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13の旅『天空の国』
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『おー‥‥‥こういうところを見ると、なんか別の世界で見た映画のあのセリフとか言いたくなるなぁ』
上空で停車場所を探している中、ふと私はちょうどよさげな場所を見つけてつぶやいた。
今日は気まぐれに、雲のまで飛行して走り抜けているのだが、とある大きな雲の上に差し掛かったところで、その雲がただの雲ではないことに気が付いた。
というのも、地上にある風景のような光景が広がっており、まさに天空の都市というべき様な光景が広がっていたのだ。
大きな牧場のような物もあれば、農場のような物もある。
場所によっては雲の上だというのに、湖があって養殖場ができていたり、はたまたはワイバーンとか飛竜とか、そう言う呼ばれ方をするような生物が巣を作っていたりと、見ているだけでも面白い。
ああ、ステルス機能があるから襲われずに済んでおり、働いている者たちにも見られていないのだろうけれども‥‥‥
『でも、人間がいないなぁ?』
そこで動いているのは、人型だけど人間ではない存在たち。
他の世界でも土や石などで出来た存在として見かけるような…‥‥ゴーレムというべき者たちが動いていたのだ。
一見人間そっくりな類もあるけど、私自身が人ではないこともあってか、それらすべてが人ではないことは分かる。
後ついでに、この世界へ立ち寄る前に別の世界でメンテナンスを受け、新しい機器を搭載したからこそ反応を確認できるが…‥‥人ならざる者ばかりしかいないようだ。あ、でも人の反応もちょこっとあったし、0という訳でもないのか。
とにもかくにも、雲の上に存在する国とは面白そうなものなので、そこに停車することにした。
着陸し、ブレーキをかけ、蒸気を吹き上げる。
動輪が止まり、人型になったところできちんと雲の上に足を踏み入れて見たが‥‥‥何と言うか、土の感触とかとは全く違う。
硬いような柔らかいような、寝転がったらふわっとしつつも反発して起き上るような、とにかく不思議な感触。
こんな雲の上の国だからこその特有の感触とも言うべきものに、私は好奇心を抱く。
「よし、とりあえず話を聞けそうな人がいないか探ってみよう!」
流石にこんな雲の上を出歩いて人に出くわしても、旅人ですと言って信じてもらえなさそうな気がするけどね…‥‥まぁ、一応話が通じそうな人がいないか探すために、ちょっとステルス機能を使って…‥‥
ドズゥン!!
「ん?」
なにやら急に影ができ、雲の大地が震えた。
後ろを振り返ってみれば‥‥‥そこには非常に大きな、純白のドラゴンが存在していた。
‥‥‥あれ?もしかして私、これ壊される?
「‥‥‥なるほど、世界を旅する機関車で、人型になれる存在か…‥‥空を駆け抜けられるのであれば、簡単にここに来てもおかしくはなかったか」
「そうなんですけれども‥‥‥あの、信じてくれるのでしょうか?」
「ああ、信じるとも。知り合いに色々と変なのも多い分、人を見る目ができていると自負できるからな。後は、色々とこちらの能力もあるが‥‥‥」
雲の上にあったお城の一室。
そこに私は招かれ、あの大きなドラゴンが人型になって、前の方に座っており、お茶を出してくれた。
全体的に白い青年というか、ドラゴンが人型を取るとはちょっと驚きである。
「いや、機関車が人型になるお前の方が、こちらにとっては驚くのだがな‥‥‥」
「それもそうですか?」
うん、他人ごとではなかった。自分も人型になれる存在でした。
とにもかくにも話を聞くと、ここは彼の持つ空の上の国の一つ…‥‥特に名称はないが、地上の人間たちからは天空の国だとか、龍の住まう楽園とか、色々と呼ばれているらしい。
そして目の前の彼は、この国を作ったドラゴン‥‥‥この世界に存在するというドラゴンの頂点、龍帝と呼ばれる存在の中で、はるか上の地位にあるという神龍帝だとか。
本当はれっきとした個人名もあるそうだが、それはだいぶ昔の話。
