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責任
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「お前莫迦だろう」
リツがアラタに言う。
いつも通りの毒舌が聞けてアラタはようやく少しだけほっとした。
リツは元々よく自分に対しての文句の様な事を言っていたし、周りの人間に対しても世界に対しても同じようなものだった。
御子なんて柄じゃないって本来言い出しそうなのはリツなのに、実際にその立場を固持しているのはアラタの方だ。
「そもそもどう考えてもあの召喚の術式おかしいやん。
リツだって分かってるんやないのか?」
椅子に座ったまま後ろ手に縛られている男を極力見ないようにして話を始める。
「そもそも、俺が召喚されてしまう時点で呼び出す仕組みに恣意的な何かがあると思っている」
「俺、って律もというか、こんな男ばっかり召喚されること自体どう考えてもおかしいっちゅう話だろ」
ウィリアムが不思議そうに二人を見ていた。
「言霊使いは一般的に女の方が力が強い」
アラタが簡潔に言う。
「御子を擁立して戦争ってなった場合、まず圧倒的に有利なのが女を召喚した国だ」
その時点でうちもそちらさんも詰んでるだけど、現実は違う。
「女性を召喚できたって国の話を聞かないのはなんでなん?」
アラタはウィリアムの方をちらりと見た。
ウィリアムは何も答えない。
「召喚はいつの時代から行われていて、それを考案したのは誰や?」
こんな無茶苦茶な仕組みに組み込まれてたまるかい。
アラタは吐き捨てる様に言った。
「不備がどこかにあったからと言って責任を放棄していいって話じゃないだろう」
縛られている男がアラタに言った。
アラタはため息をついた。
「俺にその責任とやらを勝手におしつけんなや。
国防っちゅー、国家の義務を来訪者に押し付けるのは責任とはいわんやろ」
歯ぎしりをする、ぎりりという音が室内に響く。
「琥珀の国の事をもっと知って、この国の人々の事を好きになればそんな事を言ってられないだろ」
まっすぐな何も疑わない眼差しで男はリツに言った。
リツがアラタに言う。
いつも通りの毒舌が聞けてアラタはようやく少しだけほっとした。
リツは元々よく自分に対しての文句の様な事を言っていたし、周りの人間に対しても世界に対しても同じようなものだった。
御子なんて柄じゃないって本来言い出しそうなのはリツなのに、実際にその立場を固持しているのはアラタの方だ。
「そもそもどう考えてもあの召喚の術式おかしいやん。
リツだって分かってるんやないのか?」
椅子に座ったまま後ろ手に縛られている男を極力見ないようにして話を始める。
「そもそも、俺が召喚されてしまう時点で呼び出す仕組みに恣意的な何かがあると思っている」
「俺、って律もというか、こんな男ばっかり召喚されること自体どう考えてもおかしいっちゅう話だろ」
ウィリアムが不思議そうに二人を見ていた。
「言霊使いは一般的に女の方が力が強い」
アラタが簡潔に言う。
「御子を擁立して戦争ってなった場合、まず圧倒的に有利なのが女を召喚した国だ」
その時点でうちもそちらさんも詰んでるだけど、現実は違う。
「女性を召喚できたって国の話を聞かないのはなんでなん?」
アラタはウィリアムの方をちらりと見た。
ウィリアムは何も答えない。
「召喚はいつの時代から行われていて、それを考案したのは誰や?」
こんな無茶苦茶な仕組みに組み込まれてたまるかい。
アラタは吐き捨てる様に言った。
「不備がどこかにあったからと言って責任を放棄していいって話じゃないだろう」
縛られている男がアラタに言った。
アラタはため息をついた。
「俺にその責任とやらを勝手におしつけんなや。
国防っちゅー、国家の義務を来訪者に押し付けるのは責任とはいわんやろ」
歯ぎしりをする、ぎりりという音が室内に響く。
「琥珀の国の事をもっと知って、この国の人々の事を好きになればそんな事を言ってられないだろ」
まっすぐな何も疑わない眼差しで男はリツに言った。
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