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1章 旅立ちと始まり
1-49 煮えたぎるのは、愚かな炎
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‥‥‥国滅ぼしの魔物に関しての情報は、多くあるわけでもない。
いや、そんなに数多くあったらどれだけの数の国々が滅ぼされまくっているのだろうかというツッコミが入るというのもあるだろう。
とにもかくにも、国滅ぼしの魔物に関しての情報は出まわりにくく、よく聞くような類ぐらいしか表に出るようなことがないのである。
そんな中である日、例外とでも言うようにとある国滅ぼしの魔物の情報が国から出され、迂闊に手を出さないようにという通知が出たのだが…‥‥どのようなものなのか深く理解することがないものも、当然出てしまうのであった。
「…‥‥それで、王都まであとちょっとなところで、突然襲撃をしてきた全員がハクロを狙いに来た人たちってことで良いのかな?」
「ぐ‥‥‥」
爺ちゃんは言っていた。滅茶苦茶怪しい人たちが情報を漏らさないように、歯の奥に毒を仕込んでいざという時に自害して情報を漏らさないようにすることがあるという話を。
中には体の中に爆薬を仕掛け、情報を探ろうとしたものもまとめてなかったことにしようとする者もいるようで、最後まで油断できないことがあると。
そんな話を聞いて、僕に対して何を聞かせているんだとツッコミをいれた時もあったが‥‥‥どうやらその話は今、役立ったようであった。
【シュルル‥‥抜歯したけど、全部紫色だよ】
「毒を仕込んでいるとか、予想したけどまさか全員って‥‥‥どれだけ命がけなの」
王都へ向かう道中、夕暮時の就寝前準備中に突然僕らは襲撃を受けた。
どうやらかなり気配を消すのがうまい相手だったようで、接近して来るまで気が継事はできなかったのだ。
そのあたりは僕らの方の油断もあったのだろうが…‥‥そこで思わぬ悲劇があり、喜劇ともなった。
「まさか、仕掛けている途中の罠全部が、どさくさに紛れて全部一気に発動するとはなぁ‥‥‥ラナで寝るようになって安全性が確保されたけど、それでも万が一に備えていた対策がココで役に立つとはね」
【一人の襲撃に気が付いて、思わず投げちゃって‥‥‥落下先にまだ仕掛中の罠があって、連鎖的になるとは思わなかったかも】
【グラグララ】
だんだん人の言葉をうまく話せるようになったハクロの言葉に対して、僕等はうんうんと頷く。
罠を仕掛けている光景も見て避けていたのだろうが、偶然発動するとは予想し切れていなかったようで、罠を回避中の人から順に悲惨なことになったのである。
投擲して石をぶつける罠が、まさか投擲機そのものが暴力を振るう羽目になるとは。
べたべたのねばねばな粘着糸で捕縛する罠が、全部の毛根に絡みついて引き抜くとは。
落とし穴に落として下で刺して楽に終えさせる罠が、見事に全部回避しつつも変な入り方をしたことで全身の関節が抜けるとは。
その他様々な罠が変な作動の仕方をしてしまったことで、本来の用途とは違う形で作動してしまい‥‥‥おかげで僕らがすぐに対応する前に全滅させたが、襲撃者たちの状態が悲惨なものになってしまった。
具体的に述べると哀れな状態過ぎて同情してしまうほどである。罠も薬と同じく、用法などは適切なものじゃないと、こんなひどい目にあわせてしまうのかぁ。
とにもかくにも、突然の襲撃をどうにかできたのは良かったと言える。
犠牲が出たが、一人として命にかかわるようなことにもなってないので、問題はないと思いたい。月の光でピッカリマンと頭が輝く人もいるようだが気にすることはない。
「でも、情報を吐いてくれたのは良いけど‥‥‥まさか、ほとんどハクロ狙いとはね」
以前、ギルドでハクロに関しての情報で、王城に出向いて確認してもらい、公表してもらったことがあった。
変にやらかす人が出る前の策としてやっていたのだが、どうやら十分に知識がいきわたっていなかったというか、「自分ならば大丈夫だろう」みたいな根拠のない自信を抱いた人たちもいたようで、今回の襲撃者たちを雇い襲わせてきたようだ。
【私、美味しくないのに何でだろう?】
「いや、味とか関係ないとは思うよ」
ちなみに噂では、タラテクト系の魔物の中にはゆでて食べることが出来る種類もあるそうで、高級珍味として取り扱われていることがあるらしい。
なのでその可能性も否定できなくもないのだが…‥‥彼女を食べるって、そんなことできると思うか?
「とりあえず、Cランク冒険者に対しての敵対行動‥‥‥正当な理由がないなら、ギルドを通して苦情を入れるからね。場合によっては、あなたがたが仕えている家の依頼を、ギルドが受け付けなくなるよ」
「「「「…‥‥」」」」
僕の言葉に対して、襲撃者たちは全員黙り込む。
いや、一部顔が潰れたパンみたいになっている人もいるし、自害されない様に毒があるような歯を抜かれてまともに話せない人も多いだけなのかもしれない。
とにもかくにも、そろそろ王都まで近くなってきたところで、厄介事の気配も近付いてきたようであった‥‥‥‥
「くそぅ、こんなアホみたいなやられ方をするとは…」
「戦闘してならまだしも、偶然作動した罠にみんなかかるって、醜態をさらし過ぎた‥‥」
「ひぃぃん、鼻毛が全部ねぇ、眉毛もねぇ、髪の毛もねぇよぉ」
‥‥‥あれ?これ喋れないとかじゃなくて、偶然だったけど見事な間抜けな捕まりに恥じている人が多いだけか?
うん、抜けた人にはちょっと気の毒なので、爺ちゃん直伝の毛生え薬でもかけておくべきかな?結構年を取っていたけど、ふさふさだったし効果はあるとは思う。でも全部治す意味もないし、まだら模様にしてあげるのもありか。
いや、そんなに数多くあったらどれだけの数の国々が滅ぼされまくっているのだろうかというツッコミが入るというのもあるだろう。
とにもかくにも、国滅ぼしの魔物に関しての情報は出まわりにくく、よく聞くような類ぐらいしか表に出るようなことがないのである。
そんな中である日、例外とでも言うようにとある国滅ぼしの魔物の情報が国から出され、迂闊に手を出さないようにという通知が出たのだが…‥‥どのようなものなのか深く理解することがないものも、当然出てしまうのであった。
「…‥‥それで、王都まであとちょっとなところで、突然襲撃をしてきた全員がハクロを狙いに来た人たちってことで良いのかな?」
「ぐ‥‥‥」
爺ちゃんは言っていた。滅茶苦茶怪しい人たちが情報を漏らさないように、歯の奥に毒を仕込んでいざという時に自害して情報を漏らさないようにすることがあるという話を。
中には体の中に爆薬を仕掛け、情報を探ろうとしたものもまとめてなかったことにしようとする者もいるようで、最後まで油断できないことがあると。
そんな話を聞いて、僕に対して何を聞かせているんだとツッコミをいれた時もあったが‥‥‥どうやらその話は今、役立ったようであった。
【シュルル‥‥抜歯したけど、全部紫色だよ】
「毒を仕込んでいるとか、予想したけどまさか全員って‥‥‥どれだけ命がけなの」
王都へ向かう道中、夕暮時の就寝前準備中に突然僕らは襲撃を受けた。
どうやらかなり気配を消すのがうまい相手だったようで、接近して来るまで気が継事はできなかったのだ。
そのあたりは僕らの方の油断もあったのだろうが…‥‥そこで思わぬ悲劇があり、喜劇ともなった。
「まさか、仕掛けている途中の罠全部が、どさくさに紛れて全部一気に発動するとはなぁ‥‥‥ラナで寝るようになって安全性が確保されたけど、それでも万が一に備えていた対策がココで役に立つとはね」
【一人の襲撃に気が付いて、思わず投げちゃって‥‥‥落下先にまだ仕掛中の罠があって、連鎖的になるとは思わなかったかも】
【グラグララ】
だんだん人の言葉をうまく話せるようになったハクロの言葉に対して、僕等はうんうんと頷く。
罠を仕掛けている光景も見て避けていたのだろうが、偶然発動するとは予想し切れていなかったようで、罠を回避中の人から順に悲惨なことになったのである。
投擲して石をぶつける罠が、まさか投擲機そのものが暴力を振るう羽目になるとは。
べたべたのねばねばな粘着糸で捕縛する罠が、全部の毛根に絡みついて引き抜くとは。
落とし穴に落として下で刺して楽に終えさせる罠が、見事に全部回避しつつも変な入り方をしたことで全身の関節が抜けるとは。
その他様々な罠が変な作動の仕方をしてしまったことで、本来の用途とは違う形で作動してしまい‥‥‥おかげで僕らがすぐに対応する前に全滅させたが、襲撃者たちの状態が悲惨なものになってしまった。
具体的に述べると哀れな状態過ぎて同情してしまうほどである。罠も薬と同じく、用法などは適切なものじゃないと、こんなひどい目にあわせてしまうのかぁ。
とにもかくにも、突然の襲撃をどうにかできたのは良かったと言える。
犠牲が出たが、一人として命にかかわるようなことにもなってないので、問題はないと思いたい。月の光でピッカリマンと頭が輝く人もいるようだが気にすることはない。
「でも、情報を吐いてくれたのは良いけど‥‥‥まさか、ほとんどハクロ狙いとはね」
以前、ギルドでハクロに関しての情報で、王城に出向いて確認してもらい、公表してもらったことがあった。
変にやらかす人が出る前の策としてやっていたのだが、どうやら十分に知識がいきわたっていなかったというか、「自分ならば大丈夫だろう」みたいな根拠のない自信を抱いた人たちもいたようで、今回の襲撃者たちを雇い襲わせてきたようだ。
【私、美味しくないのに何でだろう?】
「いや、味とか関係ないとは思うよ」
ちなみに噂では、タラテクト系の魔物の中にはゆでて食べることが出来る種類もあるそうで、高級珍味として取り扱われていることがあるらしい。
なのでその可能性も否定できなくもないのだが…‥‥彼女を食べるって、そんなことできると思うか?
「とりあえず、Cランク冒険者に対しての敵対行動‥‥‥正当な理由がないなら、ギルドを通して苦情を入れるからね。場合によっては、あなたがたが仕えている家の依頼を、ギルドが受け付けなくなるよ」
「「「「…‥‥」」」」
僕の言葉に対して、襲撃者たちは全員黙り込む。
いや、一部顔が潰れたパンみたいになっている人もいるし、自害されない様に毒があるような歯を抜かれてまともに話せない人も多いだけなのかもしれない。
とにもかくにも、そろそろ王都まで近くなってきたところで、厄介事の気配も近付いてきたようであった‥‥‥‥
「くそぅ、こんなアホみたいなやられ方をするとは…」
「戦闘してならまだしも、偶然作動した罠にみんなかかるって、醜態をさらし過ぎた‥‥」
「ひぃぃん、鼻毛が全部ねぇ、眉毛もねぇ、髪の毛もねぇよぉ」
‥‥‥あれ?これ喋れないとかじゃなくて、偶然だったけど見事な間抜けな捕まりに恥じている人が多いだけか?
うん、抜けた人にはちょっと気の毒なので、爺ちゃん直伝の毛生え薬でもかけておくべきかな?結構年を取っていたけど、ふさふさだったし効果はあるとは思う。でも全部治す意味もないし、まだら模様にしてあげるのもありか。
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