今はさほど使う事もなく、ただ単純にこの名称で良いらしい。
「異世界からの客人は珍しいからな‥‥‥わざわざ場所を移してもらったが、迷惑ではなかったか?」
「い、いえそんなことはありません!!」
迷惑でもないし、そもそも相手の方が力が大きいのが十分分かってしまうので直ぐにそう返答する。
他の世界では、うっかり地雷を踏み抜いて、追いかけまわされたことがあったからね‥‥‥それはまぁ、嫌な思い出の一つとしつつ、苦い経験なのでちょっと気を遣うのだ。
「ははは、そこまで慌てなくとも良い。こちらとしてはそう言う存在は色々と見てきたからこそ、ちょっとやそっとで不敬とも思うようなことはない。そもそも、神龍帝だとかドラゴンの頂点とか言われてはいるが、自分ではそこまで責任を負っているような気もないからな」
良いのか、この世界のドラゴンの頂点がそんな気で。
っと思ったが、まあ口に出すことはなかった。
とにもかくにも、話してみれば案外気のいい人である。
どうやらこの国を治めている以上、他者の視点も聞きたかったようで、それが異世界の者ならなおさら興味を抱いていたようで、国の案内をしてくれた。
ありとあらゆる天候を制御できるので、どの様な日でもいつでも新鮮な作物を収穫できる大農場。
様々な職人ゴーレムと呼ばれる職人たちが腕を振るい、磨き合い、競い合う職人街。
ちょっと困りものの動物がいる以外は、珍しい家畜が多い牧場。
その他様々な場所を案内させてくれて、しかもどの様なことを行えるのかなどの説明などもしてくれて、物凄くためになったかもしれない。
‥‥一応、異世界の機関車である存在故か、ちょっと構造を調べさせてほしいと職人街でオーバーホール作業をされたけどね。
職人ゴーレムたちが目を輝かせて、私の部品や構造を見て興奮していたけど‥‥‥ちょっと恥ずかしいような気がしなくもない。
そして色々あった謎技術を分析したようで、分からないところもあったけれどもどうにかできるところもあったらしく、少し改良を行ってもらうことができた。
「これで、出力が1.5倍、耐久力も4~7倍ほど向上したらしいぞ」
『滅茶苦茶増えてないですかね?』
メンテナンスを行える世界に行ったことはあるけど…‥‥その世界以上の技術がないですかね、ここ。
あ、職人だけあって、その技術に特化した人が多い分、より細かく改良できたのか。
「あと技術的にちょっと進んで、また新しく発展できると喜んでいたぞ。ここで作業させてくれて、ありがとうな」
『どういたしまして』
私としても自身の改良につながったのは良い事だし‥‥‥素直にお礼を述べておこう。
あとは、その他の街並みや、こんな空の国に買い物に来る人がいるのかと思えるような商店街も巡り、中々充実しただろう。
‥‥‥そして数日ほど宿泊させてもらい、ここを去る時が来た。
いつまでも長居するわけにもいかないし、この世界にこんな国があるなら、他にも面白そうな国がありそうだからね。
「そうか、もう行くのか」
『ええ、お世話になりました』
ボォォォっと汽笛を鳴らし、自身の蒸気を蓄え、発車準備を整える。
「そちらはこの世界を見て回った後に、また別の世界に行くのだろう?なら、その先でまた再会できるかもな」
『私としては、同じように世界を渡れるドラゴンがいたのも驚きですけれどね』
この国にまた来たいが、その時に神龍帝はここにいる事が無い時もあるそうだ。
どうやら彼は私同様に他の世界に出むことができるようで、たまに何処かへ遊びに行っていることが多いらしい。
ならば、別の世界で偶然にも再会する可能性もあるし‥‥‥その時には、その世界で語り合って見たいだろう。
酒を飲みかわしつつ、穏やかに、そして笑いあいながら再会の語り合いも旅の醍醐味であろう。
『それでは、発車いたします!!』
「ああ、またの再会を願おう!!異世界の列車よ!!」
ボォォォォォォっと汽笛を鳴らし、動輪を動かし、私はここで得ることができた友の姿を後ろに見ながら、先へ進む。
雲の地から離れ、天空の国が遠ざかっていくが…‥‥あの友人に、再び別の世界で会える予感はしているのだ。
