、その中身を見る限りでは、そこまで心配するような物でもなさそうだ。

【王都へは持ち込めない代物のため、他国へ向けてのものだったのでしょう】

 中身を探してみれば、でるわでるわ出してはいけない代物ばかり。

「当たりとでもあるが、後のことを考えると大外れでもあるな…こりゃ、ここから下手に運ぶの大変そうだ」
「かといって放置もできないものですよね。いったんここに埋めたりして、後で王都で連絡して…ですかね」
「そのほうが良いだろうな」

 こんなものを持って王都へ戻る時点で、色々と取り調べがヤバそうなのが目に見えている。
 だからこそ、他の人に掘り起こされないように掘った場所へ埋めつつ、その位置をしっかりと記録して、届け出をするのだ。

「それにしても多いな。ん?あ、小さな宝箱まで…」
【ーーっ!!ジャック、それから離れてください!!】
「え?」

 埋めるための穴をカトレアやルミに掘ってもらう中、モノを確認しているとき、ハクロの声が響いた。

 一体何かと思えば、この目の前にある小さな宝箱が一体何だって…



【ーーーギャゲェイ!!】
「---へ」

 一瞬、確かに小箱サイズだったはずの宝箱から声した。
 その縁にはぎざぎざの鋭そうな牙が生えそろっており、その内側に宝石のような目が合った。

 いや、先ほどまでの小さな小箱が、単純に人が入れそうなほどの大きなものになって、物凄く大きく口を開いた宝箱のような何かが…



―――ガブゥン!!
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