一から百まで

渡辺 佐倉

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「動かしていいぞ。」

これじゃあ、お互いきついだけだろう。
そんな気持ちからの提案だった。

だけど、ゆるゆると腰を動かし始めた百目鬼に、自分から言い出さなくても良かったと思った。
浅い、抽挿を繰り返されると、変になる場所を何度も何度も丁寧に押しつぶされる。

実際、今日百目鬼のものを根元まで入れるのは無理だろう。
百目鬼が狙ってそこばかり擦っている訳じゃない事は俺だってよく分かっている。

俺の方がより余裕がなくなっている気がするのが癪に触るだけだ。

とてもスマートとは言えない性行為だと自分でも思う。
ただ、結構幸せだからこれでいい。

自分から出ている「あっ」という甲高い声は完全に百目鬼に媚びていて、圧迫感で萎えかけていたちんこもまた硬くなっている。

百目鬼の動きはすぐに余裕の無いものになっていく。

ジワリ。尻の中で何かが弾けた様な感覚がして百目鬼が吐精したことを知る。

はあはあ、と全力疾走後の様に息をする百目鬼の色気は凄まじい。
思わずぼんやりと見上げていると、まだ達する事が出来ていない自分の昂りを握られる。

「ちょっ!?俺はいいから!」

明らかにいかせようとする手つきでしごかれて思わず悲鳴のようにそう言う。
けれど、百目鬼はそれを無視して、反対の手で尿道をぐりぐりとする。

最後は触られてなかったとはいえ、こちらも限界だったためすぐに達してしまう。

百目鬼が俺が吐き出したものをベロりと舐める。

「待て。どう考えてもまずいだろ。」

慌ててティッシュを取ろうとして腰が変になっていることに気が付く。
百目鬼は一瞬残念そうな顔をした後、すぐに俺の腰が碌に動かない事に気が付いて吐き出したもののほとんどをティッシュで拭いて、中に埋まった起立を引き抜く。

精液が垂れていくのが感覚で分かって恥ずかしいが、腰がきしんでいるのでどうすることもできない。

「誘っておいて悪いけど今日もう一回は無理かもしれねえ。」

再び昂りの兆しを見せる百目鬼を見てそういうと「さすがに今日はもうしない。」と答えた。
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