その予感に期待を抱きつつ、私はこの世界の別の国へ向かって、走り抜けていくのであった‥‥‥‥
上空で停車場所を探している中、ふと私はちょうどよさげな場所を見つけてつぶやいた。
今日は気まぐれに、雲のまで飛行して走り抜けているのだが、とある大きな雲の上に差し掛かったところで、その雲がただの雲ではないことに気が付いた。
というのも、地上にある風景のような光景が広がっており、まさに天空の都市というべき様な光景が広がっていたのだ。
大きな牧場のような物もあれば、農場のような物もある。
場所によっては雲の上だというのに、湖があって養殖場ができていたり、はたまたはワイバーンとか飛竜とか、そう言う呼ばれ方をするような生物が巣を作っていたりと、見ているだけでも面白い。
ああ、ステルス機能があるから襲われずに済んでおり、働いている者たちにも見られていないのだろうけれども‥‥‥
『でも、人間がいないなぁ?』
そこで動いているのは、人型だけど人間ではない存在たち。
他の世界でも土や石などで出来た存在として見かけるような…‥‥ゴーレムというべき者たちが動いていたのだ。
一見人間そっくりな類もあるけど、私自身が人ではないこともあってか、それらすべてが人ではないことは分かる。
後ついでに、この世界へ立ち寄る前に別の世界でメンテナンスを受け、新しい機器を搭載したからこそ反応を確認できるが…‥‥人ならざる者ばかりしかいないようだ。あ、でも人の反応もちょこっとあったし、0という訳でもないのか。
とにもかくにも、雲の上に存在する国とは面白そうなものなので、そこに停車することにした。
着陸し、ブレーキをかけ、蒸気を吹き上げる。
動輪が止まり、人型になったところできちんと雲の上に足を踏み入れて見たが‥‥‥何と言うか、土の感触とかとは全く違う。
硬いような柔らかいような、寝転がったらふわっとしつつも反発して起き上るような、とにかく不思議な感触。
こんな雲の上の国だからこその特有の感触とも言うべきものに、私は好奇心を抱く。
「よし、とりあえず話を聞けそうな人がいないか探ってみよう!」
流石にこんな雲の上を出歩いて人に出くわしても、旅人ですと言って信じてもらえなさそうな気がするけどね…‥‥まぁ、一応話が通じそうな人がいないか探すために、ちょっとステルス機能を使って…‥‥
ドズゥン!!
「ん?」
なにやら急に影ができ、雲の大地が震えた。
後ろを振り返ってみれば‥‥‥そこには非常に大きな、純白のドラゴンが存在していた。
‥‥‥あれ?もしかして私、これ壊される?
「‥‥‥なるほど、世界を旅する機関車で、人型になれる存在か…‥‥空を駆け抜けられるのであれば、簡単にここに来てもおかしくはなかったか」
「そうなんですけれども‥‥‥あの、信じてくれるのでしょうか?」
「ああ、信じるとも。知り合いに色々と変なのも多い分、人を見る目ができていると自負できるからな。後は、色々とこちらの能力もあるが‥‥‥」
雲の上にあったお城の一室。
そこに私は招かれ、あの大きなドラゴンが人型になって、前の方に座っており、お茶を出してくれた。
全体的に白い青年というか、ドラゴンが人型を取るとはちょっと驚きである。
「いや、機関車が人型になるお前の方が、こちらにとっては驚くのだがな‥‥‥」
「それもそうですか?」
うん、他人ごとではなかった。自分も人型になれる存在でした。
とにもかくにも話を聞くと、ここは彼の持つ空の上の国の一つ…‥‥特に名称はないが、地上の人間たちからは天空の国だとか、龍の住まう楽園とか、色々と呼ばれているらしい。
そして目の前の彼は、この国を作ったドラゴン‥‥‥この世界に存在するというドラゴンの頂点、龍帝と呼ばれる存在の中で、はるか上の地位にあるという神龍帝だとか。
本当はれっきとした個人名もあるそうだが、それはだいぶ昔の話。
今はさほど使う事もなく、ただ単純にこの名称で良いらしい。
「異世界からの客人は珍しいからな‥‥‥わざわざ場所を移してもらったが、迷惑ではなかったか?」
「い、いえそんなことはありません!!」
