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春日部⑮
しおりを挟む体がふわふわする。
ケツが温かい。
気持ち、いい。
なんだろ?って思うけど頭が働かねぇ。
夢か?
ムラムラしてたから、やらしい夢、見ちまってんだな。
って思ってたら町屋の切羽詰まったような声が聞こえてきた。
声は頭ん中じゃなく俺の後ろの方からした気がして、一気に意識が浮上した。
で、飛び起きたら傍に寝てる町屋がいた。
「おかえり」って言おうとして、俺のケツが丸出しなことに気付いた。まさかと思って町屋をよく見るとアイツは勃起したチンチン握りしめて不自然に瞼に力いれて目、瞑ってた。
俺のケツは濡れてる。
ローションみてぇにベタベタしてねぇから、唾液、か?
夢じゃなかった。
町屋は寝てる俺のケツ舐めて、オナニーしてた。
びっくりしたけど、嫌な気分じゃなかった。
勝手に舐めんなよ、って怒ったり呆れたりしなきゃいけねぇんだろうけど、そんなに我慢できなかったのかよ、って思ったら、町屋がすげぇ可愛く思えた。
しかも寝た振りして誤魔化そうとすんなんておかしくて、町屋の綺麗にツンと尖った鼻先を指で押して豚鼻にしてやった。
そう言えば前も寝てる時にこんなことがあったのを思い出した。
けど、そん時とは感じ方が全然違う。
前は混乱と怒りと、コイツ何てことしてくれてんだよって、恐さもあった。
でも今は勝手にケツ舐められても笑って赦せる。
赦せるどころか、可愛く思ってさえいて、心境の変化に驚く。
でも、町屋と深い関係になって良かったな、って思う。
気持ちいいこと知らないままなのは損してるし、大事な友を得ることが出来たのは一生の宝だし。
その大事な友が、寝た振りを止めて気まずそうに「ごめんね?」って謝ってきた。でもチンチンはビンビンに勃起したまんまだった。
お前それ、全然反省してねーだろって態度のチンチンが面白くて可愛くて、ケツが疼いた。
部屋着を脱がされて、俺も町屋のガウンを脱がして、裸になって抱き合った。で、キスしようとしたら、町屋の首筋に赤く擦れた痕があるのが見えた。
喧嘩の仲裁をして巻き込まれて出来た傷たらしくて、それで帰りが遅くなったらしい。
喧嘩の理由は女関係。寝取られたとかって話だ。
俺も似たようなことで何度も絡まれてるから、場面は容易に想像がつく。
巻き込まれただけの町屋は完全に被害者で、胸ぐら掴まれて服まで駄目になっちまったらしく、気の毒だとは思うのに、なんかモヤモヤする。
綺麗な白い首についた赤い痕。
そっと触ると、少し熱を持ってた。
消毒してやるって言って、そこを舐めた。
傷口に滲みたのか町屋の体がビクッと震えて、余計モヤモヤした。
モヤモヤの理由が分かんねぇことにもモヤモヤする。
でも「気持ちいい、もっとして」って艶っぽく言われて、モヤモヤよりムラムラが勝って、夢中になって舐めてたら勢い余って強めに肌を吸っちまった。
擦り傷に上書きしたような赤い痕が出来た。
何やってんだ俺は、と青くなったら町屋が仕返ししてきて、前と同じとこ、乳首の横辺りにキスマーク付けられちまった。
来年まで消えない痕を付けあって、馬鹿だな俺達、って笑い合った。
結局モヤモヤの原因は掴めなかったけど、笑ったら気が済んだからいいことにした。
その後、俺は町屋のチンチンしゃぶって、ザーメンを飲んだ。
イク寸前で俺が起きたらしいから、出したくて堪んねぇだろうと思って、取り敢えず一発抜いてやった。
慌ててティシュを持ってこようとする町屋の腕を掴んで止めた。
なんで飲んだかって言うと、雰囲気?とにかく飲んでみたい気になった。
で、初めてザーメンを飲んだ感想。
――くっそマズイ。
しかも、どろっとしてて喉を通らねぇ。
でも、吐き出せって言われたのも無視して、涙目になりながら、飲み込んだ。
こんなマズイもん町屋は毎日飲んでんのかって思ったら、申し訳なくなってきた。
だからせめて町屋に倣って「町屋のザーメン、うまかったよ」って言ってやった。
嘘なのはバレバレだけど、町屋がすっげー嬉しそうな顔したから、やっぱ飲んで良かったなって思った。
「エロくて最高だよ、春日部」
「春日部がインラン過ぎて、僕の精液枯れちゃうかも」
町屋は、俺のこと何回も『エロい』『インラン』って言ってきた。今までも言われたことあるけど、今日は特別多い気がする。
『エロい』はともかく『インラン』はどうなんだとは思う。けど、町屋の口調があまりにも切なくて、悪口には聞こえねぇ。悪口どころか、すげぇ求められてるような気になっちまう。だから、結構気に入ってる。
『お前だってインランだろ』
たまに言い返すと、町屋は「そうだよ」って蕩けそうなほど嬉しそうな顔をする。
『インラン』って言い合って、セックスして、じゃれあって笑って、またセックスをして。
空が明るくなるまで何度もやっちまった。
これなら町屋が帰ってくるまで平気だろってくらいにザーメン出し切った。
倒れ込むようにして寝て、昼頃起きて出掛ける町屋を玄関で見送った。
俺が付けたキスマークはハイネックに隠れてる。冬で良かった。
「いってくるね。」
「ああ、頑張ってこいよ、初バイト。」
「うん。……えっと……。」
「どした?時間ねーだろ。」
「……部屋に、誰かを呼ぶ予定、あったりする?」
「は?ねーけど。」
冬休み中、堀田が忙しいのは町屋も知ってて俺に他にダチがいねぇことも分かってるくせに、何言ってやがんだと思ったけど、防犯的なことが気になったのか?って思い至った。
「誰も入れねぇし、実家帰るときは戸締まり確認もすっから安心しろよ。」
町屋はホッとしたような顔して出かけていった。
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