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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-92 多く集まると自然と見ごたえあるものに
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魔導船の種類は多々あるが、大抵は船の形状をしているものが多い。
船と言っても帆船だったりボートだったり、宇宙戦艦だったり…その持ち主であるプレイヤーの手によってさまざまな改造が施されているだろう。
その中で今回、船を使ってのイベントということで、多種多様の魔導船が宇宙フィールドのとある宙域に集結しつつあるのだが…このように多く集まると、かなり見ごたえのある光景が広がっているだろう。
今回のイベントは、この宙域にプレイヤーたちが集まって、イベントの開催と同時に専用の特殊なフィールドに転送されるらしい。
一斉ワープみたいなもので、これはこれで面白そうな光景になるだろう。
「でも、誤射したら怖いな…適切な距離を保つように誘導されるけど、それでも戦闘能力を持った魔導船だけの集まりだから、どれもこれも強そうだしね」
『グレイ号クラスの攻撃力を持つ船いるのかな?』
同船せず、スクリーンで通信状態で映るミーちゃんがそうつぶやく。
今回はお互いに同じ場所には載らず、別々に船に乗っている形だが、周囲を見渡せばどこもかしこも魔導船ばかり。
各プレイヤーは普段、あちこちですれ違ったり港で停船するなどで数隻程度であれば集まったこともあったが、ここまで多く集まったことはない。
種類も豊富だし、こうやって見るだけでも面白い。
なお、イベントに参加できないプレイヤーは何もできないかといえばそうでもなく、実況中継が行われる特殊な観客席が用意されているそうで、そちらで観戦することになるらしい。
見えないが小型のカメラがあちこちを浮遊しており、余すところなく全体を見ることが出来るようになっているようだ。
一番の朗報とすれば、このイベントに欲望戦隊は不参加らしいという情報もある。
どうやら情報によれば、ミートンさんがいつものように奥さんぶぼっこぼこにされてしまったとかいうわけではなく、現実のほうで旅行に出かけているがゆえにログインしないとのこと。
マッチョンからのフレンドメールで確認した時には思わずガッツポーズをしてしまったほどだ。
大体、ここ最近流れてくる不穏な噂の中に、変態流星群とかいうのも聞こえてくるからね…欲望戦隊がその正体の可能性が高く、戦場でそんなものが降り注いだ日には敵味方関係なく変態による阿鼻叫喚の惨劇が目に見える。
だからこそ、事前に惨劇を回避できるのは喜ばしいことだろう。しかし、珍しいなこの情報…あの欲望戦隊がまとめていない時期があるなんて。いつもならば嫌な予感しかないというのに、いないだけでマシな気配しかないとは。
何にせよ、数多くの艦隊が集結しつつある中、イベントの開催時間が近づいてくる。
時間が迫ってくる中で、万全を期して戦闘ができるようにチェックを怠らないようにしておく。
「グレイ号、問題ないな?」
『システムオールグリーン、チェック完了。いつでも全速力で稼働可能デス』
「ミーちゃんのほうは?」
『この日のために新造した新型魔導列車2号機、ボイラー圧力十分だよ!!』
いつもの魔導列車を使うかと思えば、実は新しい魔導船…もとい魔導列車を彼女は用意していた。
元々使っていたほうを今回のイベントに使用する予定だったが、途中で新造した戦闘用車両の重量では機動力が格段に下がってしまうことが判明し、急遽新しい列車を追加したのである、
ロロの手による魔改造が施されないようにしていたが、同じ穴のムジナというか同じ使用人の類を利用していたせいなのか、かなりぶっ飛んだ兵装が備えられてしまったのが仇となって、手痛い出費になってしまったようだ。
まぁ、こういう時には頼りになる人として、機械神に依頼したので事なきを得た。
無茶苦茶すぎる魔導列車ではなく、重厚な車両を力強く牽引できつつ機動力が足りるものなどと注文を付け、ALを渡したら即座にやってくれた。
…万年金欠気味な人に頼むのはちょっと卑怯な気がするが、まともな人の類だけにちゃんと仕事はやってくれた。
機械神さんも今回のイベントに参加しているらしくここからでは見えないが、同じイベントフィールドに来ているようだ。
「っと、恐竜女帝ことティラリアさんも参加しているのか…他にも知っているプレイヤーも参加を確認っと…」
フレンドリストや周辺を見渡せば、オンライン内で知り合った人がちらほらといる。
各自の船は違うが、こうやってそろってイベントに参加できるのはこれはこれで楽しいことだ。
「でもなぁ…なんかこれ、イベントというかレイドバトルぽくあるな…」
大勢で集まってお互いに攻撃するというよりも、どうやら別の何かに対して艦隊を組んで戦う形になっているらしい。
レイドイベントだと明記されないのは、そのボスがいないのか、それとも相手も同じぐらいの艦隊を組んでいて、一つ一つ体力ゲージを見せきれないからなのか、理由は不明だが気にしないほうが良いか。
『…そろそろ、開始時刻のようデス。イベントフィールド転送装置とやらが、稼働し、力場が包み始めまシタ』
考えていると、グレイ号がそう告げてきた。
転送用の装置が動き始めたようで、開始と同時に戦闘になりそうな予感もする。
「まぁ、この面子なら負ける気はしないけどね。みんな、準備は良いかな?」
【【【大丈夫だよー!!】】】
『エンジン出力良好、開幕と共に主砲一斉掃射可能デス』
「良し!!」
どういうイベントの状態になるかはわからないだろう。
だが、ここまでの戦力が集結している中で、早々に退場することもないはず。
やるからには全力で挑み、イベントを制覇すればいい話だ。
そう思いつつ、いよいよ開始時刻となって、一斉に各魔導船が指定されたイベント用のフィールドに向けて、飛ばされ始めるのであった…
【…無事で済めばいいですが…いえ、今のグレイ号なら大丈夫なはず…デス】
船と言っても帆船だったりボートだったり、宇宙戦艦だったり…その持ち主であるプレイヤーの手によってさまざまな改造が施されているだろう。
その中で今回、船を使ってのイベントということで、多種多様の魔導船が宇宙フィールドのとある宙域に集結しつつあるのだが…このように多く集まると、かなり見ごたえのある光景が広がっているだろう。
今回のイベントは、この宙域にプレイヤーたちが集まって、イベントの開催と同時に専用の特殊なフィールドに転送されるらしい。
一斉ワープみたいなもので、これはこれで面白そうな光景になるだろう。
「でも、誤射したら怖いな…適切な距離を保つように誘導されるけど、それでも戦闘能力を持った魔導船だけの集まりだから、どれもこれも強そうだしね」
『グレイ号クラスの攻撃力を持つ船いるのかな?』
同船せず、スクリーンで通信状態で映るミーちゃんがそうつぶやく。
今回はお互いに同じ場所には載らず、別々に船に乗っている形だが、周囲を見渡せばどこもかしこも魔導船ばかり。
各プレイヤーは普段、あちこちですれ違ったり港で停船するなどで数隻程度であれば集まったこともあったが、ここまで多く集まったことはない。
種類も豊富だし、こうやって見るだけでも面白い。
なお、イベントに参加できないプレイヤーは何もできないかといえばそうでもなく、実況中継が行われる特殊な観客席が用意されているそうで、そちらで観戦することになるらしい。
見えないが小型のカメラがあちこちを浮遊しており、余すところなく全体を見ることが出来るようになっているようだ。
一番の朗報とすれば、このイベントに欲望戦隊は不参加らしいという情報もある。
どうやら情報によれば、ミートンさんがいつものように奥さんぶぼっこぼこにされてしまったとかいうわけではなく、現実のほうで旅行に出かけているがゆえにログインしないとのこと。
マッチョンからのフレンドメールで確認した時には思わずガッツポーズをしてしまったほどだ。
大体、ここ最近流れてくる不穏な噂の中に、変態流星群とかいうのも聞こえてくるからね…欲望戦隊がその正体の可能性が高く、戦場でそんなものが降り注いだ日には敵味方関係なく変態による阿鼻叫喚の惨劇が目に見える。
だからこそ、事前に惨劇を回避できるのは喜ばしいことだろう。しかし、珍しいなこの情報…あの欲望戦隊がまとめていない時期があるなんて。いつもならば嫌な予感しかないというのに、いないだけでマシな気配しかないとは。
何にせよ、数多くの艦隊が集結しつつある中、イベントの開催時間が近づいてくる。
時間が迫ってくる中で、万全を期して戦闘ができるようにチェックを怠らないようにしておく。
「グレイ号、問題ないな?」
『システムオールグリーン、チェック完了。いつでも全速力で稼働可能デス』
「ミーちゃんのほうは?」
『この日のために新造した新型魔導列車2号機、ボイラー圧力十分だよ!!』
いつもの魔導列車を使うかと思えば、実は新しい魔導船…もとい魔導列車を彼女は用意していた。
元々使っていたほうを今回のイベントに使用する予定だったが、途中で新造した戦闘用車両の重量では機動力が格段に下がってしまうことが判明し、急遽新しい列車を追加したのである、
ロロの手による魔改造が施されないようにしていたが、同じ穴のムジナというか同じ使用人の類を利用していたせいなのか、かなりぶっ飛んだ兵装が備えられてしまったのが仇となって、手痛い出費になってしまったようだ。
まぁ、こういう時には頼りになる人として、機械神に依頼したので事なきを得た。
無茶苦茶すぎる魔導列車ではなく、重厚な車両を力強く牽引できつつ機動力が足りるものなどと注文を付け、ALを渡したら即座にやってくれた。
…万年金欠気味な人に頼むのはちょっと卑怯な気がするが、まともな人の類だけにちゃんと仕事はやってくれた。
機械神さんも今回のイベントに参加しているらしくここからでは見えないが、同じイベントフィールドに来ているようだ。
「っと、恐竜女帝ことティラリアさんも参加しているのか…他にも知っているプレイヤーも参加を確認っと…」
フレンドリストや周辺を見渡せば、オンライン内で知り合った人がちらほらといる。
各自の船は違うが、こうやってそろってイベントに参加できるのはこれはこれで楽しいことだ。
「でもなぁ…なんかこれ、イベントというかレイドバトルぽくあるな…」
大勢で集まってお互いに攻撃するというよりも、どうやら別の何かに対して艦隊を組んで戦う形になっているらしい。
レイドイベントだと明記されないのは、そのボスがいないのか、それとも相手も同じぐらいの艦隊を組んでいて、一つ一つ体力ゲージを見せきれないからなのか、理由は不明だが気にしないほうが良いか。
『…そろそろ、開始時刻のようデス。イベントフィールド転送装置とやらが、稼働し、力場が包み始めまシタ』
考えていると、グレイ号がそう告げてきた。
転送用の装置が動き始めたようで、開始と同時に戦闘になりそうな予感もする。
「まぁ、この面子なら負ける気はしないけどね。みんな、準備は良いかな?」
【【【大丈夫だよー!!】】】
『エンジン出力良好、開幕と共に主砲一斉掃射可能デス』
「良し!!」
どういうイベントの状態になるかはわからないだろう。
だが、ここまでの戦力が集結している中で、早々に退場することもないはず。
やるからには全力で挑み、イベントを制覇すればいい話だ。
そう思いつつ、いよいよ開始時刻となって、一斉に各魔導船が指定されたイベント用のフィールドに向けて、飛ばされ始めるのであった…
【…無事で済めばいいですが…いえ、今のグレイ号なら大丈夫なはず…デス】
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