上 下
602 / 718
Ver.6.0 ~揺らぎと蕩けと混ざる世界~

ver.6.0-16 地道に調べていきつつ

しおりを挟む
…大衆に知られては不味いことは、大抵の場合大きな組織が隠していることが多い。
 陰謀論だの何かといわれることが多いが、不味いモノには蓋がされる。

 そう、それが大勢に目撃されそうな場所であったとしても、根性でどうにか見えないようにして…




【その結果、月が一部吹っ飛びまして、現在復旧作業中のようですネ】
「どの結果で、そんな無茶苦茶なことになっているの!?」

 ロロから報告を受け、思わずツッコミを入れてしまった。



 謎の宝石獣たちの襲撃から数日が経過し、遭遇することはなかった。
 女神状態のときに何かされたようだが、検査した結果、特に何かヤバいものが無かったようだが、念のために宝石獣に関する情報収集をお願いしていたが…どういうわけか、現実世界のほうで、月が吹っ飛んだとかいう無茶苦茶な報告を聞いてしまった。

「というか、何故宝石獣に関する情報収集で、月の情報が…」
【主様に対して、何やらデータを模写したらしいピンクダイヤ…あの宝石が、どうやら現実世界の月に潜伏していたようなのデス】

 元々オンラインの世界にあったピンクダイヤ。
 その正体は、どうもあの宝石獣たちの何か大事な部分だったようだが、黒き女神の力を少々取り込んだらしい。

 いや、取り込んだというか、いくつかの部分をコピーしたようだが…それがまた、オンラインの席から現実世界へと逃亡しており、その行先がまさかの月だったようだ。



 以前の騒動である程度月に関しての監視の目もついていたらしく、各国が早急に動いて向かっていたりしたようだが…その矢先に、月が一部吹っ飛んだらしい。
 例えるならば、某ピンク玉が悪夢のラスボスを…分かる人は分かるだろうが、そうでない人であれば月の一部が見事に爆散しただけと考えたほうが良い惨状になっているようだ。

「そのピンクダイヤに対して動いただけで、何で月が…」
【色々あったようデス。結果として、ダイヤはまた逃亡したようですが、損害を被った国々は嘆きまくっている情報もありますネ】

 なお、嘆いたとしてもその損害を請求する宛先は無いらしい。
 オンラインとはそもそも関係のない存在のようなので、運営会社のほうにクレームを入れることもできず、秘密裏に動いていたために表立ってやることもできない。
 まさに、泣き寝入りする羽目になっているらしいが…ドンマイとしか言いようがない。


 どこの誰がその惨状を生みだしたのかと気になるが、知ったところでもう終わったことである。

【一応、潮の関係などで月が必要のため、修復作業が行われていますが…肝心のピンクダイヤらしきものは逃亡しましたが、現実世界のほうに潜伏しているようですネ】
「あれ?オンラインの世界のほうにまた行ったのかと思ったけど、何で現実にとどまっていると分かるの?」
【どうやら、主様の女神データのコピーしたものを持っているようで、位置の完全特定は難しいですが、どこの世界にいるのか程度は分かるのデス】

 女神のデータを取っていたようだが、そのため探りやすくなっていたらしい。
 何も無い状態であれば厳しかったようだが、相手が得てくれたおかげでこちらも確認できるようだ。

【それと、宝石獣に関しての他の報告ですが…予想通り、別世界の異物と言えるものデシタ。結構前の、艦隊決戦の時のようなものや、外なる神々のような類ですネ】
「それはそれで大丈夫なのか‥?」

 不安しかないが、今のところあの宝石獣たちに関しての情報はオンラインの運営会社に全て伝わっているようで、各所での警戒が呼びかけられているらしい。
 対処方法は現状あの腐食性ニガ団子なのはわかっているので、いざという時のために団子専用魔導戦艦なるものも配備されたそうだ。

 そんな団子特化の船を作って良いのか…以外に応用が色々とありそうなので、この騒動がひと段落した後も使用されそうである。


 とにもかくにも、しばらくの間は宝石獣に対しての情報収集と警戒を続けるのであった…



「…ところで、月の修復作業はわかるけど、空に浮かぶ月だから目立つよね。そこ、隠蔽はできるの?」
【問題ないのデス。修復の間だけ、ちょっと本物の月を別の場所へ移動させて、代用品が置かれておりマス。色々付属品が付いていた彗星ですが、機能停止させて爆散しないようにしておりマス】

…それ、本当に大丈夫なものなのだろうか。
しおりを挟む
感想 3,603

あなたにおすすめの小説

大賢者の弟子ステファニー

楠ノ木雫
ファンタジー
 この世界に存在する〝錬金術〟を使いこなすことの出来る〝錬金術師〟の少女ステファニー。 その技を極めた者に与えられる[大賢者]の名を持つ者の弟子であり、それに最も近しい存在である[賢者]である。……彼女は気が付いていないが。  そんな彼女が、今まであまり接してこなかった[人]と関わり、成長していく、そんな話である。  ※他の投稿サイトにも掲載しています。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

ReBirth 上位世界から下位世界へ

小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは―― ※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。 1~4巻発売中です。

最悪のゴミスキルと断言されたジョブとスキルばかり山盛りから始めるVRMMO

無謀突撃娘
ファンタジー
始めまして、僕は西園寺薫。 名前は凄く女の子なんだけど男です。とある私立の学校に通っています。容姿や行動がすごく女の子でよく間違えられるんだけどさほど気にしてないかな。 小説を読むことと手芸が得意です。あとは料理を少々出来るぐらい。 特徴?う~ん、生まれた日にちがものすごい運気の良い星ってぐらいかな。 姉二人が最新のVRMMOとか言うのを話題に出してきたんだ。 ゲームなんてしたこともなく説明書もチンプンカンプンで何も分からなかったけど「何でも出来る、何でもなれる」という宣伝文句とゲーム実況を見て始めることにしたんだ。 スキルなどはβ版の時に最悪スキルゴミスキルと認知されているスキルばかりです、今のゲームでは普通ぐらいの認知はされていると思いますがこの小説の中ではゴミにしかならない無用スキルとして認知されいます。 そのあたりのことを理解して読んでいただけると幸いです。

「お前のような奴はパーティーに必要ない」と追放された錬金術師は自由に生きる~ポーション作ってたらいつの間にか最強になってました~

平山和人
ファンタジー
錬金術師のカイトは役立たずを理由にパーティーから追放されてしまう。自由を手に入れたカイトは世界中を気ままに旅することにした。 しかし、カイトは気づいていなかった。彼の作るポーションはどんな病気をも治す万能薬であることを。 カイトは旅をしていくうちに、薬神として崇められることになるのだが、彼は今日も無自覚に人々を救うのであった。 一方、カイトを追放したパーティーはカイトを失ったことで没落の道を歩むことになるのであった。

【第1章完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

ボッチになった僕がうっかり寄り道してダンジョンに入った結果

安佐ゆう
ファンタジー
第一の人生で心残りがあった者は、異世界に転生して未練を解消する。 そこは「第二の人生」と呼ばれる世界。 煩わしい人間関係から遠ざかり、のんびり過ごしたいと願う少年コイル。 学校を卒業したのち、とりあえず幼馴染たちとパーティーを組んで冒険者になる。だが、コイルのもつギフトが原因で、幼馴染たちのパーティーから追い出されてしまう。 ボッチになったコイルだったが、これ幸いと本来の目的「のんびり自給自足」を果たすため、町を出るのだった。 ロバのポックルとのんびり二人旅。ゴールと決めた森の傍まで来て、何気なくフラっとダンジョンに立ち寄った。そこでコイルを待つ運命は…… 基本的には、ほのぼのです。 設定を間違えなければ、毎日12時、18時、22時に更新の予定です。

処理中です...