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Ver.4.0 ~星々の輝き、揺らめく境界~

ver.4.0-41 考えたらこれはこれで、恐ろしい技術ではないだろうか

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……ものすごく今更な話だが、現在僕らの会社が攻めている相手企業に関しての情報が出ていた。
 そもそも、アルケディア・オンラインの運営会社との提携も持つこの会社に対して、普通の企業が攻めてくることはない。
 ならば、どういう企業がやってくるのかといえば、自身の力をわきまえたうえでしっかりと対応できるだろうと考えるところと、何も考えなしにやってくるところがある。

 そして今回の場合は、後者の可能性もあったのだが…以外にも、まともに考えたうえでやってきたらしい企業だということが、攻める前に確認できた。

「…空想実現ラボラトリー会社『ユニコーンX』か」

 企業名のセンスがかなり微妙なところだが、一応、その企業自体は業界内では有名どころだったりするところで、VRMMO技術とまではいかずとも、ある程度現実に近い場所で楽しめるようなゲームの開発を行っていたり、あるいは技術を生かして別方面…車や飛行機の完全無人操縦や、漁業林業などのAIによる徹底した管理による生産工場を目的に、あちこちで最先端技術を持っているということを見せびらかしているような話があったらしい。

 ただ、その技術に関してはいろいろと怪しいところがあり、やけにちぐはぐというか、あっていないのに無理やり合わせているような…自社開発したとは思えないような妙な部分が多いところでも有名な企業でもあった。
 噂では、他社から技術を盗み取ってつなぎ合わせ、いかにもオリジナルの技術のように見せかけるといったところではないかという話もあり、色々と真っ黒な話が絶えなかったのだ。盗んだものだと企業機密部分で完全にできない部分もあるだろうし、ちぐはぐに見えるならそんな話も出てくるだろうと思うが…まぁ、清廉潔白じゃないなら、そんなものが出ても仕方がない話だろう。

 しかしながら、そんな企業でも成長を遂げていたのだが…ここにきて、VRMMOの技術などで出てきたメーゼ・イワド社によって、その話はうんともすんとも聞くことはなくなっていた。
 おそらくはハッキングやそのほか色々とやって技術を盗もうとして、見事に返り討ちにあって潰れた企業の一つになったのではないかと噂になっていた時もあったのだが…そんな企業が、今更になってこの会社を攻めてくるのはおかし話でもある。
 提携話もそこそこ前の話になっているし…もっと早く来ても、おかしくはなかったのだが、今日まで潜伏していたのが気になるところだ。


 どういうことなのか、そこが疑問でもあったのだが、今、目の前で敵キャラデータを打ち抜いて出てきた情報によって、少し解消した。

「…社内の後継者争いかぁ」

 まっくろくろすけな噂が絶えなかった企業だったが、どうやらその中身が黒すぎて、かなりきな臭い内部抗争が勃発していたらしい。よくある話だと思いたくもないが、そんなことが起きていたことによって、ここ最近おとなしかったというか表立って出なかったのだろう。
 社長の愛人たちによるコネ入社の息子たち同士の血で血を洗うようなどろどろとした内部の争いによって、とばっちりが来ていただけらしい。
 その争いの中で、技術の盗用分野に関しての強化を図ろうとした奴がいて、うちの会社を狙ってきたというわけか…いやはや、迷惑なことこの上ない。

「しかも、しっかり他社から技術を盗もうとする部門のデータまであるって、そこまで堂々とやって良いのかこれ」

 普通はこんな代物、社内サーバとかに保存するんじゃなくて、外部に保存できるようなものとかでもうちょっと情報の秘匿をするような気がする。
 でも今、まさかネット内に直接入って攻撃されるとは思ってなくて、ここに保存していたって…なんというか、ケンカを仕掛けた相手が悪すぎると、相手に多少同情してしまうだろう。


 まぁ、同情はしても容赦はしないが。しっかりとこちらのデータは破棄せずに、各ネットワーク上にいる社内のメンツへ送っておく。
 罠の可能性もあるのでウイルススキャンなどもして確認し…あ、これちょうど結構やばい情報を得たってことで、今攻めている中でなかなかの高得点を獲得したぞ。


 よく見れば今回の社内イベント、どのぐらい相手企業にダメージがあるのかというところで得点性にもなっていたようで、このデータ供給でちょっと減少するが、それでもこの黒い秘密を抜き取ったことで点数がそこそこ入ったらしい。
 ついでにランキング形式になっているようで、アルケディア・オンライン内でのユーザー名でランキングが表示されており、自分が今どこにいるのかというのもわかりやすくなっているらしい。

「えっと僕は…ありゃ、これでも5位ぐらいか」

 結構やばめの部分を得たと思ったが、上には上がいたらしい。
 あと、社内イベントということで社内にいた人たちだけかと思いきや、国外のほうにいるタローンの名前もあるところを見ると、支部とか各地の同社でやっているのだろう。

 ちなみに、一位が社長、二位がタローン、三位が…あ、これ社内のカウンセラーの人だ。意外にも上位にいるのか。
 社長がいるなら副社長も上位にいるのかと思ったが、こちらは意外にも最下位のようだ。従妹の人が何やら大変らしいという話があったし、集中できていないのだろうか。

 なんにせよ、このまま何事もなく平穏に済んでほしいのだが、ここで一つ疑問が浮かんだ。


「そういえば、これどのタイミングで終わるんだろうか…?」

 相手企業のデータをすべて破壊しまくった時点なのか、徹底的にすべてのシステムを使えなくするのか、あるいはそこそこの被害までが範囲なのか。
 具体的な終了条件が、考えたら明示されていないのである。

「…まぁ、気にせずにやるべきか」
【オブバアアアアアアアアア!!】
【タキョォォォォン!】

「っと、不味いな。あっちから敵キャラデータがまたやってきた!!しかも明確にこっちロックオンしている奴かー!!」

 だんだん先へ進むにつれて、結構手ごわくなってきたような気がする。
 もしかすると最深部へ到達して破壊に成功すれば、そこで終わるのかもしれない。

 ひとまずの目標はそこまで到達することにしておいて、今は襲い掛かる敵へ照準を合わせ、引き金を引くのであった…


バァァァン!!
「…しかし、ガンナーだから拳銃だけど、もうちょっと威力がないと厳しくなってくるな。ここまで来たら道中に何かパワーアップアイテムとかが欲しいけど…うん、まだ黒き女神を使う必要もないかな?」
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