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出会いましょう、新しい世界と共に
第九話 見るもの視るもの観るもの
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…無事に聖女様の太鼓判ももらうことが出来て、ハクロと一緒に王都内に入ることが出来た。
首からはしっかりとここで生活してOkな魔獣ですよと示す許可書としての宝石を付けたネックレスをかけて、王都内の教育機関へ馬車は到着した。
入寮し、しっかり休息をとってから、翌日にはすぐに入学式となる。
ガルトニア王国の教育機関…『ガルトニア学園』。
面白味がない様な、そのまま過ぎるし、何のひねりもこだわりもなさそうな学園名だが、一応平民の通う学園だからという理由で、単純な名称に決めているそうだ。
これが貴族の通う学園の方だと、箔をつけるためなのか学園名に歴代国王の名前がどんどん連ねられていくようで、わかっているだけでもガルトニア・アーノルド・ゾンボルド…長すぎるので覚えきれないが、滅茶苦茶長い名称になっているらしい。
それで良いのか、貴族側の学園名。履歴書みたいなものがあったら、書くだけでも相当大変そうなのだが…箔が付いていることは貴族としては良いようで、気にするようなことでもないようだ。
学園での教育年数も6年ほどで、早い人によっては飛び級したり、より学びたいのであれば国外の教育機関への留学なども薦められており、教育に熱心な人ほど学習を深めることが出来るようになっており、そうでなかったとしても最初のほうは他の人たちと同じ教育になるが、ある程度目標が定まればその目標に狙える授業を先行していくことも可能で、義務教育での小中高+大学が入り混じったようなものになっているようだ。
中には職人たちへ弟子入りが出来たり、職場体験ができるなど、ちょっとしたインターンシップのようなものも色々とあるようで、学んでいくうちに専門性を得ていくこともできる。
経験を積める機会を与えることで、ガンガン進めるなら先へ目指し、国のためになるように。
そうでないならばじっくりと実力をつけるために、しっかりと学べるように。
様々な工夫を混ぜることで自主的に考えさせていく様にされているらしく、義務的に学習の場へ集められても将来的に役に立つ経験を得られるのであれば良いことなのだろう。
…まぁ、今はそんな教育制度に関心を示すよりも、この入学式の場に設けられた何らかの事情で来ている人向けの特別席にて、しっかりと正装を着て見ているハクロのほうに興味を示す人のほうが多いらしい。
「おい、あれ見ろよ、なんかすげぇ美人な人がいるんだが」
「ああ、あれって確か辺境のほうからやってきたやつのものらしい。蜘蛛の魔獣というが…」
「綺麗だけど、よく見たら下のほうが大きな白い蜘蛛…でも、全体でみると統一された感じが見えて、一種の芸術さがあるな…」
「美しい、あのお身足で踏まれたい…」
道中の馬車で乗車してきた人たちは見ていたが、全員が同じものに乗れるわけではない。
いくつかの馬車で各方面から集められており、ハクロを初めて見た人もいる。
また、うわさ話が流れていても、ここまではっきりと見る機会がなかったようで、こうやって姿を見て驚く人も多いだろう。
蜘蛛の部分の方にも目を引かれるが、その人部分の容姿も美女と言って良い外見なので、注目を浴びる可能性は高かったわけだが、こうやって見ると本当に目立つようである。
ところで何か、おかしな人が混ざってないかな?大丈夫か、この学園。
『えー、皆さんそちらの方に目が向くのも仕方がないことなのかもしれませんが…まじめに学園長の話を聞いていただけないでしょうか』
「「「あ」」」
ハクロばかりに目が向いている人が多かったようで、拡声器のような魔道具で注意されて今は入学式の途中だと気が付いたらしい。
こういう話のほうが大事だったりするのだが…美しかったり興味を惹かれるようなものがこの場にいたのは不味かっただろうか。
これからこの学園で過ごしていく中で、幸先から注目を集めるのは…どうなのだろう。
不安などもありつつも、余計なことを考えないようにするのが吉かとルドは思うのであった…
「うーん、生徒と同じ場所にいないから、一緒に授業を受けることはないんだろうけれども…」
「いてくれるだけでも、十分な目の保養になるのは良いな」
「優しそうだけど、冷徹な目でののしられたい…」
「魔獣が一緒にいて大丈夫なのかと思うが、聖女様の許可があっているなら問題ない…のか?」
…うん、まじめに考えている人もいるようだけど、やっぱり変態な人も混ざってないかな?後でハクロに、注意しておくように言っておこう。
彼女の場合、何があっても実力で楽々と撃退できるだろうけれども、やばい変態は雑草のようにしぶといって聞くからな…
首からはしっかりとここで生活してOkな魔獣ですよと示す許可書としての宝石を付けたネックレスをかけて、王都内の教育機関へ馬車は到着した。
入寮し、しっかり休息をとってから、翌日にはすぐに入学式となる。
ガルトニア王国の教育機関…『ガルトニア学園』。
面白味がない様な、そのまま過ぎるし、何のひねりもこだわりもなさそうな学園名だが、一応平民の通う学園だからという理由で、単純な名称に決めているそうだ。
これが貴族の通う学園の方だと、箔をつけるためなのか学園名に歴代国王の名前がどんどん連ねられていくようで、わかっているだけでもガルトニア・アーノルド・ゾンボルド…長すぎるので覚えきれないが、滅茶苦茶長い名称になっているらしい。
それで良いのか、貴族側の学園名。履歴書みたいなものがあったら、書くだけでも相当大変そうなのだが…箔が付いていることは貴族としては良いようで、気にするようなことでもないようだ。
学園での教育年数も6年ほどで、早い人によっては飛び級したり、より学びたいのであれば国外の教育機関への留学なども薦められており、教育に熱心な人ほど学習を深めることが出来るようになっており、そうでなかったとしても最初のほうは他の人たちと同じ教育になるが、ある程度目標が定まればその目標に狙える授業を先行していくことも可能で、義務教育での小中高+大学が入り混じったようなものになっているようだ。
中には職人たちへ弟子入りが出来たり、職場体験ができるなど、ちょっとしたインターンシップのようなものも色々とあるようで、学んでいくうちに専門性を得ていくこともできる。
経験を積める機会を与えることで、ガンガン進めるなら先へ目指し、国のためになるように。
そうでないならばじっくりと実力をつけるために、しっかりと学べるように。
様々な工夫を混ぜることで自主的に考えさせていく様にされているらしく、義務的に学習の場へ集められても将来的に役に立つ経験を得られるのであれば良いことなのだろう。
…まぁ、今はそんな教育制度に関心を示すよりも、この入学式の場に設けられた何らかの事情で来ている人向けの特別席にて、しっかりと正装を着て見ているハクロのほうに興味を示す人のほうが多いらしい。
「おい、あれ見ろよ、なんかすげぇ美人な人がいるんだが」
「ああ、あれって確か辺境のほうからやってきたやつのものらしい。蜘蛛の魔獣というが…」
「綺麗だけど、よく見たら下のほうが大きな白い蜘蛛…でも、全体でみると統一された感じが見えて、一種の芸術さがあるな…」
「美しい、あのお身足で踏まれたい…」
道中の馬車で乗車してきた人たちは見ていたが、全員が同じものに乗れるわけではない。
いくつかの馬車で各方面から集められており、ハクロを初めて見た人もいる。
また、うわさ話が流れていても、ここまではっきりと見る機会がなかったようで、こうやって姿を見て驚く人も多いだろう。
蜘蛛の部分の方にも目を引かれるが、その人部分の容姿も美女と言って良い外見なので、注目を浴びる可能性は高かったわけだが、こうやって見ると本当に目立つようである。
ところで何か、おかしな人が混ざってないかな?大丈夫か、この学園。
『えー、皆さんそちらの方に目が向くのも仕方がないことなのかもしれませんが…まじめに学園長の話を聞いていただけないでしょうか』
「「「あ」」」
ハクロばかりに目が向いている人が多かったようで、拡声器のような魔道具で注意されて今は入学式の途中だと気が付いたらしい。
こういう話のほうが大事だったりするのだが…美しかったり興味を惹かれるようなものがこの場にいたのは不味かっただろうか。
これからこの学園で過ごしていく中で、幸先から注目を集めるのは…どうなのだろう。
不安などもありつつも、余計なことを考えないようにするのが吉かとルドは思うのであった…
「うーん、生徒と同じ場所にいないから、一緒に授業を受けることはないんだろうけれども…」
「いてくれるだけでも、十分な目の保養になるのは良いな」
「優しそうだけど、冷徹な目でののしられたい…」
「魔獣が一緒にいて大丈夫なのかと思うが、聖女様の許可があっているなら問題ない…のか?」
…うん、まじめに考えている人もいるようだけど、やっぱり変態な人も混ざってないかな?後でハクロに、注意しておくように言っておこう。
彼女の場合、何があっても実力で楽々と撃退できるだろうけれども、やばい変態は雑草のようにしぶといって聞くからな…
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