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Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~

ver.6.0-30 ちゃっかりしているときは、しているのデス

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…宇宙エレベーター開業を祝っての、第一弾イベント『星めぐる彗星の宇宙人』。
 全プレイヤーが参加可能なタイプのレイドイベントだが、そのレイドが生じるまでには時間があり、その間に各惑星での様々なミッションをこなし、ポイントを集めてレイド戦を有利にする必要がある。

「縛りプレイ中の人や初心者など、こなせない人もいるだろうけれども…それでも、レイド戦を有利にできる可能性があるならば、全力で取り組むプレイヤーは多いか」
「ここの運営、何かしらの仕掛けをやらかすのが目に見えているからこそ、ある程度の負担を軽減したいんだろうね」

 あちこちのプレイヤーたちが各惑星へ向かって進む中、ハルたちも例にもれずミッションをこなそうと動いていた。

 いくつかの項目がある中で、やりやすそうなところを選んでこなしたいが…数多くの星々があるからこそ、選択肢も非常に多い。
 レイドのミッション対応の星だと少し減るが、それでも100を超えているだろう。

 オンラインなので多くのプレイヤーたちがおり、こなしに行くことはできるだろうが…それでも、ミッションの数によってはレイド時の効果を全て受けることが出来ない。

「やれる分だけやればいいけど…できればプレイヤーにとって有利な効果が多い方が良いんだよなぁ」

 全部やれないが、それでも多少は楽したい気持ちもある。

 でも、楽するために労力をかけまくっていたら本末転倒。
 だからこそ、無理をしない範囲に収めて動くのが一番良い。




 そんなわけで、今回僕らが挑むのは『豪快爆走惑星ジェラード』。
 公転速度、時点速度共にとんでもない爆速で動く星であり、常に大嵐で吹き荒れている。

 超高速で蠢くその星には、着陸もなかなか難しいようで、まともに魔導船で降りるよりも、飛び降りていったほうが確実でもあるようだ。
 確実な反面、そこまで高速回転していたら遠心力でぶっ飛ばされないかという不安もありそうだが…どうやら重力もそこそこ強く、ちょっとやそっとの遠心力がかかっても大丈夫らしい。



 とはいえ、そんな確実な手段があったとしても、生身の状態で降り立つのは恐怖もある。
 だからこそ、他の手段としては…


【ロブロブロォォォ!!】

「…久しぶりのロブタンク…いや、改良型『ロブキング』?第三艦橋代わりにしていたほどだったのに、だいぶサイズダウンして本当に戦車みたいなサイズにまで小さくなったね」」
【技術の進歩で、サイズも一緒にダウンできましたからネ。ですが、小さくなったのは外観だけで、中身は前以上に広々としているのデス】

 グレイ号の改良と共に、こちらもどんどん改良が進んでいたらしい。
 前の段階ではロボットのような姿に変形もできたが…流石にあのサイズでの運用機会はそんなにないため機能をオミットして、移動拠点としての性能を向上させたそうだ。

 頭に立派な王冠が付いた、戦車サイズのロブスターのような外観。
 でもその中身は、相当広くなっており、操縦席等もより簡潔なものになってわかりやすくなっている。

【だいぶ小さくなりましたが、耐久性は以前の倍以上。グレイ号の姉妹艦作成時にでた余剰部品等を使用しているため、全性能が飛躍的に向上していマス】
「装甲の耐久性や、武器の増加、収納力の拡張…色々とパワーアップしているね」
【まぁ、その分重量も少々増えたため…速度も遅くなりまシタ】
「それでも、全体的に見ればプラスのほうが多いか…これに乗って惑星に乗り込めるんだよね?」

 確認したところ、ロブキングを使用しての惑星への効果着陸は可能のようだ。
 帰りはどうするのかと思ったが、ロブキングの仕掛けの中にロケットエンジンのようなものも搭載されており、自力で空に飛び立つことも可能らしい。


 詳細を確認してから準備をしっかりと行い、惑星への降下へと移るのであった…





「そういえば、他の姉妹艦には搭載されてないの?」
【しっかり養殖し、すでに搭載済みデス。こちらもカスタマイズ次第で色々と変えられるので、汎用性があるのデス】

…いつの間にか、増やしていたようだ。
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