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1章 旅立ちと始まり
1-48 収穫はあり、ひとまず第一の目的までもうちょっとで
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‥‥‥ダンジョンからも帰還し、今回は収穫があったと言えるだろう。
「飛ばし、戻せる斧‥‥‥『テレポートアックス』という名の魔道具で決定したとして、これが今回の収穫として一番良いよね」
【シュルル、大キナ斧、手元スグニ戻ルノ便利♪】
【グラグラァ】
ダンジョン内で得た素材も売却し、旅の資金も十分潤った。
道中のやりたいことはだいぶできてきたので、ココから出ていよいよ今回の目的地の一つ、王都へ辿り着く道へ向かうだけである。
「ダンジョンシティから出て、王都のギルドで一旦過ごして、そこから世界を見て回るために別の場所へ・・・・・といっても、具体的な行先が迷うなぁ」
宿屋に泊り、明日にはここを発つことにしているのだが、この後の目的に関して僕らは話し合っていた。
メルドグランド王国の王都に着いた後の予定として、ふわっとしたものでは他国へ向かうというのがある。
爺ちゃんの遺言通り、世界を見て回る予定なのだがそのためにもどこにどのようなものがあるのか、事前に知識をある程度付けておいた方が良い。
その為、ギルドの方で国々に関しての本があったので借りて読んでみたのだが、選択肢が増える分迷いやすくもなる。
―――――
『ゴルゾンボル王国』
王政の国ではあるが、現在王位継承権争いが表面化してきており、内情がやや不安なところがある国。
また、古代遺跡などが領内のあちこちに点在しており、他国の学者たちが調査に向かい、交流し合って知識を深めている国でもある。
『フォレールン神聖国』
魔物は絶対悪という教えを国教としている宗教国家。
ただ、魔物由来の素材も悪としているせいで質が微妙なものが多く、一説では魔物の素材が優れているのが許せねぇというような人がやらかしたものええはないかと言われている。
『ベロニアック公国』
王政ではなく民主制に移行した国。
巨大会議場ベロニアック会議場が観光名所ともなっており、誰でも自由に政治の場を見学し、日によっては抽選で飛び入りで意見を出すことが出来るなどの政治が行われている。
『ゲルマンゾウ帝国』
皇帝が治めている、軍事国家。
活発に活動して近隣諸国に戦争を仕掛けることが多かったが、十数年ほど前に活動が停止しており、現在は戦争の気配が薄れつつある。
『ガルシア亡国』
失われた国だが、今なお領土はどこの国も割譲しておらず、国としての体が無くなっているはずなのに今もなお国として残されている国。
その理由としては恐ろしいほど土壌が汚染された跡地となっているからであり、毒に強かったり毒そのものな魔物だとしても寄り付くことがない場所となっている。
―――――
その他、小国や群体国家、海の先にある島国などもあるようだが、メルドグランド王国から向える国としてはこの国々があるらしい。
少なくとも、神聖国に関してはハクロにラナがいるので寄り付くのは厳しいので向かうことはないが、そうなると他の選択肢としては…‥‥
「んー、どこが良いのやら」
【選択肢、亡国モナイヨ?】
「いや、ここってどうやら特殊な乗り物で見て回るツアーもあるらしくて、行けないってことはないんだよ。汚染された土壌さえどうにかできれば資源が豊富でもあるらしく、今も他の国々が占領できないとはいえ、色々とみられているらしいんだよね」
汚染がどういったものか具体的な情報はないのだが、聞いた話では景色としては通常では見ることができない摩訶不思議なものもあるようで、これはこれで興味を引くところがある。
でも、できればもうちょっと情報も欲しいからやっぱりそこの選択肢もないかな?
「そう考えると‥‥‥政情がちょっと不安定らしいけれど、そんなすぐに大変動しないだろうし、ゴルゾンボル王国を王都の次の目的地にしようかな?ダンジョンで会ったあるフレッドさんが確か、その国の出身とか言っていたし、再会できる可能性があるよね」
【シュル、賛成。イザトナレバ全力逃亡デスム話ダモノ】
【グラグラ】
満場一致で、王都の次に目指す場所を決めたところで、そろそろ就寝の時間となり、部屋の明かりを消して眠りにつく。
野外とは違ってこういう宿で泊まれるのは楽なんだよなぁ。ラナに入って寝るのも安心感はあるけど、やっぱりこういうしっかりした寝床が欲しくもあるのだ。
「ついでに、拠点とかももうちょっと先で考えたほうが良いかな?冒険者たちはあちこち回ることが多いけど、拠点を構えているところがあると聞くしね」
爺ちゃんと暮らしていた家があるが、あそこは結構ヤバめの魔物が多い森の中だ。
だとすると、別の場所が望ましいのだがそこはまだ選ぶことが出来ていない。
こういう事も見越して爺ちゃんは世界を見て回れって遺言残したのだろうか?一か所に留まるのであれば、どういう場所なのか知見を広め、選択できるようにしろという事だったのか。
とにもかくにも今は明日に備えてぐっすり眠る方を優先して、意識を深く落としていくのであった‥‥‥
「飛ばし、戻せる斧‥‥‥『テレポートアックス』という名の魔道具で決定したとして、これが今回の収穫として一番良いよね」
【シュルル、大キナ斧、手元スグニ戻ルノ便利♪】
【グラグラァ】
ダンジョン内で得た素材も売却し、旅の資金も十分潤った。
道中のやりたいことはだいぶできてきたので、ココから出ていよいよ今回の目的地の一つ、王都へ辿り着く道へ向かうだけである。
「ダンジョンシティから出て、王都のギルドで一旦過ごして、そこから世界を見て回るために別の場所へ・・・・・といっても、具体的な行先が迷うなぁ」
宿屋に泊り、明日にはここを発つことにしているのだが、この後の目的に関して僕らは話し合っていた。
メルドグランド王国の王都に着いた後の予定として、ふわっとしたものでは他国へ向かうというのがある。
爺ちゃんの遺言通り、世界を見て回る予定なのだがそのためにもどこにどのようなものがあるのか、事前に知識をある程度付けておいた方が良い。
その為、ギルドの方で国々に関しての本があったので借りて読んでみたのだが、選択肢が増える分迷いやすくもなる。
―――――
『ゴルゾンボル王国』
王政の国ではあるが、現在王位継承権争いが表面化してきており、内情がやや不安なところがある国。
また、古代遺跡などが領内のあちこちに点在しており、他国の学者たちが調査に向かい、交流し合って知識を深めている国でもある。
『フォレールン神聖国』
魔物は絶対悪という教えを国教としている宗教国家。
ただ、魔物由来の素材も悪としているせいで質が微妙なものが多く、一説では魔物の素材が優れているのが許せねぇというような人がやらかしたものええはないかと言われている。
『ベロニアック公国』
王政ではなく民主制に移行した国。
巨大会議場ベロニアック会議場が観光名所ともなっており、誰でも自由に政治の場を見学し、日によっては抽選で飛び入りで意見を出すことが出来るなどの政治が行われている。
『ゲルマンゾウ帝国』
皇帝が治めている、軍事国家。
活発に活動して近隣諸国に戦争を仕掛けることが多かったが、十数年ほど前に活動が停止しており、現在は戦争の気配が薄れつつある。
『ガルシア亡国』
失われた国だが、今なお領土はどこの国も割譲しておらず、国としての体が無くなっているはずなのに今もなお国として残されている国。
その理由としては恐ろしいほど土壌が汚染された跡地となっているからであり、毒に強かったり毒そのものな魔物だとしても寄り付くことがない場所となっている。
―――――
その他、小国や群体国家、海の先にある島国などもあるようだが、メルドグランド王国から向える国としてはこの国々があるらしい。
少なくとも、神聖国に関してはハクロにラナがいるので寄り付くのは厳しいので向かうことはないが、そうなると他の選択肢としては…‥‥
「んー、どこが良いのやら」
【選択肢、亡国モナイヨ?】
「いや、ここってどうやら特殊な乗り物で見て回るツアーもあるらしくて、行けないってことはないんだよ。汚染された土壌さえどうにかできれば資源が豊富でもあるらしく、今も他の国々が占領できないとはいえ、色々とみられているらしいんだよね」
汚染がどういったものか具体的な情報はないのだが、聞いた話では景色としては通常では見ることができない摩訶不思議なものもあるようで、これはこれで興味を引くところがある。
でも、できればもうちょっと情報も欲しいからやっぱりそこの選択肢もないかな?
「そう考えると‥‥‥政情がちょっと不安定らしいけれど、そんなすぐに大変動しないだろうし、ゴルゾンボル王国を王都の次の目的地にしようかな?ダンジョンで会ったあるフレッドさんが確か、その国の出身とか言っていたし、再会できる可能性があるよね」
【シュル、賛成。イザトナレバ全力逃亡デスム話ダモノ】
【グラグラ】
満場一致で、王都の次に目指す場所を決めたところで、そろそろ就寝の時間となり、部屋の明かりを消して眠りにつく。
野外とは違ってこういう宿で泊まれるのは楽なんだよなぁ。ラナに入って寝るのも安心感はあるけど、やっぱりこういうしっかりした寝床が欲しくもあるのだ。
「ついでに、拠点とかももうちょっと先で考えたほうが良いかな?冒険者たちはあちこち回ることが多いけど、拠点を構えているところがあると聞くしね」
爺ちゃんと暮らしていた家があるが、あそこは結構ヤバめの魔物が多い森の中だ。
だとすると、別の場所が望ましいのだがそこはまだ選ぶことが出来ていない。
こういう事も見越して爺ちゃんは世界を見て回れって遺言残したのだろうか?一か所に留まるのであれば、どういう場所なのか知見を広め、選択できるようにしろという事だったのか。
とにもかくにも今は明日に備えてぐっすり眠る方を優先して、意識を深く落としていくのであった‥‥‥
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