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Ver.2.0 ~広がる大海原の世界~
ver.2.1-35 各自、別行動に
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―――イベント、開始。戦闘領域、展開。
そうつぶやけば、広がるのはレイドボスとの戦闘空間として、今回運営より授けられた特殊なフィールド。与えられたレイドボスのイメージに合うものとして作られており、鋼鉄の機械神としてのレイドボスになった彼女が扱うのは、周囲にメーターやらなんやらと、どこかのSFの乗り物の内部構造になった世界が広がるものである。
そしてその場所に転移されたのは、あちこちから参加を希望したプレイヤーたちで、今まさにその彼女の姿を見て驚愕していた。
ある程度自由なアルケディア・オンラインとて、実際に現実にあるものを再現しようとしても、そううまくいかない人もいるだろう。
材料がそろっていても、それがどの様にして組み合わさり、どの様な部品となり、動き方としてはどういうものがあるのか理解していなければ、機械のような装備を作る事も難しい。
だがしかし、彼女は違っていた。ありとあらゆる機械工学に精通していたからこそ、どのような部品がどう動くのか理解している。
そして材料の状態からでも、どの様に加工して組み立てていけばいいのか、己の望む形にするにはどのような設計図を描けばいいのかも分かっており‥‥‥だからこそ、レイドバトルのボスとして呼ばれたこの機会に、普段では手に入れにくいような材料などを運営に交渉して手に入れ、ボスとして君臨する時のために用意しておいたのだ。
見るが良い、現実では消してあり得ぬ、巨大な鋼鉄の身体を。世の中リアルロボットだとかそういう話もあるのだが、ここはボスとしてふさわしい威光を放つために作り上げたスーパーロボットの巨体を。
「「「「そんなのありかぁぁぁぁぁあ!!」」」」
その姿を見て何人かのプレイヤーがツッコミを入れたようだが、そんな事は知る由もない。まぁ、現実でもやろうと思えば組み立てられるかもしれないが、材料費やら権力があるので難しいが…‥‥それでも、ここはゲームの世界だからこそ、普段は絶対にできないような夢物語のような光景を作り上げるのも悪くはない。
『驚愕、終了?衝撃、強烈?』
外部スピーカーから内部にいる彼女の問いかけがなされるが、驚き過ぎて誰も返せない。
その沈黙が物語っていると判断し、ニヤリと内部の操縦席に座り、操縦かんを握って彼女は口にする。
『機械、稼働開始。燃料、万端。形式美、合図‥‥巨大機械神3号、発進!!』
合図と共にずぅぅんっと重みのある足音が鳴り響き、巨大な機械の身体が動き始める。
なお、3号なのはこの体を作るまでに試作していた1号機と2号機が存在しており、そちらも今回のレイドボスの取巻きとして参加させているので、無駄なく進撃を開始し始めるのであった‥‥‥‥
『光線、技術面無理!!火薬式砲弾、連射開始!!』
ドドドドドドドド!!
「「「「しょっぱなから鬼畜過ぎるぅぅぅ!!」」」
どこかのレイドボスの戦闘領域内でそんな悲鳴が上がっている丁度その頃、別のレイドボスの戦闘領域も展開されており、既に戦いが始まっていた。
広大な荒野の中、荒れ地の中を縦横無尽に動き回り、砂ぼこりが凄まじく舞う中、機械神に負けず劣らずの大物同士のぶつかり合いである。
「Oh!!中々強いデース!!これはこれでやりがいが多くて楽しいのデース!!」
『ふふふふ、そちらも強いわぁ、もっと楽しみましょう!!』
アンギャァァァ!!っと暴君の恐竜の女王が叫べば、答えるようにガォォォォォォォッと叫ぶ大怪獣の女王。
それぞれプレイヤーとレイドボスという違いが存在しているはずなのに、お互いに女王としての立場があるせいなのか従う者も多く存在しており、そちらもまた士気を向上させて乱戦となっていた。
巨大なガシャどくろが大きな大剣を振り回し、交わすようにスピノサウルスのような恐竜が背中のひれで受け止め、切り返す。
ゾンビの集合体のような大男が拳をかざせば、鍛えあげられたパキケファロサウルスのような恐竜が真っ向から頭突きで対抗する。
その他のものたちもあまたお互いに殴りあい、蹴り合い、切り合い、飛び交わし…‥‥大怪獣の女王というレイドボスの領域なだけあって、さながら光景は大怪獣同士のバトルが繰り広げられている。
もちろん、普通のプレイヤーたちも参加しているのだが、その怪獣同士の凄まじい争いには畏れをなして動けなくなり、乱戦する中で潰されたり消し炭にされるなど、巻き添えになって舞い散っていく。
「うぉぉぉぉ!!誰か助けてくれぇぇぇ!!」
そんな中で、巨大なウツボカズラのようなものにほぼ飲み込まれているようなプレイヤーが助けを求めるも、乱戦した状況に身の危険を感じたのか、捕食中のモンスターは逃れようと必死に逃げ回り、貴重な無傷の状態で生き延びていた。
「いや、こんな形で生き延びたくないんだが!?」
「あれ?中三病さん、中三病さんじゃないか!!」
「おおお!!ぽっけねこさんちょうどいいところに!!助けてくれぇぇぇぇ!!」
知り合いも偶然この場所に飛ばされていたようで、天の恵みと言わんばかりに彼は叫んだ。
だがしかし、彼を捕食しているものは、助けの手の周囲に巨大な猫やらなんやらがあるのを射かけて身の危険を感じ、すぐさまその場から逃亡を図る。
「えええええええええええ!?逃げるなぁぁぁぁ!!」
「ま、まてー!!」
「いや、あれ追いつけないだぜーよ!!」
「無理無理、あの速度はきついわぁ!!」
…‥‥哀れなる犠牲は無傷でありながらも、その醜態は混戦状態の中ひときわ目立つのであった。
「あれ、弟が何やら目立っているのデース!!この戦いを記録してほしいのに、逃げ回るとはいい度胸デース!!」
『ふふふ?なら手を貸そうかしら?レイドボスとして戦うけれども、観客がいないと盛り上がらないのよね』
ついでに、何やら戦っている中で友情が芽生えていたのか、より悲惨な状況が近づいているのであった‥‥‥
『‥‥‥さてと、各自のボスも動いたようなので、こちらも動くとしようか』
レイドボス同士の状況確認をして、僕の方も動き始める。
雷鳴が鳴り響く中、この用意されたレイドボス用の戦闘領域に降り立ち、丘の上からプレイヤーたちを一望する。
手に持ちたるは、大きな黒い槍。セレアの持っている槍を強化改造した代物であり、錬金術の技巧も向上しているからこそ、以前のオララゴン戦の時より飛躍的に威力が向上している。
ルトの電撃やアリスの黒い焔も詰め込み、ちょっとばかり中二病心が出てきそうな代物でもあるが、この場においてはレイドボスの振るう強力な槍として脅威になってもらおうとしよう。
『ああ、始めようプレイヤーたち。レイドボス、黒き女神が相手をしよう!!』
色々と衣装も凝って簡単に身バレもしないだろうし、ついでに仲間としての役目を持ってこちらも変装しているマリーたちを伴い、戦闘を開始し始める。
たまにはやりたい、全力での大バトル。最初こそはちょっと微妙かなとは思ったが、その場のノリと雰囲気さえよくなってしまえば後は野となれ山となれ、流れに身を任せればいい!!
‥‥‥正直、滅茶苦茶悪の組織っぽい雰囲気が一番出ているではないかと内心思ったが、気にしても意味が無いので考えるのを止めておくのであった。
「うぉぉおお!!やったぞぉぉぉ!!黒き女神さまとのバトルだぁぁぁぁ!!」
「よっしゃぁぁぁ!!お近づきになれなかったとしても、悔いなく眼に焼き付けるのじゃぁぁぁ!!」
って、なーんか聞き覚えのある声があると思えば、欲望戦隊も混ざっているのか。正直、知り合いに出くわしたくはないので、身バレをしないうちにさ全員で集中砲火を浴びせて素早い退場を願おう‥‥‥あれ?何だろう、彼らの背後から凄まじい殺気が近づいてきて‥‥‥あ。
そうつぶやけば、広がるのはレイドボスとの戦闘空間として、今回運営より授けられた特殊なフィールド。与えられたレイドボスのイメージに合うものとして作られており、鋼鉄の機械神としてのレイドボスになった彼女が扱うのは、周囲にメーターやらなんやらと、どこかのSFの乗り物の内部構造になった世界が広がるものである。
そしてその場所に転移されたのは、あちこちから参加を希望したプレイヤーたちで、今まさにその彼女の姿を見て驚愕していた。
ある程度自由なアルケディア・オンラインとて、実際に現実にあるものを再現しようとしても、そううまくいかない人もいるだろう。
材料がそろっていても、それがどの様にして組み合わさり、どの様な部品となり、動き方としてはどういうものがあるのか理解していなければ、機械のような装備を作る事も難しい。
だがしかし、彼女は違っていた。ありとあらゆる機械工学に精通していたからこそ、どのような部品がどう動くのか理解している。
そして材料の状態からでも、どの様に加工して組み立てていけばいいのか、己の望む形にするにはどのような設計図を描けばいいのかも分かっており‥‥‥だからこそ、レイドバトルのボスとして呼ばれたこの機会に、普段では手に入れにくいような材料などを運営に交渉して手に入れ、ボスとして君臨する時のために用意しておいたのだ。
見るが良い、現実では消してあり得ぬ、巨大な鋼鉄の身体を。世の中リアルロボットだとかそういう話もあるのだが、ここはボスとしてふさわしい威光を放つために作り上げたスーパーロボットの巨体を。
「「「「そんなのありかぁぁぁぁぁあ!!」」」」
その姿を見て何人かのプレイヤーがツッコミを入れたようだが、そんな事は知る由もない。まぁ、現実でもやろうと思えば組み立てられるかもしれないが、材料費やら権力があるので難しいが…‥‥それでも、ここはゲームの世界だからこそ、普段は絶対にできないような夢物語のような光景を作り上げるのも悪くはない。
『驚愕、終了?衝撃、強烈?』
外部スピーカーから内部にいる彼女の問いかけがなされるが、驚き過ぎて誰も返せない。
その沈黙が物語っていると判断し、ニヤリと内部の操縦席に座り、操縦かんを握って彼女は口にする。
『機械、稼働開始。燃料、万端。形式美、合図‥‥巨大機械神3号、発進!!』
合図と共にずぅぅんっと重みのある足音が鳴り響き、巨大な機械の身体が動き始める。
なお、3号なのはこの体を作るまでに試作していた1号機と2号機が存在しており、そちらも今回のレイドボスの取巻きとして参加させているので、無駄なく進撃を開始し始めるのであった‥‥‥‥
『光線、技術面無理!!火薬式砲弾、連射開始!!』
ドドドドドドドド!!
「「「「しょっぱなから鬼畜過ぎるぅぅぅ!!」」」
どこかのレイドボスの戦闘領域内でそんな悲鳴が上がっている丁度その頃、別のレイドボスの戦闘領域も展開されており、既に戦いが始まっていた。
広大な荒野の中、荒れ地の中を縦横無尽に動き回り、砂ぼこりが凄まじく舞う中、機械神に負けず劣らずの大物同士のぶつかり合いである。
「Oh!!中々強いデース!!これはこれでやりがいが多くて楽しいのデース!!」
『ふふふふ、そちらも強いわぁ、もっと楽しみましょう!!』
アンギャァァァ!!っと暴君の恐竜の女王が叫べば、答えるようにガォォォォォォォッと叫ぶ大怪獣の女王。
それぞれプレイヤーとレイドボスという違いが存在しているはずなのに、お互いに女王としての立場があるせいなのか従う者も多く存在しており、そちらもまた士気を向上させて乱戦となっていた。
巨大なガシャどくろが大きな大剣を振り回し、交わすようにスピノサウルスのような恐竜が背中のひれで受け止め、切り返す。
ゾンビの集合体のような大男が拳をかざせば、鍛えあげられたパキケファロサウルスのような恐竜が真っ向から頭突きで対抗する。
その他のものたちもあまたお互いに殴りあい、蹴り合い、切り合い、飛び交わし…‥‥大怪獣の女王というレイドボスの領域なだけあって、さながら光景は大怪獣同士のバトルが繰り広げられている。
もちろん、普通のプレイヤーたちも参加しているのだが、その怪獣同士の凄まじい争いには畏れをなして動けなくなり、乱戦する中で潰されたり消し炭にされるなど、巻き添えになって舞い散っていく。
「うぉぉぉぉ!!誰か助けてくれぇぇぇ!!」
そんな中で、巨大なウツボカズラのようなものにほぼ飲み込まれているようなプレイヤーが助けを求めるも、乱戦した状況に身の危険を感じたのか、捕食中のモンスターは逃れようと必死に逃げ回り、貴重な無傷の状態で生き延びていた。
「いや、こんな形で生き延びたくないんだが!?」
「あれ?中三病さん、中三病さんじゃないか!!」
「おおお!!ぽっけねこさんちょうどいいところに!!助けてくれぇぇぇぇ!!」
知り合いも偶然この場所に飛ばされていたようで、天の恵みと言わんばかりに彼は叫んだ。
だがしかし、彼を捕食しているものは、助けの手の周囲に巨大な猫やらなんやらがあるのを射かけて身の危険を感じ、すぐさまその場から逃亡を図る。
「えええええええええええ!?逃げるなぁぁぁぁ!!」
「ま、まてー!!」
「いや、あれ追いつけないだぜーよ!!」
「無理無理、あの速度はきついわぁ!!」
…‥‥哀れなる犠牲は無傷でありながらも、その醜態は混戦状態の中ひときわ目立つのであった。
「あれ、弟が何やら目立っているのデース!!この戦いを記録してほしいのに、逃げ回るとはいい度胸デース!!」
『ふふふ?なら手を貸そうかしら?レイドボスとして戦うけれども、観客がいないと盛り上がらないのよね』
ついでに、何やら戦っている中で友情が芽生えていたのか、より悲惨な状況が近づいているのであった‥‥‥
『‥‥‥さてと、各自のボスも動いたようなので、こちらも動くとしようか』
レイドボス同士の状況確認をして、僕の方も動き始める。
雷鳴が鳴り響く中、この用意されたレイドボス用の戦闘領域に降り立ち、丘の上からプレイヤーたちを一望する。
手に持ちたるは、大きな黒い槍。セレアの持っている槍を強化改造した代物であり、錬金術の技巧も向上しているからこそ、以前のオララゴン戦の時より飛躍的に威力が向上している。
ルトの電撃やアリスの黒い焔も詰め込み、ちょっとばかり中二病心が出てきそうな代物でもあるが、この場においてはレイドボスの振るう強力な槍として脅威になってもらおうとしよう。
『ああ、始めようプレイヤーたち。レイドボス、黒き女神が相手をしよう!!』
色々と衣装も凝って簡単に身バレもしないだろうし、ついでに仲間としての役目を持ってこちらも変装しているマリーたちを伴い、戦闘を開始し始める。
たまにはやりたい、全力での大バトル。最初こそはちょっと微妙かなとは思ったが、その場のノリと雰囲気さえよくなってしまえば後は野となれ山となれ、流れに身を任せればいい!!
‥‥‥正直、滅茶苦茶悪の組織っぽい雰囲気が一番出ているではないかと内心思ったが、気にしても意味が無いので考えるのを止めておくのであった。
「うぉぉおお!!やったぞぉぉぉ!!黒き女神さまとのバトルだぁぁぁぁ!!」
「よっしゃぁぁぁ!!お近づきになれなかったとしても、悔いなく眼に焼き付けるのじゃぁぁぁ!!」
って、なーんか聞き覚えのある声があると思えば、欲望戦隊も混ざっているのか。正直、知り合いに出くわしたくはないので、身バレをしないうちにさ全員で集中砲火を浴びせて素早い退場を願おう‥‥‥あれ?何だろう、彼らの背後から凄まじい殺気が近づいてきて‥‥‥あ。
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