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出会いましょう、新しい世界と共に
第十七話 地獄の釜はゆだっていた
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…痛みもあるが、それでもどうにか意識を静かに沈めることが出来る。
明日になってもこの状況が改善しないかもしれないが、それでも今は体力を少しでも回復させるために、ルドは眠りについていた。
謎の人物…おそらくはハクロを狙う目的を持った輩によって虐げられたが、それでもここであっさりと命を放棄するようなことはない。
むしろ、命を失ったらそれこそこの世に地獄が顕現するかもしれない可能性があったので、無くさないように努力したほうが良いだろう。
(…それでも、眠りは浅いか)
まだ周囲は暗い中、体の痛みも何とか落ち着いてきたところで目が覚めた。
時間がどれほど経過したのか把握できないが、おそらく朝方に近いころ合いだと思われる。
(首輪は相手が操作しなければ、稼働はしない。鞭で打たれた箇所も、流石に時間が経てば血が固まるが…うん、今日も同じようなことがあっても、何とか耐えられそうか)
相手としては、そうたやすく命を奪う気はないだろうし、それはそれで困ることがあるのだろう。
けれども、平民に対してどこか見下している選民思想のようなものを有しており、虐げることに抵抗もない様子。
加減をわざとして、生き延びさせることも楽しんでいるような感じがあるが、それはそれで好都合。
命を無理やり奪われさえしなければ、どうにかするだけの手段を考えるだけの時間はある。
(そうなってくると、どれだけこの身体が…いや、精神のほうが持つかが勝負だろうか)
ここにきてちょうど良いのは、見た目こそは少年の身とはいえ、中身としては前世の自分が何歳で逝ったのかは不明だが、子供の精神年齢にプラスするだけの年齢があることで、精神的には普通よりも強いことがある。
正直、外見年齢と同等の10歳児の精神年齢であれば、簡単に心が折れて壊れていた可能性があるが、この転生した精神があるからこそ、正気を保つことが出来る。
だが、それでも長く持たせるには相当の精神力がいるだろうし…このまま何も状況が好転しなければ、遅かれ早かれ砕かれていく運命にある。
(でも、そう簡単にくたばってたまるか!!こんなド腐れ外道相手にやる命はない!!…それに…逝ったら、ハクロが悲しむだろうし)
心を奮い立たたせつつ、ふと、ハクロのことを思って胸が少し苦しくなった。
番として、旦那様として親しまれているルドが亡くなったら、彼女はどう出るのか。
それが、悪人の手によって命を奪われたと知ったらどうなるのかは…火を見るよりも明らか過ぎるだろう。
けれどもそれ以上に、もしかすると怒りの感情よりも、彼女は悲しみの感情のほうがあるかもしれない。
「…彼女に、泣き顔は似合わないからな」
ほだされているような気がするが、間違ったことは言ってないと思う。
あの美しい蜘蛛の魔獣には、悲しみの顔よりも笑顔のほうが似合う。
それなのに、あの外道野郎どもが彼女を狙っていると考えると…正直、かなり腹立たしく思える。
だからこそ、今日も時間が経てばあの外道と対峙することになるだろうが、彼女に再会するまでは折れる気はない。
いや、再会して物言わぬ遺体になったら意味も何もないだろうが…それでも、当面の間は生き延びることを目的とする。
さて、今日は何をしてくるか…せめて目的の詳細を聞き出したいところだが、また虐げまくって話さない可能性だってあるだろう。
そもそも、平民相手に見下しまくっているから、話すような意味も価値もないと心の中で思って話さないだけなのかもしれない。
「それでも、来るなら来い、外道ども…!!」
気合を入れて体に力をこめると、ちょっとふさがりかけていた傷が開き、ぷしゅっと血が出かける。
精神力だけあってもこの肉体が持たない可能性があるが…やれるだけのことはやり遂げる。
そう思いながら、昨日のように再び奴らが下りてくるのを待って…
カツンカツンと足音が聞こえてくるのを身構えて…
松明の明かりに照らされて見えてくる姿を…
「…あれ?結構時間経ったのに、来てないな?」
流石にどこかの牢屋内…作りから察するに地下牢なのだろうが、それでも外からわずかに入ってくる明かりなどで多少の時間経過位は察することが出来る。
それなのに、昨日は目を覚ましてすぐにやってくるほどの暇があったくせに、再び夜の闇が近づきつつあるのに、外道共が来る気配がなかった。
明日、また話をするとかそんな口ぶりで、やってくるようなことは言っていたはずなのだが…おかしいな?時間間隔が狂ってとかそういうわけでもなさそうだ。
相手をするだけの暇がなかったのだろうか?いやいや、そんな暇がなければ、昨日のようにじっくりと虐げまくるほどの時間もなかったはず。
単純に、虐げまくった平民を忘れたのか?違うだろう、そんなあっさりと、ハクロを狙うための何かの手段に考えているらしい相手が、簡単に忘れるわけもない。
何か想定外のことでも起きたのだろうかと思うが、ここから探ることはできない。
相手の虐待を耐えようとしていたので、何もないならそれはそれで良いのだが…
「…もしかして既に、ハクロにバレて襲撃されて亡き者にされたとか?」
でも、そんなことをしたら相手がルドの首を絞めるための道具を得た理由がなくなる。
あれがあればどうにかできる可能性があるだろうし、その場にいないとしても、彼女に対する脅しの手段としては有効的なはずだろう。
となると、何か別のことでも起きたのかと思っていると…ようやく、この牢屋に音が伝わってきた。
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!」
「ぐべぇぇぇぇぇ!!腕が、足がぁぁぁぁぁぁ!!」
「…足音じゃなくて、断末魔が響いてないか?」
何が起きているのだろうか。本当に、ハクロの襲撃でもあったのだろうか。
ここからでは情報が少なすぎてわからないが、助けが来たのであれば、それはそれでありがたいのだが…
「ごぼべぇ!!剛力のモスランの鼻がもがれたぁ!!」
「ぎえぇぇぇ!!目が目がぁぁぁ!!」
「ぐべげぇ!!内臓ぐがぁぁぁぁ!!」
…響き渡ってくる断末魔が、凄惨な現場情報を伝えてくれる。
何かがヤバいほど暴れまわっている音で、だんだんあわただしい気配がしてきた。
そこまで叫べるなら、何者かの襲撃であれば逃げてくればいいはずなのだが…何か、都合があるのだろうか?
カンカンカン!!
「ああ、いたぞ!!聖女クラウディア様、こちらに例の少年が!!」
「本当!?無事な状態かしら!!」
「無事ではなく、傷だらけな様子です!!」
そうこうしているうちに、あの外道たちとは違う足音が響いたかと思えば、王都に入る際に見た騎士の人と、奥の方から聖女様が走ってきていた。
そこそこ年を取っている方なのに、その足は速い。
すぐに彼らは僕がいた牢屋の前に来た。
「ああ、大丈夫かしら…痛々しいわ、鞭の傷だらけじゃない。ゴリノラーサ、早く牢の扉を開けて」
「わかっております。少年、動けるならちょっと後ろへ下がってくれ」
言われるがまま、後方へ下がると、ゴリノラーサという聖女様の護衛騎士が牢の前に立ち、鉄格子をつかみ…
「ふんすわぁぁぁぁ!!」
バギメギズボォォウ!!
「うわぁ…」
…剣を使って鉄格子を叩き切るとか考えていたけど、まさかの力技での引き抜き。
しかも、ただ抜けるんじゃなくて、握力で潰されて、手を離した後の格子が紐になっている。
「良し、十分よ。えっと、ルドって名前だったかしら。すぐに、手当てをしてあげるわ」
格子が失われた牢内に入り、聖女がルドのそばによる。
手をかざし、何かをつぶやくと、ぼうっと白い光が灯る。
「これは…」
「回復魔法よ。大丈夫、このぐらいの傷なら、すぐに治るわ。腕を引きちぎられていたりしたら、ちょっと厳しかったけど…それでも、この程度なら早く良くなるわ」
光が照らされた箇所から、傷がしゅわしゅわと音を立てて消えていく。
じんわりと痛みも引いていき、どこか心地よさも覚える。
「あの、聖女様ありがとうございます…それで、今、外で何が起きて…いるのでしょうか」
治療されながら、ふと疑問に思っていたことを口に出した。
「えっとね…その、貴方の蜘蛛の魔獣が全力で暴れているのよ」
「物凄く、キレた状態でな。どうも、お前の血の匂いを嗅いでしまったようでな…ふさがっていたようだが、虐げたやつの持っていた道具から嗅ぎ分けたのだろう。そのせいで今、少々見てられぬ惨劇が広がっていたが…うむ、自業自得だと思いたい」
断末魔から予想できていたが、言いよどむ聖女様たち。
救助に来た様子だが、どうもまともに伝えるにはやばい状況になっているようで、だんだん断末魔の数も減っているのが聞こえてくる。
「本当は一番に、貴方の元へ駆けつけたかったらしいけれども、彼女は冷静に判断したようね」
「惨劇を引き起こしていることのどこが、冷静に判断している要素なのでしょうか…」
何をどうやって、ここを突き止めてきたのかはわからない。
それでもどうにかして、助けに来てくれたことは嬉しいことのはずである。
だがしかし、今もなおやまぬ惨劇の中で鳴り響く断末魔に、不安がどぶどぶとあふれ出しているのであった…
「本当に、本当に、本当に生きていて良かったわ…これで、もしも遅かったら、今頃どうなっていたのかしら…」
「少なくとも、周辺一帯が塵と化していたかもしれませんな…」
「ハクロ、本当に何をしていたの?」
…あの外道たち、まさか地獄の釜の蓋を開くどころか、もっとやばい世界の扉を爆破したのだろうか?
明日になってもこの状況が改善しないかもしれないが、それでも今は体力を少しでも回復させるために、ルドは眠りについていた。
謎の人物…おそらくはハクロを狙う目的を持った輩によって虐げられたが、それでもここであっさりと命を放棄するようなことはない。
むしろ、命を失ったらそれこそこの世に地獄が顕現するかもしれない可能性があったので、無くさないように努力したほうが良いだろう。
(…それでも、眠りは浅いか)
まだ周囲は暗い中、体の痛みも何とか落ち着いてきたところで目が覚めた。
時間がどれほど経過したのか把握できないが、おそらく朝方に近いころ合いだと思われる。
(首輪は相手が操作しなければ、稼働はしない。鞭で打たれた箇所も、流石に時間が経てば血が固まるが…うん、今日も同じようなことがあっても、何とか耐えられそうか)
相手としては、そうたやすく命を奪う気はないだろうし、それはそれで困ることがあるのだろう。
けれども、平民に対してどこか見下している選民思想のようなものを有しており、虐げることに抵抗もない様子。
加減をわざとして、生き延びさせることも楽しんでいるような感じがあるが、それはそれで好都合。
命を無理やり奪われさえしなければ、どうにかするだけの手段を考えるだけの時間はある。
(そうなってくると、どれだけこの身体が…いや、精神のほうが持つかが勝負だろうか)
ここにきてちょうど良いのは、見た目こそは少年の身とはいえ、中身としては前世の自分が何歳で逝ったのかは不明だが、子供の精神年齢にプラスするだけの年齢があることで、精神的には普通よりも強いことがある。
正直、外見年齢と同等の10歳児の精神年齢であれば、簡単に心が折れて壊れていた可能性があるが、この転生した精神があるからこそ、正気を保つことが出来る。
だが、それでも長く持たせるには相当の精神力がいるだろうし…このまま何も状況が好転しなければ、遅かれ早かれ砕かれていく運命にある。
(でも、そう簡単にくたばってたまるか!!こんなド腐れ外道相手にやる命はない!!…それに…逝ったら、ハクロが悲しむだろうし)
心を奮い立たたせつつ、ふと、ハクロのことを思って胸が少し苦しくなった。
番として、旦那様として親しまれているルドが亡くなったら、彼女はどう出るのか。
それが、悪人の手によって命を奪われたと知ったらどうなるのかは…火を見るよりも明らか過ぎるだろう。
けれどもそれ以上に、もしかすると怒りの感情よりも、彼女は悲しみの感情のほうがあるかもしれない。
「…彼女に、泣き顔は似合わないからな」
ほだされているような気がするが、間違ったことは言ってないと思う。
あの美しい蜘蛛の魔獣には、悲しみの顔よりも笑顔のほうが似合う。
それなのに、あの外道野郎どもが彼女を狙っていると考えると…正直、かなり腹立たしく思える。
だからこそ、今日も時間が経てばあの外道と対峙することになるだろうが、彼女に再会するまでは折れる気はない。
いや、再会して物言わぬ遺体になったら意味も何もないだろうが…それでも、当面の間は生き延びることを目的とする。
さて、今日は何をしてくるか…せめて目的の詳細を聞き出したいところだが、また虐げまくって話さない可能性だってあるだろう。
そもそも、平民相手に見下しまくっているから、話すような意味も価値もないと心の中で思って話さないだけなのかもしれない。
「それでも、来るなら来い、外道ども…!!」
気合を入れて体に力をこめると、ちょっとふさがりかけていた傷が開き、ぷしゅっと血が出かける。
精神力だけあってもこの肉体が持たない可能性があるが…やれるだけのことはやり遂げる。
そう思いながら、昨日のように再び奴らが下りてくるのを待って…
カツンカツンと足音が聞こえてくるのを身構えて…
松明の明かりに照らされて見えてくる姿を…
「…あれ?結構時間経ったのに、来てないな?」
流石にどこかの牢屋内…作りから察するに地下牢なのだろうが、それでも外からわずかに入ってくる明かりなどで多少の時間経過位は察することが出来る。
それなのに、昨日は目を覚ましてすぐにやってくるほどの暇があったくせに、再び夜の闇が近づきつつあるのに、外道共が来る気配がなかった。
明日、また話をするとかそんな口ぶりで、やってくるようなことは言っていたはずなのだが…おかしいな?時間間隔が狂ってとかそういうわけでもなさそうだ。
相手をするだけの暇がなかったのだろうか?いやいや、そんな暇がなければ、昨日のようにじっくりと虐げまくるほどの時間もなかったはず。
単純に、虐げまくった平民を忘れたのか?違うだろう、そんなあっさりと、ハクロを狙うための何かの手段に考えているらしい相手が、簡単に忘れるわけもない。
何か想定外のことでも起きたのだろうかと思うが、ここから探ることはできない。
相手の虐待を耐えようとしていたので、何もないならそれはそれで良いのだが…
「…もしかして既に、ハクロにバレて襲撃されて亡き者にされたとか?」
でも、そんなことをしたら相手がルドの首を絞めるための道具を得た理由がなくなる。
あれがあればどうにかできる可能性があるだろうし、その場にいないとしても、彼女に対する脅しの手段としては有効的なはずだろう。
となると、何か別のことでも起きたのかと思っていると…ようやく、この牢屋に音が伝わってきた。
「ぎゃああああああああああああああああああああ!!」
「ぐべぇぇぇぇぇ!!腕が、足がぁぁぁぁぁぁ!!」
「…足音じゃなくて、断末魔が響いてないか?」
何が起きているのだろうか。本当に、ハクロの襲撃でもあったのだろうか。
ここからでは情報が少なすぎてわからないが、助けが来たのであれば、それはそれでありがたいのだが…
「ごぼべぇ!!剛力のモスランの鼻がもがれたぁ!!」
「ぎえぇぇぇ!!目が目がぁぁぁ!!」
「ぐべげぇ!!内臓ぐがぁぁぁぁ!!」
…響き渡ってくる断末魔が、凄惨な現場情報を伝えてくれる。
何かがヤバいほど暴れまわっている音で、だんだんあわただしい気配がしてきた。
そこまで叫べるなら、何者かの襲撃であれば逃げてくればいいはずなのだが…何か、都合があるのだろうか?
カンカンカン!!
「ああ、いたぞ!!聖女クラウディア様、こちらに例の少年が!!」
「本当!?無事な状態かしら!!」
「無事ではなく、傷だらけな様子です!!」
そうこうしているうちに、あの外道たちとは違う足音が響いたかと思えば、王都に入る際に見た騎士の人と、奥の方から聖女様が走ってきていた。
そこそこ年を取っている方なのに、その足は速い。
すぐに彼らは僕がいた牢屋の前に来た。
「ああ、大丈夫かしら…痛々しいわ、鞭の傷だらけじゃない。ゴリノラーサ、早く牢の扉を開けて」
「わかっております。少年、動けるならちょっと後ろへ下がってくれ」
言われるがまま、後方へ下がると、ゴリノラーサという聖女様の護衛騎士が牢の前に立ち、鉄格子をつかみ…
「ふんすわぁぁぁぁ!!」
バギメギズボォォウ!!
「うわぁ…」
…剣を使って鉄格子を叩き切るとか考えていたけど、まさかの力技での引き抜き。
しかも、ただ抜けるんじゃなくて、握力で潰されて、手を離した後の格子が紐になっている。
「良し、十分よ。えっと、ルドって名前だったかしら。すぐに、手当てをしてあげるわ」
格子が失われた牢内に入り、聖女がルドのそばによる。
手をかざし、何かをつぶやくと、ぼうっと白い光が灯る。
「これは…」
「回復魔法よ。大丈夫、このぐらいの傷なら、すぐに治るわ。腕を引きちぎられていたりしたら、ちょっと厳しかったけど…それでも、この程度なら早く良くなるわ」
光が照らされた箇所から、傷がしゅわしゅわと音を立てて消えていく。
じんわりと痛みも引いていき、どこか心地よさも覚える。
「あの、聖女様ありがとうございます…それで、今、外で何が起きて…いるのでしょうか」
治療されながら、ふと疑問に思っていたことを口に出した。
「えっとね…その、貴方の蜘蛛の魔獣が全力で暴れているのよ」
「物凄く、キレた状態でな。どうも、お前の血の匂いを嗅いでしまったようでな…ふさがっていたようだが、虐げたやつの持っていた道具から嗅ぎ分けたのだろう。そのせいで今、少々見てられぬ惨劇が広がっていたが…うむ、自業自得だと思いたい」
断末魔から予想できていたが、言いよどむ聖女様たち。
救助に来た様子だが、どうもまともに伝えるにはやばい状況になっているようで、だんだん断末魔の数も減っているのが聞こえてくる。
「本当は一番に、貴方の元へ駆けつけたかったらしいけれども、彼女は冷静に判断したようね」
「惨劇を引き起こしていることのどこが、冷静に判断している要素なのでしょうか…」
何をどうやって、ここを突き止めてきたのかはわからない。
それでもどうにかして、助けに来てくれたことは嬉しいことのはずである。
だがしかし、今もなおやまぬ惨劇の中で鳴り響く断末魔に、不安がどぶどぶとあふれ出しているのであった…
「本当に、本当に、本当に生きていて良かったわ…これで、もしも遅かったら、今頃どうなっていたのかしら…」
「少なくとも、周辺一帯が塵と化していたかもしれませんな…」
「ハクロ、本当に何をしていたの?」
…あの外道たち、まさか地獄の釜の蓋を開くどころか、もっとやばい世界の扉を爆破したのだろうか?
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