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3章 学園中等部~
3-15 かくかくしかじかと説明はしつつも
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‥‥‥寮の自室に落下してきた鎧の人物。
その正体はこのエルスタン帝国の第1皇女らしいが‥‥‥どういう訳か彼女は今、その記憶を失っていた。
「‥‥‥本当にアリスのようだが‥‥‥それでも、思い出せないのだろうか?」
「すいません、わたしがここの皇女だと言われましても…‥‥わからないのです」
エルスタン帝国の王城内にて、僕らは王城の方へ事情説明も兼ねて連れてこられ、謁見室にいた。
ガルバンゾー先生も一緒でありつつ、謁見室には皇帝陛下や正妃様もいるのだが、両親を見ても彼女は自分が誰なのか思い出せないようだ。
「むぅ‥‥‥だが、間違いなく、わたしたちの娘なのだが…‥‥記憶が無いとはな」
「報告を聞いて、体に大怪我などが無いのは良かったのですけれども…‥‥記憶を失うなんて」
深刻そうな顔でそう口にする皇帝陛下に、悲しそうな顔をする正妃様。
無理もないだろう、大事な子供の記憶が失われているのだから。
なお、皇帝陛下たちの方からも話が合ったが、どうやら皇女様は現在、行方不明だったらしい。
どこかのダンジョンのトラップによって飛ばされてしまったそうで、現在捜索にのろうとしていたところだったらしいが、その前に僕らのところへ落ちて来たようである。
【帰らずの穴底‥‥‥あれ?なんか聞いたことがあるような‥?】
その落ちた場所に関しての話題が出た時に、ハクロが気になるようなそぶりを見せたが、今はまずこの事態に関しての話である。
「アルスよ、妻から話を聞いているのだが、お前は様々な薬を精製できるのだな?だったら、我が娘の記憶を戻せるような薬は作れぬか?」
「それが…‥‥想像しづらいせいなのかできていません」
正妃様経由でその能力は知られているが、どういう訳か記憶を戻せるような薬が生成できない。
不老不死とかそこまで行きすぎる類でもないはずだし、忘却の薬なども作れたはずだが…‥‥記憶を戻せる薬ができないのである。
おそらくは、その戻すためのイメージが付きにくいのが原因であり、そこさえ解決できればどうにか精製できるだろうけれども…‥‥記憶を戻すイメージって、どういうのがあるんだっけか。
「そう言う面はむしろ、正妃様の方が分かるような‥‥‥何かいい案はないでしょうか?」
「そうね…‥‥あるとすれば刺激かしら?」
「刺激?」
「ええ、そうね…‥‥頭に思いっきり衝撃を与えるような…‥‥記憶喪失って、大抵そう言うので起きるイメージが無いかしら?」
なるほど‥‥‥そう言う考えもあるのか。
言われてみれば確かに、金盥だとかハンマーだとか、何か物理的な攻撃で無理やり治すかのような…‥‥
「‥‥‥できたとして、そのイメージ通りの薬ができたらそれはそれで不味い気がしてきたのですが」
「それもそうよね…‥‥」
なんかこう、塗り薬ならぬ殴り薬みたいなのを想像しかけたんだが。
しかもできそうな予感がしたのだけど、流石に一国の皇女をそんな物理的にやって大丈夫なわけがない。
「とはいえ、試しにちょっと精製‥‥」
もうちょっとマイルドに、頭に衝撃を与えるのであれば殴る以外にももっと別の方法があるはず。
そう、例えるのであれば頭にキーンっと響くようなかき氷の一気食いみたいな効果のある薬を‥‥‥‥
ぽんっ
「あ、できた」
思いのほかあっさりと、手の中に薬が生成される。
小瓶ではあるが、かき氷のイメージが影響したのか、氷のような印象の薬瓶であり、持った感じとしてはひんやりとしているだろう。
「おお!!本当か!!」
「とはいえ、本当にそのような効果が出るとは限らないのですが…‥‥一応、仮の名称を付けるならば思い出し薬ですし、記憶喪失の治療薬になるのかは不明ですよ?」
「であれば、まずは誰かに呑ませて、記憶を思い出せるかどうか実験したほうがいいのではないか?」
ガルバンゾー先生の言葉に、僕らは納得して手を打つ。
うん、確かに何ごともまずは実験が必要だし…‥‥記憶を思い出すと言っても、どの程度の作用があるのかがわからないからね。
そう思いつつ、どうしたものかと皇帝陛下に相談したところ、正妃様が自ら実験台の候補に挙がった。
「わたくしがやりますわ。愛する娘の記憶を思い出させるためにも、先ず母が犠牲にならなければいけませんもの」
「そこまでやるな!!いや、娘のためならばむしろ父親である余がやるべきだろう!!アルス、その薬を少しだけ渡してくれ!」
「は、はい!」
一応、胃薬などのことで信頼は得ているが、未知の薬の効果がどの程度なのかわからない。
なので、できれば使用人とかそう言う人辺りにでもと思っていたが‥‥‥国のトップの二人がやろうとするとは思わなかった。
うん、判断するには少し危ないかもしれないが、国のトップの前に親として、子のためにできるのであればやってあげたいのだろう。
そう考えると無理に止めることはできないし、皇帝陛下の命令なので無理に逆らわず、用法容量の確認のために、まずは軽く一滴を皇帝陛下の指先に垂らし、舐めてもらう。
「ぺろっと…‥‥おうっふぅ!?」
「どうされましたか、皇帝陛下!?」
「あ、頭に今、すごい傷みが‥‥‥‥あ、なんか思い出し…‥‥しまったあぁぁああああああああああああ!!」
たった一滴で頭を押さえた陛下に、何事かと僕らは慌てたが、何やら皇帝陛下は思い出したようで、急に叫ぶ。
「な、何を思いだしたのでしょうか?」
「何をと言うか、非常に不味い物だ!!すっかり忘れていたが、アレが妻に見つかるのは不味い!!」
「何かしら?」
「それは色々と男としての‥‥‥‥あ」
‥‥‥皇帝陛下って、うっかりさんと言うべきなのか。
と言うか、思い出し薬だけど、もしかしてこれ、自白剤を間違って作ったのではないかと自分で作っておきながらそう疑いたくなった。
ただ一つ、言えるのであれば…‥‥今の皇帝陛下の自白のおかげで、皇女の記憶を失っていた悲しい雰囲気が払拭されたことぐらいであろうか。
その代償は、正妃様からの凄まじい威圧ではあったが。
「‥‥‥さてと、とりあえずあの人はあれで良いとして…‥‥効果は本物のようね。これで、娘の記憶が戻ってくれると良いのだけれども」
「あの、お母様というべきなのでしょうが‥‥‥‥お父様と言うべき方をどうしたのでしょうか?」
「ああ、大丈夫よ。あの人は今、頭が疲れて眠っただけですもの」
何が起きたとは言いたくはないが、あえて言うのであれば、皇帝陛下が退場した事ぐらいである。
うん、深く気にしないほうが良いだろう。世の中、どのようなものがあるのかはわからないからね。
とにもかくにも、薬の効果は偉大な犠牲によって証明がされたので、次は皇女様が飲むことになる。
とはいえ、一滴だけでもあそこまでの反応を見ると、全部を一気に飲ませるのは危険な気がしなくもないのだが…‥‥そこは少しづつ、飲んで試すらしい。
「それじゃ、いきますよ‥‥‥っ!!」
ゆっくり飲みながら、顔をしかめる皇女様。
かき氷を急いで食べた際になる、キーンとした感覚を味わっているのだろうが、それでも記憶を取り戻すためには引き返したくはないらしく、ゆっくりながらも着実に飲んでいく。
そして、全部を飲み干した後…‥‥しばらく頭を抑え込みつつ、手を離せば…‥‥その表情は、記憶を失った少女の不安げな顔ではなくなっていた。
「‥‥‥思い出しました‥‥‥いや、思い出したというべきか、より詳細を思い出せたというか‥‥‥そうだ、わたしは…‥‥エルスタン帝国の‥‥‥いえ、日本の‥‥‥」
「「え?」」
‥‥‥皇女の言葉を聞いていた時に、出てきた単語。
その言葉に対して、聞き覚えのある僕と正妃様は共に驚きの声を上げる。
まさかとは思うが、今の思い出し薬で…‥‥
「‥‥‥え?まって?わたし、わたしってなんで、皇女?わたしは確か元々は…‥‥えええええええええええ!?どうなっているのよこれ!?」
「落ち着いて、アリスちゃん。わたくしのことが分かるかしら?」
「え、ええ。わたしのお母様‥‥‥この世界の正妃様で…‥‥何でわたしが、正妃様の子供に!?皇女って何てルートなの!?いえ、何てゲームなの!?」
「‥あの、一つ聞いて良いでしょうか、皇女様」
「何よ?」
「ゲームだとか日本だとか‥‥‥‥貴女の本当の名前は何でしょうか?」
「わたしの名前は柊木有栖で‥‥‥え?でもこの世界の言語とかって、日本語のようなものはないけど、似たようなのは…‥‥」
…‥‥日本、ゲーム、日本語…‥ああ、なんかやらかしちゃったような気がする。
「まさかとは思いますけど、転生したとかそう言う記憶までも思い出したのでしょうか?」
「そうなるのかしら…‥‥いえ、転生したというよりも、単純に起こしてはいけないところを起こしたような‥‥‥」
皇女様の記憶喪失の治療のために作った、記憶思い出し薬。
尊い犠牲によって効果は証明されたのだが…‥‥何やら想定外の効果まで、発揮してしまったらしい。
【キュル?え?どういうことなの?】
「なんかすごい蜘蛛の美人さんがいるんだけど!?いえ、わたしを運んでくれた人なのだけれども、なんかファンタジーなゲームの中にしかいないようなものなんだけど!?」
何かと混乱しているようで、慌てふためく皇女様。
そしてその様子に対して、まさかの思い出し過ぎにあっけにとられる僕と正妃様。
とにもかくにも、記憶の回復をしたようではあったが、本来思い出さないようなところまで、思い出させてしまったようであった‥‥‥‥
「これも、転生者と言うべきなのかな?」
「でも、わたくしたちのように前世の記憶が最初からある者でもないし…‥‥もしかして、隠れ転生者と言うことなのかしら?」
その正体はこのエルスタン帝国の第1皇女らしいが‥‥‥どういう訳か彼女は今、その記憶を失っていた。
「‥‥‥本当にアリスのようだが‥‥‥それでも、思い出せないのだろうか?」
「すいません、わたしがここの皇女だと言われましても…‥‥わからないのです」
エルスタン帝国の王城内にて、僕らは王城の方へ事情説明も兼ねて連れてこられ、謁見室にいた。
ガルバンゾー先生も一緒でありつつ、謁見室には皇帝陛下や正妃様もいるのだが、両親を見ても彼女は自分が誰なのか思い出せないようだ。
「むぅ‥‥‥だが、間違いなく、わたしたちの娘なのだが…‥‥記憶が無いとはな」
「報告を聞いて、体に大怪我などが無いのは良かったのですけれども…‥‥記憶を失うなんて」
深刻そうな顔でそう口にする皇帝陛下に、悲しそうな顔をする正妃様。
無理もないだろう、大事な子供の記憶が失われているのだから。
なお、皇帝陛下たちの方からも話が合ったが、どうやら皇女様は現在、行方不明だったらしい。
どこかのダンジョンのトラップによって飛ばされてしまったそうで、現在捜索にのろうとしていたところだったらしいが、その前に僕らのところへ落ちて来たようである。
【帰らずの穴底‥‥‥あれ?なんか聞いたことがあるような‥?】
その落ちた場所に関しての話題が出た時に、ハクロが気になるようなそぶりを見せたが、今はまずこの事態に関しての話である。
「アルスよ、妻から話を聞いているのだが、お前は様々な薬を精製できるのだな?だったら、我が娘の記憶を戻せるような薬は作れぬか?」
「それが…‥‥想像しづらいせいなのかできていません」
正妃様経由でその能力は知られているが、どういう訳か記憶を戻せるような薬が生成できない。
不老不死とかそこまで行きすぎる類でもないはずだし、忘却の薬なども作れたはずだが…‥‥記憶を戻せる薬ができないのである。
おそらくは、その戻すためのイメージが付きにくいのが原因であり、そこさえ解決できればどうにか精製できるだろうけれども…‥‥記憶を戻すイメージって、どういうのがあるんだっけか。
「そう言う面はむしろ、正妃様の方が分かるような‥‥‥何かいい案はないでしょうか?」
「そうね…‥‥あるとすれば刺激かしら?」
「刺激?」
「ええ、そうね…‥‥頭に思いっきり衝撃を与えるような…‥‥記憶喪失って、大抵そう言うので起きるイメージが無いかしら?」
なるほど‥‥‥そう言う考えもあるのか。
言われてみれば確かに、金盥だとかハンマーだとか、何か物理的な攻撃で無理やり治すかのような…‥‥
「‥‥‥できたとして、そのイメージ通りの薬ができたらそれはそれで不味い気がしてきたのですが」
「それもそうよね…‥‥」
なんかこう、塗り薬ならぬ殴り薬みたいなのを想像しかけたんだが。
しかもできそうな予感がしたのだけど、流石に一国の皇女をそんな物理的にやって大丈夫なわけがない。
「とはいえ、試しにちょっと精製‥‥」
もうちょっとマイルドに、頭に衝撃を与えるのであれば殴る以外にももっと別の方法があるはず。
そう、例えるのであれば頭にキーンっと響くようなかき氷の一気食いみたいな効果のある薬を‥‥‥‥
ぽんっ
「あ、できた」
思いのほかあっさりと、手の中に薬が生成される。
小瓶ではあるが、かき氷のイメージが影響したのか、氷のような印象の薬瓶であり、持った感じとしてはひんやりとしているだろう。
「おお!!本当か!!」
「とはいえ、本当にそのような効果が出るとは限らないのですが…‥‥一応、仮の名称を付けるならば思い出し薬ですし、記憶喪失の治療薬になるのかは不明ですよ?」
「であれば、まずは誰かに呑ませて、記憶を思い出せるかどうか実験したほうがいいのではないか?」
ガルバンゾー先生の言葉に、僕らは納得して手を打つ。
うん、確かに何ごともまずは実験が必要だし…‥‥記憶を思い出すと言っても、どの程度の作用があるのかがわからないからね。
そう思いつつ、どうしたものかと皇帝陛下に相談したところ、正妃様が自ら実験台の候補に挙がった。
「わたくしがやりますわ。愛する娘の記憶を思い出させるためにも、先ず母が犠牲にならなければいけませんもの」
「そこまでやるな!!いや、娘のためならばむしろ父親である余がやるべきだろう!!アルス、その薬を少しだけ渡してくれ!」
「は、はい!」
一応、胃薬などのことで信頼は得ているが、未知の薬の効果がどの程度なのかわからない。
なので、できれば使用人とかそう言う人辺りにでもと思っていたが‥‥‥国のトップの二人がやろうとするとは思わなかった。
うん、判断するには少し危ないかもしれないが、国のトップの前に親として、子のためにできるのであればやってあげたいのだろう。
そう考えると無理に止めることはできないし、皇帝陛下の命令なので無理に逆らわず、用法容量の確認のために、まずは軽く一滴を皇帝陛下の指先に垂らし、舐めてもらう。
「ぺろっと…‥‥おうっふぅ!?」
「どうされましたか、皇帝陛下!?」
「あ、頭に今、すごい傷みが‥‥‥‥あ、なんか思い出し…‥‥しまったあぁぁああああああああああああ!!」
たった一滴で頭を押さえた陛下に、何事かと僕らは慌てたが、何やら皇帝陛下は思い出したようで、急に叫ぶ。
「な、何を思いだしたのでしょうか?」
「何をと言うか、非常に不味い物だ!!すっかり忘れていたが、アレが妻に見つかるのは不味い!!」
「何かしら?」
「それは色々と男としての‥‥‥‥あ」
‥‥‥皇帝陛下って、うっかりさんと言うべきなのか。
と言うか、思い出し薬だけど、もしかしてこれ、自白剤を間違って作ったのではないかと自分で作っておきながらそう疑いたくなった。
ただ一つ、言えるのであれば…‥‥今の皇帝陛下の自白のおかげで、皇女の記憶を失っていた悲しい雰囲気が払拭されたことぐらいであろうか。
その代償は、正妃様からの凄まじい威圧ではあったが。
「‥‥‥さてと、とりあえずあの人はあれで良いとして…‥‥効果は本物のようね。これで、娘の記憶が戻ってくれると良いのだけれども」
「あの、お母様というべきなのでしょうが‥‥‥‥お父様と言うべき方をどうしたのでしょうか?」
「ああ、大丈夫よ。あの人は今、頭が疲れて眠っただけですもの」
何が起きたとは言いたくはないが、あえて言うのであれば、皇帝陛下が退場した事ぐらいである。
うん、深く気にしないほうが良いだろう。世の中、どのようなものがあるのかはわからないからね。
とにもかくにも、薬の効果は偉大な犠牲によって証明がされたので、次は皇女様が飲むことになる。
とはいえ、一滴だけでもあそこまでの反応を見ると、全部を一気に飲ませるのは危険な気がしなくもないのだが…‥‥そこは少しづつ、飲んで試すらしい。
「それじゃ、いきますよ‥‥‥っ!!」
ゆっくり飲みながら、顔をしかめる皇女様。
かき氷を急いで食べた際になる、キーンとした感覚を味わっているのだろうが、それでも記憶を取り戻すためには引き返したくはないらしく、ゆっくりながらも着実に飲んでいく。
そして、全部を飲み干した後…‥‥しばらく頭を抑え込みつつ、手を離せば…‥‥その表情は、記憶を失った少女の不安げな顔ではなくなっていた。
「‥‥‥思い出しました‥‥‥いや、思い出したというべきか、より詳細を思い出せたというか‥‥‥そうだ、わたしは…‥‥エルスタン帝国の‥‥‥いえ、日本の‥‥‥」
「「え?」」
‥‥‥皇女の言葉を聞いていた時に、出てきた単語。
その言葉に対して、聞き覚えのある僕と正妃様は共に驚きの声を上げる。
まさかとは思うが、今の思い出し薬で…‥‥
「‥‥‥え?まって?わたし、わたしってなんで、皇女?わたしは確か元々は…‥‥えええええええええええ!?どうなっているのよこれ!?」
「落ち着いて、アリスちゃん。わたくしのことが分かるかしら?」
「え、ええ。わたしのお母様‥‥‥この世界の正妃様で…‥‥何でわたしが、正妃様の子供に!?皇女って何てルートなの!?いえ、何てゲームなの!?」
「‥あの、一つ聞いて良いでしょうか、皇女様」
「何よ?」
「ゲームだとか日本だとか‥‥‥‥貴女の本当の名前は何でしょうか?」
「わたしの名前は柊木有栖で‥‥‥え?でもこの世界の言語とかって、日本語のようなものはないけど、似たようなのは…‥‥」
…‥‥日本、ゲーム、日本語…‥ああ、なんかやらかしちゃったような気がする。
「まさかとは思いますけど、転生したとかそう言う記憶までも思い出したのでしょうか?」
「そうなるのかしら…‥‥いえ、転生したというよりも、単純に起こしてはいけないところを起こしたような‥‥‥」
皇女様の記憶喪失の治療のために作った、記憶思い出し薬。
尊い犠牲によって効果は証明されたのだが…‥‥何やら想定外の効果まで、発揮してしまったらしい。
【キュル?え?どういうことなの?】
「なんかすごい蜘蛛の美人さんがいるんだけど!?いえ、わたしを運んでくれた人なのだけれども、なんかファンタジーなゲームの中にしかいないようなものなんだけど!?」
何かと混乱しているようで、慌てふためく皇女様。
そしてその様子に対して、まさかの思い出し過ぎにあっけにとられる僕と正妃様。
とにもかくにも、記憶の回復をしたようではあったが、本来思い出さないようなところまで、思い出させてしまったようであった‥‥‥‥
「これも、転生者と言うべきなのかな?」
「でも、わたくしたちのように前世の記憶が最初からある者でもないし…‥‥もしかして、隠れ転生者と言うことなのかしら?」
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