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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.1-59 花開き、扉も開き

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万年満開惑星『フラワープラネット』
名前の通り、ずっと様々な花が咲き誇り続けている花の楽園のような惑星。
季節ごとに開花する花で一応分かれているため、春夏秋冬楽しみたい場所で観光が可能になっている。
―――――

…季節外れの花が咲き誇りまくるようだが、楽しみたい気分に合わせやすいのであればいいだろう。
 全部がごちゃ混ぜだとカオスな感じだろうが、ちゃんと分かれているのであれば、見やすい気分にはなるはずである。

「それで、都合よく寄りやすく、花見の定番として春の部分で桜が咲き誇るエリアに集まったわけだけど…母さん、そのアバターであっているの?」
「ふふふ、どうかしらこのアバターは!!」
「お兄ちゃん、お父さんのよりはましだよ…」

 家にいるからか、両親のアルケディア・オンライン内でのアバターをすでに確認していたトーカが諦めたような口ぶりだったが…ツッコミをとりあえず、させてもらおう。

「なんで魔法少女の格好のままなんだよ!!」
「これ、イベントであったやつよ。中々可愛くて、普段着にしているのよねぇ」

 以前あった、魔法少女のイベント。
 あの衣装をどうやらそのまま装備しているらしく、花見の場に間違ってはないのだが、年齢を考えるとツッコミどころしかない状況になっているだろう。
 親のこういう一面。見ると結構きついような…この様子だと父さんのほうがどういうのなのか、それはそれで気になるような見たくないような恐ろしいような、何とも言えない気持ちになる。


 ひとまず格好のことはさておき…こうやって家族で(父のぞく集まる状況というのも、子らはこれで面白いかもしれない。
 ただ、案の定というか問題が一つ起きた。

「それで、そっちがあなたのテイムモンスターたちってことで良いのよね?」
「ええ、まぁ、はい。こちら、僕のテイムモンスター全員です。マリー、リン、セレア、ルト、アリス、ネア、コユキ、シア…あとはこの場にいない使用人のロロも含めて、いつもこのメンツでプレイしています」
「相変わらずというか、なんかまた増えているというか…何でお兄ちゃんばかりに、こんなにかわいい子が多いのよ!!」
「そうねぇ…確かに多いと、間違いをやらかしてないか心配になりそうだわ」
「本当に、やらかしていないので安心してください」

…しいていうのであれば、全員今通常の状態だけど、黒き女神としての使い魔状態にも切り替えられる程度のことぐらいはあったりする。
 黒き女神のほうは魔法少女イベントの一件で妹は知っているが…そこはもう、口封じとして今度パフェをおごることにして黙ってもらうことにした。
 信じて一人暮らしとして送りだした息子が、ゲームの世界でまさかの女体化からの女神になっていくとか、親にとってとんでもない心配の種にもなりかねないからね…知らないほうが良いことも世の中にあると思ってほしい。

「まぁ、良いわ。間違いを犯してもなさそうなのはわかるわ。でも…最後の子、シアちゃんかしら?」
【ピャァ?】
「うーん…銀髪幼女ゴスロリドラゴン娘…詰め込み過ぎて、これはこれで他から襲われそうな感じよねぇ。いえ、アリスちゃんのようなロリ巨乳悪魔っ子みたいなのも、同じかしら。マリーちゃんリンちゃんセレアちゃんコユキちゃんネアちゃんは大人っぽいし、ルトちゃんはどっちかといえばなんか外なる神とか言われる方とつながって良そうな感じもするのよねぇ」

 そんなことを言われても、変えようがないのだから仕方がない。
 というか元々、こんな人型に近い容姿になる面子じゃなかったんだよなぁ…最初は。
 蛇だったりクロヒョウだったり、馬、タコ、幼虫、雪の結晶、霧ドラゴン…アリスはまぁ変態戦隊の時からあまり変化はないので例外として、一番最初に出会った時の姿から、よくもまぁここまでかけ離れた姿になってしまったものだと思うところもある。
 なんでこんな方向性へ全員姿を変えてしまったのかは、考えるのを放棄してもいいぐらいなほど経験させられているのだ。

 なので、その言葉に対して何も言うことはない。
 とりあえずは、なすがままに身を任せていたら、こうなっていたということを伝えておく。


「なるほどねぇ…それでも、これはこれでうらやましいとは思うわ。お母さんの、イケメンパラダイスにしてみたいけど、まだまだ経験が足りないのか変わらないこともいるのよね」
「さらっと母親の欲望が聞こえたけど、良いのかそれ」
「あきらめておくほうが良いよ、お兄ちゃん。お父さんとお母さんの無茶苦茶なことは、昔から知っているはずよね」
「…」

 それを言われると、本当に何も言えなくなる。
 うちの一族…誰か確実に何かをやらかしていることが多いそうだが、父さんも母さんも例にもれずやっているからなぁ。

 ちょっとばかり遠い目をして、従妹あたりが先日山をくりぬいて歴史的に貴重な化石を見つけたとかいう話を聞いたことがあったなということを思い出していた…その時だった。

ポンピョンポヘェェェェン♪
―――――
>緊急クエストが発生しました!!
>惑星フラワープラネットに滞在している、全プレイヤーへ向けての発信となります!!
―――――

「「「ん?」」」

 物凄く気が抜けるような音が鳴り響いたかと思えば、急にログへ通達が出されたことが表示された。
 せっかくここで家族集まって、お気楽な談話で流そうとしていたのだが、どうやら何か起きたらしい。

―――――
>フラワープラネットの春夏秋冬各エリアにて、異星人が侵略してきました!!
>主たる星の主はいないのですが、このまま侵略されると、花がすべて枯れる可能性があります!!
>ポイズンワーム星人が次々に攻撃を仕掛けてきています!!
>急いで、彼らをこの星から駆逐してください!!

緊急クエスト『異星人の花侵略作戦』
・クエスト内容:
各エリアで侵略作業中のポイズンワーム星人の完全討伐。
全ての草花が彼らから分泌される猛毒で枯れさせられるまえに、全滅させよ。
80%の討伐完了時点で、最後の詰めとしてレイドボスが出現、レイドバトルへと移行します。

・達成報酬:
ハウスシステム内の花壇に、特殊な草花の種を無料配布。
春夏秋冬各エリアを、瞬間で移動可能なポータル利用パス配布。
討伐貢献度によって、特殊な衣装を獲得可能。

・失敗時:
惑星が死に絶え、崩壊し始めます。超緊急クエスト星からの脱出が強制的に行われます。
脱出失敗時、超強力なデスペナルティが付いてしまいます。
失敗したときに、この星が宇宙図から抹消されます。
―――――

「わーお…まさかの、緊急クエストか」
「しかも、時間制限もあるみたい。ほら、ログの右上に残り時間が表示されているよ」
「うーん、報酬がちょっと微妙だけど…この見ごたえのある星がなくなるのは困るわねぇ」

 まさかの家族団らんの時間に合わせて、やってきた侵略者たち。
 せっかくの全員でのプレイなので、ここはほかのプレイヤーたちと協力して、クエストをこなそうと決めるのであった…

「ところで、ポイズンワーム星人ってなんだよ。宇宙人ってモンスター扱いじゃないのか」
「その線引きはわからないかも。何か違うのかなぁ?」
「わからないわねぇ。この間、サキュバス・インキュバス星人爆破クエストがでたけれども、普通に魔界エリアのほうでサキュバスとかもいるはずで、星人わけするまでの違いがちょっと不明なのよね」

…爆破クエストとは、なんぞや。
 詳しく聞けば、R18指定になるようなどろどろものではなく、普通にカップリングさせて背景を爆破するという謎なクエストだったらしい。背景爆破…そういう時こそ、欲望戦隊に出番があったのでは?あの人たち、ポーズを決めたときに背後で派手に爆発だすし、向いていたんだろうけれどなぁ…
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