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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~
ver.3.2-68 流されて迷コンビ当然発生?
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‥‥‥悪くはないだろう。誰もいない場所でありつつ周囲に運営の気配はない。
おそらくは開発段階で作られた島でありつつも、データ上の都合で中身までは作り込まれずにプレイヤー販売向けに用意された無人島の一つなのかもしれない。
「そう考えると、これは好都合かもしれぬが‥‥‥おーい、そっちに船は見かけたかのぅ?」
「いや、見つけられないな‥‥‥ギィギ、タラコント、そっちはどうだー?」
【グゲゴゲグゲゴゴエ!!】
【グラブシャァァァ!!】
この島に漂流して遭遇したプレイヤーの男性に声をかけ、さらにそのテイムモンスター…‥‥どう見たって巨大食虫植物にしか見えぬ化け物のような奴らにも声をかけるが、どうやら船が通るルートからも外れた場所にあると推測できる。
「むぅ、助けも呼べないがそれでも人に見つかりにくそうな場所…‥‥もしやここで修行しろと、日ごろの行いから神が用意してくれた場所なのか!!」
「修行用のフィールドは既にあるのじゃがなぁ‥‥‥中三病とやら、お主前向きじゃのぅ」
「あたりまえだ!!あの地獄の環境から逃げ伸びた今、どの様な場所も楽園と言って過言でもないからな!!」
びしぃっと指をたて、物凄い苦労から解放されたような顔でプレイヤー…‥‥中三病となのる者はそう答えた。
鏡面ののじゃロリことアティは今、中三病と名乗るプレイヤーと共にとある島に漂流していた。
恐竜帝国を目指して船に乗っていたが、道中で大嵐に遭遇して海に落下し、気が付いたらこの島に流れ着いていたわけだが‥‥‥どういう運命のいたずらか、中三病と呼ばれるプレイヤーもここにいたのである。
自分の目的などはごまかしつつ、カクカクシカジカと情報を交換したところ、どうやら彼は目的地であった恐竜帝国から出てきた人のようで、同じように海で嵐に遭遇し、ここに流れ着いたようなのだ。
「しかし、恐竜帝国から逃れてきたか。そんなに女帝とやらの統治が嫌じゃったのか?聞いた限りじゃと、お主の姉が治めているようじゃが、血縁者ならば好待遇にならぬかのぅ?」
「なるわけがない!!あの姉が好待遇を用意して来たら、それこそこのアルケディア・オンラインの世界で全プレイヤーがハルさんのように、ハーレムもしくは逆ハーレムのようなうふふで羨ましいような生活を送れていると断言できるほどだぁ!!」
「そ、そうかのぅ」
偶然というべきか、どうやらこの中三病とやらはあの色々と邪魔してきたプレイヤーの知り合いらしい。
都合が良いというか利用できればいいのだが、目の感じからして物凄い苦労を背負っているのが良くわかり、非道な手段をいくつか使ってきたことはあったが、流石に同情をせざるを得ないような代物になるとそっとしておくべきかと思うほどであった。
いや、むしろそこまで感じさせるほどの苦労を背負うとは、現実の世界がそこまで厳しいものなのか、あるいはその周辺環境のみが酷いのかは不明だ。
何にしても好都合なことに、どうやら彼は自分をただの漂流したNPCと勘違いしているようで、警戒心を抱かれてはいない様子。
ただし、その周囲の食虫植物のようなモンスターたちに関しては注意が必要なのようで、現在進行形でウツボカズラのようなものが彼を呑み込んだ状態のままというの油断できないだろう。単純に、諦めの境地のその先に至っていなければいい話ではある。
「さてと、何も無い無人島となると‥‥‥ここを今日より住まいにしなければいけないのぅ」
「船とかは呼ばなくていいのかい?」
「呼ぶ必要もあるじゃろう。じゃが、その助けの手は時間がかかる。ならば、その待機時間を無駄なく過ごすためにも、ここを開拓して拠点とするのじゃ!!」
しょうじき言って、データのあれやそれを都合よく改ざんするためには場所が必要だ。
その為、運営の手がまだ入っていないようなこの地であれば、なんとか発覚前にどうにかこなすことが出来る可能性は非常に大きい。
「なるほど‥‥‥なら、一緒にやろうか!!無人島の開拓は男のロマンでもあり、ココから女帝への反撃の拠点とするのも夢がある話だ!!全力で取り組もう!!」
「女帝への反撃は夢がある話かのぅ?」
話を聞く限りだと、夢物語にしか思えないような力関係である。
それなのに希望を捨てずに自分で捕まえようとするプレイヤーとは、これまた向上心溢れる有望な都合の良いものを仲間にできたも同然だろう。
とにもかくにも本日より、目的がずれている点があるとはいえアティと中三病は互いに協力し合う関係を築き上げ、ここに某鉄腕番組もすっとんきょうに驚くような拠点を作製し始めるのであった‥‥‥
―――ビシィ
「む?」
「どうしたんだ?」
「いや何かこう、嫌な音がしてのぅ。気のせいじゃと良いんじゃが‥‥‥それと一つ聞きたいが、お主まだそのテイムモンスターの中におっていいのかのぅ?好きで入っているだけだと思いたいのじゃが」
「ははは、大丈夫大丈夫。すでにちょっとと溶けているけど、現実では味わえない肉体離脱を少し楽しめるからね」
「いやそれ、すぐに出た方が良いじゃろ!?消化されているようにしか思えぬのじゃが!?」
‥‥‥前途多難と言うかもしれない。
おそらくは開発段階で作られた島でありつつも、データ上の都合で中身までは作り込まれずにプレイヤー販売向けに用意された無人島の一つなのかもしれない。
「そう考えると、これは好都合かもしれぬが‥‥‥おーい、そっちに船は見かけたかのぅ?」
「いや、見つけられないな‥‥‥ギィギ、タラコント、そっちはどうだー?」
【グゲゴゲグゲゴゴエ!!】
【グラブシャァァァ!!】
この島に漂流して遭遇したプレイヤーの男性に声をかけ、さらにそのテイムモンスター…‥‥どう見たって巨大食虫植物にしか見えぬ化け物のような奴らにも声をかけるが、どうやら船が通るルートからも外れた場所にあると推測できる。
「むぅ、助けも呼べないがそれでも人に見つかりにくそうな場所…‥‥もしやここで修行しろと、日ごろの行いから神が用意してくれた場所なのか!!」
「修行用のフィールドは既にあるのじゃがなぁ‥‥‥中三病とやら、お主前向きじゃのぅ」
「あたりまえだ!!あの地獄の環境から逃げ伸びた今、どの様な場所も楽園と言って過言でもないからな!!」
びしぃっと指をたて、物凄い苦労から解放されたような顔でプレイヤー…‥‥中三病となのる者はそう答えた。
鏡面ののじゃロリことアティは今、中三病と名乗るプレイヤーと共にとある島に漂流していた。
恐竜帝国を目指して船に乗っていたが、道中で大嵐に遭遇して海に落下し、気が付いたらこの島に流れ着いていたわけだが‥‥‥どういう運命のいたずらか、中三病と呼ばれるプレイヤーもここにいたのである。
自分の目的などはごまかしつつ、カクカクシカジカと情報を交換したところ、どうやら彼は目的地であった恐竜帝国から出てきた人のようで、同じように海で嵐に遭遇し、ここに流れ着いたようなのだ。
「しかし、恐竜帝国から逃れてきたか。そんなに女帝とやらの統治が嫌じゃったのか?聞いた限りじゃと、お主の姉が治めているようじゃが、血縁者ならば好待遇にならぬかのぅ?」
「なるわけがない!!あの姉が好待遇を用意して来たら、それこそこのアルケディア・オンラインの世界で全プレイヤーがハルさんのように、ハーレムもしくは逆ハーレムのようなうふふで羨ましいような生活を送れていると断言できるほどだぁ!!」
「そ、そうかのぅ」
偶然というべきか、どうやらこの中三病とやらはあの色々と邪魔してきたプレイヤーの知り合いらしい。
都合が良いというか利用できればいいのだが、目の感じからして物凄い苦労を背負っているのが良くわかり、非道な手段をいくつか使ってきたことはあったが、流石に同情をせざるを得ないような代物になるとそっとしておくべきかと思うほどであった。
いや、むしろそこまで感じさせるほどの苦労を背負うとは、現実の世界がそこまで厳しいものなのか、あるいはその周辺環境のみが酷いのかは不明だ。
何にしても好都合なことに、どうやら彼は自分をただの漂流したNPCと勘違いしているようで、警戒心を抱かれてはいない様子。
ただし、その周囲の食虫植物のようなモンスターたちに関しては注意が必要なのようで、現在進行形でウツボカズラのようなものが彼を呑み込んだ状態のままというの油断できないだろう。単純に、諦めの境地のその先に至っていなければいい話ではある。
「さてと、何も無い無人島となると‥‥‥ここを今日より住まいにしなければいけないのぅ」
「船とかは呼ばなくていいのかい?」
「呼ぶ必要もあるじゃろう。じゃが、その助けの手は時間がかかる。ならば、その待機時間を無駄なく過ごすためにも、ここを開拓して拠点とするのじゃ!!」
しょうじき言って、データのあれやそれを都合よく改ざんするためには場所が必要だ。
その為、運営の手がまだ入っていないようなこの地であれば、なんとか発覚前にどうにかこなすことが出来る可能性は非常に大きい。
「なるほど‥‥‥なら、一緒にやろうか!!無人島の開拓は男のロマンでもあり、ココから女帝への反撃の拠点とするのも夢がある話だ!!全力で取り組もう!!」
「女帝への反撃は夢がある話かのぅ?」
話を聞く限りだと、夢物語にしか思えないような力関係である。
それなのに希望を捨てずに自分で捕まえようとするプレイヤーとは、これまた向上心溢れる有望な都合の良いものを仲間にできたも同然だろう。
とにもかくにも本日より、目的がずれている点があるとはいえアティと中三病は互いに協力し合う関係を築き上げ、ここに某鉄腕番組もすっとんきょうに驚くような拠点を作製し始めるのであった‥‥‥
―――ビシィ
「む?」
「どうしたんだ?」
「いや何かこう、嫌な音がしてのぅ。気のせいじゃと良いんじゃが‥‥‥それと一つ聞きたいが、お主まだそのテイムモンスターの中におっていいのかのぅ?好きで入っているだけだと思いたいのじゃが」
「ははは、大丈夫大丈夫。すでにちょっとと溶けているけど、現実では味わえない肉体離脱を少し楽しめるからね」
「いやそれ、すぐに出た方が良いじゃろ!?消化されているようにしか思えぬのじゃが!?」
‥‥‥前途多難と言うかもしれない。
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