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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.1-40 トラブルというのは突然あるからこそ
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…修理も無事に済み、ドックを出る準備を行う。
きちんと使用料金を支払う場所があり、そこにALを投入すると小惑星のハッチが解放されて星の海へ出航できる状態となった。
「なお、料金を支払わない場合は閉じ込められ続けるか、あるいは悪質なものだと判断されると、自動的にドックが軌道を外れて、恒星に突っ込むようになっているのだとか…」
「前者は良いけど、後者は過激すぎないかな?」
無料で利用できないように、そのあたりはしっかり用意されているらしい。
まぁ、しっかりと料金を支払ってしまえば関係のない話だろう。
「それじゃ、改めて癒しの星へ向けの航路修正…良し、グレイ号、発進!!」
修理していた間に確認し、迷うことが確実に無いコースへ向かう。
エンジンを鳴り響かせ、ドックから飛び立とうとした…その時だった。
ヴィー!!ヴィー!!ヴィー!!
「な、何?」
「警報音!?」
突然艦内に鳴り響く、警報音。
赤いランプが点灯し、室内が真っ赤に染まる、
「ロロ、原因は!!」
【解析中…解析結果出ました!!凄まじいエネルギーが、接近中のようデス!!】
「エネルギー!?」
【わかりやすく言えば、極太の某宇宙戦艦艦首砲ですネ】
「とんでもなくやばいものだってことが分かりやすいけど、最悪すぎるだろそれぇぇぇぇ!!」
ぶっ飛び過ぎた最悪の具体例を出されたことで、何が起きようとしているのか嫌でも理解させられる。
こんなアステロイドベルトにめがけて、ぶっぱなすのはどこの馬鹿だ。
「いや、文句を言っている場合じゃないか!!着弾予測は!!」
【計算上、このアステロイドベルトにあるドック全てデス!!着弾まで、残り数十秒!!】
かなり余裕がないようで、急がなければいけないだろう。
「回避のために、緊急ワープ用意!!」
「座標はどうするの!!」
【緊急事態ですので、設定が間に合いませんがそれでよろしいでしょうカ!!】
「構わない!!エンジン全開で、逃げるぞ!!」
グレイ号のメインエンジンの出力を一気に引き上げ、船自体に凄まじい異音が鳴る。
あまりにも負荷をかけているが、今はそんなことを言っている場合ではない。
ドンッ!!っと音を立てて後方のドックがエンジンの輻射によって破損しただろうが、気にする暇もない。
後方のほうを見れば、大きな光が迫ってきていることが確認でき、追い付かれそうになる。
だが、こちらがワープを行うほうが、飲み込まれるよりも早くできる。
「緊急ワープ!!」
宛先も決めない、きわめて無謀なワープ。
どこか最悪の場所に出てしまう可能性があるが、それでもやらなければいけない。
こういう時のロマン的な要素として用意してあったガラスケースに包まれたボタンを、ガラスを思いっきり叩き割ってその効果を発動させる。
緊急用として用意されていたワープ用のエネルギーが一瞬にして船体に全て流れ込み、グレイ号自体が淡い光に包まれ…その場から消え失せる。
そして、そのすぐ後を膨大な光のエネルギーが通り抜け、アステロイドベルト全体を飲み込んで、爆発させていった。
どこかのドック内には、修理を行っていたプレイヤーがいたかもしれない。
このエネルギーによって、突然葬り去られたら、何が起きたのわけわからぬままデスペナルティを喰らったであろう。
そんな人たちになることはなく、ハルたちは無事にこの場から逃げきった。
どこの誰が引き起こしたのかは知らない、莫大なエネルギーの攻撃。
やられる前にどうにかハルたちは逃げ延びることが出来たが…その発生原因はどこにあるのか。
ここへ来る前に遭遇した、物凄い火球のようなものとの関連があるのだろうか。
ただ一つ言えるとすれば、今のワープによってどこかへハルたちは飛んでしまったということであった…
ドッゴォォォォォォォン!!
