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Ver.5.0 ~世界の焔と、導きの篝火~
ver.5.0-5 眷属とは何ぞや
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…眷属とは何なのか。
アイテムとして収納されたミイラオーガを見つつ、現在のver.5に関しての情報を確認してみると、ある要素が追加されていた。
「…神系のスキルやその他変身する系統のスキルを持っているプレイヤーに限定のものっぽいね」
「テイムモンスターとは、別カテゴリのものなのか」
―――
『眷属化』
テイムモンスターとはまた別種類のものに変容させる、プレイヤー自身の姿が大きく変貌するようなスキルをもつ者に起きる現象。
発生要因は不明だが…
―――
「基本的には、プレイヤーに足りないものがある場合、それを有していたモンスターと対峙した時に起こりうる可能性があるか…」
なお、対峙した場合、戦闘時に相手の全ステータスが1.5倍になるという要素もあるらしい。
かなりきついものだとは思うのだが、足りない部分を補えるかもしれないものだからこそ、手に入れるだけの価値があり、一種の試練の様なものにもなっているらしい。
それが今回、ミイラオーガにはハルに足りない要素を有していたからこそ起きた現象のようだが…何が不足しているのかは、わかりやすい方だったのかもしれない。
「全体的にタンクとしての役目、もしくは普通に真正面から殴り合うだけの力不足なところかな?」
「そういえばそうかも。リンやセレアは真正面から戦える面子だけど、火力不足な部分もあるし、他のメンツは毒に電撃、糸…搦め手のほうが基本だもんね」
【シャゲシャゲェ】
【ユキユッキー?】
要はパワーがあふれまくっている仲間がいなかったが、このオーガならば相当ありあまるだけのパワーがあると言うことで、起きた現象なのかもしれない。
色々とまだ実装されたばかりの要素であり、不明な点も多いのだが、現状はここまでしかわからない。
そもそも、眷属化というけど、女神の使い魔とかそっちの方とはまた何が違うのか…色々と不明な部分が多いからこそ、後々確認する必要があるだろう。
とりあえず今は、何やら眷属にできた様子だが眷属化するには時間がかかるようで、模索するのは後回しで良い。
やるべきことなのは、言語獲得ができるクエストを行うために、先へ進むだけである。
「でも、移動の要だったロブタンクがエネルギー切れになったし…ここからは徒歩だね」
【ロブ、ピッシュゥ~~~~】
ぷしゅぅぅっと音を立て、動かなくなるロブタンク。
結構な激戦をしていい戦闘データを取ることはできたが、活動限界も思ったよりも早かった。
改良点が多いのでそのあたりはロロと情報共有して改造を進めてもらうことにしつつ、僕らは先へ進むのであった…
「しかし、眷属化か…うーん、私も欲しいかも」
「ミーちゃんに何か、足りないところってあったかな?」
「私の場合、ちょっと熱いところが苦手だから、コユキのように冷たいのが欲しいかなって…でも、ハルのように女神のスキルはないんだよねぇ」
「あったらあったで、苦労するけどね」
…そういえば、先ほどの選択肢で第三の選択肢もあったが、アレを選ばされる可能性ももしかして増えるのだろうか?
眷属にする選択で難を逃れることに成功したが、もしもその選択をできないような状況になったら…考えたくないなぁ。
―――ハルがフラグを建設しかけていた、ちょうどそのころ。
惑星ファンタズムにまた一隻、やってきている船があった。
「ふふふふ…あれが、奇妙奇天烈摩訶不思議な惑星ファンタズムという星デースね!!言語獲得のために、来ましたがなかなか面白そうな星なのデース!!」
【ガオォォォォォォ!!】
【グォォォォォォ!!】
恐竜女帝の名を広めているプレイヤー、ハルの知り合いにして中三病にとっての地獄の大王と言える恐怖の姉、ティラリア。
普段は星間国家を束ねて活動を行っているプレイヤーだったが、本日はバージョンアップで実装された言語獲得クエストをクリアするために、この宙域にやってきたのである。
「それにしても、珍しくパーティを組もうと誘ってきたデースね。ミスターゴリラマンさん」
「うほっほっほ。ここまで大きくオンラインの世界が進んできている今、常に最新の知識を与えるためには、教師そのものが成長しなければいけないからな。とはいえ、人と組んでやる連携に関しての授業も控えているため…今のバージョンでの状態を確認するために、お誘いをいたしました」
そんなティラリアの横に立っているのは、筋肉ムキムキなゴリラのような風貌をしたプレイヤー…ゴリラマン。
普段は初心者プレイヤーに対してオンラインの世界での活動方法などの授業を行い、その分かりやすい教育方法に注目されて、現実世界でも特別講師として呼ばれている人物。
そんな人が今、物凄く珍しいことに恐竜女帝とパーティを組み、一緒に訪れているのである。
「まぁ、ミーも習った身であるからこそ引き受けたし、刺激を受けたかったから組むのは問題ないのデースが…ゴリラマンさんはクエストの達成が必要デースか?確か先日、テイムモンスターの言語研究の結果をまとめた翻訳本を出版されていたと思うのデースが」
「確かに、地道に研究を進めて公開したものではありますが…それでもまだまだ、足りないものはあるだろう。だからこそ、より知識を深めるために、やって損はないと思うのだよ」
「そういうものなのデース?」
「そういうものなのだ…そう、教える立場にある教育者だからこそ、誰よりも深く知識を身に付けつつ、聞くだけ見るだけではなく、体で実際に覚えるために動かなければ意味がない。ゆえに今回、久しぶりに始まりの町の方での授業を他に任せてやってきたのです」
教育者の立場に立つがゆえに、教えるものとしての矜持をもって動くだけ。
そのためにも、様々な機会をしっかりと自分自身の身で体験しようという志で、今回ティラリアと組んでやってきたのだ。
「なるほどデース。それなら、さっさと向かうことにするのデース」
「うほっ、そうしましょう」
お互いに話をしつつ、彼らの乗る船は惑星ファンタズムへと舵を向けて進んでいく。
教育ゴリラに恐竜女帝という奇妙な組み合わせは、見る人が見れば驚いただろうが…今はまだ、誰も知らないのであった…
「そういえば、ティラリアさん。あなたの弟さん…中三病さんでしたか。彼はどうしましたか?」
「ああ、弟は今へ、逃走中デース。できれば保護したいのデースが…ちょっと厳しいかなと」
「おや?普段のあなたならば、逃げた弟を追いかけるはずですが…」
「ちょっと今回、厄介なことになったので動きずらいのデース…弟よ、君、メンヘラヤンデレサイコパスに追われて逝くことなかれデース…」
…中三病は何かに巻き込まれたようだが、それはまた、別の話である。
アイテムとして収納されたミイラオーガを見つつ、現在のver.5に関しての情報を確認してみると、ある要素が追加されていた。
「…神系のスキルやその他変身する系統のスキルを持っているプレイヤーに限定のものっぽいね」
「テイムモンスターとは、別カテゴリのものなのか」
―――
『眷属化』
テイムモンスターとはまた別種類のものに変容させる、プレイヤー自身の姿が大きく変貌するようなスキルをもつ者に起きる現象。
発生要因は不明だが…
―――
「基本的には、プレイヤーに足りないものがある場合、それを有していたモンスターと対峙した時に起こりうる可能性があるか…」
なお、対峙した場合、戦闘時に相手の全ステータスが1.5倍になるという要素もあるらしい。
かなりきついものだとは思うのだが、足りない部分を補えるかもしれないものだからこそ、手に入れるだけの価値があり、一種の試練の様なものにもなっているらしい。
それが今回、ミイラオーガにはハルに足りない要素を有していたからこそ起きた現象のようだが…何が不足しているのかは、わかりやすい方だったのかもしれない。
「全体的にタンクとしての役目、もしくは普通に真正面から殴り合うだけの力不足なところかな?」
「そういえばそうかも。リンやセレアは真正面から戦える面子だけど、火力不足な部分もあるし、他のメンツは毒に電撃、糸…搦め手のほうが基本だもんね」
【シャゲシャゲェ】
【ユキユッキー?】
要はパワーがあふれまくっている仲間がいなかったが、このオーガならば相当ありあまるだけのパワーがあると言うことで、起きた現象なのかもしれない。
色々とまだ実装されたばかりの要素であり、不明な点も多いのだが、現状はここまでしかわからない。
そもそも、眷属化というけど、女神の使い魔とかそっちの方とはまた何が違うのか…色々と不明な部分が多いからこそ、後々確認する必要があるだろう。
とりあえず今は、何やら眷属にできた様子だが眷属化するには時間がかかるようで、模索するのは後回しで良い。
やるべきことなのは、言語獲得ができるクエストを行うために、先へ進むだけである。
「でも、移動の要だったロブタンクがエネルギー切れになったし…ここからは徒歩だね」
【ロブ、ピッシュゥ~~~~】
ぷしゅぅぅっと音を立て、動かなくなるロブタンク。
結構な激戦をしていい戦闘データを取ることはできたが、活動限界も思ったよりも早かった。
改良点が多いのでそのあたりはロロと情報共有して改造を進めてもらうことにしつつ、僕らは先へ進むのであった…
「しかし、眷属化か…うーん、私も欲しいかも」
「ミーちゃんに何か、足りないところってあったかな?」
「私の場合、ちょっと熱いところが苦手だから、コユキのように冷たいのが欲しいかなって…でも、ハルのように女神のスキルはないんだよねぇ」
「あったらあったで、苦労するけどね」
…そういえば、先ほどの選択肢で第三の選択肢もあったが、アレを選ばされる可能性ももしかして増えるのだろうか?
眷属にする選択で難を逃れることに成功したが、もしもその選択をできないような状況になったら…考えたくないなぁ。
―――ハルがフラグを建設しかけていた、ちょうどそのころ。
惑星ファンタズムにまた一隻、やってきている船があった。
「ふふふふ…あれが、奇妙奇天烈摩訶不思議な惑星ファンタズムという星デースね!!言語獲得のために、来ましたがなかなか面白そうな星なのデース!!」
【ガオォォォォォォ!!】
【グォォォォォォ!!】
恐竜女帝の名を広めているプレイヤー、ハルの知り合いにして中三病にとっての地獄の大王と言える恐怖の姉、ティラリア。
普段は星間国家を束ねて活動を行っているプレイヤーだったが、本日はバージョンアップで実装された言語獲得クエストをクリアするために、この宙域にやってきたのである。
「それにしても、珍しくパーティを組もうと誘ってきたデースね。ミスターゴリラマンさん」
「うほっほっほ。ここまで大きくオンラインの世界が進んできている今、常に最新の知識を与えるためには、教師そのものが成長しなければいけないからな。とはいえ、人と組んでやる連携に関しての授業も控えているため…今のバージョンでの状態を確認するために、お誘いをいたしました」
そんなティラリアの横に立っているのは、筋肉ムキムキなゴリラのような風貌をしたプレイヤー…ゴリラマン。
普段は初心者プレイヤーに対してオンラインの世界での活動方法などの授業を行い、その分かりやすい教育方法に注目されて、現実世界でも特別講師として呼ばれている人物。
そんな人が今、物凄く珍しいことに恐竜女帝とパーティを組み、一緒に訪れているのである。
「まぁ、ミーも習った身であるからこそ引き受けたし、刺激を受けたかったから組むのは問題ないのデースが…ゴリラマンさんはクエストの達成が必要デースか?確か先日、テイムモンスターの言語研究の結果をまとめた翻訳本を出版されていたと思うのデースが」
「確かに、地道に研究を進めて公開したものではありますが…それでもまだまだ、足りないものはあるだろう。だからこそ、より知識を深めるために、やって損はないと思うのだよ」
「そういうものなのデース?」
「そういうものなのだ…そう、教える立場にある教育者だからこそ、誰よりも深く知識を身に付けつつ、聞くだけ見るだけではなく、体で実際に覚えるために動かなければ意味がない。ゆえに今回、久しぶりに始まりの町の方での授業を他に任せてやってきたのです」
教育者の立場に立つがゆえに、教えるものとしての矜持をもって動くだけ。
そのためにも、様々な機会をしっかりと自分自身の身で体験しようという志で、今回ティラリアと組んでやってきたのだ。
「なるほどデース。それなら、さっさと向かうことにするのデース」
「うほっ、そうしましょう」
お互いに話をしつつ、彼らの乗る船は惑星ファンタズムへと舵を向けて進んでいく。
教育ゴリラに恐竜女帝という奇妙な組み合わせは、見る人が見れば驚いただろうが…今はまだ、誰も知らないのであった…
「そういえば、ティラリアさん。あなたの弟さん…中三病さんでしたか。彼はどうしましたか?」
「ああ、弟は今へ、逃走中デース。できれば保護したいのデースが…ちょっと厳しいかなと」
「おや?普段のあなたならば、逃げた弟を追いかけるはずですが…」
「ちょっと今回、厄介なことになったので動きずらいのデース…弟よ、君、メンヘラヤンデレサイコパスに追われて逝くことなかれデース…」
…中三病は何かに巻き込まれたようだが、それはまた、別の話である。
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