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2章 光が輝き、空へ上がり始め
閑話 話を知る者は、共通してごへぇっと
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…大きな騒ぎというのは、案外隠したいものを隠しやすかったりするものだ。
それがどこかの王族の不祥事だとしても、結果としていい方向に転びそうであれば、特に文句を言う者たちも出にくいのである。
そう、ゴルゾンボル王国で起きた争いごとによって、結果としていろいろとダメじゃないかなぁとささやかれていた王子たちが消えて、次代がまともそうなのは人々の期待が集まるところ。
もしもこれで反論して、いろいろとやらかしそうな人たちが出てきたらそれはそれで恐ろしいので、無駄に話を詮索することもない。
だがしかし、その中には余計なもののほうに焦点を合わせてしまう者たちも存在していた。
「…国滅ぼしの魔物の一つ、スライムの確認とその消失か」
「国のほうからは王子たちが身を挺して犠牲になり、どうにか収めたとあるようだが…偽装工作だな」
一国の危機に関して、ある程度の情報はまだわかる。
国が滅びてしまうと、そのあとの領土の問題やら何やらで、周辺諸国に混沌が生じかねないがゆえに、多少の脚色など盛ってごまかす手法に関しては、理解を示せるだろう。
ただし、そこの魔物がかかわっていなければの話だが。
「国滅ぼしのスライムだけじゃなく、その場には蜘蛛や宝箱のものもいたと聞く。それだけいれば、危うい事態になるのも当たり前だろう」
「魔物はすべて悪しく滅ぼすべきもの。滅ぼす側に回るのは許されぬことだ」
…ここは魔物たち全てが完全に悪しきものとしての教えで成り立っている国「フォレールン神聖国」にある神殿の一つ。
そこに集う者たちは情報を聞き、顔をしかめて同意してうなずきあう。
「全て同時に消えればよかったが…それでも、残ったか」
「ああ、だがこの世からまた一つ魔物が滅びたというところはまだ喜ぶべきなのだろうか」
彼らとしては、すべての魔物が悪にあるという認識であり、その中でも最上級の立ち位置にあるような国滅ぼしのカテゴリに入るようなものが消えたのは嬉しいことだ。
この世から悪がまた一つ消え失せたというのは良いのだが…それでも、彼らにとってのあくがすべて消えたわけではないのだ。
「なんにせよ、国滅ぼしの別の魔物は生きており、旅を続けていると聞く」
「ああ、哀れなるかな供をしているという少年よ。悪の道に自ら入り込むとしているのであれば、救い出さねばならぬか」
「しかり、魔物でなければ分け隔てなく、我々の救済の対象だ」
すべての魔物を悪としている半面、それ以外のものは悪の手から救い出すべき対象であると彼らは考えている。
だからこそ、たとえ魔物とともに行く人間がいたとしてもまとめて悪しきものとは切り捨てずに、魔物の手から救い出すべきものだとしているのだ。
「だが、どう救済するか。魔物の道に深く踏み込んでいるのであれば、我々の救済の言の葉も聞くことはないだろう」
「相手は国滅ぼしがゆえに、力もあるが…それで、あきらめるという選択はあるか?」
「否。悪は滅ぼされなければならぬ。たとえそれがどれほどの強大なものだとしても、それが悪であるならば、善である我々が倒せぬ道理などあらず」
「全ての国滅ぼしがすべての国を手中に収められぬのは、善なる我々の可能性が見えないことだ。そこに、勝機があるだろう」
祈りを捧げ、全ての国滅ぼしを滅ぼしつくし、悪である魔物も一片残さず消せますように彼らは心の底から思い、思考を巡らせていく。
受け取り方は人それぞれではあるが、それでも強い信念と正しいという思い込みこそが、人の恐ろしいものであるのかもしれない……
「して、そういえば今月の配布予定の聖書の写本はどうだ?」
「まだ1割も満たずと…量が多く、難しいものであります」
「ふむ、魔物素材を一切許さずに過ごすすべなども盛り込んでいるが、分厚すぎるからな…万を超えるページの分厚さはあれども、すべて写すまでまだまだかかるか……」
そんな怪しい国が書庫に抱える膨大な本の写し作業に頭を悩ませまくっていたそのころ、別の国ではこれまた違った形で情報が受け止められてもいた。
「…ゴルゾンボル王国の封じられていた魔物の消滅か。以前は戦力として手中に収めようかと思っていたが、国の危機になりかねないことを天秤にかけてあきらめはしたが、得なくてよかったか」
「はっ、皇帝陛下の英断でございましたな」
ゲルマンゾウ帝国の王城内にて、その国の皇帝は他国から聞いたその情報を耳にして、自身の判断が間違っていなかったと安堵の息を吐く。
かつては他国に戦争を仕掛けまくり活発に動いていた帝国ではあったが、十数年前にとある事情によって戦争をやめ、今は国内の発展のほうに力を尽くしていた。
そんな状況にあるがゆえに、他国で起きたやばい情報に、かつて自身が狙っていたものが相当不味いものだったんだと改めて当時の判断を下した自身をほめたくなった。
「しかし、それと同時に別の魔物もか…以前ならばこれまた我が国の戦力増大にと利用したくもあったが、今となっては普通に厄介ごとにしかならぬな…」
血の気があふれていた時代は良いのだが、ゆったりと落ち着いて腰を据えるようになってからは、冷静に見ることができている。
もしも当時のままであれば、相当不味いことをしでかしかねないだろうと、当時の自分を思い返すと否定できない思いになるのだ。
「それと、その魔物の付き添いの少年もか…ふむ、やはり情報だと持っている可能性があると?」
「ええ、おそらくは。真のものかどうかは不明ですが、もしも本当であれば…」
「…ああ、さらに厄介なことになりかねないな」
他国の王位継承権争いもしっかりと情報収集しており、自国ではないようにしたいのだが、それでも甘い汁を吸いたい輩たちがどこからともかく現れて、かき乱しまくったりするのである。
そこに、たっぷりと甘すぎる蜜漬けのものが現れたら…想像したくもないことになるだろう。
「…早いこと、こういうことから抜けでたいのだが、それはそれで問題しか起きぬことも考えると動けぬのは、これはかつての自分に対する天からの罰なのか呪いなのか…」
皇帝がものすごく遠い目をしながらため息を吐き、つぶやいた言葉に対して、臣下のものたちは何も言えず、痛ましいような思いを抱くのであった…
「ああ、メルドグランド王国のベスタリアーン国王がうらやましく思えるほどだ。呪術に名高いエリザベッセ王妃がいるからな。彼女がおれば、呪殺でいろいろと落ち着かせられそうなものなのだが」
「かなり物騒すぎますが、呪いでもないとおとなしくならない人たちがいますからな…」
「でもその対価として、あの国の国王は妃に尻に敷かれているようですが、それでもいいのでしょうか」
「…あれもまた、まだまともな家族の形だと思いたいだろう。国同士のパーティで、鼻の下を伸ばした国王が…いや、やめておこう。あの話を思い出すと、誰も幸せにはならぬ…」
…ツッコミどころがあるだろうが、よそはよそ、うちはうちの理論である。
下手に踏み入れないほうが良いだろうと、皇帝及びその場にいたものたちは強く思うのであった。
それがどこかの王族の不祥事だとしても、結果としていい方向に転びそうであれば、特に文句を言う者たちも出にくいのである。
そう、ゴルゾンボル王国で起きた争いごとによって、結果としていろいろとダメじゃないかなぁとささやかれていた王子たちが消えて、次代がまともそうなのは人々の期待が集まるところ。
もしもこれで反論して、いろいろとやらかしそうな人たちが出てきたらそれはそれで恐ろしいので、無駄に話を詮索することもない。
だがしかし、その中には余計なもののほうに焦点を合わせてしまう者たちも存在していた。
「…国滅ぼしの魔物の一つ、スライムの確認とその消失か」
「国のほうからは王子たちが身を挺して犠牲になり、どうにか収めたとあるようだが…偽装工作だな」
一国の危機に関して、ある程度の情報はまだわかる。
国が滅びてしまうと、そのあとの領土の問題やら何やらで、周辺諸国に混沌が生じかねないがゆえに、多少の脚色など盛ってごまかす手法に関しては、理解を示せるだろう。
ただし、そこの魔物がかかわっていなければの話だが。
「国滅ぼしのスライムだけじゃなく、その場には蜘蛛や宝箱のものもいたと聞く。それだけいれば、危うい事態になるのも当たり前だろう」
「魔物はすべて悪しく滅ぼすべきもの。滅ぼす側に回るのは許されぬことだ」
…ここは魔物たち全てが完全に悪しきものとしての教えで成り立っている国「フォレールン神聖国」にある神殿の一つ。
そこに集う者たちは情報を聞き、顔をしかめて同意してうなずきあう。
「全て同時に消えればよかったが…それでも、残ったか」
「ああ、だがこの世からまた一つ魔物が滅びたというところはまだ喜ぶべきなのだろうか」
彼らとしては、すべての魔物が悪にあるという認識であり、その中でも最上級の立ち位置にあるような国滅ぼしのカテゴリに入るようなものが消えたのは嬉しいことだ。
この世から悪がまた一つ消え失せたというのは良いのだが…それでも、彼らにとってのあくがすべて消えたわけではないのだ。
「なんにせよ、国滅ぼしの別の魔物は生きており、旅を続けていると聞く」
