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Ver.2.0 ~広がる大海原の世界~
ver.2.1-23 イベントだからこそ、いい宣伝として利用する人も
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以前あったオララゴンのイベントに比べると、今回のイベントは控えめなほうらしい。ミニイベントとも言うようだし、大規模という訳ではない。
けれども、イベントがあるという事はその分楽しむ要素があるという事で、あちこちでプレイヤーたちは和気あいあい、時々血気盛んなところもあるようだが、全員参加をしているようだ。
「そしてついでに、イベントだからこそ良い宣伝になると思って動く人もいるのか‥‥‥」
【シャゲェ!】
「うん、でも楽しめるなら問題ないかな?」
全員楽しんでおり、僕自身も楽しんでいるこの場所はとあるエリア。
本来であれば平原だけの何の変哲もない場所だったはずだが、本日はとあるギルドが興行を行っており、イベントの合間の休憩として他のプレイヤーたちが見にくる中、僕らも参加しているのである。
そして今、目の前で行われている光景はVRMMOであるからこそ、普通では行えないような動きを安心して見せられるというか…‥‥
『さぁぁぁ!!空中ブランコにナイフ投げ、火の輪くぐりときたが!!次は綱渡り三輪車大道芸大食いだぁぁ!!』
司会役の人の声と共にライトアップされた場所には、天井を結ぶ細い糸の上を軽やかに動く者たちの姿。
彼らはサーカス団のような動きをしているが、全員上級職の『道化師』を獲得した人たちのようで、クラウンズギルドに所属しているらしい。
「うわぁ、あんな動きが良く出来るなぁ…‥‥ゲームの中だから割り切れる部分があっても、現実のように体感できるから恐怖で動けなくなりそうなものなんだけどなぁ」
【それでも、このように魅せるのはすさまじい芸人魂というべきでしょうカ?中々勉強になりマス】
【ガウガーウ!!】
サーカスのような光景でもあるが、これはれっきとしたクラウンズギルドによる宣伝興行のようで、彼らは現実でも同じような職業に就いているらしい。
現実ではちょっと難しい事をここでやっているそうだが、ここでの経験を活かして現実でも取り入れた動きを行っているらしく、有名な道化師団としてニュースにも取り上げられていたようだ。
‥‥‥普通はサーカス団とか大道芸団などと言いそうだが、彼らは道化師であるという事を強調している。中身的には似たようなものだそうだが、シンプルに統一を行うために、道化師という言葉で統一しているらしい。
何にしても、こういう興行は現実であればお金を取りそうなものなのだが、このアルケディア・オンライン内では何と無料で行っているという太っ腹を見せている。
『さぁ!!ここでちょっとゲストの敵モンスターたちのご登場です!!華麗に討伐する様を御覧ください!!』
ゲストというか、この場で偶然出てきてしまったモンスターが、その理由を見せてくれた。
敵に向かってナイフの雨あられに、空中ブランコからの飛び蹴りや火の輪くぐりのテイムモンスターが襲い掛かり、戦闘力を見せ付けてくる。
そう、このクラウンズギルド、表向きは道化師集団と名乗っているが、しっかりと狩る時は狩りまくっており、ゴリゴリの戦闘集団としても有名なのである。
「うわぁ、それでもえげつないな…‥‥楽しませる技をここまで応用させるとは凄いけれどね」
【ガウゥ】
【シャゲェェ】
うんうんと皆が頷く間にも、哀れな敵モンスターたちは一興のサプライズとして、次々にぶっ飛ばされていくのであった‥‥‥‥
そして閉幕後、プレイヤーたちはその場から散りつつも、楽しんだ余韻が残っていた。
自分たちもあんな動きをして見たいと思い、現実とは違う世界だからこそ、やってみようと楽しむ者たちもいるだろう。
だがしかし、世の中そううまくはいかないもので、あちらこちらでは失敗をする姿も見える。
【ガーウ!!】
「いや、あのライオンのモンスターに出来たなら、自分にもできるはずだと言われても‥‥‥マリー、火の輪くぐり出来て意味があるのかな?」
【絵面がちょっと酷いことになるだけデス】
分かり切っていることだから、そんなツッコミは入れないでほしい。
そう思いつつも、あの動きに感化されるのは仕方がない事だと思えてしまう。
「それにしても、やっぱり本職でもあるらしいからこそ、凄かったなぁ‥‥‥あんな動き、ゲーム内だとしても常人にはきついなぁ」
【親戚なら、大抵成功しそうですが、やはり本職には魅せ方などで負けますネ。人のこういう才能は、本当に驚かされるものデス】
「親戚?ああ、他の使用人たちに…‥‥いや、使用人の身で、何で出来るの?」
【使用人たるもの、主の求めることに対応できるように、動きは鍛えますからネ。とは言え、剣になるものや神になるものに比べると負けますが‥‥おっと、今のは冗談デス】
‥‥‥どこをどうしたらそうなるんだというツッコミを入れようとしたが、冗談だと言われた。
まぁ、流石にロロの親戚筋でもそんな色々と間違っているような者たちになることも無いか。アルケディア・オンラインがいくら自由度が高いVRMMOとは言え、度が過ぎたものは流石に無理だろう。
「そっかそっか、冗談か。まぁ、あの動きとかは取り入れられそうなところはどうにかしたいけれどね」
【シャゲェシャゲェ】
無理かもしれないけれども、それをどうにかしてマネできれば、今後の戦闘の幅も広げやすくなる。
面子的には…‥‥不可能ではないかもしれないが、きちんと身に付けられるようなところからこなしてみたいとも思うのであった‥‥‥
【ええ、冗談です、冗談。まぁ、知り合いには恐竜に雇われた方もいるらしいですけれどネ】
「へぇ、恐竜‥‥‥え、ちょっとまって、なんかそれは冗談じゃないと分かってしまうんだけど」
【ハイ。というか、主様も良く知っていらっしゃる方のもとへ配属されたという連絡がありまして…‥‥】
‥‥‥剣や神は冗談かもしれないけど、その親戚は恐竜になるかもしれない。
けれども、イベントがあるという事はその分楽しむ要素があるという事で、あちこちでプレイヤーたちは和気あいあい、時々血気盛んなところもあるようだが、全員参加をしているようだ。
「そしてついでに、イベントだからこそ良い宣伝になると思って動く人もいるのか‥‥‥」
【シャゲェ!】
「うん、でも楽しめるなら問題ないかな?」
全員楽しんでおり、僕自身も楽しんでいるこの場所はとあるエリア。
本来であれば平原だけの何の変哲もない場所だったはずだが、本日はとあるギルドが興行を行っており、イベントの合間の休憩として他のプレイヤーたちが見にくる中、僕らも参加しているのである。
そして今、目の前で行われている光景はVRMMOであるからこそ、普通では行えないような動きを安心して見せられるというか…‥‥
『さぁぁぁ!!空中ブランコにナイフ投げ、火の輪くぐりときたが!!次は綱渡り三輪車大道芸大食いだぁぁ!!』
司会役の人の声と共にライトアップされた場所には、天井を結ぶ細い糸の上を軽やかに動く者たちの姿。
彼らはサーカス団のような動きをしているが、全員上級職の『道化師』を獲得した人たちのようで、クラウンズギルドに所属しているらしい。
「うわぁ、あんな動きが良く出来るなぁ…‥‥ゲームの中だから割り切れる部分があっても、現実のように体感できるから恐怖で動けなくなりそうなものなんだけどなぁ」
【それでも、このように魅せるのはすさまじい芸人魂というべきでしょうカ?中々勉強になりマス】
【ガウガーウ!!】
サーカスのような光景でもあるが、これはれっきとしたクラウンズギルドによる宣伝興行のようで、彼らは現実でも同じような職業に就いているらしい。
現実ではちょっと難しい事をここでやっているそうだが、ここでの経験を活かして現実でも取り入れた動きを行っているらしく、有名な道化師団としてニュースにも取り上げられていたようだ。
‥‥‥普通はサーカス団とか大道芸団などと言いそうだが、彼らは道化師であるという事を強調している。中身的には似たようなものだそうだが、シンプルに統一を行うために、道化師という言葉で統一しているらしい。
何にしても、こういう興行は現実であればお金を取りそうなものなのだが、このアルケディア・オンライン内では何と無料で行っているという太っ腹を見せている。
『さぁ!!ここでちょっとゲストの敵モンスターたちのご登場です!!華麗に討伐する様を御覧ください!!』
ゲストというか、この場で偶然出てきてしまったモンスターが、その理由を見せてくれた。
敵に向かってナイフの雨あられに、空中ブランコからの飛び蹴りや火の輪くぐりのテイムモンスターが襲い掛かり、戦闘力を見せ付けてくる。
そう、このクラウンズギルド、表向きは道化師集団と名乗っているが、しっかりと狩る時は狩りまくっており、ゴリゴリの戦闘集団としても有名なのである。
「うわぁ、それでもえげつないな…‥‥楽しませる技をここまで応用させるとは凄いけれどね」
【ガウゥ】
【シャゲェェ】
うんうんと皆が頷く間にも、哀れな敵モンスターたちは一興のサプライズとして、次々にぶっ飛ばされていくのであった‥‥‥‥
そして閉幕後、プレイヤーたちはその場から散りつつも、楽しんだ余韻が残っていた。
自分たちもあんな動きをして見たいと思い、現実とは違う世界だからこそ、やってみようと楽しむ者たちもいるだろう。
だがしかし、世の中そううまくはいかないもので、あちらこちらでは失敗をする姿も見える。
【ガーウ!!】
「いや、あのライオンのモンスターに出来たなら、自分にもできるはずだと言われても‥‥‥マリー、火の輪くぐり出来て意味があるのかな?」
【絵面がちょっと酷いことになるだけデス】
分かり切っていることだから、そんなツッコミは入れないでほしい。
そう思いつつも、あの動きに感化されるのは仕方がない事だと思えてしまう。
「それにしても、やっぱり本職でもあるらしいからこそ、凄かったなぁ‥‥‥あんな動き、ゲーム内だとしても常人にはきついなぁ」
【親戚なら、大抵成功しそうですが、やはり本職には魅せ方などで負けますネ。人のこういう才能は、本当に驚かされるものデス】
「親戚?ああ、他の使用人たちに…‥‥いや、使用人の身で、何で出来るの?」
【使用人たるもの、主の求めることに対応できるように、動きは鍛えますからネ。とは言え、剣になるものや神になるものに比べると負けますが‥‥おっと、今のは冗談デス】
‥‥‥どこをどうしたらそうなるんだというツッコミを入れようとしたが、冗談だと言われた。
まぁ、流石にロロの親戚筋でもそんな色々と間違っているような者たちになることも無いか。アルケディア・オンラインがいくら自由度が高いVRMMOとは言え、度が過ぎたものは流石に無理だろう。
「そっかそっか、冗談か。まぁ、あの動きとかは取り入れられそうなところはどうにかしたいけれどね」
【シャゲェシャゲェ】
無理かもしれないけれども、それをどうにかしてマネできれば、今後の戦闘の幅も広げやすくなる。
面子的には…‥‥不可能ではないかもしれないが、きちんと身に付けられるようなところからこなしてみたいとも思うのであった‥‥‥
【ええ、冗談です、冗談。まぁ、知り合いには恐竜に雇われた方もいるらしいですけれどネ】
「へぇ、恐竜‥‥‥え、ちょっとまって、なんかそれは冗談じゃないと分かってしまうんだけど」
【ハイ。というか、主様も良く知っていらっしゃる方のもとへ配属されたという連絡がありまして…‥‥】
‥‥‥剣や神は冗談かもしれないけど、その親戚は恐竜になるかもしれない。
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