Evergreen

和栗

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涼くんはタチが悪いと思う。
だってさだってさ。
もうやめてって言うくせにさ。
「おっきぃ・・・」
って、涙目で、おれのことを見て言うんだよ?
「おっきぃの、だめ、」
「・・・小さいのが好きなの?」
「へ??」
「小さいちんこがよかったの?」
「・・・あ、」
きゅんって締め付けられた。
涙目のまま見上げて、口元を隠す。
「・・・ちっちゃいわたくん想像したら、可愛くて、・・・どうしよ、」
「・・・あのねぇ」
「ご、ごめんね?あの、大きさはどうでもよくて、わたくんのが、あの、好き・・・」
「やめてって言う割には煽るよね」
「・・・え?んっ!ゔ!だめだめ!い、っっ・・・!ぢゃゔぅ・・・!」
「今我慢した?いっていいのに」
「あ゛ぁ!あ゛~!だめ゛ぇ~・・・!いっ、あ゛ぁ!あ゛ーっっ!」
「また我慢した?・・・余裕あるねぇ」
「いっしょ、いっしょ、いく、いっしょがい、う、・・・あ、あへへっ・・・」
急に笑い出して、少し動きを止める。
自分のお腹をさすると、つん、と指を立てた。
「ここまで、きたねぇ・・・えへへ、」
「・・・」
「いーこ・・・」
あーあ・・・。
止まんね・・・。
理性が飛んで、めちゃくちゃに抱いた。
やめてだとか、もう嫌だとか、助けてだとか、知ったことか。
なんでそんなこと聞かなきゃならない。
煽ってきたの、そっちじゃん。



******************************



「・・・最後の方少し怒ってた?」
まったりとピロートークに入ろうとした時、涼くんは起き上がっておれのシャツを着込んだ。
そしてポツリとつぶやいて、困ったようにチラチラとおれを見る。
「え?お、怒ってないよ?」
「・・・そう?」
「なんでそう思ったの?」
体を起こして手を握ると、ゆるゆると何度も握り返して唸った。
「す、好き、とか、可愛い、とか、言わなかったし・・・キス、少なかったし・・・おれ何かしたのかなって・・・むしろ何もしてないのかなって・・・」
「集中してただけかも。・・・て、いう、か、あの、・・・好きですよ・・・」
か、か、可愛い・・・!!
こっちまで照れてしまう。
涼くんはほっとしたように笑顔を見せると、おれも、と眉を下げて笑った。
いつまでたっても可愛くておれをどうする気なんだ・・・!せっかく落ち着いてたのに・・・!!
「キスして・・・」
「今したら、今夜寝れないけどいい?」
「えっ」
「可愛いよ。大好き。つかエロい。だから理性が飛んだ」
「・・・と、飛んだんだ」
「うん」
「し、してる時寝ちゃっても怒らない?」
「え?」
「もしかしたら寝ちゃうかもしれない・・・けど、怒らない?あの、キス、したいんだけど・・・」
「怒らないけどやめないからね。てか起こす」
「わぁ!!」
腕を引っ張って抱き込んで、まるで食べるようにキスをする。
無抵抗。うーん、これ絶対止まんないや。




**************************




「あ、やべっ」
慌てて起き上がると、明らかにお昼頃の空。
めちゃくちゃに涼くんを抱いて寝落ちしたんだ。
隣にいるはずの涼くんがいなくて、リビングを覗く。いない。
涼くんの部屋にもいない。もちろんキッチンも。トイレもお風呂もいない。
ど、どこに行ったの・・・??
「ただいまー」
玄関が開く音。小走りで向かうとエコバッグを持った涼くんが立っていた。
「おかえり。・・・買い物?」
「うん。お腹すいたけど作るの面倒だったから・・・食べよ?」
「・・・ふふ、いっぱい買ったね」
よかった。買い物に行ってただけか。
がっつきすぎて怒ってないか、ヒヤヒヤしちゃった・・・。
「てか待って!?体痛くないの!?大丈夫だった!?」
「お尻に違和感はあるけど、全然・・・おれ、体力ついてきたよねぇ」
「いいから座って!」
ダイニングチェアに座らせて袋からパンやおにぎりを出す。
まったく、無理ばっかりするんだから!
「買い物行く時は起こしてね。何かあったら大変でしょ」
「ん」
「えっと、飲み物はお茶と・・・牛乳があるけど」
「お茶がいいな。・・・心配した?」
「当たり前じゃん。びっくりしたし・・・起きたらいないし」
「赤ちゃんみたいに寝てたから、起こすの悪いなーって思って。ふふ。ごめんね」
「・・・なーに笑ってんの」
ぶにゅ、と頬を摘む。
涼くんはえへへ、と笑うと次は起こすねと言った。




******************************



涼くんてすごいんだよね。
タフだなぁって思う。
あの後、ちゃきちゃき動きながら家事をこなして、今は晩御飯を作ってくれた。
おれも何かしなくては、と掃除機をかけてフローリングを拭いてみたりしたけど、涼くんみたいに細やかな部分まで行き届かず・・・。
申し訳ない気持ちでいっぱいです。
「わぁ。へへ。綺麗だね」
お風呂を掃除していると、涼くんがニコニコしながら言った。
「ご飯できたよ」
「うん、ありがとう」
「相変わらず綺麗にそうじするね。いつもカビもぬめりもないもん」
「あー・・・大事な場所ですから」
ここでね、しますから。
えぇそりゃもう、エッチなことをたーくさん。
だから綺麗にしてるんです。
「ありがとう。今日、先に入ってね」
「は?!一緒に入るんじゃないの?」
「え?あ、うん、入るけど、おれは後から・・・」
「やだ無理だめ!一緒に入るの!せーのではいるの!ね!?」
「あ、は、はい」
「さ、ご飯食べよう。今日は何かなー」
「えっとねぇ・・・」
涼くんの腰を撫でながら一緒にダイニングに向かう。うん、いい匂い!
「食べたら映画でも観てまったりしようか」
「うん。そうしようか」
いただきます、と手を合わせる。
はー、幸せ!
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