659 / 718
Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~
ver.6.0-71 得られたものは様々で
しおりを挟む
…決戦用兵装、アルテマカノン。
その威力はすさまじく、無事にレイドボスたちのみに直撃しつつも、筋肉集合体に対してはダメージを与えることはなく、想定していた部分は無事にクリアできただろう。
だがしかし、まだまだ扱うには大きすぎる力ゆえに早すぎたのか、この一撃によってグレイ号を含む全艦のダメージがかなり重いものになってしまい、2発目を続けて撃つことができない状態。
これで倒しきれていれば問題は無く、そうでなければ厄介なことになりうる可能性もある。
そう思いつつ、残っている船の機能で周囲一帯を探りつつ…状況を、把握することができた。
「…残念ながら、仕留めそこなったか」
【全体を飲み込むだけの範囲に直撃させましたが、着弾0.0002秒前にザ・サンフラワーのほうが素早く判断し、残すだけの力はあったようデス】
ミサイルや砂漠の力を喰らったシードたちのほうは、反応が完全に消え失せている。
最後の最後に親を超えられなかったのもあるのだろうが、どうやら筋肉たちはこの攻撃の意図をくみ取って、アルテマカノンが当たる前にがっちりとつかんでしたようで、逃げることはできなかったようだ。
だがしかし、元々のレイドボスのほうは大半を吹き飛ばしたが…凝縮された一粒が残っていたようだ。
【データ値確認、シードとは異なって…時間が短すぎたがゆえに全てを与えるのは不可能だったようですが、それでも7割ほどの全データを濃縮した破片がこの海域から逃げようとしていマス】
レーダに反応しているのは、レイドボスだったザ・サンフラワーの残した最後の力。
映像に移せば、真っ赤に燃え上がるような帆のを纏っているひまわりの種のようで、尖っている部分から猛烈な勢いでエネルギーを放出し、全力でこの海域から逃げようとしている姿が見て取れた。
既にレイドボスとしての力を失っているようだが、それでも放置しきることはできない。
どこかで芽吹き、再び返り咲く可能性があるのだ。
『---アルテマカノンの不完全制御により、被害甚大。当艦及び各艦、追跡及び砲撃不可能デス』
どうにか先に潰したいが…悲しいことに、大きな力を振るった代償で、すぐに船は動かせない。
エンジン主力がかなり下がっており、このレーダーによる追跡もかなり限界ギリギリの状態なのだ。
「どうにかしなければいけないけど…ミーちゃんの魔導船で追える?」
「うーん、無理かも。私の船、貨物を運べるパワーがあるけど、スピードではちょっと」
「なら、中三病さんの…あれ?中三病さんは?」
グレイ号や他の船が使えないのであれば、この場にいる他の人のものを使えないか。
そう思い、ミーちゃんからは良い返答が得られなかったので、他の手段として中三病さんに相談しようとしたら…その姿は既に、船の名から失せていた。
ログアウトでもしたのか?いや、違う。
何もせずにいなくなる人ではないが、ならばこの状況から考えられるのは…
ドウォォウ!!
「っと、何の音?」
【艦艇ハッチ、中三病さんの魔導船の発艦…いえ、違いマス。これは、テイムモンスターのものデス!】
―――ザ・サンフラワーだったものは今、全力でこの場から逃亡を行っていた。
シードたちにもあった逃亡の選択だが、親であるこのボスにもまた存在していたようだ。
しかしながら、肉体全てで逃げ切ることはできず、限界ギリギリまで圧縮した己自身の新たな肉体となりうる種の体しかできなかった。
それでも、気にしなくていいだろう。
今、ここで愚かな反乱分子共は片付けられており、あの巨大な攻撃も流石にそう何発も打てない者である可能性があり、万が一にできたとしても、高速で移動すれば照準を容易く定めることはできないはず。
最後に笑うのは、この花の種一粒だけ…そう思っていたが、人の執念をなめていただろう。
ポポポポポップポン!!