「どわぁぁぁ!!なんか爆発したぁぁぁぁ!!」
【流石に負荷をかけ過ぎましたネ!!船体姿勢制御装置故障、制御不能デス!!】
「どこかに墜落するぅぅぅぅ!!」
…無事に逃げられたわけではなく、代償はしっかり払う羽目になったようでもあった。
きちんと使用料金を支払う場所があり、そこにALを投入すると小惑星のハッチが解放されて星の海へ出航できる状態となった。
「なお、料金を支払わない場合は閉じ込められ続けるか、あるいは悪質なものだと判断されると、自動的にドックが軌道を外れて、恒星に突っ込むようになっているのだとか…」
「前者は良いけど、後者は過激すぎないかな?」
無料で利用できないように、そのあたりはしっかり用意されているらしい。
まぁ、しっかりと料金を支払ってしまえば関係のない話だろう。
「それじゃ、改めて癒しの星へ向けの航路修正…良し、グレイ号、発進!!」
修理していた間に確認し、迷うことが確実に無いコースへ向かう。
エンジンを鳴り響かせ、ドックから飛び立とうとした…その時だった。
ヴィー!!ヴィー!!ヴィー!!
「な、何?」
「警報音!?」
突然艦内に鳴り響く、警報音。
赤いランプが点灯し、室内が真っ赤に染まる、
「ロロ、原因は!!」
【解析中…解析結果出ました!!凄まじいエネルギーが、接近中のようデス!!】
「エネルギー!?」
【わかりやすく言えば、極太の某宇宙戦艦艦首砲ですネ】
「とんでもなくやばいものだってことが分かりやすいけど、最悪すぎるだろそれぇぇぇぇ!!」
ぶっ飛び過ぎた最悪の具体例を出されたことで、何が起きようとしているのか嫌でも理解させられる。
こんなアステロイドベルトにめがけて、ぶっぱなすのはどこの馬鹿だ。
「いや、文句を言っている場合じゃないか!!着弾予測は!!」
【計算上、このアステロイドベルトにあるドック全てデス!!着弾まで、残り数十秒!!】
かなり余裕がないようで、急がなければいけないだろう。
「回避のために、緊急ワープ用意!!」
「座標はどうするの!!」
【緊急事態ですので、設定が間に合いませんがそれでよろしいでしょうカ!!】
「構わない!!エンジン全開で、逃げるぞ!!」
グレイ号のメインエンジンの出力を一気に引き上げ、船自体に凄まじい異音が鳴る。
あまりにも負荷をかけているが、今はそんなことを言っている場合ではない。
ドンッ!!っと音を立てて後方のドックがエンジンの輻射によって破損しただろうが、気にする暇もない。
後方のほうを見れば、大きな光が迫ってきていることが確認でき、追い付かれそうになる。
だが、こちらがワープを行うほうが、飲み込まれるよりも早くできる。
「緊急ワープ!!」
宛先も決めない、きわめて無謀なワープ。
どこか最悪の場所に出てしまう可能性があるが、それでもやらなければいけない。
こういう時のロマン的な要素として用意してあったガラスケースに包まれたボタンを、ガラスを思いっきり叩き割ってその効果を発動させる。
緊急用として用意されていたワープ用のエネルギーが一瞬にして船体に全て流れ込み、グレイ号自体が淡い光に包まれ…その場から消え失せる。
そして、そのすぐ後を膨大な光のエネルギーが通り抜け、アステロイドベルト全体を飲み込んで、爆発させていった。
どこかのドック内には、修理を行っていたプレイヤーがいたかもしれない。
このエネルギーによって、突然葬り去られたら、何が起きたのわけわからぬままデスペナルティを喰らったであろう。
そんな人たちになることはなく、ハルたちは無事にこの場から逃げきった。
どこの誰が引き起こしたのかは知らない、莫大なエネルギーの攻撃。
やられる前にどうにかハルたちは逃げ延びることが出来たが…その発生原因はどこにあるのか。
ここへ来る前に遭遇した、物凄い火球のようなものとの関連があるのだろうか。
ただ一つ言えるとすれば、今のワープによってどこかへハルたちは飛んでしまったということであった…
ドッゴォォォォォォォン!!
「どわぁぁぁ!!なんか爆発したぁぁぁぁ!!」
【流石に負荷をかけ過ぎましたネ!!船体姿勢制御装置故障、制御不能デス!!】
「どこかに墜落するぅぅぅぅ!!」
…無事に逃げられたわけではなく、代償はしっかり払う羽目になったようでもあった。
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