21 / 41
【2章】後攻ハルト 無自覚に攻め返す
21.大丈夫……だよな?
しおりを挟む
「旦那様……!」
「クラルテ、現場まで転移できるか?」
「はい!」
クラルテがすぐに魔法陣を敷く。次の瞬間、俺たちは火災現場の近くに転移していた。
平和な街に、人々の悲鳴が木霊する。火災が起きたのは王都で一番大きな商会のようだった。外から見るに五階建ての建物で、かなり広い。
(先程の音……なかで爆発が起きたのか)
入り口からは内部の様子はうかがえない。ただ、もくもくと上がる黒煙が、ただごとではないことを物語っている。
「旦那様、わたくしは魔術師団に連絡を」
「頼む。俺は状況を確認し次第、人命救助、消火活動をはじめる」
火災は時間との勝負だ。発生してすぐに駆けつけられたのは運が良かったとしか言いようがない。
けれど、建物の大きさと煙の様子を鑑みて、俺とクラルテの二人だけでなんとかできるようなものではないはずだ。
こうしている間にも、たくさんの人が建物の中から逃げ出してくる。最低限の避難誘導は上手くいっているようだが、ここは商会。なかに何人いるか、どんな人がいるのかハッキリと把握できないのが厄介だ。
「なにが起こった? 爆発か?」
従業員らしき人間を捕まえて事情を聞く。中年の男性だ。彼はコクコクとうなずきつつ、手のひらで胸を押さえた。
「どこだ? なにが原因だ?」
「三階で――原因はわかりません。どこからともなく炎が現れて、爆発して――階段が塞がれているんです。なかにはまだ、お客様と従業員が!」
取り乱した従業員をなだめ、俺はクラルテのほうへ振り返る。
「クラルテ!」
「話は聞きました。三階へ繋がる魔法陣を」
クラルテは局へと連絡をとりながら、すぐに魔法陣を作り出す。急いでその上に乗れば、俺は商会の三階へと移動していた。
炎はちょうど、階段を塞ぐようなかたちで燃え盛っている。
先程の従業員が言っていたとおり、中にはパッと見た限り十数人の人々がいて、炎を避けるようにして固まっていた。
「こっちだ。魔法陣に乗れば、ここから出られる! 急いで!」
誘導をしながら、火元へ向かって水魔法を放つ。俺ひとりでは、どうしたって効率が悪い。普段は単独で動くことがないし、どちらも優先順位が高いとわかっているから割り切れない。
(どうする? 負傷者や逃げ遅れた人がいないか確認しなければならないが……火を消さなければ被害が拡大する)
「旦那様!」
「クラルテ!?」
そのとき、クラルテの声が聞こえてきた。振り返ることはできないが、間違いなく彼女はここにいる。
「避難誘導はわたくしがします! 状況報告もわたくしが! 旦那様は消火に専念してください!」
「けれど、おまえは後方部隊で、俺たちのように救助のための訓練もしていないのだし……」
「今日のわたくしは非番です! 現場に乗り込んだからといって文句を言われる筋合いはありません! それに、こちらのほうが明らかに効率が良いとわかっているのです! どうかわたくしを使ってください!」
クラルテは会話を続けつつ、人々を誘導し続けている。ここは彼女の言うとおり、消火に専念すべきだろう。
(けれど、やはり俺ひとりじゃ間に合わない)
炎は一向に小さくなる気配がない。むしろ勢いを増すばかりだ。タイムリミットが迫っている。長時間この場にとどまれば、一酸化炭素中毒か、炎に焼かれて死んでしまうだろう。
「旦那様! このフロアにいる人たちは全員逃がしました! わたくしは四階と五階に逃げ遅れた人が残っていないか、確認してまいります!」
「……! わかった。けれど、危ないと判断したら迷わず退避しろ。いいな?」
従業員から聞き取った内容が正しいとは必ずしも限らない。もしかしたら、火の手が上がっているのはこのフロアだけではないかもしれないのだ。
(プレヤさんは……他の魔術師たちはまだ到着しないのか?)
出動体制を整えるのにはある程度の時間がかかる。わかってはいるが、こうしてひとりきりで炎に対峙していると、普段の何倍も何十倍も時間が長く感じられる。俺一人では炎が大きくならないよう押さえるのが精一杯で、鎮火できるほどの威力が足りないのだ。
(クラルテは無事に逃げられただろうか?)
確認したいが、ここを離れることはできない。いちかばちか、魔力を最大放出して鎮火を目指す――いや、無理だ。火は小さくなるだろうが消しきれない。他の魔術師が到着するまでこの手は使うべきではない。消火活動がまったくできなくなってしまう。
それに、気になることがひとつある。
(先程の従業員はいきなり炎が現れ、爆発したと言っていた。つまりこれは人為的に起こされたもの。魔術師による放火の可能性が高い)
自然由来の炎と違って、魔術によって生み出された炎は消火がとても難しい。油や燃料を投入された状態の炎よりもさらにたちが悪いのだ。魔術師とタイマンでの戦闘時ならまだしも、時間をかけて練られ生み出された炎ならば、こちらのほうが当然分が悪い。
(早く……早く…………)
熱に、炎に、じりじりと肌が焼かれていく感覚がする。息が段々苦しくなってきた。このままではいけない。このままでは――
「待たせたね、ハルト」
肩をポンと叩かれると同時に、強力な水魔法が炎に向かって発せられる。
「プレヤさん」
顔を見なくてもわかる。これはプレヤさんの魔力だ。
彼を先頭に、クラルテが作った魔法陣から魔術師たちが何人も転移してくる。
(よかった……もう大丈夫だ)
俺はほっと安堵のため息をつく。
プレヤさんのおかげで炎の威力はかなり弱くなった。人数も揃ったし、このまま続ければ、短時間で消し止めることが可能だろう。
けれど次の瞬間、ボン! と大きな爆発音が聞こえてきた。
「なっ……」
建物が揺れ、足元がぐらつく。音が聞こえたのは上のほう――クラルテが向かった先だ。
(クラルテ、大丈夫……だよな?)
大丈夫。きっとクラルテは無事に逃げている。絶対、絶対大丈夫だ。――必死にそう言い聞かせてみるものの、心臓はバクバクと嫌な音を立てて鳴り響くし、不安のあまり身体が震える。
「ハルト」
「……わかってます」
ぐっと歯を食いしばり、俺は消火活動を続けた。
「クラルテ、現場まで転移できるか?」
「はい!」
クラルテがすぐに魔法陣を敷く。次の瞬間、俺たちは火災現場の近くに転移していた。
平和な街に、人々の悲鳴が木霊する。火災が起きたのは王都で一番大きな商会のようだった。外から見るに五階建ての建物で、かなり広い。
(先程の音……なかで爆発が起きたのか)
入り口からは内部の様子はうかがえない。ただ、もくもくと上がる黒煙が、ただごとではないことを物語っている。
「旦那様、わたくしは魔術師団に連絡を」
「頼む。俺は状況を確認し次第、人命救助、消火活動をはじめる」
火災は時間との勝負だ。発生してすぐに駆けつけられたのは運が良かったとしか言いようがない。
けれど、建物の大きさと煙の様子を鑑みて、俺とクラルテの二人だけでなんとかできるようなものではないはずだ。
こうしている間にも、たくさんの人が建物の中から逃げ出してくる。最低限の避難誘導は上手くいっているようだが、ここは商会。なかに何人いるか、どんな人がいるのかハッキリと把握できないのが厄介だ。
「なにが起こった? 爆発か?」
従業員らしき人間を捕まえて事情を聞く。中年の男性だ。彼はコクコクとうなずきつつ、手のひらで胸を押さえた。
「どこだ? なにが原因だ?」
「三階で――原因はわかりません。どこからともなく炎が現れて、爆発して――階段が塞がれているんです。なかにはまだ、お客様と従業員が!」
取り乱した従業員をなだめ、俺はクラルテのほうへ振り返る。
「クラルテ!」
「話は聞きました。三階へ繋がる魔法陣を」
クラルテは局へと連絡をとりながら、すぐに魔法陣を作り出す。急いでその上に乗れば、俺は商会の三階へと移動していた。
炎はちょうど、階段を塞ぐようなかたちで燃え盛っている。
先程の従業員が言っていたとおり、中にはパッと見た限り十数人の人々がいて、炎を避けるようにして固まっていた。
「こっちだ。魔法陣に乗れば、ここから出られる! 急いで!」
誘導をしながら、火元へ向かって水魔法を放つ。俺ひとりでは、どうしたって効率が悪い。普段は単独で動くことがないし、どちらも優先順位が高いとわかっているから割り切れない。
(どうする? 負傷者や逃げ遅れた人がいないか確認しなければならないが……火を消さなければ被害が拡大する)
「旦那様!」
「クラルテ!?」
そのとき、クラルテの声が聞こえてきた。振り返ることはできないが、間違いなく彼女はここにいる。
「避難誘導はわたくしがします! 状況報告もわたくしが! 旦那様は消火に専念してください!」
「けれど、おまえは後方部隊で、俺たちのように救助のための訓練もしていないのだし……」
「今日のわたくしは非番です! 現場に乗り込んだからといって文句を言われる筋合いはありません! それに、こちらのほうが明らかに効率が良いとわかっているのです! どうかわたくしを使ってください!」
クラルテは会話を続けつつ、人々を誘導し続けている。ここは彼女の言うとおり、消火に専念すべきだろう。
(けれど、やはり俺ひとりじゃ間に合わない)
炎は一向に小さくなる気配がない。むしろ勢いを増すばかりだ。タイムリミットが迫っている。長時間この場にとどまれば、一酸化炭素中毒か、炎に焼かれて死んでしまうだろう。
「旦那様! このフロアにいる人たちは全員逃がしました! わたくしは四階と五階に逃げ遅れた人が残っていないか、確認してまいります!」
「……! わかった。けれど、危ないと判断したら迷わず退避しろ。いいな?」
従業員から聞き取った内容が正しいとは必ずしも限らない。もしかしたら、火の手が上がっているのはこのフロアだけではないかもしれないのだ。
(プレヤさんは……他の魔術師たちはまだ到着しないのか?)
出動体制を整えるのにはある程度の時間がかかる。わかってはいるが、こうしてひとりきりで炎に対峙していると、普段の何倍も何十倍も時間が長く感じられる。俺一人では炎が大きくならないよう押さえるのが精一杯で、鎮火できるほどの威力が足りないのだ。
(クラルテは無事に逃げられただろうか?)
確認したいが、ここを離れることはできない。いちかばちか、魔力を最大放出して鎮火を目指す――いや、無理だ。火は小さくなるだろうが消しきれない。他の魔術師が到着するまでこの手は使うべきではない。消火活動がまったくできなくなってしまう。
それに、気になることがひとつある。
(先程の従業員はいきなり炎が現れ、爆発したと言っていた。つまりこれは人為的に起こされたもの。魔術師による放火の可能性が高い)
自然由来の炎と違って、魔術によって生み出された炎は消火がとても難しい。油や燃料を投入された状態の炎よりもさらにたちが悪いのだ。魔術師とタイマンでの戦闘時ならまだしも、時間をかけて練られ生み出された炎ならば、こちらのほうが当然分が悪い。
(早く……早く…………)
熱に、炎に、じりじりと肌が焼かれていく感覚がする。息が段々苦しくなってきた。このままではいけない。このままでは――
「待たせたね、ハルト」
肩をポンと叩かれると同時に、強力な水魔法が炎に向かって発せられる。
「プレヤさん」
顔を見なくてもわかる。これはプレヤさんの魔力だ。
彼を先頭に、クラルテが作った魔法陣から魔術師たちが何人も転移してくる。
(よかった……もう大丈夫だ)
俺はほっと安堵のため息をつく。
プレヤさんのおかげで炎の威力はかなり弱くなった。人数も揃ったし、このまま続ければ、短時間で消し止めることが可能だろう。
けれど次の瞬間、ボン! と大きな爆発音が聞こえてきた。
「なっ……」
建物が揺れ、足元がぐらつく。音が聞こえたのは上のほう――クラルテが向かった先だ。
(クラルテ、大丈夫……だよな?)
大丈夫。きっとクラルテは無事に逃げている。絶対、絶対大丈夫だ。――必死にそう言い聞かせてみるものの、心臓はバクバクと嫌な音を立てて鳴り響くし、不安のあまり身体が震える。
「ハルト」
「……わかってます」
ぐっと歯を食いしばり、俺は消火活動を続けた。
2
お気に入りに追加
518
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃりな私は妹に婚約者を取られましたが、嫁ぎ先での溺愛がとまりません~冷酷な伯爵様とは誰のこと?~
柊木 ひなき
恋愛
「メリーナ、お前との婚約を破棄する!」夜会の最中に婚約者の第一王子から婚約破棄を告げられ、妹からは馬鹿にされ、貴族達の笑い者になった。
その時、思い出したのだ。(私の前世、美容部員だった!)この体型、ドレス、確かにやばい!
この世界の美の基準は、スリム体型が前提。まずはダイエットを……え、もう次の結婚? お相手は、超絶美形の伯爵様!? からの溺愛!? なんで!?
※シリアス展開もわりとあります。
【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。
完菜
恋愛
王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。
そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。
ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。
その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。
しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)
旦那様は大変忙しいお方なのです
あねもね
恋愛
レオナルド・サルヴェール侯爵と政略結婚することになった私、リゼット・クレージュ。
しかし、その当人が結婚式に現れません。
侍従長が言うことには「旦那様は大変忙しいお方なのです」
呆気にとられたものの、こらえつつ、いざ侯爵家で生活することになっても、お目にかかれない。
相変わらず侍従長のお言葉は「旦那様は大変忙しいお方なのです」のみ。
我慢の限界が――来ました。
そちらがその気ならこちらにも考えがあります。
さあ。腕が鳴りますよ!
※視点がころころ変わります。
※※2021年10月1日、HOTランキング1位となりました。お読みいただいている皆様方、誠にありがとうございます。
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
【完結】傷物令嬢は近衛騎士団長に同情されて……溺愛されすぎです。
早稲 アカ
恋愛
王太子殿下との婚約から洩れてしまった伯爵令嬢のセーリーヌ。
宮廷の大広間で突然現れた賊に襲われた彼女は、殿下をかばって大けがを負ってしまう。
彼女に同情した近衛騎士団長のアドニス侯爵は熱心にお見舞いをしてくれるのだが、その熱意がセーリーヌの折れそうな心まで癒していく。
加えて、セーリーヌを振ったはずの王太子殿下が、親密な二人に絡んできて、ややこしい展開になり……。
果たして、セーリーヌとアドニス侯爵の関係はどうなるのでしょう?
このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。
若松だんご
恋愛
「リリー。アナタ、結婚なさい」
それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
わたしのあこがれの騎士さま。
だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!
「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」
そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。
「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」
なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
旦那様の様子がおかしいのでそろそろ離婚を切り出されるみたいです。
バナナマヨネーズ
恋愛
とある王国の北部を治める公爵夫婦は、すべての領民に愛されていた。
しかし、公爵夫人である、ギネヴィアは、旦那様であるアルトラーディの様子がおかしいことに気が付く。
最近、旦那様の様子がおかしい気がする……。
わたしの顔を見て、何か言いたそうにするけれど、結局何も言わない旦那様。
旦那様と結婚して十年の月日が経過したわ。
当時、十歳になったばかりの幼い旦那様と、見た目十歳くらいのわたし。
とある事情で荒れ果てた北部を治めることとなった旦那様を支える為、結婚と同時に北部へ住処を移した。
それから十年。
なるほど、とうとうその時が来たのね。
大丈夫よ。旦那様。ちゃんと離婚してあげますから、安心してください。
一人の女性を心から愛する旦那様(超絶妻ラブ)と幼い旦那様を立派な紳士へと育て上げた一人の女性(合法ロリ)の二人が紡ぐ、勘違いから始まり、運命的な恋に気が付き、真実の愛に至るまでの物語。
全36話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる