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とある水龍のお話 その2

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……ヤヴァイことになってしまった。

 あと2週間後には、知り合いの竜が遊びに来るとあの者は言っておったが‥‥‥妾、今すごいデブ。

 長年鏡すら見ていなかったが、この体系ではもはや巨大な肉団子としか言えまい。

 このような情けなき怠惰すぎる姿、妾の誇りが許さん!!


【というわけで、ダイエット開始じゃあぁぁぁぁぁ!!】

 その辺の木の皮を剥ぎ、鉢巻き状にして頭に結び、妾は一念発起をして減量をすることにした。



 とはいえ、期間は2週間。減量をするにはやや時間が足らぬ。

 けれども、せめてこの肉団子ではなく、もう少し和らげる程度ならばできるはずじゃろう。


【とは言え、減量の仕方には色々あるのぅ……まずは、手ごろなところから挑むか】










 ダイエットをする際に、断食をする手段があるが、これは無理だろう。

 無理な断食は体に良くはなく、まずは根本的な生活面で運動を取り入れる必要がある。

【まずは軽ーく踊るのじゃ!】

 
 走り込む?飛ぶ?泳ぐ?

 いや、今のこの肉団子の体型では不自由が多いし、動かせるようになる必要性がある。

 そのためには、関節などの滑りや手足の把握、その他体の動かせそうな部位を確認するために、適した方法として踊りを選択した。


 踊りであれば、身体を転がしてもなんとか動けるだろうし、徐々に己の動ける部位を把握できるはずじゃからな。

 音楽が欲しい所じゃが‥‥‥まぁ、それは自力で歌う!!

【では歌いましょう、『水龍運動:1ノ花』!!】






―――――――――――――――――――



‥‥‥水龍の住処に近い村では、ある現象が起きていた。


「おい、なんかおかしくないか?」
「ああ、絶対におかしいだろこれ…‥‥」

 村では井戸水や川の水が作物に使われ、日々の農作業に追われていた。

 だがしかし、今日は何故かその使っている水の様子がおかしい。


「明らかに量が増えているし、水質が向上しているな」
「いやいやいや!!増えすぎだろ!!」

 井戸の水はいつもであれば桶を降ろしてくみ取り、川の水ほぼ同様の手段を取る。

 けれども、今日に限っては水かさが増えており、井戸は降ろさずともあふれかえる水を受け止めれば良いし、川に至っては氾濫とまではいかなくとも周囲一帯を水びだしにしているのである。

「急げ!!さっさとせき止めないと流されるぞ!!」
「いやその前に根腐れするから、高所へ植え替えろ!!」

 あふれ出る水による被害を想像し、大慌てで村は対応に追われる。

 

 数日後、対応をなんとか終えたところで、周囲の村の情報もここに入ってきた。

 どうやら他の近隣の村も同じことが起きたらしく、水が異常に湧き出ていたようだ。

「地下水が増量したのか?いや、それにしては川の水もあふれ出ているし‥‥‥」
「それに、氾濫とかなら泥水になるのに、透き通った綺麗な水だ」
「何が起きているんだ‥‥‥?」

 被害は少なく済んだが、それでもこのあふれ出る水の量はすさまじい。

 疑問に思いつつも、彼らでは、その答えを得ることはできないのであった‥‥‥‥








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