39 / 59
出会いましょう、新しい世界と共に
第三十五話 迫りくる巨大魚
しおりを挟む
水上都市アクトニアへ接近する、巨大な魚の魔獣。
海から遡上してやってくるのは、この都市ではゴールデンシャケのほうがなじみがあるらしい。
だが、そのシャケが遡上してくるまでにはまだ時間があるはずなので、同じものが上がってきているというよりも…
「時期がずれてやってきた、シャケの魔獣ってところかな?」
【それで間違いないようですね。鳴き声がひたすら『肉・卵・肉・卵』と連呼しているようです】
【ジェゲラァァァァァァ!!】
どうやらあの巨大魚の目的としては、シャケ同様の産卵らしい。
だがしかし、あれほどの巨体を誇るほど超えている様子なのに、満たされていないようなのだ。
そのため、どうやら足りない分を補うために食べまくることにして…遡上しながらありとあらゆる動植物を喰らいつくしてきて、ここにきてもまだ足りず、水上都市の人間及びガルトニア湖の資源すらも喰らいつくそうとしているようだ。
その動機のためだけにやってきて、接近を音の主は知らせてきて…結果として、何もしないまま突然の強襲を避けることはできた。
しかしながら、それでも多数の市民を呼ぶことはできず、多くはあの方向を聞いて飛び起き、混乱状態に陥っているようだ。
「なんだなんだあのでっかい魚!?」
「やべぇ、絶対に魔獣だ!!そうじゃなくてもヤバい奴だ!!」
「急げ急げ船をだせぇぇぇ!!」
大混乱に陥りつつも、まずは自分の命を守れということのほうが早いようで、素早く水上都市での避難方法としての船を求める。
湖の中央に位置する水上都市だからこそ、ここまで来るのに船を用いており、嵐などに備えての予備の船もあるので十分避難は可能…なはずだった。
【ジェゲラァァァァッス!!】
バウバウバウバウバウ!!
大きな口を開け、咆哮を上げながら何やら光る塊を巨大シャケ魔獣が撃ちだした。
それらはかなりの速度で飛翔してきて…船へ直撃していく。
ズドドドォォォン!!
「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」
「ふ、船が!!」
【どうやら、逃がす気は無いようです】
飢えた相手としては、獲物を逃す気はなく、逃げる手段を理解して潰しに来たのだろう。
かなりの巨体を誇る魚なのに、器用に狙いを定めることができたようだ。
「うぉい!?え、衛兵衛兵!!どうにかしてくれぇぇ!!」
「いや、流石にあれは無理でしょ!!並サイズの魔獣ならば総出でどうにかなりますが、あの巨体に立ち向かえないってぇぇぇぇぇ!!」
都市を守る衛兵でも、流石に巨大魚の相手は厳しいようだ。
「となると、流石に逃げるしかないけど…あれは逃してくれそうにないね」
声の主のぐうたら生活のような部分のツッコミはさておき、あんなものが来たらこのあたり一帯が喰いつくされる可能性は多いにあり得るだろう。
「ハクロ、逃げる手段はある?」
【うーん、接近速度と先ほどの攻撃手段、相手の執念などを計算しても…厳しいですね。陸上ならばともかく、水上は逃走しづらいです】
あんなものに襲われたくはないが、逃げる手段もないようだ。
【ですが…ええ、あの位の魚なら、どうにか倒せそうですね】
「本当?」
【はい、旦那様が望むのであれば、あの魚をさばいて見事な活け造りにしてみせましょう】
相手の規模が大きいが、ハクロの言葉に偽りはないようだ。
流石にあの量の活け造りは食いきれそうにないというか、そもそも食べられるものなのかと思うが…この状況なら、彼女に頼むしかない。
「なら、頼むよハクロ。逃げられない状況になっているからね」
【わかりました!!なら、全力であの巨大魚を狩ってみせましょう!!】
自信満々にそう告げるハクロ。
湖に襲い掛かりつつある巨大な魚に対して、どのように対抗できるのか。
とにもかくにも、今は彼女に頼るしかできないようであった…
【ふふふ、旦那様の頼れるお嫁さんとして、魚の一匹や二匹、華麗に調理してみせます!!】
「相手は魔獣なうえに、料理できる奴かは不明だけどね」
【大丈夫です!!鮮度がヤバいなら、焼けばどうにかなります!!】
…思った以上に、ワイルドすぎる解決方法だった。というか、焼いてどうにかなるものなの?
海から遡上してやってくるのは、この都市ではゴールデンシャケのほうがなじみがあるらしい。
だが、そのシャケが遡上してくるまでにはまだ時間があるはずなので、同じものが上がってきているというよりも…
「時期がずれてやってきた、シャケの魔獣ってところかな?」
【それで間違いないようですね。鳴き声がひたすら『肉・卵・肉・卵』と連呼しているようです】
【ジェゲラァァァァァァ!!】
どうやらあの巨大魚の目的としては、シャケ同様の産卵らしい。
だがしかし、あれほどの巨体を誇るほど超えている様子なのに、満たされていないようなのだ。
そのため、どうやら足りない分を補うために食べまくることにして…遡上しながらありとあらゆる動植物を喰らいつくしてきて、ここにきてもまだ足りず、水上都市の人間及びガルトニア湖の資源すらも喰らいつくそうとしているようだ。
その動機のためだけにやってきて、接近を音の主は知らせてきて…結果として、何もしないまま突然の強襲を避けることはできた。
しかしながら、それでも多数の市民を呼ぶことはできず、多くはあの方向を聞いて飛び起き、混乱状態に陥っているようだ。
「なんだなんだあのでっかい魚!?」
「やべぇ、絶対に魔獣だ!!そうじゃなくてもヤバい奴だ!!」
「急げ急げ船をだせぇぇぇ!!」
大混乱に陥りつつも、まずは自分の命を守れということのほうが早いようで、素早く水上都市での避難方法としての船を求める。
湖の中央に位置する水上都市だからこそ、ここまで来るのに船を用いており、嵐などに備えての予備の船もあるので十分避難は可能…なはずだった。
【ジェゲラァァァァッス!!】
バウバウバウバウバウ!!
大きな口を開け、咆哮を上げながら何やら光る塊を巨大シャケ魔獣が撃ちだした。
それらはかなりの速度で飛翔してきて…船へ直撃していく。
ズドドドォォォン!!
「「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」
「ふ、船が!!」
【どうやら、逃がす気は無いようです】
飢えた相手としては、獲物を逃す気はなく、逃げる手段を理解して潰しに来たのだろう。
かなりの巨体を誇る魚なのに、器用に狙いを定めることができたようだ。
「うぉい!?え、衛兵衛兵!!どうにかしてくれぇぇ!!」
「いや、流石にあれは無理でしょ!!並サイズの魔獣ならば総出でどうにかなりますが、あの巨体に立ち向かえないってぇぇぇぇぇ!!」
都市を守る衛兵でも、流石に巨大魚の相手は厳しいようだ。
「となると、流石に逃げるしかないけど…あれは逃してくれそうにないね」
声の主のぐうたら生活のような部分のツッコミはさておき、あんなものが来たらこのあたり一帯が喰いつくされる可能性は多いにあり得るだろう。
「ハクロ、逃げる手段はある?」
【うーん、接近速度と先ほどの攻撃手段、相手の執念などを計算しても…厳しいですね。陸上ならばともかく、水上は逃走しづらいです】
あんなものに襲われたくはないが、逃げる手段もないようだ。
【ですが…ええ、あの位の魚なら、どうにか倒せそうですね】
「本当?」
【はい、旦那様が望むのであれば、あの魚をさばいて見事な活け造りにしてみせましょう】
相手の規模が大きいが、ハクロの言葉に偽りはないようだ。
流石にあの量の活け造りは食いきれそうにないというか、そもそも食べられるものなのかと思うが…この状況なら、彼女に頼むしかない。
「なら、頼むよハクロ。逃げられない状況になっているからね」
【わかりました!!なら、全力であの巨大魚を狩ってみせましょう!!】
自信満々にそう告げるハクロ。
湖に襲い掛かりつつある巨大な魚に対して、どのように対抗できるのか。
とにもかくにも、今は彼女に頼るしかできないようであった…
【ふふふ、旦那様の頼れるお嫁さんとして、魚の一匹や二匹、華麗に調理してみせます!!】
「相手は魔獣なうえに、料理できる奴かは不明だけどね」
【大丈夫です!!鮮度がヤバいなら、焼けばどうにかなります!!】
…思った以上に、ワイルドすぎる解決方法だった。というか、焼いてどうにかなるものなの?
1
お気に入りに追加
240
あなたにおすすめの小説
断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ある、義妹にすべてを奪われて魔獣の生贄になった令嬢のその後
オレンジ方解石
ファンタジー
異母妹セリアに虐げられた挙げ句、婚約者のルイ王太子まで奪われて世を儚み、魔獣の生贄となったはずの侯爵令嬢レナエル。
ある夜、王宮にレナエルと魔獣が現れて…………。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
婚約破棄を目指して
haruhana
恋愛
伯爵令嬢リーナには、幼い頃に親同士が決めた婚約者アレンがいる。美しいアレンはシスコンなのか?と疑わしいほど溺愛する血の繋がらない妹エリーヌがいて、いつもデートを邪魔され、どっちが婚約者なんだかと思うほどのイチャイチャぶりに、私の立場って一体?と悩み、婚約破棄したいなぁと思い始めるのでした。
その国が滅びたのは
志位斗 茂家波
ファンタジー
3年前、ある事件が起こるその時まで、その国は栄えていた。
だがしかし、その事件以降あっという間に落ちぶれたが、一体どういうことなのだろうか?
それは、考え無しの婚約破棄によるものであったそうだ。
息抜き用婚約破棄物。全6話+オマケの予定。
作者の「帰らずの森のある騒動記」という連載作品に乗っている兄妹が登場。というか、これをそっちの乗せたほうが良いんじゃないかと思い中。
誤字脱字があるかもしれません。ないように頑張ってますが、御指摘や改良点があれば受け付けます。
マヨマヨ~迷々の旅人~
雪野湯
ファンタジー
誰でもよかった系の人に刺されて笠鷺燎は死んだ。(享年十四歳・男)
んで、あの世で裁判。
主文・『前世の罪』を償っていないので宇宙追放→次元の狭間にポイッ。
襲いかかる理不尽の連続。でも、土壇場で運良く異世界へ渡る。
なぜか、黒髪の美少女の姿だったけど……。
オマケとして剣と魔法の才と、自分が忘れていた記憶に触れるという、いまいち微妙なスキルもついてきた。
では、才能溢れる俺の初クエストは!?
ドブ掃除でした……。
掃除はともかく、異世界の人たちは良い人ばかりで居心地は悪くない。
故郷に帰りたい気持ちはあるけど、まぁ残ってもいいかなぁ、と思い始めたところにとんだ試練が。
『前世の罪』と『マヨマヨ』という奇妙な存在が、大切な日常を壊しやがった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる