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ver.1.0 ~始まりの音色~
ver.1.1-31話 苦労というのは、何故あるのか
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シャドーホースのセレアがテイムモンスターになり、無事に中三病さんたちと合流をすることが出来た。
どうやらあちらはあちらで、落ちて行った僕を捜しつつ先を進んでいたらしいが‥‥‥
「‥‥‥動けないというか、見事に反動が出ているというか、ある意味役得じゃないかハルさん」
「役得なのかな、コレ?というかマリーは巻き付きすぎだし、リンもべたっとくっ付いているかと思ったら動けていないし…‥」
【シャゲェ‥‥‥】
【ガウガ~ウ】
合流して互いにここまで何があったのか情報交換をしているのだが、ほとんど動けなくなっている状況は不味いのではなかろうか?
というか、何故僕に巻き付いて、倒れてくっ付いているのだろうか。
―――――
「反動状態」
主ショックから回復したのは良いが、全力を出して暴れてしまったがゆえに起きる状態異常。全ステータスが一気にダウンしており、少しの間戦闘ができなくなるという。
とは言え、少しばかりくっ付いていれば自然回復し、出来る限り触れ合っているほど回復が早い事をテイムモンスターたちは本能で理解しているので回復を焦らないことが重要である。
―――――
どうやら僕が落とし穴で落ちて音信不通の状態になった事で、マリーとリンはかなりのショックを受けて不安になったらしく、道中盛大に暴れて急いで向かおうとしていたらしい。
その状態だとステータスが一時的に上昇していたらしく、滅茶苦茶討伐してたのかレベルが一気に上昇しており、既に僕のレベルを抜いてしまっているのが確認できた。
とはいえ、反動がすごいな…‥‥装備品を付けて+が付くのをステータス画面で見ていたことはあるけれども、反動だとーがずらっと前部に丁寧にくっ付いている。いわゆるデバフということなのだろうけれども、ここまでずらずらついているのを見る機会はそうないかもしれない。
「一応、反動状態に近い物ならプレイヤーでも起こせるらしいけれどな」
「そうなの?」
「代償が発生する系統のスキルや装備品があるのは分かって来ていて、中には呪いの装備品何てものもあるんだよ」
それはあれかな。呪われて外せなくなる装備という、ゲームでは定番のアイテムなのだろう。
「外せなくなるのはもちろんだが、コサックダンスをし続けたり、意味不明な呪文を唱え続けたり、酷いのだと黒歴史を暴露するのもあるんだよ」
「うわぁ‥‥‥外せないのよりもきつくないかそれ?というか、VRMMOで設置して良いのか」
「次回アップデートで改善を願うよ…‥‥ああ、知らずにつけてやらかしたからなぁ‥・・・」
そう言いながら遠い目になる中三病さん。どうやら今の例のうち一つは実体験だったらしい。ご愁傷様というべきか、何をどう思ってこんなものを運営は作ったのか…次回アップデート用のモンスターが徘徊していたりするのを見ると、ちょっと緩んでいる気がしなくもない。
まぁ、それでも改善されるだろうと思いつつ、氷漬けになっているロティさんの方に目を向ける。
「それにしても、こっちはこっちで凍結処理というか、なんというか。今見れば、運営からのお知らせで一部のNPCの調整予定とかあるな」
「細かいのがまだあるし、どこかでおかしかったんだろうなぁ。とりあえず今は、このまま運ぶしかないだろう」
運ぶ手段に関しては、道中ではマリーがその蛇の身体を使って巻き付いて持っていたらしいが、今の状態を見る限りすぐに運べる様子ではない。
でも、ずっととどまっているわけにもいかないし、出来ればそろそろダンジョンをさっさと抜けてログアウトしたいので、早く移動したいのだが…‥‥
「あ、そうだ。セレア、さっそくだけど一仕事頼めるか?」
【バルヒヒィン?】
ふと思いついたことがあったので、一つ試すことにした。折角馬のモンスターをテイムできたのであれば、活かさないことは無いだろう。
思いついたが吉日というのもあるし、試してみることにした。
「錬金術用の陣とか、その他道具もそろっているし、鉱石系もドロップ品で手に入れているからやれるかな?中三病さん、手伝ってほしいができるか?」
