Evergreen

和栗

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可愛い。すっっごく可愛い。
お付き合いしてるし、一緒に暮らしてるし、はちゃめちゃに抱き合ってるし、もう、家族より家族って感じなのに。
な、の、に!!
「でもー、わたくんがこんなおぼこい子と付き合ってるとは思わなかったー。可愛いじゃない。犯罪にならない?大丈夫なの?」
「大丈夫ですー。立派な大人なんですー。ね」
「ん、うん、」
涼くんと付き合って久々にママのところではないゲイバーに来た。遊びたい時に来ていたところ。ママのところより賑やかで、正直、ワンナイトやセフレを探す時に丁度いいというか、まぁ価格もお手頃だし周りはラブホ街だし、便利だったんだよね。
ママのところが休みで、でも外で飲みたくて、一緒に行ってみる?と誘ったところ来てくれた。緊張しているみたいで、カウンター席に座って俯いてチビチビカクテルを飲んでいた。
「お仕事は何をされてるの?」
「あ、う、教育系です」
「・・・やだ、エッチ」
「え!?」
「妄想しないでよ。学校勤務とかじゃないから」
「あら、そうなの?どれくらい付き合ってるの?」
「2年くらい」
「珍しく長続きしてるじゃない」
「やめてよその言い方」
「だーってねぇ?取っ替え引っ替えして」
膝に置いた右手がぴくっと揺れる。
涼くんの指先が触れたから。
嫌な話だったかなと思って横目で見ると、ぽーっとした顔でお酒を飲んでいた。
おれの小指にゆっくりと指先を這わせ、何かを確認するように触れてくる。
嫌がってる感じはしないな・・・。おれのことを確認してるのかな?
え、か、可愛い・・・。
「でも顔を見て分かったわ。わたくんがベタ惚れ」
「そーだよ。正解」
「春日部くんだったわよね?この人に何か嫌なことをされたら言うのよ?殴ってあげるから」
「え?あ、はい・・・」
「あら?酔ってる?」
「涼くん、ソフトドリンクにしようか。オレンジジュース飲む?」
「うん」
ふにゃ、と笑顔を見せてくれる。
指先が絡んできゅっと握られた。
ママが移動した時、別の客に声をかけられた。
「久々だね。そっち、彼氏?」
「ううん。嫁」
「あはは!とらねーよ。おれ、人のものに興味ないもん」
また指をすりすりされた。
可愛い。めっちゃ可愛くない?
涼くんはカクテルに乗ったさくらんぼを口に入れていた。か、か、可愛い・・・。もしかしてこれ、無意識なのかな。
「でも可愛いなーって思ったでしょ?」
「そ。だから一応ご挨拶。よろしくね」
「え?あ、・・・こんばんは、」
「この人は無害だから安心してね。パートナーさんと長いから」
「・・・うん、」
「一緒なの?」
「あっちは仕事。終わったら合流予定」
「で、そのままホテルか」
「そーそー。最近ホテル巡りが趣味でさ。2人で写真撮ってまとめてんの。いろんな部屋があって面白いんだよね」
「今度教えて」
「いいよ」
ラッキー。いいホテルとか教えてもらおう。
指のすりすりが止まった。
パッと離れてしまう。
オレンジジュースが出てきたからだ。
両手でグラスを持って半分ほど飲み干すと、チラッとおれを見てまた視線を落とした。
さっきから口数が少ないのは人見知りも発動してるからかな。椅子を近づけて肩を抱く。
「わ、」
「酔った?」
「ひ、人前で、こーゆーのは、あの、」
「わ、ピュアー。こりゃ沼るね。わたくんだいぶやられてるでしょ」
「うん。可愛くて食べちゃいたいよ」
「・・・そ、そゆこと、言わないでよ、」
「何で?事実だもん。あ、ナッツ食べな?」
「ん・・・」
さら、と太ももを撫でられた。確かめるようにぎこちなく動いて、そっと動きを止める。手を置いたまま、右手でナッツを摘んで口に入れた。
小動物みたいで可愛いんだよね。
その後も何人か顔見知りに声をかけられたけど、その度に涼くんはおれの指先や爪、太ももに優しく触れた。
どんな意味合いで触れているのか知りたくてたまらない。でも無意識なんだろうなぁ。ちっとも目が合わないんだ。俯いたりグラスを見たり、ぼんやりしている。
そろそろ行こうかと声をかけると、黙って頷いておれの服の裾を掴み、店を出た。



可愛すぎんだろ。



「緊張した?」
「う、うん・・・」
「付き合ってくれてありがとうね。次はママのところ行こうね」
「あ、うん。行く」
ニコッと微笑む。やっと笑顔が見れた。
涼くんはえへへ、と照れたように笑うと、盛大にお腹を鳴らした。
「あ、もしかしてお腹空いてた?ごめんね」
「・・・ご、ごめん・・・。ん、お腹、空いた、けど、」
「駅まで行かないと何もないんだよね、ここ。ラブホ街だし・・・駅行こうか」
「・・・駅行くの?」
「え?うん」
すり、と小指を撫でられた。
え。
え。え。
顔を見ると、とんとんと唇を指先で叩きながら辺りを見渡していた。
プルンってした唇が可愛くて、つい吸い寄せられる。こ、これは、どういう意味なんでしょうか。
指すりすりも、唇が突き出てるのも、おれを誘っているんでしょうか。
「和多流くん?駅行こ」
「え!?」
「え?あ、もう遅い時間だもんね。食べたら太っちゃうよね。このまま、」
「いやいや、駅より近くてそこそこの物が出てくるところ、思いつきましたので」
「・・・食べていいの?」
「当たり前じゃん!我慢しないでたくさん食べてよ!」
ぐいっと手を引いてラブホ街を歩く。涼くんはキョロキョロしながら着いてきた。
とあるホテルに入る。ここ、前にワンナイトの人と来た場所だけど・・・涼くんならすぐ勘付きそうだけど・・・最悪何もしないで朝を迎えることになるだろうけど、でも、でも。
「・・・おでんがある!!」
「そうそう。外観も部屋も豪華な造りなのに、何故かおでんが人気なんだって」
「わぁあ・・・!部屋で食べていいの?」
「こっちにアメリカンドッグとかあるんだよ」
「すごーい・・・!食べていいの?」
「500円別料金を払えば食べ放題なんだって。おにぎりもあるから部屋に持って行こうか」
「う、うんっ。さっきのお友達に教えてもらったの?」
「そうそう」
そういうことにしておこう。心から感謝。
涼くんはトレーにおでんとフランクフルト、おにぎりを載せてニコッと笑った。
かっわいー・・・。
部屋に入るとこれでもかと大きなベッドが置いてあり、ソファもそりゃもう見事な大きさのものが置いてあった。
アメニティグッズとおもちゃはかなり充実しているし、飲み物も種類が豊富。
涼くんはキョロキョロ見渡すと、壁際に置いてあるテーブルにトレーを置き、そっと腰掛けた。
「えへへ、こんな部屋でおでん食べるの、初めて」
「おれも」
これは嘘じゃない。本当に初めて。
割り箸を割って2人で食べていると、涼くんは申し訳なさそうにおれを見た。
「あの、愛想、なくて、ごめんね・・・」
「え?緊張してただけでしょ?」
「そ、そう、なんだけど・・・和多流くんの友達に、失礼なこと・・・」
「してないしてない。あそこで会うだけの人だし、しばらく行かないし、気にしなくていいから。緊張してるんだってみんな分かってたはずだし」
「・・・あの、」
「ん?」
「・・・わ、ワンナイトの人とか、いた?」
おっと。
これを誤魔化すと拗れるな。
正直に、奥の方に多分1人いた、と答えると、チラッとおれを見てから寄りかかってきた。
「涼くん?」
「・・・今はおれが、い、1番だもんね・・・?」
「いや、今どころかずーーっと涼くんが1番だよ!?」
全力で否定すると驚いた顔をしたけど、すぐに嬉しそうに笑ってくれた。
「えへへ・・・照れちゃうね」
「・・・可愛い」
「・・・おでんね、美味しい」
「うん、うん。足りそう?」
「うん。フランクフルトもあるし、おにぎりも」
「・・・誘ってる?」
「へ?」
「フランクフルト・・・」
「・・・ば、バカじゃないの!違うよ!食べたかったから選んで・・・!もぉ!!バカ!!」
「怒らないで?ね?食べたらお風呂入ろうね」
「・・・うん」
でへへ・・・!
嬉しくて顔がデレデレしちゃう。
お風呂の準備をして戻ると、慌てたようにフランクフルトを食べていた。
おれにからかわれないように必死なんだね。可愛いなぁ。
「喉に詰まるよ?」
「ふ、??ん、うん」
「・・・かわいー・・・」
ケチャップ、指にも口の端にもついてる。
前は絶対こんな食べ方しなかった。しなかったんだよ。おれの前でどんどん素を見せてくれるの、たまらなく嬉しいよ。
ぺろ、と口元を舐めるときゅっと目を閉じて、すぐに開いた。
「慌てなくていいよ。ごめんね、気づかなくて。ナッツじゃ全然足りないよね」
「・・・うん。足りなかった」
「たくさん食べてね。もっと持ってくる?」
「・・・と、泊まるんだよね?」
「もちろん」
「・・・朝もあるかな。チュロス、食べたいな」
「朝がいいの?」
「ん」
「じゃあ朝に食べよ」
「・・・ここ楽しい」
初めて言われた。
散々ホテル巡りはしたけど、楽しいって言われたのは初めてだ。
ここは、リピート確定だ。また連れてこよう。涼くんの職場からも少し距離があるし、知り合いに会うことも少ないだろう。人目も気にならない。なんせホテル街。いろんなカップルやいろんな人がいるんだもん。おれらみたいな普通の人は目に入ってもすぐに記憶の彼方だ。
「お風呂も広かったよ」
「ほんと?」
「うん。すごく大きな鏡もあったし、ジャグジーついてるし、ライオンもいた」
「ライオン?」
「口からお湯が出るライオン。今は滅多にないかもね。レアだよ」
パーっと目が輝いて、フランクフルトを食べ終えるとそそくさとお風呂へ向かった。
服を脱いでそっと中に入り、すごい!と叫ぶ。
「すごーい!」
「ねー。可愛いねぇ」
お尻丸出しで仁王立ち。勇ましいはずなのに可愛さしかない。動画を撮りながら近づくと、涼くんはザブザブと湯船に入った。
「わぁー・・・!えへへ、おもしろーい!あ!また動画撮ってる!」
「いいじゃん。記念だよ」
「もー・・・。入ろーよ。早く、ねぇ」
ちょいちょいと手招きされる。
素直に入り近づいて抱きしめると、ちゅ、とキスをされた。
首に手を回して何度もしてくれる。ご機嫌だ・・・!可愛い・・・!
「ふふっ。きもちい」
「もっとして?」
「うん。・・・和多流くんは本当に、元気になるのが早いねぇ」
「そりゃ、ねぇ?なっちゃうよね」
「・・・で、出たら、ね?」
「うん・・・可愛がってね」
「・・・あの、朝、ね?」
「うん?」
「・・・サンドイッチも、置いてあったから、食べたいかも・・・」
「うん。食べようね」
ぱーっと顔が明るくなる。たったこれだけのことでこんな顔、してくれるんだ。たまらなく愛おしい。
あまりにも可愛すぎて、ぎゅーぎゅーに抱きしめた。



**************************




「ん、ん、ふぁ、んんー・・・」
「涼くん、気持ちいいよ」
久々にシックスナインを要望したら、すんなり頷いてまたがってくれた。
ぷりんとしたお尻にひたすらキスをして、噛みついて、ペニスを指先でいじって、涼くんは膨らみを柔らかく包みマッサージしながらしゃぶってくれた。
時折足を撫でられ、ピクリと跳ねる。くすぐったくて気持ちいい。
「涼くん、ここ舐めていい?」
ぷに、と秘部を撫でる。プルプルと首を横に振って振り返った。
「だめ・・・。また今度」
「前もそう言った」
「じゃあ和多流くんのも舐めるもん」
「・・・分かったよ。もぉ。じゃーこっちで我慢」
パク、と咥えると腰が跳ねた。逃げないように腰を押さえつけてずるーっと咥え込む。
「んひゃあ!い、いきなりは!」
「んー」
「んく、いきなり、は、ダメェ・・・!」
「涼くん、動いていいよ。おれの口、オナホにしてよ」
「え!?そ、そんなの、」
「おれも後でするから」
腰を動かして涼くんの頬をペニスで叩く。
涼くんはうずくまると、ゆるゆると腰を上下させた。
ぎこちなくて、初々しい。
「う、う、んぅ、」
「ふふ」
じゅる、と音を立てて舌を絡めて吸い付く。
ビクビクと体が震えて、カウパーの量が増えた。口の中、涼くんでいっぱいだ。
「あふ、ふ、!い、いく、かもぉ・・・」
「ん。いーよ」
「んひゅっ!?んくぅ、きもち、」
珍しく集中している。そんなにいいのかな?嬉しいなー。フェラ、苦手だって言ってたけど・・・慣れてきたかな?お尻いじったら泣いちゃうかな。
さらさらと尻たぶを撫でると、腰の動きが速くなった。
「あ!あ!あぁ!ど、しよぉ!いっちゃう!いっちゃうよぉ!」
「うん」
「口離して!口、く、ちぃ、もぉだめぇ~・・・!」
ずぼ、と喉の奥まで入ってくる。
腰が痙攣して吐き出された。喉、あっちぃ・・・。気持ち・・・。
「あ、あ、あぁっ、出ちゃ、」
「ふふ。よかった?涼くん、口でこんなにメロメロで大丈夫なの?いつかおれのお尻に挿れたいんでしょ?すーぐ腰砕ちゃって・・・」
「う、ん・・・!バカ、バカ・・・!」
ペチペチとおれの足を叩く手に力は入ってない。脱力って感じだ。ニヤニヤしながらローションを手に取り指を2本挿れる。
「んうーーー!ま、待ってよぉ・・・!待って、おれ、おれだけはいや、」
「おれもするよ?ふふ。早く解さないとね」
「ん、んっ、指、や、」
「痛い?気持ち悪い?」
「ふ、ふぅ、う、う、ん!」
苦しそうにうめきながらも、ぐぼ、と口の中にペニスを押し込んだ。急に熱くて狭いところに入って、腰が跳ねる。
「ゔっ、ははっ・・・やっば・・・」
「ん゛、ん゛!」
「やばい、口もここも、めっちゃ絞まってるよ・・・!我慢できないから、挿れていい?」
「まだ、らめ、」
「指の方が好きなの?」
ぐにゅぐにゅと中をかき混ぜる。お尻が痙攣した。
コリコリとした前立腺が可愛くて、いじめてしまう。
「あぁ~っっ!あぁ!あ!あ!だめっ、もぉ~・・・!」
「口がお留守だよ」
パチンとお尻を叩く。大きく跳ねた。
「うぅう~・・・!いっぢゃゔぅ~・・・!」
「お尻叩かれるの好き?大好き?」
パン、パン、と何度も叩く。おれのペニスに手を添えたまま、泣くように喘いだ。不意に訪れる締め付けに、足が跳ねる。
「涼くん」
強く叩く。
中が締まった。
「あ゛ぁ!ごめんなさい!」
「違う。好き?嫌い?」
「す、好き、ですっ、きゃうっ!!」
「知ってるよ。可愛いね」
「いっちゃう、いっちゃ、」
「だーめ。いっちゃだめだよ。そのまま腰を上げてて」
「い、挿れる?挿れるの?」
「やなの?」
「い、いっちゃうかも、しれない、」
「我慢」
「や、休みた、」
「何言ってんの。だめだよ」
下から抜け出し、コンドームをつけて細い腰を支える。押し付けて一気に半分くらいまで挿れると、大きく喘いで上半身をのけぞらせ、ぎゅっとペニスを押さえた。
「あ゛ーー!お、・・・!はぁ、はぁ!ゔぅ~・・・!いじわる、やだぁ・・・!」
「我慢できたねぇ?偉いね。奥まで入っちゃおうかな?」
「ん、う、うっ、奥、まだ、」
「イヤイヤが多いね?何で?」
「ん、ん・・・!きしゅ、」
「え?」
「き、きしゅ、したいのにぃ~・・・!」
腕を引っ張って起こす。顎を掴んで振り向かせて、無理やり口を塞ぐ。
確かにキスが少なかった。それでイヤイヤが多かったんだ?可愛いな。
もしかしてホテル入る前に唇をいじっていたのも、キスがしたかったからかな?
「はへっ、へ、んぷ、きもち、」
「うん・・・」
「ん゛ーーーーーー!!」
ずるんと奥を貫く。
涼くんは痙攣すると、脱力した。
でも、お尻、すごい締まる。まだ中が痙攣してる。
抱きしめたまま腰を打ちつける。パンパンと肉のぶつかる音。涼くんはもう力が入らないようだった。だらんと垂れた腕が揺れている。
舌を絡めて喘ぎ声まで貪り尽くして、乳首をこねる。腰がしなった。
「あぁあ~・・・!いく、い、い、っ!」
「すっげー締まるよ・・・可愛いよ・・・きっちぃな・・・」
「しゅ、しゅごい、おく、お゛っ、お゛っ!あ゛あ゛ぁ~・・・ぎもぢぃー・・・!」
「おれもーっ・・・!はぁ、ん、いく、いきそうかも、中、めちゃくちゃ、いいよ、」
「あ、あ、ちんちんらめ、」
「ははっ、何が、ダメ?」
ペニスを扱きながら腰を叩きつける。その度にペニスが跳ねて、ぴゅるっとカウパーが飛んだ。
「ぐしゅぐしゅが、ダメ?」
「んぶ、ぷっ、へ、ぅう~っ、」
熱い吐息を漏らしながら、必死におれを見つめてくれる。これだから、抜け出せないんだよ。これだから、独占したくなるんだよ。
「ん、ちゃんと、舌、絡めて、」
「はへ、ぷはっ!きしゅ、しゅき!うあ!?あぁ!いく!いく!」
「ずっといってる?へへ、可愛いね」
「でちゃ、」
ブルブルと体を震わせて、射精する。しつこく擦ると潮を吹き、声もなく喘いだ。全身をガタガタと震わせて、いき続ける。その締め付けで吐き出した。
キツく抱きしめて奥を貫く。
鉛のように重い精液を吐き出して脱力すると、そのまま2人でベッドに倒れた。
ぜーぜーと息を切らして、繋がったままうずくまる。
「ふぅ、ふ、ふむ、・・・ん、あぅう~・・・動かしちゃ、」
「だって、締め付けてくるんだもん・・・」
トントンとノックするように腰を動かす。つま先をピクピクと震わせて、涼くんは縮こまる。
「い、いや、きもちーのだめ、」
「もっとよくなっちゃおうね」
「あ、あひ、も、」
「まだまだ、始まったばっかりだよ」
シーツを掴む手を解いて、しっかりと握る。
まだまだ夜はこれからだもん。




******************************



「はい、サンドイッチとフレンチトーストとチュロスだよー」
「ふぁっ、」
揺り起こすと、涼くんは飛び起きた。すっぽんぽんのまま、顔を擦る。可愛いなぁ。
「朝ですよー。おはよう」
「・・・おはよぉ、いい匂いする・・・」
「ね。食べる?」
「うん」
「昨日もめちゃくちゃ可愛かったよ。また来ようね」
「・・・ぅん」
まだ眠そうだな。
ぱしゃ、と写真を撮ると唇を突き出した。
「やぁだ、」
「へへへ」
「・・・フレンチトースト、」
「あるよー。はい」
「・・・トロトロだ」
眠たげにフレンチトーストを頬張る。動画には気付いてないみたいだから、これ幸いと録画を続ける。
可愛い・・・。
何でこんなに可愛いのかなー。
不思議だ。
マンネリとか、ないもんなぁ・・・。
「わたくん」
「んー?」
「おいしい。また来ようね」
「うん」
「お酒もね、美味しかったよ」
「そか。よかった」
「・・・ま、また来ようねって、ちょっと変だよね」
「え?なんで?」
「だ、だってさ・・・また、エッチなことしようねって、誘ってるみたい、だし・・・?」
多分、マンネリを感じないのってこれが理由なんだろうなぁ。
いつまでたっても恥ずかしがり屋で、照れ屋で、甘えてくれて、甘やかしてくれる。
骨抜きもいいところだ。
抱きついて甘ーい唇にキスをする。
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