「ああ、哀れなるかな供をしているという少年よ。悪の道に自ら入り込むとしているのであれば、救い出さねばならぬか」
「しかり、魔物でなければ分け隔てなく、我々の救済の対象だ」
すべての魔物を悪としている半面、それ以外のものは悪の手から救い出すべき対象であると彼らは考えている。
だからこそ、たとえ魔物とともに行く人間がいたとしてもまとめて悪しきものとは切り捨てずに、魔物の手から救い出すべきものだとしているのだ。
「だが、どう救済するか。魔物の道に深く踏み込んでいるのであれば、我々の救済の言の葉も聞くことはないだろう」
「相手は国滅ぼしがゆえに、力もあるが…それで、あきらめるという選択はあるか?」
「否。悪は滅ぼされなければならぬ。たとえそれがどれほどの強大なものだとしても、それが悪であるならば、善である我々が倒せぬ道理などあらず」
「全ての国滅ぼしがすべての国を手中に収められぬのは、善なる我々の可能性が見えないことだ。そこに、勝機があるだろう」
祈りを捧げ、全ての国滅ぼしを滅ぼしつくし、悪である魔物も一片残さず消せますように彼らは心の底から思い、思考を巡らせていく。
受け取り方は人それぞれではあるが、それでも強い信念と正しいという思い込みこそが、人の恐ろしいものであるのかもしれない……
「して、そういえば今月の配布予定の聖書の写本はどうだ?」
「まだ1割も満たずと…量が多く、難しいものであります」
「ふむ、魔物素材を一切許さずに過ごすすべなども盛り込んでいるが、分厚すぎるからな…万を超えるページの分厚さはあれども、すべて写すまでまだまだかかるか……」
そんな怪しい国が書庫に抱える膨大な本の写し作業に頭を悩ませまくっていたそのころ、別の国ではこれまた違った形で情報が受け止められてもいた。
「…ゴルゾンボル王国の封じられていた魔物の消滅か。以前は戦力として手中に収めようかと思っていたが、国の危機になりかねないことを天秤にかけてあきらめはしたが、得なくてよかったか」
「はっ、皇帝陛下の英断でございましたな」
ゲルマンゾウ帝国の王城内にて、その国の皇帝は他国から聞いたその情報を耳にして、自身の判断が間違っていなかったと安堵の息を吐く。
かつては他国に戦争を仕掛けまくり活発に動いていた帝国ではあったが、十数年前にとある事情によって戦争をやめ、今は国内の発展のほうに力を尽くしていた。
そんな状況にあるがゆえに、他国で起きたやばい情報に、かつて自身が狙っていたものが相当不味いものだったんだと改めて当時の判断を下した自身をほめたくなった。
「しかし、それと同時に別の魔物もか…以前ならばこれまた我が国の戦力増大にと利用したくもあったが、今となっては普通に厄介ごとにしかならぬな…」
血の気があふれていた時代は良いのだが、ゆったりと落ち着いて腰を据えるようになってからは、冷静に見ることができている。
もしも当時のままであれば、相当不味いことをしでかしかねないだろうと、当時の自分を思い返すと否定できない思いになるのだ。
「それと、その魔物の付き添いの少年もか…ふむ、やはり情報だと持っている可能性があると?」
「ええ、おそらくは。真のものかどうかは不明ですが、もしも本当であれば…」
「…ああ、さらに厄介なことになりかねないな」
他国の王位継承権争いもしっかりと情報収集しており、自国ではないようにしたいのだが、それでも甘い汁を吸いたい輩たちがどこからともかく現れて、かき乱しまくったりするのである。
そこに、たっぷりと甘すぎる蜜漬けのものが現れたら…想像したくもないことになるだろう。
「…早いこと、こういうことから抜けでたいのだが、それはそれで問題しか起きぬことも考えると動けぬのは、これはかつての自分に対する天からの罰なのか呪いなのか…」
皇帝がものすごく遠い目をしながらため息を吐き、つぶやいた言葉に対して、臣下のものたちは何も言えず、痛ましいような思いを抱くのであった…
「ああ、メルドグランド王国のベスタリアーン国王がうらやましく思えるほどだ。呪術に名高いエリザベッセ王妃がいるからな。彼女がおれば、呪殺でいろいろと落ち着かせられそうなものなのだが」
「かなり物騒すぎますが、呪いでもないとおとなしくならない人たちがいますからな…」
「でもその対価として、あの国の国王は妃に尻に敷かれているようですが、それでもいいのでしょうか」
「…あれもまた、まだまともな家族の形だと思いたいだろう。国同士のパーティで、鼻の下を伸ばした国王が…いや、やめておこう。あの話を思い出すと、誰も幸せにはならぬ…」
…ツッコミどころがあるだろうが、よそはよそ、うちはうちの理論である。
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