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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-107 密談の夜
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―――イベントまで、あと少し。
前夜になり、明日に備えて早めに春は眠りについたようである。
そんな中で、寝る必要のないミントは今、屋根の上で夜風にあたっていた。
「…それにしても、私をわざわざ呼んだのは、何かあるの、ロロ?」
【ハイ。おそらくは、気が付かれているとは思うことだとは思うのですが、一度、しっかりお話をしようと思いまして、誘いまシタ】
こぽぽっと、この真夜中の密会用に作ったというお茶を注ぎつつ、ミントの問いかけに答えるロロ。
今晩はゆっくり本でも読んで夜を過ごそうかと考えていたミントだったが、彼女に誘われ、こうして月明かりの元での密談に誘われたのである。
「気が付かれていること…それって、多分春のことだよね」
【ええ、そうデス。ここ最近の主様が変化されたことに関して、理解されているのでしょウ?】
「まぁ、しばらく会わなかったときもあったけど、幼いときや今も、かなり長く過ごしてきたから分かるんだけど…少し、性格が変わったような気がするんだよね」
出されたお茶を飲みつつ、答えるミント。
彼女は感じていた。ここ最近の、ハルの様子の変化を。
「…春は元々明るいところはあるけど、積極性が凄くあるわけじゃない。それなのに、今回もそうだけどここ最近は結構積極的に動いているから、何か変わったのかなと思っていたんだよね」
【やはり、そう感じていましたカ】
ミントの言葉を予想していたのだろう。
ロロは静かに、口にする。
【その感覚は、間違っていないデス。より細かくデータで表すこともできますが、主様の性格が少し変わったことを感じ取れていたようですネ】
「一緒に遊んで、他の人との交流で明るくなったり、前向きになったりすることもあるけど、それだけだとこうやって話の場を向けることはないよね?他に何か、理由があるんじゃないの?」
【ええ、その通りデス。…主様自身はおそらく、何も感じてもいないし考えてもなく、気が付いていないでしょウ。ですが、確実に無意識的な部分で、動いているところもあるのデス】
「無意識で?何を?」
【女神としての力が目覚めた影響による、自身の肉体の変化デス】
…オンライン内の世界でも、黒き女神のスキルによって、女神に転じることが出来ていた。
そして、この現実の世界においても、彼は女神になることが出来るようになっていた。
春自身は、積極的に女神になることはない。
もともと男だからというのもあり、抵抗感を持つ。
しかしながら、抵抗感があれどもなるかならないかは別者であり、現在進行形で将来女神になる道が着実に固まりつつあるだろう。
【何十年後か先、今の肉体が老衰によってお亡くなりになられた後に、女神の体へ自然と切り替わり、女神としての生を過ごす…かと思ってました。しかし、ここ最近その進路が少し、変わったようデス】
「というと?」
【どうも、何度も女神になっている影響なのか、それとも女神としての血が覚醒しているからこそなのか…肉体的に、影響が出てきているようなんですよネ。ああ、別にいきなり女体化するとかそういうことではなく、性は今のままですが…まず、細胞レベルの老化がわずかに遅くなりつつありマス】
それはつまり、春の老化が遅くなっていることを示す。
まだ気が付くような段階ではないか、時間の問題だと思われる。
「遅く…まさか、そのまま止まるなんてことも?」
【いえ、流石に老化が遅くなるだけで、老いるのは変わらないデス。ただ、人とは違う時間の流れに入りそうですネ】
ほんのわずかな差ぐらいであれば、問題ないだろう。
だが、徐々にその差が開いてしまえばはっきりしてしまうことになる。
そうなるとどうなるのか、周囲のことを考えると想像することは容易いだろう。
人というのはいつの世も、特殊な事例を除けば…
「取り残されてのことや、周囲との違いによる排除などか…もしかして、そうなる可能性を春は感じているの?だから、今はまだ違いが少ないうちに…」
【その可能性はあるでしょウ。ですが、先ほども述べましたが、無意識…深層心理的なところで、理解しているのでしょウ。言葉に出すことも、自分の心にも気が付いていないようですけれどネ】
人知れず、抱え込みつつある、女神になったことへの代償の様なもの。
もちろん、不死ではないのでいずれは死に絶えるだろうが…そこに至るまでにかかる時間がかなり伸びているのは間違いない。
将来、本当にそのことがはっきりした時…どうなるのかはわからないだろう。
【…なので、気が付かれない今のうちに、主様の周囲をしっかり固めておきたいのデス。ええ、女神の力を悪用とか考える輩が出てきてもおかしくは無いですからネ】
ロロの言葉に対して、どれだけのものを想定して動くのか、予想するミント。
今でさえ無茶苦茶すぎる彼女が、よりやらかすような気がしなくもない。
それでも、春のことを考えるのであれば、過剰でも不十分な可能性もあり…止めることはしないのであった。
【ああ、一応年齢の鈍化に合わせて移住可能な場所もピックアップしてますヨ】
「最悪、引っ越して誰も知らない場所へ行くって手も確かにありか…それにしても、どうやって見つけたの?」
【吸血界隈を元に、不老不死界隈の方々にまでつなぎまして…その手のことに関しては十分な対策の知識があるようでしたので、非常に役に立ちまシタ】
「ちょっと待って、どこからどうつなげちゃっているの?」
また新たな世界の隠れた何かを見つけたような気がするが…気にするだけ、無駄であろう。多分。
前夜になり、明日に備えて早めに春は眠りについたようである。
そんな中で、寝る必要のないミントは今、屋根の上で夜風にあたっていた。
「…それにしても、私をわざわざ呼んだのは、何かあるの、ロロ?」
【ハイ。おそらくは、気が付かれているとは思うことだとは思うのですが、一度、しっかりお話をしようと思いまして、誘いまシタ】
こぽぽっと、この真夜中の密会用に作ったというお茶を注ぎつつ、ミントの問いかけに答えるロロ。
今晩はゆっくり本でも読んで夜を過ごそうかと考えていたミントだったが、彼女に誘われ、こうして月明かりの元での密談に誘われたのである。
「気が付かれていること…それって、多分春のことだよね」
【ええ、そうデス。ここ最近の主様が変化されたことに関して、理解されているのでしょウ?】
「まぁ、しばらく会わなかったときもあったけど、幼いときや今も、かなり長く過ごしてきたから分かるんだけど…少し、性格が変わったような気がするんだよね」
出されたお茶を飲みつつ、答えるミント。
彼女は感じていた。ここ最近の、ハルの様子の変化を。
「…春は元々明るいところはあるけど、積極性が凄くあるわけじゃない。それなのに、今回もそうだけどここ最近は結構積極的に動いているから、何か変わったのかなと思っていたんだよね」
【やはり、そう感じていましたカ】
ミントの言葉を予想していたのだろう。
ロロは静かに、口にする。
【その感覚は、間違っていないデス。より細かくデータで表すこともできますが、主様の性格が少し変わったことを感じ取れていたようですネ】
「一緒に遊んで、他の人との交流で明るくなったり、前向きになったりすることもあるけど、それだけだとこうやって話の場を向けることはないよね?他に何か、理由があるんじゃないの?」
【ええ、その通りデス。…主様自身はおそらく、何も感じてもいないし考えてもなく、気が付いていないでしょウ。ですが、確実に無意識的な部分で、動いているところもあるのデス】
「無意識で?何を?」
【女神としての力が目覚めた影響による、自身の肉体の変化デス】
…オンライン内の世界でも、黒き女神のスキルによって、女神に転じることが出来ていた。
そして、この現実の世界においても、彼は女神になることが出来るようになっていた。
春自身は、積極的に女神になることはない。
もともと男だからというのもあり、抵抗感を持つ。
しかしながら、抵抗感があれどもなるかならないかは別者であり、現在進行形で将来女神になる道が着実に固まりつつあるだろう。
【何十年後か先、今の肉体が老衰によってお亡くなりになられた後に、女神の体へ自然と切り替わり、女神としての生を過ごす…かと思ってました。しかし、ここ最近その進路が少し、変わったようデス】
「というと?」
【どうも、何度も女神になっている影響なのか、それとも女神としての血が覚醒しているからこそなのか…肉体的に、影響が出てきているようなんですよネ。ああ、別にいきなり女体化するとかそういうことではなく、性は今のままですが…まず、細胞レベルの老化がわずかに遅くなりつつありマス】
それはつまり、春の老化が遅くなっていることを示す。
まだ気が付くような段階ではないか、時間の問題だと思われる。
「遅く…まさか、そのまま止まるなんてことも?」
【いえ、流石に老化が遅くなるだけで、老いるのは変わらないデス。ただ、人とは違う時間の流れに入りそうですネ】
ほんのわずかな差ぐらいであれば、問題ないだろう。
だが、徐々にその差が開いてしまえばはっきりしてしまうことになる。
そうなるとどうなるのか、周囲のことを考えると想像することは容易いだろう。
人というのはいつの世も、特殊な事例を除けば…
「取り残されてのことや、周囲との違いによる排除などか…もしかして、そうなる可能性を春は感じているの?だから、今はまだ違いが少ないうちに…」
【その可能性はあるでしょウ。ですが、先ほども述べましたが、無意識…深層心理的なところで、理解しているのでしょウ。言葉に出すことも、自分の心にも気が付いていないようですけれどネ】
人知れず、抱え込みつつある、女神になったことへの代償の様なもの。
もちろん、不死ではないのでいずれは死に絶えるだろうが…そこに至るまでにかかる時間がかなり伸びているのは間違いない。
将来、本当にそのことがはっきりした時…どうなるのかはわからないだろう。
【…なので、気が付かれない今のうちに、主様の周囲をしっかり固めておきたいのデス。ええ、女神の力を悪用とか考える輩が出てきてもおかしくは無いですからネ】
ロロの言葉に対して、どれだけのものを想定して動くのか、予想するミント。
今でさえ無茶苦茶すぎる彼女が、よりやらかすような気がしなくもない。
それでも、春のことを考えるのであれば、過剰でも不十分な可能性もあり…止めることはしないのであった。
【ああ、一応年齢の鈍化に合わせて移住可能な場所もピックアップしてますヨ】
「最悪、引っ越して誰も知らない場所へ行くって手も確かにありか…それにしても、どうやって見つけたの?」
【吸血界隈を元に、不老不死界隈の方々にまでつなぎまして…その手のことに関しては十分な対策の知識があるようでしたので、非常に役に立ちまシタ】
「ちょっと待って、どこからどうつなげちゃっているの?」
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