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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~
ver.4.1-62 少数精鋭は理由もある
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…まさかの欲望変態、こほん、欲望戦隊とこの星で再会するとは思いもしなかった。
ただ、いつもならば前口上を述べて格好をつける奴らのはずだが、本日は人数があっておらず、その口上を吹っ飛ばし、ひとまずは救助したので事情を聴くことになった。
適当に変態度が濃すぎないうちに自己紹介をしてもらいつつ、薄めのうちにすぐに離脱できるようにも用意しておくのは忘れない。
しっかりと様々な変態対策も出して、どういう状況で襲われていたのか、まずはここに来るまでの経緯やいつもの面子じゃないことから聞くことにした。
「…え?カックウさんスッケンさん、のじゃロリやお孫さんは本日ログインしていないの?」
「そうなんじゃよな…青緑の二人は、ちょっと事情があってコンビで休みなのに出張しておる:
「ほかは国家間の話し合いと、普通に現実のほうでのゲーセンで…だから、欲望戦隊としての活動は、本日お休みなんだ」
ミートンさん、タローンさんの話によると、本日他の面々はそれぞれの用事があり、ログインしていないらしい。
5人そろっての戦隊ものパーティだから足りないとやる気もなさそうだが、ちょっと違う目的があって今日はここに残りのメンツでやってきたそうだ。
「それが、この羽根つき子豚を連れてきた理由なの?」
「いーなー、可愛いなー。でも、見たことがないような?」
「ないわねぇ…野生でいるならちょっと目撃情報がありそうなものだけど、珍しいわね」
【プモォォ!!】
妹と母さんになでられ、うれしそうな声を上げる子豚…マッチョンのいる場所に代わりにいる羽根つきの子豚。
なんだろうと思って問いかけてみたら…なんと、驚くべきことにこの子豚はマッチョンの子供らしい。
「テイムモンスターって子供産めたの!?」
「みたいじゃな…初めて知って調べたが、どうやら3.0あたりですでに確認されていたらしい」
「その子は『プチウィングピッグ』の『プモモン』。孫娘さんが名付けたんだが、マッチョンとその番となったモンスターとの子供らしいんだよね」
テイムモンスターにも雄雌は確認されていたが、まさかの繁殖要素があったのは驚きである。
いや、でも考えたらあってもおかしくはないのだろうが…それでも、こうやって新しい命ができていたとは、実際に目にしないと分からないものだ。
そして何故現在進行形で侵略中の毒虫があふれるこの星に、この子を連れてきたのかといえば…どうもマッチョンたちのほうで面倒ごとが起きたらしい。
「本当なら親ということで、マッチョンたちも連れてきたかったのだが…」
「こっちはこっちでねぇ…実はもう一体生まれそうで、そっちのほうにかかりきりになちゃっているんだよ」
「まだ増えるのか…」
そのため、本当ならテイムした側の責任ということで一緒に誕生の瞬間を見ようという変態の中の残されていたまともな心の部分もあって考えていたらしいが、プモモンが意見を出したらしい。
弟か妹かわからないが、その新しい子が出てくるのであれば、先に生まれた立場だからこそ気遣い、プレゼントをあげたいと言ったらしい。
鳴き声がマッチョンに似た感じの「プモゥ」だけだが、身振り手振りで伝わり…幼子をそのまま勝手に行かせるわけにもいかないので、一緒にこの星でプレゼントを探すことにしたようだ。
ただ、そんな想う心に対して、まさかの緊急イベントが発生してしまい…
「花をプレゼントしようという中で、見つけた良さそうなのが枯らされそうになって、プモモンが全力で体当たりして一匹吹っ飛ばしたんだ」
「小さな体で親譲りのパワフルさがあったが…吹っ飛ばされた奴が怒って、今に至るというわけなんじゃよ」
「あー…割とまともな感じの理由だったのか」
欲望戦隊だから何かをしでかして怒りを買ったのかと思っていたが、まだまともな理由だった。
プレゼントしようとした花を守ろうとして、怒らせっちゃったか…変態たちによる変態乱舞的なものでもやって激怒されたのかと内心疑ってしまったが…うん、そんなことがなくてよかったと思いたい。
とにもかくにも、緊急イベントに巻き込まれる形になったが、彼らにとってもこの星が侵略者によって枯らされるのはプレゼントができなくなるのが困るということで、いったんここで討伐するプレイヤー同士ということで、組むことになった。
追われていたようだが…ムシコロリを投げて奴らを殲滅する人手にはちょうどいいだろう。
「まぁ、緊急イベントということでこの惑星上のプレイヤーたちが協力している状態だし、争うこともないしな…協力し合うか」
「うむ…できればカックウたちもいればよかったが、ハルさんがいるなら100人力じゃ」
「それにしても、なんかまた…増えてないかな、ハルさん?なんか見たことない竜のメイドさんっぽいのも混ざっているんだけど」
「…そこはまぁ、色々あってね」
「色々ってなんじゃ、色々って!!」
「可愛い子がなかなか得られないのに何でハルさんばっか可愛い子が集っていくんだよぉぉぉぉぉ!!」
…そんなことを言われても、僕自身どうしてそうなるのかわからない。
疑問に対しての答えが出せないのだが、ひとまずは協力し合うことにするのであった…
「でも、この状況小さい子は危険だし、ハウスシステムが使えるなら入れておいたほうがいいんじゃ?」
「そうしたんだけど、プモモンがいうことを聞かなくて…自分でプレゼントになる花を獲得したいって」
【プモォォゥ!!】
まだまだ小さいが、やる気などが溢れているようだ。マッチョンの子供だけど、苦労人には育つなよと思うのであった…
ただ、いつもならば前口上を述べて格好をつける奴らのはずだが、本日は人数があっておらず、その口上を吹っ飛ばし、ひとまずは救助したので事情を聴くことになった。
適当に変態度が濃すぎないうちに自己紹介をしてもらいつつ、薄めのうちにすぐに離脱できるようにも用意しておくのは忘れない。
しっかりと様々な変態対策も出して、どういう状況で襲われていたのか、まずはここに来るまでの経緯やいつもの面子じゃないことから聞くことにした。
「…え?カックウさんスッケンさん、のじゃロリやお孫さんは本日ログインしていないの?」
「そうなんじゃよな…青緑の二人は、ちょっと事情があってコンビで休みなのに出張しておる:
「ほかは国家間の話し合いと、普通に現実のほうでのゲーセンで…だから、欲望戦隊としての活動は、本日お休みなんだ」
ミートンさん、タローンさんの話によると、本日他の面々はそれぞれの用事があり、ログインしていないらしい。
5人そろっての戦隊ものパーティだから足りないとやる気もなさそうだが、ちょっと違う目的があって今日はここに残りのメンツでやってきたそうだ。
「それが、この羽根つき子豚を連れてきた理由なの?」
「いーなー、可愛いなー。でも、見たことがないような?」
「ないわねぇ…野生でいるならちょっと目撃情報がありそうなものだけど、珍しいわね」
【プモォォ!!】
妹と母さんになでられ、うれしそうな声を上げる子豚…マッチョンのいる場所に代わりにいる羽根つきの子豚。
なんだろうと思って問いかけてみたら…なんと、驚くべきことにこの子豚はマッチョンの子供らしい。
「テイムモンスターって子供産めたの!?」
「みたいじゃな…初めて知って調べたが、どうやら3.0あたりですでに確認されていたらしい」
「その子は『プチウィングピッグ』の『プモモン』。孫娘さんが名付けたんだが、マッチョンとその番となったモンスターとの子供らしいんだよね」
テイムモンスターにも雄雌は確認されていたが、まさかの繁殖要素があったのは驚きである。
いや、でも考えたらあってもおかしくはないのだろうが…それでも、こうやって新しい命ができていたとは、実際に目にしないと分からないものだ。
そして何故現在進行形で侵略中の毒虫があふれるこの星に、この子を連れてきたのかといえば…どうもマッチョンたちのほうで面倒ごとが起きたらしい。
「本当なら親ということで、マッチョンたちも連れてきたかったのだが…」
「こっちはこっちでねぇ…実はもう一体生まれそうで、そっちのほうにかかりきりになちゃっているんだよ」
「まだ増えるのか…」
そのため、本当ならテイムした側の責任ということで一緒に誕生の瞬間を見ようという変態の中の残されていたまともな心の部分もあって考えていたらしいが、プモモンが意見を出したらしい。
弟か妹かわからないが、その新しい子が出てくるのであれば、先に生まれた立場だからこそ気遣い、プレゼントをあげたいと言ったらしい。
鳴き声がマッチョンに似た感じの「プモゥ」だけだが、身振り手振りで伝わり…幼子をそのまま勝手に行かせるわけにもいかないので、一緒にこの星でプレゼントを探すことにしたようだ。
ただ、そんな想う心に対して、まさかの緊急イベントが発生してしまい…
「花をプレゼントしようという中で、見つけた良さそうなのが枯らされそうになって、プモモンが全力で体当たりして一匹吹っ飛ばしたんだ」
「小さな体で親譲りのパワフルさがあったが…吹っ飛ばされた奴が怒って、今に至るというわけなんじゃよ」
「あー…割とまともな感じの理由だったのか」
欲望戦隊だから何かをしでかして怒りを買ったのかと思っていたが、まだまともな理由だった。
プレゼントしようとした花を守ろうとして、怒らせっちゃったか…変態たちによる変態乱舞的なものでもやって激怒されたのかと内心疑ってしまったが…うん、そんなことがなくてよかったと思いたい。
とにもかくにも、緊急イベントに巻き込まれる形になったが、彼らにとってもこの星が侵略者によって枯らされるのはプレゼントができなくなるのが困るということで、いったんここで討伐するプレイヤー同士ということで、組むことになった。
追われていたようだが…ムシコロリを投げて奴らを殲滅する人手にはちょうどいいだろう。
「まぁ、緊急イベントということでこの惑星上のプレイヤーたちが協力している状態だし、争うこともないしな…協力し合うか」
「うむ…できればカックウたちもいればよかったが、ハルさんがいるなら100人力じゃ」
「それにしても、なんかまた…増えてないかな、ハルさん?なんか見たことない竜のメイドさんっぽいのも混ざっているんだけど」
「…そこはまぁ、色々あってね」
「色々ってなんじゃ、色々って!!」
「可愛い子がなかなか得られないのに何でハルさんばっか可愛い子が集っていくんだよぉぉぉぉぉ!!」
…そんなことを言われても、僕自身どうしてそうなるのかわからない。
疑問に対しての答えが出せないのだが、ひとまずは協力し合うことにするのであった…
「でも、この状況小さい子は危険だし、ハウスシステムが使えるなら入れておいたほうがいいんじゃ?」
「そうしたんだけど、プモモンがいうことを聞かなくて…自分でプレゼントになる花を獲得したいって」
【プモォォゥ!!】
まだまだ小さいが、やる気などが溢れているようだ。マッチョンの子供だけど、苦労人には育つなよと思うのであった…
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