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Ver.3.0 ~動き始める大きな世界~
ver.3.0-12 烏合の衆とは、よく言ったもので
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「うぉぉぉぉぉ!!カウンターショォォォック!!」
「すかさずマッチョン!」
【ブモォォォォ!!】
相手の攻撃を受けとめ、衝撃波に変換して体勢を崩させたところで、襲い掛かる日ごろの鬱憤などを詰め込んだ攻撃。
単純ながらも極端に振り分けているからこそ脅威となった攻防一体の攻撃に、周囲に集っていた魔法少女たち(?)は分散して最初よりも被害を減らしつつも、それでも攻勢に出る事が出来ていなかった。
「くっ!!隙が無いというか、下手に攻撃しづらいわ!」
「受け止めて、攻撃に出られると辛いわねぇ!!」
「とりあえずオークの攻撃も脅威だけど、欲望のタンクマンたちの鉄壁が凄まじいわ!!」
状況を見る限り、どうにかして防御を突き崩せればこの連携を破壊できるだろう。
だがしかし、あちこちから一斉に襲い掛かっても全部を受け止めきられてしまい、蓄えられた強力な攻撃が放たれてしまい、中々隙を作り出せない。
タンクマン共か、オークか、そのどちらか一方さえどうにかしてしまえば情況は好転するだろうが、ここにいる面々ではその対処法を作り出すのは難しいだろう。
‥‥‥だが、そんな欲望五人衆に関して、嫌でも色々知っている人がいた場合、そうではない。
「え?何、何?」
「周囲に集う魔法少女のプレイヤー向けに、緊急メール?」
「ランダムというか無差別な…‥‥作戦?」
急に送られてきたメールをすぐに読み、魔法少女たち(?)はその内容を理解する。
「これ、本当に大丈夫なの?」
「やってみるしかないかも。それに、あの欲望五人衆、オークを除いたほか4人は確実に変態そうだけど」
「それを利用できれば、うまくいくかも!!」
すぐさま作戦を実行するために、おのおの素早くかつバレないようにすぐさま返信する。
そして合図が放たれた。
ドッがァァァァアン!!
「おおおっと!?電撃のようだけど、このぐらい問題無ーい!!」
「痺れてむしろ、気持ちが良いぞぉぉぉ!!」
「今だ、落雷した今全力で土煙とか煙とか、とりあえず目隠しになる攻撃を!!」
「えいえいえいえいえいえいえ!!」
「変態対策用アイテム『激辛スプレーシグマ』発射!!」
落雷が欲望五人衆に落ちたと同時に、周囲の魔法少女たち(?)はすぐに行動に移した。
各々が持てる、目隠しに使えるようなアイテムや攻撃をどんどん放ちまくり、あっと言う間に周辺は黙々と様々な色合いをした煙に包まれる。
「おっと!何やら考えているようだ!!」
「だがしかーし!!どこからきても、この鉄壁は突破できるはずがないのぅ!!」
「晴れた時、その瞬間がチャンスだ!!」
「正直女の子を守りたいが、マッチョンが攻撃の要だから油断せずに囲み、防衛するぞ!!
【ブモゥ!!】
シュンシュンシュンシュンっと、某宇宙戦艦の発射用意のごとく溜めるマッチョンの四方を囲み、欲望五人衆は防御の構えを取る。
いくら煙幕のように見えない状況にされていたとしても、この鉄壁の布陣が崩されるはずもない‥‥‥っと、思っていたその時、突然声が上がった。
「あー!!あんなところに美しい女性がー!!」
「ふっ、何か惑わすために、何か声を出しているようだが、そんな簡単にかかるか!!」
声をわざと出して、居場所を偽ろうとしているのか、あるいはその言葉の内容でこちらの気を惹いて隙を作ろうとしているのだろうと彼らは判断する。
欲望五人衆、悪の組織の中間管理職に就く身とは言え、一応ソコソコ考えるだけの頭はあるのだ。
「おおっ!凄い凄い、あんな人があんな格好を!」
「こっちには、目もくらむような美女がいるわ!1」
「ああ、うらやましいわー!!あそこまで大きいものを持っている人がうらやましいわー!」
「あっちは幼くて可愛らしい女の子がいるわぁ!!」
「「「「‥‥いや、誘惑されんぞ!!」」」」
色々と気になるだけの声がちらほらわき出し、少々心が揺れ動く。
けれども、これは確実に罠であると彼らの勘がささやいており、チャージが済み次第すぐに攻撃を行い、全てを薙ぎ払えば問題ないと判断する。
「そー?見ないなら、それはそれでいいけど」
「もったいないなぁ、見れないなんてもったいないなぁ」
「残念な人ほど、惜しいことになるのよねぇ」
聞こえてくる声に動かされそうだが、それでも煙幕で見ない状況がむしろ冷静さを保たたせる。
確実に罠だと考えられるし、このままかかることはない…‥‥そう思っていた。
だが、その強固な心は、一点を突かれると案外脆いもの。
ブワッツ!!
「「「「!!」」」」」
突然風が吹いたかと思えば、煙の一部が晴れ、そこに誰かの姿が現れた。
【オ、オォン?】
‥‥‥そこにいたのは、一人の幼い少女の姿。
着ているのは魔法少女の衣服であり、少々化粧をしており、ちょっと見た目以上のものも持っているが、それでも可愛らしい幼女がそこにいたのは間違いないだろう。
そしてその姿は、確実にストライクな人物がいた。
「あ、あ、あアリスちゃん!!モノすっごい可愛い幼女がいたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
「お、おいタローン!!待、早っ!?」
声をかけるよりも早く、欲望五人衆の一人が残像を残すほどの速さで駆け抜け、彼女に接近する。
そのままダイブするかのように素早く動き、今にも飛び掛かろうとしたところで、作戦は成功していた。
「今です!!」
「一斉狙撃!!」
ドドドドドドドドド!!
飛び込む格好で、何もかも捨てて一直線だったその姿は、まさに格好の獲物だっただろう。
あっという間に、集中攻撃を喰らい儚くその命は散らされた。
「た、タローン!!」
「良い奴だったが、性癖を利用されたか」
「惜しい人物を、亡くした‥‥‥だが、一人減ったところでこの布陣に隙は無く、今からかたき討ちをして――」
「で、何をやっているのかしらねぇ、あんたたちは?」
「みーんな、何をしているのかなぁ?」
「「「‥‥‥ハイ?」」」
ふと、背後から聞こえてきた声に三人がそろって顔を向ければ、そこには般若を浮かべたおばあさんと、鬼を浮かべた少女の姿があった。
何者なのかと、事情を知らない者から見れば疑問に思うが、知っている者がいれば誰なのか理解するだろう。
いや、そもそも何故、彼女達がここにいるのかという疑問を持つのだが、それに関しては周辺プレイヤーが回答を持っていた。
「場所を瞬時に移動できるレアアイテムを使って、連れて来るだけで良いって聞いたけど…‥」
「何やら、修羅場が起きたのかしら?」
「というかあれ、天罰?」
「ふふふふふふふふ、ここ最近やけに生き生きとログインしてなにか企んでいないかと思ったけれども」
「こういうことが起きているとは、メールで見てちょっと驚いたけど」
「「皆様の協力で、速攻でここまで来れたことには感謝しないとねぇ」」
「「「ひ、ひぃぃぃぃぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
‥‥‥この後起きた光景に関しては、あんな変態欲望五人衆な彼らにも、人としての尊厳云々もあるので誰も詳しくは語らない。
だがしかし、欲望に身を任せると破滅に向かうことがあると、この場にいる全員はしっかりと心に刻まされるような光景があったのだった。
そしてその光景が起きて数分後、後始末も兼ねてなのかマッチョンが丁寧にその場を掃除して綺麗にした後、迷惑をかけてすいませんというようにお辞儀をして、全員にお詫びの品のようなものを手渡し、彼らは姿を消した。
「‥‥‥何と言うか、凄い光景だったわね」
「ええ、夫婦って何なのかしらと、思いたくなるわね」
「あんな変態でも奥さんが出来るんだなと思ったが」
「それでもああいうのは、ちょっと怖い…‥‥お?皆、ログを!」
―――――
>緊急クエスト『欲望五人衆の討伐』及び『天使を救え魔法少女たち!!』のクエストが達成されました!!
>クエストクリアの報酬が、全員に配布されます!!
―――――
「「「「「やったぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
最後の方は駆けつけてきてくれた人が全部やってくれたとはいえ、無事にクエストクリアとして判定されたようで、報酬を受け取れることに全員歓喜する。
まぁ、これはこれで結果オーライだったというか、何と言うか‥‥‥
「お姉ちゃん、あの人たちのこと知っていたの?」
「まぁ、色々と。ほら、トーカも多分噂で聞いてただろ?変態戦隊出没のお知らせとかあったよね?」
「あー‥‥‥納得。どこかで出会って知っているのなら、納得したかも」
くいくいっと袖をひかれ、トーカに問われたので僕はそう返答した。嘘は言ってないが、こうもうまくいくとは流石に予想外だった。
でも、周辺のプレイヤー向けに作戦メールを出して協力を要請したが、全員あんな一団にただでコテンパンにされるのは流石に嫌だったのだろう。予想以上に全力で行動してくれたのは幸運だった。
それはともかくとして、今は報酬の確認だ。
「それでトーカ、報酬は受け取れたか?」
「え、あ、ちょっと待って。えーっと‥‥‥うん!受け取れたよ!!魔法少女クエストの報酬『モンスターの卵(ランダム)!!それに、緊急クエスト報酬で結構な金額のALと称号『五人衆撃退者』も!!」
―――――
『五人撃退者』
悪の組織イーファイブに所属する、『欲望五人衆』を撃退した全員に付く特殊な称号。
称号の効果として通常のフィールドと天界のNPCたちからの好感度が向上し、魔界では全能力+3%の上昇効果が常時発動するようになる。
―――――
あの五人衆でそんな称号が付くのかと驚かされるが、効果としては美味しいので文句はない。というか、あの変態たちの相手をしたので、むしろ正当な対価と言えるだろう。
「あ、となると僕の方にもモンスターの卵があるのか‥‥‥あれ?」
「どうしたの、お姉ちゃん?」
ログや手持ちを確認して、貰えていることを確認したが…‥‥どうも何かおかしなことになっていた。
「‥‥‥卵じゃなくて、カギ?」
―――――
>緊急クエスト報酬に合わせ、今回の魔法少女クエストの褒美が授けられ―――
>----変更されました。『黒き女神』様が魔法少女クエストを受けたことにより、連鎖クエストが発生しています。
>特殊クエスト『悪の組織へ』が解放されました。向かうためのアイテム『悪の道しるべ(イーファイブ)』が入りました。
『悪の道しるべ(イーファイブ)』
悪の組織系NPCなどが所有する、特殊なカギ。
このカギを使用することで悪の組織の拠点へ向かうことが可能になる。
なお、イーファイブで登録されたカギで、それ以外の悪の組織の拠点へは向かえません。
―――――
卵が手に入るのかと思いきや、まさかのカギである。
しかも、どうやら新しいクエストが解放されたようであった‥‥‥‥
「‥‥‥どうするの、お姉ちゃん?」
「んー、できればもう、服を脱いでさっさと元の格好になりたいけど…‥このクエストの感じを見る限り、もしかしてクリアするまで脱がないほうが良いのだろうか?」
まだ終わらないのだろうか、変態との戦いは‥‥‥いや、あの欲望五人衆が特殊なだけであったと思いたい。でもあの盾のおばちゃんの絵とかを見ると、まともじゃない気がするんだよなぁ。
「すかさずマッチョン!」
【ブモォォォォ!!】
相手の攻撃を受けとめ、衝撃波に変換して体勢を崩させたところで、襲い掛かる日ごろの鬱憤などを詰め込んだ攻撃。
単純ながらも極端に振り分けているからこそ脅威となった攻防一体の攻撃に、周囲に集っていた魔法少女たち(?)は分散して最初よりも被害を減らしつつも、それでも攻勢に出る事が出来ていなかった。
「くっ!!隙が無いというか、下手に攻撃しづらいわ!」
「受け止めて、攻撃に出られると辛いわねぇ!!」
「とりあえずオークの攻撃も脅威だけど、欲望のタンクマンたちの鉄壁が凄まじいわ!!」
状況を見る限り、どうにかして防御を突き崩せればこの連携を破壊できるだろう。
だがしかし、あちこちから一斉に襲い掛かっても全部を受け止めきられてしまい、蓄えられた強力な攻撃が放たれてしまい、中々隙を作り出せない。
タンクマン共か、オークか、そのどちらか一方さえどうにかしてしまえば情況は好転するだろうが、ここにいる面々ではその対処法を作り出すのは難しいだろう。
‥‥‥だが、そんな欲望五人衆に関して、嫌でも色々知っている人がいた場合、そうではない。
「え?何、何?」
「周囲に集う魔法少女のプレイヤー向けに、緊急メール?」
「ランダムというか無差別な…‥‥作戦?」
急に送られてきたメールをすぐに読み、魔法少女たち(?)はその内容を理解する。
「これ、本当に大丈夫なの?」
「やってみるしかないかも。それに、あの欲望五人衆、オークを除いたほか4人は確実に変態そうだけど」
「それを利用できれば、うまくいくかも!!」
すぐさま作戦を実行するために、おのおの素早くかつバレないようにすぐさま返信する。
そして合図が放たれた。
ドッがァァァァアン!!
「おおおっと!?電撃のようだけど、このぐらい問題無ーい!!」
「痺れてむしろ、気持ちが良いぞぉぉぉ!!」
「今だ、落雷した今全力で土煙とか煙とか、とりあえず目隠しになる攻撃を!!」
「えいえいえいえいえいえいえ!!」
「変態対策用アイテム『激辛スプレーシグマ』発射!!」
落雷が欲望五人衆に落ちたと同時に、周囲の魔法少女たち(?)はすぐに行動に移した。
各々が持てる、目隠しに使えるようなアイテムや攻撃をどんどん放ちまくり、あっと言う間に周辺は黙々と様々な色合いをした煙に包まれる。
「おっと!何やら考えているようだ!!」
「だがしかーし!!どこからきても、この鉄壁は突破できるはずがないのぅ!!」
「晴れた時、その瞬間がチャンスだ!!」
「正直女の子を守りたいが、マッチョンが攻撃の要だから油断せずに囲み、防衛するぞ!!
【ブモゥ!!】
シュンシュンシュンシュンっと、某宇宙戦艦の発射用意のごとく溜めるマッチョンの四方を囲み、欲望五人衆は防御の構えを取る。
いくら煙幕のように見えない状況にされていたとしても、この鉄壁の布陣が崩されるはずもない‥‥‥っと、思っていたその時、突然声が上がった。
「あー!!あんなところに美しい女性がー!!」
「ふっ、何か惑わすために、何か声を出しているようだが、そんな簡単にかかるか!!」
声をわざと出して、居場所を偽ろうとしているのか、あるいはその言葉の内容でこちらの気を惹いて隙を作ろうとしているのだろうと彼らは判断する。
欲望五人衆、悪の組織の中間管理職に就く身とは言え、一応ソコソコ考えるだけの頭はあるのだ。
「おおっ!凄い凄い、あんな人があんな格好を!」
「こっちには、目もくらむような美女がいるわ!1」
「ああ、うらやましいわー!!あそこまで大きいものを持っている人がうらやましいわー!」
「あっちは幼くて可愛らしい女の子がいるわぁ!!」
「「「「‥‥いや、誘惑されんぞ!!」」」」
色々と気になるだけの声がちらほらわき出し、少々心が揺れ動く。
けれども、これは確実に罠であると彼らの勘がささやいており、チャージが済み次第すぐに攻撃を行い、全てを薙ぎ払えば問題ないと判断する。
「そー?見ないなら、それはそれでいいけど」
「もったいないなぁ、見れないなんてもったいないなぁ」
「残念な人ほど、惜しいことになるのよねぇ」
聞こえてくる声に動かされそうだが、それでも煙幕で見ない状況がむしろ冷静さを保たたせる。
確実に罠だと考えられるし、このままかかることはない…‥‥そう思っていた。
だが、その強固な心は、一点を突かれると案外脆いもの。
ブワッツ!!
「「「「!!」」」」」
突然風が吹いたかと思えば、煙の一部が晴れ、そこに誰かの姿が現れた。
【オ、オォン?】
‥‥‥そこにいたのは、一人の幼い少女の姿。
着ているのは魔法少女の衣服であり、少々化粧をしており、ちょっと見た目以上のものも持っているが、それでも可愛らしい幼女がそこにいたのは間違いないだろう。
そしてその姿は、確実にストライクな人物がいた。
「あ、あ、あアリスちゃん!!モノすっごい可愛い幼女がいたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」
「お、おいタローン!!待、早っ!?」
声をかけるよりも早く、欲望五人衆の一人が残像を残すほどの速さで駆け抜け、彼女に接近する。
そのままダイブするかのように素早く動き、今にも飛び掛かろうとしたところで、作戦は成功していた。
「今です!!」
「一斉狙撃!!」
ドドドドドドドドド!!
飛び込む格好で、何もかも捨てて一直線だったその姿は、まさに格好の獲物だっただろう。
あっという間に、集中攻撃を喰らい儚くその命は散らされた。
「た、タローン!!」
「良い奴だったが、性癖を利用されたか」
「惜しい人物を、亡くした‥‥‥だが、一人減ったところでこの布陣に隙は無く、今からかたき討ちをして――」
「で、何をやっているのかしらねぇ、あんたたちは?」
「みーんな、何をしているのかなぁ?」
「「「‥‥‥ハイ?」」」
ふと、背後から聞こえてきた声に三人がそろって顔を向ければ、そこには般若を浮かべたおばあさんと、鬼を浮かべた少女の姿があった。
何者なのかと、事情を知らない者から見れば疑問に思うが、知っている者がいれば誰なのか理解するだろう。
いや、そもそも何故、彼女達がここにいるのかという疑問を持つのだが、それに関しては周辺プレイヤーが回答を持っていた。
「場所を瞬時に移動できるレアアイテムを使って、連れて来るだけで良いって聞いたけど…‥」
「何やら、修羅場が起きたのかしら?」
「というかあれ、天罰?」
「ふふふふふふふふ、ここ最近やけに生き生きとログインしてなにか企んでいないかと思ったけれども」
「こういうことが起きているとは、メールで見てちょっと驚いたけど」
「「皆様の協力で、速攻でここまで来れたことには感謝しないとねぇ」」
「「「ひ、ひぃぃぃぃぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」」」
‥‥‥この後起きた光景に関しては、あんな変態欲望五人衆な彼らにも、人としての尊厳云々もあるので誰も詳しくは語らない。
だがしかし、欲望に身を任せると破滅に向かうことがあると、この場にいる全員はしっかりと心に刻まされるような光景があったのだった。
そしてその光景が起きて数分後、後始末も兼ねてなのかマッチョンが丁寧にその場を掃除して綺麗にした後、迷惑をかけてすいませんというようにお辞儀をして、全員にお詫びの品のようなものを手渡し、彼らは姿を消した。
「‥‥‥何と言うか、凄い光景だったわね」
「ええ、夫婦って何なのかしらと、思いたくなるわね」
「あんな変態でも奥さんが出来るんだなと思ったが」
「それでもああいうのは、ちょっと怖い…‥‥お?皆、ログを!」
―――――
>緊急クエスト『欲望五人衆の討伐』及び『天使を救え魔法少女たち!!』のクエストが達成されました!!
>クエストクリアの報酬が、全員に配布されます!!
―――――
「「「「「やったぁぁぁぁぁぁ!!」」」」」
最後の方は駆けつけてきてくれた人が全部やってくれたとはいえ、無事にクエストクリアとして判定されたようで、報酬を受け取れることに全員歓喜する。
まぁ、これはこれで結果オーライだったというか、何と言うか‥‥‥
「お姉ちゃん、あの人たちのこと知っていたの?」
「まぁ、色々と。ほら、トーカも多分噂で聞いてただろ?変態戦隊出没のお知らせとかあったよね?」
「あー‥‥‥納得。どこかで出会って知っているのなら、納得したかも」
くいくいっと袖をひかれ、トーカに問われたので僕はそう返答した。嘘は言ってないが、こうもうまくいくとは流石に予想外だった。
でも、周辺のプレイヤー向けに作戦メールを出して協力を要請したが、全員あんな一団にただでコテンパンにされるのは流石に嫌だったのだろう。予想以上に全力で行動してくれたのは幸運だった。
それはともかくとして、今は報酬の確認だ。
「それでトーカ、報酬は受け取れたか?」
「え、あ、ちょっと待って。えーっと‥‥‥うん!受け取れたよ!!魔法少女クエストの報酬『モンスターの卵(ランダム)!!それに、緊急クエスト報酬で結構な金額のALと称号『五人衆撃退者』も!!」
―――――
『五人撃退者』
悪の組織イーファイブに所属する、『欲望五人衆』を撃退した全員に付く特殊な称号。
称号の効果として通常のフィールドと天界のNPCたちからの好感度が向上し、魔界では全能力+3%の上昇効果が常時発動するようになる。
―――――
あの五人衆でそんな称号が付くのかと驚かされるが、効果としては美味しいので文句はない。というか、あの変態たちの相手をしたので、むしろ正当な対価と言えるだろう。
「あ、となると僕の方にもモンスターの卵があるのか‥‥‥あれ?」
「どうしたの、お姉ちゃん?」
ログや手持ちを確認して、貰えていることを確認したが…‥‥どうも何かおかしなことになっていた。
「‥‥‥卵じゃなくて、カギ?」
―――――
>緊急クエスト報酬に合わせ、今回の魔法少女クエストの褒美が授けられ―――
>----変更されました。『黒き女神』様が魔法少女クエストを受けたことにより、連鎖クエストが発生しています。
>特殊クエスト『悪の組織へ』が解放されました。向かうためのアイテム『悪の道しるべ(イーファイブ)』が入りました。
『悪の道しるべ(イーファイブ)』
悪の組織系NPCなどが所有する、特殊なカギ。
このカギを使用することで悪の組織の拠点へ向かうことが可能になる。
なお、イーファイブで登録されたカギで、それ以外の悪の組織の拠点へは向かえません。
―――――
卵が手に入るのかと思いきや、まさかのカギである。
しかも、どうやら新しいクエストが解放されたようであった‥‥‥‥
「‥‥‥どうするの、お姉ちゃん?」
「んー、できればもう、服を脱いでさっさと元の格好になりたいけど…‥このクエストの感じを見る限り、もしかしてクリアするまで脱がないほうが良いのだろうか?」
まだ終わらないのだろうか、変態との戦いは‥‥‥いや、あの欲望五人衆が特殊なだけであったと思いたい。でもあの盾のおばちゃんの絵とかを見ると、まともじゃない気がするんだよなぁ。
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