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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~

ver.5.2-131 効果はあった、偽りはない…多分?

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 煙を出しいてからの、爆発変身。
 ちょっと古いが、ある意味お約束のような身の変わり方であり、その方法がネタアイテムにもしっかりと備えられていたようで、予想できたことだともいえる。

 そのため、ここまで手順通りことが進んだことによって、薬が成功したことを確信していた。

 流石にネタアイテムとはいえ、うっかり間違って女体化薬とかが出来たら…それはそれで、女神の状態で飲んだら意味が無いので、特に影響はないだろう。
 


 もくもくとまだ煙が晴れぬ中、自分の状態を目視する前にステータスを確認し、自分の性別が切り替わっているか、しっかりと確認を行う。
 女神になることで男性表記から女性表記になっていたが、ここでさらに薬によって元の性別へと正されて入れば大成功と…

『表記確認、性別…良し!!女性表記が消えて、なっているのは…んぅ?あれ?』





…確かに、女性表記が消えている。
 このままうまく男性表記へ切り替わっていれば、男体化薬が成功したことになり、女神の力を持ちながらも男の神としての状態で動けたはずである。
 そんなに効果時間が長くはないらしいので、いざという時の切り替え用程度にしかならないが、万が一の変態共の惨劇に巻き込まれるようなことが無いように利用できたはずだが…その思惑が何故かここで、外れていた。


 うん、間違いなく女性表記は消えている。
 でもなぜか、男性表記もない。懸念される可能性としての両性とかそういうのもなく…

『…性別表記、「無性」?』

 何、この表記。
 いや、そもそもこの声は何だ。

 男になっているはずなのに、女の子のような高い声に近い。
 そして煙が晴れていく中、自身の目線の高さもかなり下がっていることに気が付き…容姿の確認のために用意しておいた鏡に映る姿を見て確認する。



 黒き女神の特徴としての、黒目黒髪黒い衣装は変わりないだろう。
 だがしかし、等身がかなり下がっており、子供と言って良いほどのもの。
 違う、そもそものサイズが大幅に小さくなって…

『…って、なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁぁ!?がっつりミニサイズの妖精と言って良いサイズになっているぅぅぅ!?』
「あ、ようやく煙が無くなって見え…ハル、小っさ!?」

 思わず叫び、続けて状況を見ることが出来たミーちゃんも叫ぶ。
 よく見たら羽も生えており、小人サイズの妖精のような姿になっていたのであった…








『…なるほど、男体薬のはずが、アップデートによって一部投入したアイテムの成分が変化…作成方法がほぼ同じになりつつ、別物の新アイテムを偶然にも生みだしちゃったようだ』
「その名も『妖精薬X』…妖精自体はそもそも、このオンラインでも実装されているけど、ソレに姿が切り替わるような代物になっていたのか」
『そのうえ、どうやらデバフや女神の耐性が重なって…一応、性別が切り替える効果には変わりがなかったけど、切り替え先が妖精だとまた違うものがあって、無性になっちゃったのか…』

 驚きまくり、男神の姿になれなかったことを悲しみつつも、状況を僕らは確認した。
 どうやら様々なことが重なりまくった既に、生まれてしまった偶然の産物のようである。

 性別を変える効果はあったが、妖精はどうも人とは違う生別のデータが用意されていたようで、適応されたようだ。

 というか、妖精女王のネアがいるのに妖精化って…結構シャレにならない気がする。
 黒き女神の使い魔としてなっている彼女だし、その治めるべき妖精郷も神域になっているし、それなのに女神が妖精になってどうするんだとツッコミを入れたい。

 幸いなのは無性という性別に適応されたおかげなのか、着ている衣服までもが女物の状態ではないことだろうか。
 無性というか中性的な容姿になっているし、着ている衣服も中性的なものに合わせておとなしいものになっている。

『そのうえ、ステータスを見れば、女神とは違った方向に尖っているなぁ…MPや素早さ方面が桁違いになっている代わりに、防御力とかが神から紙になっているか』

 女神のステータスはバランスが取れたものだったはずだが、妖精化の影響かステータスの数値が極端に変化しており、超高速紙装甲アタッカーとでもいうべきものになっている。
 元々あった分を別の方へ注ぎ込み、不必要かもしれない部分を根こそぎ利用したようなもので、総合は変わらなくとも通常プレイヤーとは違った戦い方もできるだろう。

 でも、こんな形で性別が切りかわりたくはなかったなぁ…一応、女神の枠から外れて女の子から変わったという部分は成功したけど、この結果は何とも言えない。
 失敗しているようで、当初の目的とはそこまでずれてもおらず…斜め上の結果に終わったと言えるだろう。


 とにもかくにも、まさかの妖精化という結果を受け入れるしかないのであった…


『それにしても、女神とはまた違った不思議な感覚だな』
「そうなの?」
『うん。女神の時はなんとなくこう、神の力的なものは感じられたけど、こっちはこっちでまた別者の感覚がするな。この想定外の姿は女神じゃないけど…イレギュラーな形態として名前を付けておこうかな?妖精となると…オベロン、とか?』
「何かこう、作品によって扱いが滅茶苦茶変わりそうなものだね、ソレ…」
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