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1章 旅立ちと始まり
1-60 王の座は、どうなのか
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オークキングによる、共食い後の骨砲弾攻撃。
全力で吸い込みまくり、肉を己の糧に、骨を己の弾にして撃ち出す猛攻を見せる。
ドドドドドドド!!
【シュルルル!!めっちゃ早い!!当たったら絶対痛い!!】
「痛いどころじゃない気がするけどなぁ!!」
高速で骨が掠めていくが、通過を許さないように何とか叩き落したりする。
なぜなら後方の方では、先ほどのオークの群れとの戦闘の間に安全かもしれない場所まで避難している護衛対象の馬車があり、そこに直撃したら不味いのだ。
その為、全部をかわしきるだけじゃなくて、届かないように撃ち落とす必要性もあり、難易度が向上していた。
「というか、共食いしてその骨で攻撃っていいのかよ!!」
「どうせ後からまた増えればいいとか思って良そうだが、最悪な攻撃手段だ!!」
「しかも大きなのだけじゃなくて、かみ砕いた奴もあるのがヤバい!!」
当たればいいだけのような攻撃もあるようで、その分厄介さも跳ね上がっている。
各自、剣や斧、大槌にその他防具で防ぐこともできているのだが、それでもダメージは蓄積していく。
相手の数が減るのでこの攻撃によってより脅威を減らせそうなものなのだが、喰らえば喰らうほどどんどん大量の骨が襲い掛かる猛攻が増えていく。
「でもいつかは尽きるよな!!」
「頭数は着実に減っているが、それでもかみ砕いて増やしたりとかして、結構きつい!!」
喰われていいのかと思うのだが、キングの糧になるならばと命を投げ捨てるかのように、大人しく吸い込まれて食べられていくオークたち。
そのオークたちの思いを乗せて、全部の骨を撃ち続ける様は王として同なのかと思うところもある。
【グラグラグァァァ!!】
【シュルル!!行くよ、合体必殺技!!】
ラナの宝箱の身体に糸を巻き付け、勢いよくハクロが振り回す。
元々はラナ自身への攻撃に使用されていたが、意思を持って一緒に攻撃を転じる事で、最高の防御を最大の攻撃に転嫁する。
【グラァァァァッァア!!】
【『ラ~ナ、スイングインパクトォ』!!】
ボンバーズを投げた時よりも、更に回転と勢いを増して解き放たれて、凄まじい速さでラナが飛翔していく。
防御力だけならばこの面子の中でぴか一を誇る宝箱ボディは、最強の鈍器にもなるのだ。
強固なボディだからこそ、吐き出される骨の弾幕にもへっちゃらで、骨の大河を登っていく。
かなり全力で投げ飛ばしたので徐々に減速しても力は強く、このまま行けば直撃する‥‥と思っていた、その時だった。
【ブモバァァァァァァァ!!】
【グラ!?】
何をおもったのか、オークキングは吐き出すのを止め、再び吸い込みの体制をとった。
しかも先ほどよりもさらに大きく口を開いており、顎も外れているのではないかと思うほどの大口を開け‥‥‥
ガボン!!
「うっそ!?」
【ラナが食べられちゃった!?】
そこそこのサイズの宝箱のボディだというのに、それを大きく口を開いただけで中に吸い込んだ。
そのまま飲み込むかと思われたが、流石にきついのかそうはせず・・・・・
ドッブォォォォォォン!!
【グラァァァァァァァァァ!?】
骨たちと同じように勢いよく吐き出された。
しかも角度がかなり下であり、僕等に直撃させるのではなく、地面を狙ったようだ。
ドッゴォォォォォォン!!
「うぉぉぉい!?あの宝箱の従魔、大丈夫なのか!?」
「この程度なら、まだびくともしないけど‥‥」
「あ、やられたなこれ!!かなり深く埋まって、すぐには出てこれねぞ!!」
かなりの強度を持っていることで、いざとなれば盾となって防ぐ光景を予想していたのか、ラナを使えないようにするために地面に無理矢理めり込ませる勢いで吐いたらしい。
その思惑は的中していたようで、ラナ自身にはダメージは無さそうだが、それでもすぐに戦線に復帰できない状態にされた。
それはつまり、今すぐにでも逃げ込める場所がなくなったわけであり、相手はラストスパートをかける。
【ブモアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!】
大きく開いた口はそのまま利用して、まだそこそこの数があったオークたちを全部まとめて喰らいつくす。
飲み込んで膨れ上がった身体はさらに大きくなり、じゅわぁぁぁっと何やら蒸気も噴き出してきており、体内で肉を溶かし己の糧として、全部をエネルギーとして転換したようだ。
【ブブッギュア、ブォォォォォォォォォン!!】
オークキング一体だけになったのに、それでも良いというように全てのオークたちの身が食い尽くされ、転換されたエネルギーによって骨の暴風が吹き荒れる。
荒く、それでいて丁寧にと矛盾しているような組み合わせでありながらもより細かく鋭くなった骨が僕らに襲い掛かる。
ズダダダダダダダ!!
「ぎゃああああ!!」
「やっべぇ、鎧がぁぁぁ!!」
先ほどまでならばなんとか防ぎきれたが、この骨暴風は防ぎきれず、爆炎騎士団の鎧が砕け散り、大槌が折れる。
そしてかなりの頑丈性を誇るはずのハクロの糸で出来た衣服もボロボロにされ、暴風が済んだ時にはすでに、僕等は満身創痍な状態になっていた。
「ぐぐぐ・・・」
「い、いでぇ・・・骨で骨が・・・」
たった一体の魔物相手なのに、かなりヤバい状況だ。
全員ズタボロで身動きがし辛い中、弾となる仲間がいなくなったオークキングが歩んでくる。
こちらが動けなくなっているのをいいことになぶり殺しにでもしてくる気か、それとも‥
【…‥‥キュゥ】
「当たり所が悪かったのか、ハクロは目を回しているか‥」
これでも一応国滅ぼしの魔物なためか、あの猛攻を受けて服が駄目になっていても、彼女の身体には目立った外傷は見られない。
案外強いからだだったようだが、それでも状況としては最悪‥‥いや、待てよ。
よく見れば、オークキングの歩む方向は確かに僕らの方だが、その顔は野郎共には向いていない。
舌なめずりをしているような憎々しい顔で見ているのは、ハクロの方で‥‥‥この瞬間、奴の狙いに気が付く。
「そうか、ハクロを…!!」
頑丈だっただけではないようで、おそらく奴はある程度の振り分けもしていたのだろう。
野郎どもは徹底的に潰す気だったようだが、失われた仲間を回復するためには相手が必要であり‥・・・そこに、ハクロを狙ったのか。
「そんなこと、そんなこと…‥‥絶対にさせるかぁぁぁぁぁ!!」
全員悲鳴を上げるが、そんな事は関係ない。
大事な仲間に対して、彼女に対してそんな地に落ちても汚れ足りない汚泥のような欲望のはけ口にさせるわけにはいかない!!
「動け、動け!!」
ギシギシと嫌な音が立つが、そんなことは構ってられない。
あの攻撃のせいでどこかの骨も折れたようだが、そんな傷みも気にしている暇はない。
その間にも着実にオークキングは近寄ってきており、ハクロの方へ手を伸ばす。
「だから‥‥そんな汚い手で、彼女を‥‥‥‥さわるなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ぶしゃっと口から限界を上げるかのように血も噴き出でて、燃え上がるかのような熱も右手に感じ、本当に燃えているのであればこの一撃で奴を焼き尽くしたい。
【ブモ、ブッグモォォォォォォ!!】
そんな僕の様子に気が付いたのか、トドメを刺してゆっくり彼女を味わうためなのかオークキングがこちらに向き直り、肥大な大きな拳をこちらに振り下ろす。
この一撃がまともに当たれば、それこそ一巻の終わりだろう。
だが、それでも引く訳にはいかない。
‥‥‥次の瞬間、熱を持っていた右手の甲から、何か砕ける音が聞こえたと同時に、急に全身に力が入った。
そして迫りくる拳に対して、迎え撃ち‥・・・・・
ドッバァァァァァァァァァァン!!
何かがはじけ飛ぶような音が聞こえ、ぼとぼとと肉塊が周囲に飛び散り落ちていく。
オークキングは一瞬何が起きたのか理解できなかっただろうが‥‥‥数秒もしないうちに、気が付いたようだ。
【ブ、ブブ・・・・ブグゥ!?】
はじけ飛んだのは、僕の身体でも拳でもない。オークキング自身の片腕だった。
その腕を破ったのは、僕の右手であり、その甲にはこうこうと三日月のような模様が白く浮かび上がり、全身にその光がゆっくりと染み渡る。
そしてすぐに、僕の方の意識は暗転していったのだが…‥‥彼女を守りたいという想いだけは残っており、後はそれに身を任せるのであった‥‥‥
全力で吸い込みまくり、肉を己の糧に、骨を己の弾にして撃ち出す猛攻を見せる。
ドドドドドドド!!
【シュルルル!!めっちゃ早い!!当たったら絶対痛い!!】
「痛いどころじゃない気がするけどなぁ!!」
高速で骨が掠めていくが、通過を許さないように何とか叩き落したりする。
なぜなら後方の方では、先ほどのオークの群れとの戦闘の間に安全かもしれない場所まで避難している護衛対象の馬車があり、そこに直撃したら不味いのだ。
その為、全部をかわしきるだけじゃなくて、届かないように撃ち落とす必要性もあり、難易度が向上していた。
「というか、共食いしてその骨で攻撃っていいのかよ!!」
「どうせ後からまた増えればいいとか思って良そうだが、最悪な攻撃手段だ!!」
「しかも大きなのだけじゃなくて、かみ砕いた奴もあるのがヤバい!!」
当たればいいだけのような攻撃もあるようで、その分厄介さも跳ね上がっている。
各自、剣や斧、大槌にその他防具で防ぐこともできているのだが、それでもダメージは蓄積していく。
相手の数が減るのでこの攻撃によってより脅威を減らせそうなものなのだが、喰らえば喰らうほどどんどん大量の骨が襲い掛かる猛攻が増えていく。
「でもいつかは尽きるよな!!」
「頭数は着実に減っているが、それでもかみ砕いて増やしたりとかして、結構きつい!!」
喰われていいのかと思うのだが、キングの糧になるならばと命を投げ捨てるかのように、大人しく吸い込まれて食べられていくオークたち。
そのオークたちの思いを乗せて、全部の骨を撃ち続ける様は王として同なのかと思うところもある。
【グラグラグァァァ!!】
【シュルル!!行くよ、合体必殺技!!】
ラナの宝箱の身体に糸を巻き付け、勢いよくハクロが振り回す。
元々はラナ自身への攻撃に使用されていたが、意思を持って一緒に攻撃を転じる事で、最高の防御を最大の攻撃に転嫁する。
【グラァァァァッァア!!】
【『ラ~ナ、スイングインパクトォ』!!】
ボンバーズを投げた時よりも、更に回転と勢いを増して解き放たれて、凄まじい速さでラナが飛翔していく。
防御力だけならばこの面子の中でぴか一を誇る宝箱ボディは、最強の鈍器にもなるのだ。
強固なボディだからこそ、吐き出される骨の弾幕にもへっちゃらで、骨の大河を登っていく。
かなり全力で投げ飛ばしたので徐々に減速しても力は強く、このまま行けば直撃する‥‥と思っていた、その時だった。
【ブモバァァァァァァァ!!】
【グラ!?】
何をおもったのか、オークキングは吐き出すのを止め、再び吸い込みの体制をとった。
しかも先ほどよりもさらに大きく口を開いており、顎も外れているのではないかと思うほどの大口を開け‥‥‥
ガボン!!
「うっそ!?」
【ラナが食べられちゃった!?】
そこそこのサイズの宝箱のボディだというのに、それを大きく口を開いただけで中に吸い込んだ。
そのまま飲み込むかと思われたが、流石にきついのかそうはせず・・・・・
ドッブォォォォォォン!!
【グラァァァァァァァァァ!?】
骨たちと同じように勢いよく吐き出された。
しかも角度がかなり下であり、僕等に直撃させるのではなく、地面を狙ったようだ。
ドッゴォォォォォォン!!
「うぉぉぉい!?あの宝箱の従魔、大丈夫なのか!?」
「この程度なら、まだびくともしないけど‥‥」
「あ、やられたなこれ!!かなり深く埋まって、すぐには出てこれねぞ!!」
かなりの強度を持っていることで、いざとなれば盾となって防ぐ光景を予想していたのか、ラナを使えないようにするために地面に無理矢理めり込ませる勢いで吐いたらしい。
その思惑は的中していたようで、ラナ自身にはダメージは無さそうだが、それでもすぐに戦線に復帰できない状態にされた。
それはつまり、今すぐにでも逃げ込める場所がなくなったわけであり、相手はラストスパートをかける。
【ブモアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!】
大きく開いた口はそのまま利用して、まだそこそこの数があったオークたちを全部まとめて喰らいつくす。
飲み込んで膨れ上がった身体はさらに大きくなり、じゅわぁぁぁっと何やら蒸気も噴き出してきており、体内で肉を溶かし己の糧として、全部をエネルギーとして転換したようだ。
【ブブッギュア、ブォォォォォォォォォン!!】
オークキング一体だけになったのに、それでも良いというように全てのオークたちの身が食い尽くされ、転換されたエネルギーによって骨の暴風が吹き荒れる。
荒く、それでいて丁寧にと矛盾しているような組み合わせでありながらもより細かく鋭くなった骨が僕らに襲い掛かる。
ズダダダダダダダ!!
「ぎゃああああ!!」
「やっべぇ、鎧がぁぁぁ!!」
先ほどまでならばなんとか防ぎきれたが、この骨暴風は防ぎきれず、爆炎騎士団の鎧が砕け散り、大槌が折れる。
そしてかなりの頑丈性を誇るはずのハクロの糸で出来た衣服もボロボロにされ、暴風が済んだ時にはすでに、僕等は満身創痍な状態になっていた。
「ぐぐぐ・・・」
「い、いでぇ・・・骨で骨が・・・」
たった一体の魔物相手なのに、かなりヤバい状況だ。
全員ズタボロで身動きがし辛い中、弾となる仲間がいなくなったオークキングが歩んでくる。
こちらが動けなくなっているのをいいことになぶり殺しにでもしてくる気か、それとも‥
【…‥‥キュゥ】
「当たり所が悪かったのか、ハクロは目を回しているか‥」
これでも一応国滅ぼしの魔物なためか、あの猛攻を受けて服が駄目になっていても、彼女の身体には目立った外傷は見られない。
案外強いからだだったようだが、それでも状況としては最悪‥‥いや、待てよ。
よく見れば、オークキングの歩む方向は確かに僕らの方だが、その顔は野郎共には向いていない。
舌なめずりをしているような憎々しい顔で見ているのは、ハクロの方で‥‥‥この瞬間、奴の狙いに気が付く。
「そうか、ハクロを…!!」
頑丈だっただけではないようで、おそらく奴はある程度の振り分けもしていたのだろう。
野郎どもは徹底的に潰す気だったようだが、失われた仲間を回復するためには相手が必要であり‥・・・そこに、ハクロを狙ったのか。
「そんなこと、そんなこと…‥‥絶対にさせるかぁぁぁぁぁ!!」
全員悲鳴を上げるが、そんな事は関係ない。
大事な仲間に対して、彼女に対してそんな地に落ちても汚れ足りない汚泥のような欲望のはけ口にさせるわけにはいかない!!
「動け、動け!!」
ギシギシと嫌な音が立つが、そんなことは構ってられない。
あの攻撃のせいでどこかの骨も折れたようだが、そんな傷みも気にしている暇はない。
その間にも着実にオークキングは近寄ってきており、ハクロの方へ手を伸ばす。
「だから‥‥そんな汚い手で、彼女を‥‥‥‥さわるなあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ぶしゃっと口から限界を上げるかのように血も噴き出でて、燃え上がるかのような熱も右手に感じ、本当に燃えているのであればこの一撃で奴を焼き尽くしたい。
【ブモ、ブッグモォォォォォォ!!】
そんな僕の様子に気が付いたのか、トドメを刺してゆっくり彼女を味わうためなのかオークキングがこちらに向き直り、肥大な大きな拳をこちらに振り下ろす。
この一撃がまともに当たれば、それこそ一巻の終わりだろう。
だが、それでも引く訳にはいかない。
‥‥‥次の瞬間、熱を持っていた右手の甲から、何か砕ける音が聞こえたと同時に、急に全身に力が入った。
そして迫りくる拳に対して、迎え撃ち‥・・・・・
ドッバァァァァァァァァァァン!!
何かがはじけ飛ぶような音が聞こえ、ぼとぼとと肉塊が周囲に飛び散り落ちていく。
オークキングは一瞬何が起きたのか理解できなかっただろうが‥‥‥数秒もしないうちに、気が付いたようだ。
【ブ、ブブ・・・・ブグゥ!?】
はじけ飛んだのは、僕の身体でも拳でもない。オークキング自身の片腕だった。
その腕を破ったのは、僕の右手であり、その甲にはこうこうと三日月のような模様が白く浮かび上がり、全身にその光がゆっくりと染み渡る。
そしてすぐに、僕の方の意識は暗転していったのだが…‥‥彼女を守りたいという想いだけは残っており、後はそれに身を任せるのであった‥‥‥
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