「お?錬金術師の職じゃないとできないのは無理だぞ」
「大丈夫大丈夫、そういうのじゃないから」
まずは丁寧に鉱石から金属を抽出し、一つ一つインゴットへ変えていく。このドラメタルが取れるというダンジョン故か、出てくるモンスターのドロップ品は鉱石系が多く、素材に余裕がある。
そしてある程度作ったところで、まずは大元となるものとして、適当な木材を取り出して加工する。全部金属製にしてもいいけれども、流石にそれだと重すぎるというのも考えて強度やその他が必要な箇所だけこの金属を使うことにしよう。
一つ一つ、出した木材を薄く切りだし、板にして組み合わせていく。一部硬い木材もあるので、それは中三病さんのバトルアックスで無理やり木っ端みじんにして、つぎはぎながらも一枚の板に変えて、出来た模様も生かして床板にして一つの箱を作り上げる。
そして底面の方に円状に曲げた木の板をそれぞれつけて、その表面を金属で覆って硬くしていく。軸となる棒も金属製にして頑丈さを求めるが、こんな造りでは揺れが酷くなりそうだ。
そこでいくつか小さな金属の棒を作って、まげてスプリングを作り上げる。素人づくりの簡単な品だが、考えてつける事で多少は揺れを改善できるはずだ。
後は少しづつ装飾を施し、ダンジョンということもあって出てくるモンスター対策にも多少は効果があると思い、棘なども作って…‥‥後は、木の繊維を使った荒いけれどしっかりとした綱を手綱代わりにして、セレアに接続すれば完成だ。
―――――
『手作りチャリオット』
制作評価:8
効果:馬系以外にも牽引が可能なモンスターに装備させることで乗車が可能になるチャリオット。ただ、まだまだ造りが甘いので、リアカーにも転用可能。装備して走行している間、一時的に同乗者のATKが20%上昇し、走行しながら出てくる相手を轢くことが可能である。
―――――
「おおー、これはこれで移動が楽そうだ!!しかし、効果でちょっと気になるのが『轢くことが可能』って一文だな‥‥‥」
「うーん、普通そう轢くことは無いとは思うけれども、わざわざこんな説明がつくのか?」
ちょっと気になるけれども、移動が楽になるのは間違いないだろう。セレアに牽けるかちょっと実験してみたところ問題もなかったし、移動手段としてはまずまずといったところか。
とはいえ、もうちょっと色々と改良の余地がありそうだし、素人が手作りしたのでもう少しまともな作り方などをネットで調べたほうがいいかもしれない。
まぁ、それはまた後で出来るので、今はこの新しい早く移動できる手段でさっさと先を行くのが良いだろう。全員乗れるように大きめにしてみたが、馬車とかの方が普段利用しやすいかな?こういうチャリオットタイプは、戦闘時にでも使うものとして、普段用と戦闘用を今度製作しよう。
「それじゃ、頼むよセレア!その走りで、ここを一気に駆け抜けろ!!」
【バルヒヒヒヒィーン!!】
やる気十分と言うように雄たけびを上げ、駆けだすセレア。風を切って走り始め、ダンジョン内を爆走し始めるのであった。
ドドドドド!!
バシーン!!バシィィン!!
【ゴブベバァァ!?】
【アンギャリアァァス!?】
「‥‥‥なぁ、中三病さん。早速だが何かを轢いたような気がするんだけど」
「奇遇だな、今思いっ切り勝手に前に出て来たモンスターがはじかれて吹っ飛んだような‥‥‥あ、持ち物の中にドロップ品が入っているのだが」
ああ、「轢く」ってこういう事か。意図的なものじゃなくて、可能なサイズで敵対するものたちを引き寄せて轢き倒すってことなのか。
これはこれで、もしかして凶悪なのでは?レベルアップを楽したい人たちが、勝手に轢いて倒しまくるチャリオットを作りそうな気がするなぁ。後でどうなるのか、色々と情報収集や実験をしたほうがいいかもしれない‥‥‥‥
どうやらあちらはあちらで、落ちて行った僕を捜しつつ先を進んでいたらしいが‥‥‥
「‥‥‥動けないというか、見事に反動が出ているというか、ある意味役得じゃないかハルさん」
「役得なのかな、コレ?というかマリーは巻き付きすぎだし、リンもべたっとくっ付いているかと思ったら動けていないし…‥」
【シャゲェ‥‥‥】
【ガウガ~ウ】
合流して互いにここまで何があったのか情報交換をしているのだが、ほとんど動けなくなっている状況は不味いのではなかろうか?
というか、何故僕に巻き付いて、倒れてくっ付いているのだろうか。
―――――
「反動状態」
主ショックから回復したのは良いが、全力を出して暴れてしまったがゆえに起きる状態異常。全ステータスが一気にダウンしており、少しの間戦闘ができなくなるという。
とは言え、少しばかりくっ付いていれば自然回復し、出来る限り触れ合っているほど回復が早い事をテイムモンスターたちは本能で理解しているので回復を焦らないことが重要である。
―――――
どうやら僕が落とし穴で落ちて音信不通の状態になった事で、マリーとリンはかなりのショックを受けて不安になったらしく、道中盛大に暴れて急いで向かおうとしていたらしい。
その状態だとステータスが一時的に上昇していたらしく、滅茶苦茶討伐してたのかレベルが一気に上昇しており、既に僕のレベルを抜いてしまっているのが確認できた。
とはいえ、反動がすごいな…‥‥装備品を付けて+が付くのをステータス画面で見ていたことはあるけれども、反動だとーがずらっと前部に丁寧にくっ付いている。いわゆるデバフということなのだろうけれども、ここまでずらずらついているのを見る機会はそうないかもしれない。
「一応、反動状態に近い物ならプレイヤーでも起こせるらしいけれどな」
「そうなの?」
「代償が発生する系統のスキルや装備品があるのは分かって来ていて、中には呪いの装備品何てものもあるんだよ」
それはあれかな。呪われて外せなくなる装備という、ゲームでは定番のアイテムなのだろう。
「外せなくなるのはもちろんだが、コサックダンスをし続けたり、意味不明な呪文を唱え続けたり、酷いのだと黒歴史を暴露するのもあるんだよ」
「うわぁ‥‥‥外せないのよりもきつくないかそれ?というか、VRMMOで設置して良いのか」
「次回アップデートで改善を願うよ…‥‥ああ、知らずにつけてやらかしたからなぁ‥・・・」
そう言いながら遠い目になる中三病さん。どうやら今の例のうち一つは実体験だったらしい。ご愁傷様というべきか、何をどう思ってこんなものを運営は作ったのか…次回アップデート用のモンスターが徘徊していたりするのを見ると、ちょっと緩んでいる気がしなくもない。
まぁ、それでも改善されるだろうと思いつつ、氷漬けになっているロティさんの方に目を向ける。
「それにしても、こっちはこっちで凍結処理というか、なんというか。今見れば、運営からのお知らせで一部のNPCの調整予定とかあるな」
「細かいのがまだあるし、どこかでおかしかったんだろうなぁ。とりあえず今は、このまま運ぶしかないだろう」
運ぶ手段に関しては、道中ではマリーがその蛇の身体を使って巻き付いて持っていたらしいが、今の状態を見る限りすぐに運べる様子ではない。
でも、ずっととどまっているわけにもいかないし、出来ればそろそろダンジョンをさっさと抜けてログアウトしたいので、早く移動したいのだが…‥‥
「あ、そうだ。セレア、さっそくだけど一仕事頼めるか?」
【バルヒヒィン?】
ふと思いついたことがあったので、一つ試すことにした。折角馬のモンスターをテイムできたのであれば、活かさないことは無いだろう。
思いついたが吉日というのもあるし、試してみることにした。
「錬金術用の陣とか、その他道具もそろっているし、鉱石系もドロップ品で手に入れているからやれるかな?中三病さん、手伝ってほしいができるか?」
「お?錬金術師の職じゃないとできないのは無理だぞ」
「大丈夫大丈夫、そういうのじゃないから」
まずは丁寧に鉱石から金属を抽出し、一つ一つインゴットへ変えていく。このドラメタルが取れるというダンジョン故か、出てくるモンスターのドロップ品は鉱石系が多く、素材に余裕がある。
そしてある程度作ったところで、まずは大元となるものとして、適当な木材を取り出して加工する。全部金属製にしてもいいけれども、流石にそれだと重すぎるというのも考えて強度やその他が必要な箇所だけこの金属を使うことにしよう。
一つ一つ、出した木材を薄く切りだし、板にして組み合わせていく。一部硬い木材もあるので、それは中三病さんのバトルアックスで無理やり木っ端みじんにして、つぎはぎながらも一枚の板に変えて、出来た模様も生かして床板にして一つの箱を作り上げる。
そして底面の方に円状に曲げた木の板をそれぞれつけて、その表面を金属で覆って硬くしていく。軸となる棒も金属製にして頑丈さを求めるが、こんな造りでは揺れが酷くなりそうだ。
そこでいくつか小さな金属の棒を作って、まげてスプリングを作り上げる。素人づくりの簡単な品だが、考えてつける事で多少は揺れを改善できるはずだ。
後は少しづつ装飾を施し、ダンジョンということもあって出てくるモンスター対策にも多少は効果があると思い、棘なども作って…‥‥後は、木の繊維を使った荒いけれどしっかりとした綱を手綱代わりにして、セレアに接続すれば完成だ。
―――――
『手作りチャリオット』
制作評価:8
効果:馬系以外にも牽引が可能なモンスターに装備させることで乗車が可能になるチャリオット。ただ、まだまだ造りが甘いので、リアカーにも転用可能。装備して走行している間、一時的に同乗者のATKが20%上昇し、走行しながら出てくる相手を轢くことが可能である。
―――――
「おおー、これはこれで移動が楽そうだ!!しかし、効果でちょっと気になるのが『轢くことが可能』って一文だな‥‥‥」
「うーん、普通そう轢くことは無いとは思うけれども、わざわざこんな説明がつくのか?」
ちょっと気になるけれども、移動が楽になるのは間違いないだろう。セレアに牽けるかちょっと実験してみたところ問題もなかったし、移動手段としてはまずまずといったところか。
とはいえ、もうちょっと色々と改良の余地がありそうだし、素人が手作りしたのでもう少しまともな作り方などをネットで調べたほうがいいかもしれない。
まぁ、それはまた後で出来るので、今はこの新しい早く移動できる手段でさっさと先を行くのが良いだろう。全員乗れるように大きめにしてみたが、馬車とかの方が普段利用しやすいかな?こういうチャリオットタイプは、戦闘時にでも使うものとして、普段用と戦闘用を今度製作しよう。
「それじゃ、頼むよセレア!その走りで、ここを一気に駆け抜けろ!!」
【バルヒヒヒヒィーン!!】
やる気十分と言うように雄たけびを上げ、駆けだすセレア。風を切って走り始め、ダンジョン内を爆走し始めるのであった。
ドドドドド!!
バシーン!!バシィィン!!
【ゴブベバァァ!?】
【アンギャリアァァス!?】
「‥‥‥なぁ、中三病さん。早速だが何かを轢いたような気がするんだけど」
「奇遇だな、今思いっ切り勝手に前に出て来たモンスターがはじかれて吹っ飛んだような‥‥‥あ、持ち物の中にドロップ品が入っているのだが」
ああ、「轢く」ってこういう事か。意図的なものじゃなくて、可能なサイズで敵対するものたちを引き寄せて轢き倒すってことなのか。
これはこれで、もしかして凶悪なのでは?レベルアップを楽したい人たちが、勝手に轢いて倒しまくるチャリオットを作りそうな気がするなぁ。後でどうなるのか、色々と情報収集や実験をしたほうがいいかもしれない‥‥‥‥
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