迷惑でもないし、そもそも相手の方が力が大きいのが十分分かってしまうので直ぐにそう返答する。
他の世界では、うっかり地雷を踏み抜いて、追いかけまわされたことがあったからね‥‥‥それはまぁ、嫌な思い出の一つとしつつ、苦い経験なのでちょっと気を遣うのだ。
「ははは、そこまで慌てなくとも良い。こちらとしてはそう言う存在は色々と見てきたからこそ、ちょっとやそっとで不敬とも思うようなことはない。そもそも、神龍帝だとかドラゴンの頂点とか言われてはいるが、自分ではそこまで責任を負っているような気もないからな」
良いのか、この世界のドラゴンの頂点がそんな気で。
っと思ったが、まあ口に出すことはなかった。
とにもかくにも、話してみれば案外気のいい人である。
どうやらこの国を治めている以上、他者の視点も聞きたかったようで、それが異世界の者ならなおさら興味を抱いていたようで、国の案内をしてくれた。
ありとあらゆる天候を制御できるので、どの様な日でもいつでも新鮮な作物を収穫できる大農場。
様々な職人ゴーレムと呼ばれる職人たちが腕を振るい、磨き合い、競い合う職人街。
ちょっと困りものの動物がいる以外は、珍しい家畜が多い牧場。
その他様々な場所を案内させてくれて、しかもどの様なことを行えるのかなどの説明などもしてくれて、物凄くためになったかもしれない。
‥‥一応、異世界の機関車である存在故か、ちょっと構造を調べさせてほしいと職人街でオーバーホール作業をされたけどね。
職人ゴーレムたちが目を輝かせて、私の部品や構造を見て興奮していたけど‥‥‥ちょっと恥ずかしいような気がしなくもない。
そして色々あった謎技術を分析したようで、分からないところもあったけれどもどうにかできるところもあったらしく、少し改良を行ってもらうことができた。
「これで、出力が1.5倍、耐久力も4~7倍ほど向上したらしいぞ」
『滅茶苦茶増えてないですかね?』
メンテナンスを行える世界に行ったことはあるけど…‥‥その世界以上の技術がないですかね、ここ。
あ、職人だけあって、その技術に特化した人が多い分、より細かく改良できたのか。
「あと技術的にちょっと進んで、また新しく発展できると喜んでいたぞ。ここで作業させてくれて、ありがとうな」
『どういたしまして』
私としても自身の改良につながったのは良い事だし‥‥‥素直にお礼を述べておこう。
あとは、その他の街並みや、こんな空の国に買い物に来る人がいるのかと思えるような商店街も巡り、中々充実しただろう。
‥‥‥そして数日ほど宿泊させてもらい、ここを去る時が来た。
いつまでも長居するわけにもいかないし、この世界にこんな国があるなら、他にも面白そうな国がありそうだからね。
「そうか、もう行くのか」
『ええ、お世話になりました』
ボォォォっと汽笛を鳴らし、自身の蒸気を蓄え、発車準備を整える。
「そちらはこの世界を見て回った後に、また別の世界に行くのだろう?なら、その先でまた再会できるかもな」
『私としては、同じように世界を渡れるドラゴンがいたのも驚きですけれどね』
この国にまた来たいが、その時に神龍帝はここにいる事が無い時もあるそうだ。
どうやら彼は私同様に他の世界に出むことができるようで、たまに何処かへ遊びに行っていることが多いらしい。
ならば、別の世界で偶然にも再会する可能性もあるし‥‥‥その時には、その世界で語り合って見たいだろう。
酒を飲みかわしつつ、穏やかに、そして笑いあいながら再会の語り合いも旅の醍醐味であろう。
『それでは、発車いたします!!』
「ああ、またの再会を願おう!!異世界の列車よ!!」
ボォォォォォォっと汽笛を鳴らし、動輪を動かし、私はここで得ることができた友の姿を後ろに見ながら、先へ進む。
雲の地から離れ、天空の国が遠ざかっていくが…‥‥あの友人に、再び別の世界で会える予感はしているのだ。
その予感に期待を抱きつつ、私はこの世界の別の国へ向かって、走り抜けていくのであった‥‥‥‥
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