何やら軽快な音が、近づいてきている。
何事かと思い、音のしたほうを見れば、そこには一人のプレイヤーがいた。
ただし、この宇宙フィールドで装備なしで出ているのではなく…
「うぉぉぉぉぉ!!出し切れポポゴン!!」
【ポッポォォォン!!】
何やら巨大なトウモロコシのようなモンスターに乗って、加速しながら迫ってきていた。
軽快な音をたてていたのはそのモンスターのようで、その身にまとう一粒ずつの何かがはじけており、その反動を調整して推進力として利用しているらしい。
「アレは何!?」
【データ確認、破裂炸裂爆裂の3拍子がそろった植物系のモンスター『ボッブゴォン』デス】
―――――
『ボッブゴォン』
見た目は巨大なトウモロコシであり、その名前の由来の通り、自身の一部をポップコーンへ変換することができるモンスター。
ただし、そのポップコーンへ変換時には凄まじい勢いで射出する能力があり、これを利用して攻撃や移動手段にすることがある。
―――――
グレイ号の上部モニターで状況を把握し、思わず叫んだハルの言葉に、ロロが解説する。
これぞ中三病がこの宇宙フィールドで切り札としてとっておいたモンスター。
その身に宿す粒をポップコーンに変える時の反動を利用して加速し続け、最後の一粒は攻撃のための勢いにとっておく。
ぐんぐん加速し、迫る中三病。
モンスターを足元から手へ剣のように構えなおし、ザ・サンフラワーの最後の力に対して狙いを定める。
「テイムの条件の中には、全力で相手を打ち破る類もあるというが、これで叶えてみせる!!」
最後の一粒がポップコーンとして射出され、その勢いで全力で叩きつける。
「ポップコーン全力奥義!!『ポップザァァァン』!!」
振りかぶり、射出の反動で強化された一撃が直撃する。
大きなレイドボスのままであれば大したダメージが入らなかったかもしれないが、残された部分だけのの状態であれば十分すぎるほどの攻撃だ。
この一撃によって、残された部分は消え失せ…無事に、全プレイヤーに対して、レイドボスが討伐されたお知らせが出てくるのであった…
その威力はすさまじく、無事にレイドボスたちのみに直撃しつつも、筋肉集合体に対してはダメージを与えることはなく、想定していた部分は無事にクリアできただろう。
だがしかし、まだまだ扱うには大きすぎる力ゆえに早すぎたのか、この一撃によってグレイ号を含む全艦のダメージがかなり重いものになってしまい、2発目を続けて撃つことができない状態。
これで倒しきれていれば問題は無く、そうでなければ厄介なことになりうる可能性もある。
そう思いつつ、残っている船の機能で周囲一帯を探りつつ…状況を、把握することができた。
「…残念ながら、仕留めそこなったか」
【全体を飲み込むだけの範囲に直撃させましたが、着弾0.0002秒前にザ・サンフラワーのほうが素早く判断し、残すだけの力はあったようデス】
ミサイルや砂漠の力を喰らったシードたちのほうは、反応が完全に消え失せている。
最後の最後に親を超えられなかったのもあるのだろうが、どうやら筋肉たちはこの攻撃の意図をくみ取って、アルテマカノンが当たる前にがっちりとつかんでしたようで、逃げることはできなかったようだ。
だがしかし、元々のレイドボスのほうは大半を吹き飛ばしたが…凝縮された一粒が残っていたようだ。
【データ値確認、シードとは異なって…時間が短すぎたがゆえに全てを与えるのは不可能だったようですが、それでも7割ほどの全データを濃縮した破片がこの海域から逃げようとしていマス】
レーダに反応しているのは、レイドボスだったザ・サンフラワーの残した最後の力。
映像に移せば、真っ赤に燃え上がるような帆のを纏っているひまわりの種のようで、尖っている部分から猛烈な勢いでエネルギーを放出し、全力でこの海域から逃げようとしている姿が見て取れた。
既にレイドボスとしての力を失っているようだが、それでも放置しきることはできない。
どこかで芽吹き、再び返り咲く可能性があるのだ。
『---アルテマカノンの不完全制御により、被害甚大。当艦及び各艦、追跡及び砲撃不可能デス』
どうにか先に潰したいが…悲しいことに、大きな力を振るった代償で、すぐに船は動かせない。
エンジン主力がかなり下がっており、このレーダーによる追跡もかなり限界ギリギリの状態なのだ。
「どうにかしなければいけないけど…ミーちゃんの魔導船で追える?」
「うーん、無理かも。私の船、貨物を運べるパワーがあるけど、スピードではちょっと」
「なら、中三病さんの…あれ?中三病さんは?」
グレイ号や他の船が使えないのであれば、この場にいる他の人のものを使えないか。
そう思い、ミーちゃんからは良い返答が得られなかったので、他の手段として中三病さんに相談しようとしたら…その姿は既に、船の名から失せていた。
ログアウトでもしたのか?いや、違う。
何もせずにいなくなる人ではないが、ならばこの状況から考えられるのは…
ドウォォウ!!
「っと、何の音?」
【艦艇ハッチ、中三病さんの魔導船の発艦…いえ、違いマス。これは、テイムモンスターのものデス!】
―――ザ・サンフラワーだったものは今、全力でこの場から逃亡を行っていた。
シードたちにもあった逃亡の選択だが、親であるこのボスにもまた存在していたようだ。
しかしながら、肉体全てで逃げ切ることはできず、限界ギリギリまで圧縮した己自身の新たな肉体となりうる種の体しかできなかった。
それでも、気にしなくていいだろう。
今、ここで愚かな反乱分子共は片付けられており、あの巨大な攻撃も流石にそう何発も打てない者である可能性があり、万が一にできたとしても、高速で移動すれば照準を容易く定めることはできないはず。
最後に笑うのは、この花の種一粒だけ…そう思っていたが、人の執念をなめていただろう。
ポポポポポップポン!!
何やら軽快な音が、近づいてきている。
何事かと思い、音のしたほうを見れば、そこには一人のプレイヤーがいた。
ただし、この宇宙フィールドで装備なしで出ているのではなく…
「うぉぉぉぉぉ!!出し切れポポゴン!!」
【ポッポォォォン!!】
何やら巨大なトウモロコシのようなモンスターに乗って、加速しながら迫ってきていた。
軽快な音をたてていたのはそのモンスターのようで、その身にまとう一粒ずつの何かがはじけており、その反動を調整して推進力として利用しているらしい。
「アレは何!?」
【データ確認、破裂炸裂爆裂の3拍子がそろった植物系のモンスター『ボッブゴォン』デス】
―――――
『ボッブゴォン』
見た目は巨大なトウモロコシであり、その名前の由来の通り、自身の一部をポップコーンへ変換することができるモンスター。
ただし、そのポップコーンへ変換時には凄まじい勢いで射出する能力があり、これを利用して攻撃や移動手段にすることがある。
―――――
グレイ号の上部モニターで状況を把握し、思わず叫んだハルの言葉に、ロロが解説する。
これぞ中三病がこの宇宙フィールドで切り札としてとっておいたモンスター。
その身に宿す粒をポップコーンに変える時の反動を利用して加速し続け、最後の一粒は攻撃のための勢いにとっておく。
ぐんぐん加速し、迫る中三病。
モンスターを足元から手へ剣のように構えなおし、ザ・サンフラワーの最後の力に対して狙いを定める。
「テイムの条件の中には、全力で相手を打ち破る類もあるというが、これで叶えてみせる!!」
最後の一粒がポップコーンとして射出され、その勢いで全力で叩きつける。
「ポップコーン全力奥義!!『ポップザァァァン』!!」
振りかぶり、射出の反動で強化された一撃が直撃する。
大きなレイドボスのままであれば大したダメージが入らなかったかもしれないが、残された部分だけのの状態であれば十分すぎるほどの攻撃だ。
この一撃によって、残された部分は消え失せ…無事に、全プレイヤーに対して、レイドボスが討伐されたお知らせが出てくるのであった…
10
お気に入りに追加
2,029
あなたにおすすめの小説
大賢者の弟子ステファニー
楠ノ木雫
ファンタジー
この世界に存在する〝錬金術〟を使いこなすことの出来る〝錬金術師〟の少女ステファニー。
その技を極めた者に与えられる[大賢者]の名を持つ者の弟子であり、それに最も近しい存在である[賢者]である。……彼女は気が付いていないが。
そんな彼女が、今まであまり接してこなかった[人]と関わり、成長していく、そんな話である。
※他の投稿サイトにも掲載しています。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO
無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。
名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。
小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。
特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。
姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。
ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。
スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。
そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。
【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。
鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。
鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。
まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。
「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~
平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。
しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。
カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。
一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
公爵家三男に転生しましたが・・・
キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが…
色々と本当に色々とありまして・・・
転生しました。
前世は女性でしたが異世界では男!
記憶持ち葛藤をご覧下さい。
作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる