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Ver.2.0 ~広がる大海原の世界~
ver.2.0-12 ちょっとだけ、現実でも
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‥‥‥アルケディア・オンラインをいつもプレイしているが、現実での生活も大切である。
ゲームを過度にせずに、きちんと決めてやるからこそ、やる時の楽しみが増加するのだ。
「そして現実で、この光景は見たくなかったなぁ‥‥‥」
「諦めるしかないだろう。奴はもう、末期だ」
ぼそっと仕事の手を続けながらつぶやけば、隣で同じく作業をしている同僚が返答する。そしてその他にもいた同僚たちも同感するかのように頷いていた。
そんな光景の近くで繰り広げられているのは…‥‥
「もがぁぁぁ!!もがぁぁぁっ!!」
ズンドコ♪ズンドコ♪ズンドコ♪
‥‥‥ここ、会社の中だよね?なんでミノムシのようにされた太郎丸さんの周囲を、般若の面をつけた女性たちが太鼓をたたきながら踊るという奇妙な儀式のように思える光景があるのだろうか。
現実のはずなのに、ゲームの中で見るような光景にまだプレイでもしているのかと、あるいは白昼夢を見ているのかとつねって確かめるが、残念ながら現実の世界のようだ。
「何をどうしたら、ああなった」
「あのロリコン末期人間、どうやら社員全員の女性を激怒させることをやらかしたようでな‥‥‥」
詳しくは聞きたくはないが、大体察せてしまうのがあの人の悲しい所ではある。これで一応社内成績としてはトップなのが、本当に残念というか、末期症状さえなければいい人というか…‥‥駄目だ、どうしようもない。
「そう言えば、最近CMで見たが、面白そうなのが発売されたようだな」
「ああ、あれか?」
とりあえずそんな黒魔術のような儀式光景を放置しつつ、話題を切り替えた。
「アルケディア・オンラインを出している会社が、支援パックとして出してきたやつだろ?」
「VRMMOで遊んでいる間に、放置されやすい家事や泥棒への対策策として、発売された」
「使用人システムを使ってなければ無用の長物だけど」
「それをフルに現実でも実感できると噂の」
「「「「使用人ドールズ」」」」
声が見事にそろったが、この場にいる人たち全員アルケディア・オンラインをやっているようだ。どの様なアバターでやっているのかは流石にそれぞれ秘密でこっそりと遊びたいせいなのか知らないけれども、それでも面白そうなものに対してワクワクするのは同じ気持ちらしい。
―――――
『使用人ドールズ』
アルケディア・オンライン内にある使用人たちを、現実世界でもある程度の制限付きとはいえ使うことができるようになる追加支援パック扱いの人形。
正確にはARシステムを応用して現実世界へ物質置換し…‥‥分かりやすくまとめると、ゲームの中にあったものを現実世界でも試すことができるようになるものである。
なお、金額は一体に付き12万ほどと中々高額で、使用人システムを利用してなければまったく意味がない。
―――――
そんなものがつい先日発売されたようで、既に購入してレビューや動画が出ているのだが、評価はかなり高いものになっている。
というのも、使用人システムで雇っている使用人が現実世界でも働くようになっており、執事やメイドによるお世話を現実でもできるからということでかなり人気が高まっているそうだ。‥‥‥値段が高いのに、無理をして何体も購入してやっている人もいるなど、やり込む人はいる様子。
「まぁ、値段の高さゆえにちょっと手を出しにくかったけれども…‥‥まさか、これも来るとはなぁ」
怪しい儀式を放置しつつ、定時になって帰社をして自宅に戻れば、大きな荷物が届いていた。
注文した覚えがなかったのだが、ふとPCのほうのメールを見ればどうやらアルケディア・オンラインでロロを受け取っていたことからか、現実でも試せるようにという事でわざわざ無料で配布してくれたようである。運営会社、太っ腹だろ。
「ついでに、明日発売の品も来るとは‥‥‥個人的にはこっちが気になっていたから、これはこれで良いな」
ドールの方はある程度のレビューや意見が集まるまで来なかったようだが、こっちはすでにβテストが行われていたらしい品物。
四角い透明な箱だが、アルケディア・オンライン用の装置と接続できるようになっており、電源を入れると箱庭のような光景が広がっているが‥‥‥こちらはこちらで、密かに気になっていた『テイムハウス』である。
―――――
『テイムハウス』
テイムモンスターをゲームの中だけではなく、現実世界でも遊べるようにした立体型箱庭装置。
とはいえVRMMO内でのサイズではなく、箱庭内に合わせたデフォルメされた姿とサイズになっており、少しハムスターを飼っているような感覚にはなるだろう。
けれども、箱庭内の構造は色々と好みに合わせて変えることが可能であり、ちょっとしたジオラマ撮影などが楽しめるようになっている。
なお、大型のテイムモンスターが登場してきたことで、触れあいにくい人たちの声が出てきたので、お手軽に触れ合えるようにするために生み出されたという話もある。
―――――
【シャゲ?シャゲェ!!】
【ガウガーウ!?】
【バルルルゥ!】
【ギャベェ!!】
「おー、アルケディア・オンライン内での皆が、小さくなって箱庭内にいる姿は、これはこれで新鮮かも。可愛い感じにデフォルメされているし、ちょっと立体版たま〇っちみたいな気がするけどね‥‥‥」
【電子ペットのくくりと捉えると、間違いないかもしれませんネ】
それぞれ起動させ、実際に動かしてみたが、これはこれで中々面白い。
ゲーム内だけではなく、こうやって現実の世界でもみんな一緒に過ごせるのは非常に良いというか、自然と生活の一部になってきているような気もする。
自由度が高く、楽しめるアルケディア・オンラインの世界がどんどんこの現実の世界へ溶け込んでいるような気がするのであった…‥‥
「あ、中三病さんからのメールが…‥‥うわ、何この状況!?恐竜に囲まれまくっている写真!?」
【どうやらログイン中のようですが、ティラリアさんが恐竜キ、いえ、恐竜クイーンとなったようですネ】
「何をどうしてそうなったんだよ!!」
‥‥‥日常よりも愉快なことになっている人も、どうやらいるようだ。楽しみ方は人それぞれだけど、凄い光景のようで…‥あれ、ちょっと食べられていないかな、これ?
ゲームを過度にせずに、きちんと決めてやるからこそ、やる時の楽しみが増加するのだ。
「そして現実で、この光景は見たくなかったなぁ‥‥‥」
「諦めるしかないだろう。奴はもう、末期だ」
ぼそっと仕事の手を続けながらつぶやけば、隣で同じく作業をしている同僚が返答する。そしてその他にもいた同僚たちも同感するかのように頷いていた。
そんな光景の近くで繰り広げられているのは…‥‥
「もがぁぁぁ!!もがぁぁぁっ!!」
ズンドコ♪ズンドコ♪ズンドコ♪
‥‥‥ここ、会社の中だよね?なんでミノムシのようにされた太郎丸さんの周囲を、般若の面をつけた女性たちが太鼓をたたきながら踊るという奇妙な儀式のように思える光景があるのだろうか。
現実のはずなのに、ゲームの中で見るような光景にまだプレイでもしているのかと、あるいは白昼夢を見ているのかとつねって確かめるが、残念ながら現実の世界のようだ。
「何をどうしたら、ああなった」
「あのロリコン末期人間、どうやら社員全員の女性を激怒させることをやらかしたようでな‥‥‥」
詳しくは聞きたくはないが、大体察せてしまうのがあの人の悲しい所ではある。これで一応社内成績としてはトップなのが、本当に残念というか、末期症状さえなければいい人というか…‥‥駄目だ、どうしようもない。
「そう言えば、最近CMで見たが、面白そうなのが発売されたようだな」
「ああ、あれか?」
とりあえずそんな黒魔術のような儀式光景を放置しつつ、話題を切り替えた。
「アルケディア・オンラインを出している会社が、支援パックとして出してきたやつだろ?」
「VRMMOで遊んでいる間に、放置されやすい家事や泥棒への対策策として、発売された」
「使用人システムを使ってなければ無用の長物だけど」
「それをフルに現実でも実感できると噂の」
「「「「使用人ドールズ」」」」
声が見事にそろったが、この場にいる人たち全員アルケディア・オンラインをやっているようだ。どの様なアバターでやっているのかは流石にそれぞれ秘密でこっそりと遊びたいせいなのか知らないけれども、それでも面白そうなものに対してワクワクするのは同じ気持ちらしい。
―――――
『使用人ドールズ』
アルケディア・オンライン内にある使用人たちを、現実世界でもある程度の制限付きとはいえ使うことができるようになる追加支援パック扱いの人形。
正確にはARシステムを応用して現実世界へ物質置換し…‥‥分かりやすくまとめると、ゲームの中にあったものを現実世界でも試すことができるようになるものである。
なお、金額は一体に付き12万ほどと中々高額で、使用人システムを利用してなければまったく意味がない。
―――――
そんなものがつい先日発売されたようで、既に購入してレビューや動画が出ているのだが、評価はかなり高いものになっている。
というのも、使用人システムで雇っている使用人が現実世界でも働くようになっており、執事やメイドによるお世話を現実でもできるからということでかなり人気が高まっているそうだ。‥‥‥値段が高いのに、無理をして何体も購入してやっている人もいるなど、やり込む人はいる様子。
「まぁ、値段の高さゆえにちょっと手を出しにくかったけれども…‥‥まさか、これも来るとはなぁ」
怪しい儀式を放置しつつ、定時になって帰社をして自宅に戻れば、大きな荷物が届いていた。
注文した覚えがなかったのだが、ふとPCのほうのメールを見ればどうやらアルケディア・オンラインでロロを受け取っていたことからか、現実でも試せるようにという事でわざわざ無料で配布してくれたようである。運営会社、太っ腹だろ。
「ついでに、明日発売の品も来るとは‥‥‥個人的にはこっちが気になっていたから、これはこれで良いな」
ドールの方はある程度のレビューや意見が集まるまで来なかったようだが、こっちはすでにβテストが行われていたらしい品物。
四角い透明な箱だが、アルケディア・オンライン用の装置と接続できるようになっており、電源を入れると箱庭のような光景が広がっているが‥‥‥こちらはこちらで、密かに気になっていた『テイムハウス』である。
―――――
『テイムハウス』
テイムモンスターをゲームの中だけではなく、現実世界でも遊べるようにした立体型箱庭装置。
とはいえVRMMO内でのサイズではなく、箱庭内に合わせたデフォルメされた姿とサイズになっており、少しハムスターを飼っているような感覚にはなるだろう。
けれども、箱庭内の構造は色々と好みに合わせて変えることが可能であり、ちょっとしたジオラマ撮影などが楽しめるようになっている。
なお、大型のテイムモンスターが登場してきたことで、触れあいにくい人たちの声が出てきたので、お手軽に触れ合えるようにするために生み出されたという話もある。
―――――
【シャゲ?シャゲェ!!】
【ガウガーウ!?】
【バルルルゥ!】
【ギャベェ!!】
「おー、アルケディア・オンライン内での皆が、小さくなって箱庭内にいる姿は、これはこれで新鮮かも。可愛い感じにデフォルメされているし、ちょっと立体版たま〇っちみたいな気がするけどね‥‥‥」
【電子ペットのくくりと捉えると、間違いないかもしれませんネ】
それぞれ起動させ、実際に動かしてみたが、これはこれで中々面白い。
ゲーム内だけではなく、こうやって現実の世界でもみんな一緒に過ごせるのは非常に良いというか、自然と生活の一部になってきているような気もする。
自由度が高く、楽しめるアルケディア・オンラインの世界がどんどんこの現実の世界へ溶け込んでいるような気がするのであった…‥‥
「あ、中三病さんからのメールが…‥‥うわ、何この状況!?恐竜に囲まれまくっている写真!?」
【どうやらログイン中のようですが、ティラリアさんが恐竜キ、いえ、恐竜クイーンとなったようですネ】
「何をどうしてそうなったんだよ!!」
‥‥‥日常よりも愉快なことになっている人も、どうやらいるようだ。楽しみ方は人それぞれだけど、凄い光景のようで…‥あれ、ちょっと食べられていないかな、これ?
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