50 / 120
温泉効果
しおりを挟むイキそう。
たった一枚、薄い膜が無いだけで。
――たった一枚、薄い膜が無いセックスを春日部が望んでくれただけで。
僕は射精のコントロールが効かなくなる。
生の肉の感触は、初めての時よりもずっと柔らかくて、僕を歓迎してくれている。
入り口はきゅっと僕を離さないように締め付けて、中は蠢いて射精を促す。
もう無理。
一緒に、イキたい。
チンポに触れると、春日部は更なる快感に唸り声のような喘ぎを漏らした。
後ろから耳を食んで囁く。
――中に出していい?
春日部の動きが一瞬止まって、その後、顔だけ振り返って僕を見て頷いた。
上気した頬、潤んだ瞳、いつもは強気に見える眉も下がっていて、すべてを僕に委ねます。そんな表情。
堪らない。
心を乱されて、優しくしたいのか、めちゃくちゃにしたいのか、気持ちがぐちゃぐちゃになって分からなくなってくる。
奪うように唇を合わせて、でたらめに舌を吸って、歯列をなぞって、唾液を飲ませて。
腰を振って、チンポを扱いて。
パンパンと肌がぶつかる音と、粘着質な音が風呂場に響いてる。
すぐに限界は来て、春日部より先に僕が果てた。その後、すぐに春日部も出したが、僕はまだまだ春日部の中にいたかった。
チンポは萎える気配が全くなくて、そのまま激しく腰を振り続けた。
奥へ、もっと奥へと、精液を塗り込むように、一心に。
「あっ、ア、ア、…ダメだッ、も、ダメだッ、まち、やっ、待て、って、…ひッ、イッた、俺ッ、イッたからッ、…やめっ、も、おっ、…おかしく、なるッ……ンンンッ。」
春日部はキスをやめてイヤイヤをするように頭を振り、僕を止めようとした。僕は逃がしたくなくて、体を強く押し付け、壁と僕の間に春日部を挟んで動けないようにした。
「おかしくなってよ、春日部。……っ、また、出すよ。」
「ふわぁッ、や、も、っ、アアアンッ、…出てるッ、また、出てるッ、っ、お前の、チンチンッ……ア、アッ、やべぇッ。」
二度目だというのに、長い射精時間。
でもイッたのは僕だけじゃない。春日部も壁に押し潰されながら、か細く啼いて、精液を吐き出してた。壁を伝って溢れた精液は、バスタブの湯に落ちてぷかぷかと浮かんだ。
「おかしくなる」と言った春日部は、二度、中に出され喘ぎまくって、ぐったりしていたから、僕が体も髪も洗ってあげた。
魂が抜けたような状態の春日部は、素直に僕に洗われていたが、アナルに指を突っ込まれて精液を掻き出された時は、掠れた声で抗議してきた。
「どんだけ出したんだよ」と。
ほんとはもう一回出したかった、とは言わずに「あははー、ごめんね」と笑うと、春日部も「ったくよ」と言って笑ってくれた。
春日部は腰に力が入らなくなってて、僕に支えられながらベッドルームまで歩いた。
ベッドに下ろし、横にならせて春日部を休ませる。
冬休みは明日までだから、今日は一緒に寝れる。
布団を肩まで被せて、寝かせたまま髪の毛をドライヤーで乾かすことにした。
変な髪型になるだろうけど、風邪を引くよりはマシだろう、
鼻唄を歌いながら、ドライヤーを当てていると、夢と現の狭間にいたはずの春日部が口を開いた。
「お前の、消えたんだな。」
何が?と聞こうとして、僕の首を指差されたから、キスマークのことかと思い当たった。
「2、3日前に消えたよ。」
「……俺の、まだあんだけど。」
春日部は布団を下げて、左胸を指差した。そこには小さな小さな茶色、というよりは黄色に近いくらいの皮下出血の痕があった。言われなくては気付かないくらいの小さな痕。現に今まで気付かなかった。
「なんでだろ? 温泉に入らせてもらってたから、早く消えたのかな?」
「お前だけ、ずりぃよ。」
「え……あッ。」
春日部は僕の腕を引っ張って引き寄せると、鎖骨の辺りに吸い付いた。さすがに元の場所、――首筋に付けるのは憚られたらしい。
赤い花びらみたいなキスマーク。
されたら『お返し』をするのが、僕たちのキスマークのルールだったっけ?惚けながら春日部の胸に吸い付いた。
消えかけの痕を上書きして、そのまますぐ近くにある乳首を吸って。もう片方の乳首は指の腹で転がした。
すすり泣きみたいに、鼻を鳴らして僕の頭を抱き込む春日部。またエロのスイッチが入ったみたいで嬉しい。
二人が寝たのは、僕が、もう一回だけ、を二回繰り返した後。
ぐったりと疲れてるのに、春日部は腕枕をしてくれた。
が、春日部は数時間後に腹痛に襲われ飛び起きた。
何故そうなったか分からない春日部は、食あたりかもしれないと僕のことまで心配してくれたが、理由を話すとめちゃくちゃ怒られた。
「掻き出すの、つい忘れちゃって」と言ったけど、ホントはわざと。
僕の精液が春日部に染み込んだらいいな、って。
マーキングみたいに、匂いが染み付いたらオスが近寄らなくなるかも、なんて馬鹿なこと考えて。
31
お気に入りに追加
3,055
あなたにおすすめの小説
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
【連載再開】絶対支配×快楽耐性ゼロすぎる受けの短編集
あかさたな!
BL
※全話おとな向けな内容です。
こちらの短編集は
絶対支配な攻めが、
快楽耐性ゼロな受けと楽しい一晩を過ごす
1話完結のハッピーエンドなお話の詰め合わせです。
不定期更新ですが、
1話ごと読切なので、サクッと楽しめるように作っていくつもりです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
書きかけの長編が止まってますが、
短編集から久々に、肩慣らししていく予定です。
よろしくお願いします!
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる