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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.2-0.1 ミステリートレイン 

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…海王惑星の騒動を終え、現実の世界のほうにログアウトを行った。
 何かとどっと疲れることが多かったが、それでも無事に解決したのだから問題はないだろう。
 まぁ、巨大クラゲへ成長してくモンスターを中三病さんがどう扱うのはか気になるところだが、あの執念を考えるときっとすごいモンスターへ育てるに違いない。

 
 そんなことがありつつも数日が経過したころ、アルケディア・オンラインのほうでアップデートのお知らせがあった。
 なんでもVer.4.2から4.3へのアップデートのようだが、また色々と解放するものがあるようで、既に楽しみな人でネット上にあふれかえっている様子。

 とはいえ、すぐに楽しむのも悪くはないが…

「…海王惑星を一緒に遊べなかったお詫びに、手に入れたミステリートレインのチケットで誘ったけど、これはこれで楽しみだよね?」
「うん!ミステリートレイン、ハルと一緒の旅…悪くはないね!小さい時に、間違った車両に乗って遠方まで行っちゃった苦い思い出はあるけど、旅は旅でいいものだよ」
「ああ、北海道旅行のつもりが、何をどうまちがったか沖縄にまで行っちゃった事件のことかぁ…」

 懐かしい様な、よく無事で帰ってこれたなと思いつつも、これから春たちはミステリートレインによる列車の旅時に出ようとしていた。
 1週間程度かけて戻ってくる旅路のようで、それだけの期間会社を休めるのかと思ったが、実は以前運営会社との提携事業があった際に全社員に対して特別休暇が与えられていた。
 いつでも使えるタイプのもので、繰り越しもできたようだが…今回思い切って、ミステリートレインの旅の間、休めるように休暇申請を行ったのである。

 休暇後にどうしても他の社員ではできなかった仕事やメールの対応に追われる未来は見えるのだが、それでも一緒に旅をするだけの価値はあるだろう。
 普段、オンラインのほうを遊ぶことが多いが、たまにはこうやってネット環境から離れた旅路というのも悪くはない。

 
 色々と泊る準備をして、しっかりと不足がないことを確認し、家の留守番をロロに頼む。

「これからしばらく留守にするけど、留守番を頼むね」
【お任せくださいませ、主様。しばらくのお留守の間、しっかりと家を守って見せマス】

 長期間の旅行は空き巣などの被害が恐ろしいが、こういう時にオンラインの使用人システムが利用できるのはありがたいことだ。
 監視カメラやその他防犯システムもあるだろうが、人がいるのも効果的…人扱いで間違っていないはずである。

「とはいえ、この辺そんな危険な情報とかもないしね、正直言って、現実のほうがオンラインの世界より安全な気がするんだよなぁ…」
「でも、私が久しぶりにこの国に帰ってきたときの話もあるよね?」
「…アレは特殊な例だと思いたい」

 日常的に無い様な事件が確かに起きたが、そんなホイホイで合うようなものはない。
 むしろあったら、某探偵漫画の主人公のように危ない様な…結構いないか?



 そんなレベルで遭遇する人が、小学校の友人でいたなぁと思い出しつつも家を後にする。
 これからゆっくりと、ミーちゃんと一緒にミステリートレインの旅路を楽しむのだから、今は余計なことを考えずに行きたいところ。

 仕事とか騒動とかそんなことを思いっきり頭の片隅へ追いやり、僕らは駅へ向かうのであった…










【…さてと、主様たちは無事に向かわれましたね】

 玄関でのお見送りの後、自身の生体反応センサーで春たちがある程度の距離を離れていったことを感知してそうつぶやくロロ。
 流石にミステリートレインの旅路で変なことは起きないとは思うのだが、自身の主の騒動遭遇率を考えると、ちょっと無事に帰ってくるのかは怪しいと思わざるを得ない。

 ただ、それよりも別の事のほうに今は気を付ける必要があるだろう。

【…メインセンターより、ハッキング形跡の確認。工作で発覚が遅れるも、内容として…警戒をしたほうがよさそうですネ】

 実は春たちには報告していなかったのだが、運営会社のほうで妙なハッキングの被害が確認できた。
 データを破壊するとかではなく、情報のコピーのようだが、そのコピーされた情報が何やらきな臭い香りを漂わせているのである。

【せっかく主様たちがご旅行されているのですから、何事もない様に…しっかり防犯システムを稼働させましょウ】

 留守番を任されているからこそ、何事もなく家を守り抜く。
 そう決めながら、ロロが壁の一部を弄ると隠し操作盤が現れ、ぽちかちと弄り始めるのであった…

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