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和栗

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最中にビデオ撮影することにハマっていたと思ったら、最近の和多流くんはあまり積極的に携帯をかまえることはしなかった。
正直撮られるのは恥ずかしかったし気が進むものでもなかったので、安心しているところもある。だけど、あの撮影ブームはなんだったんだろうと思う。
「はぁー・・・んー・・・気持ちよかったぁ。涼くん可愛い・・・好き・・・」
「ん、よかったぁ・・・」
すりすりと顔を寄せて甘えると、頭を撫でてくれた。
「ねぇ和多流くん」
「んー?なぁに?まだしたいー?ふふ」
「一時ビデオ撮るのに固執してた時期があったじゃん。なんで?今は撮らないよね」
「んぁ?あぁ、びっくりした」
したい、とは答えてないのにもう舌を出していた和多流くん。おれの問いかけに驚いたのか、目をくりくりさせて見つめてきた。
少し考えた後壁を背にしてあぐらをかいて、真面目に答えた方がいい?と訊ねられた。
真面目な回答と不真面目な回答があるなら、もちろん真面目な方を選ぶ。
体を起こして向き合うと、おれの肩に布団をかけてくれた。
「引かない?」
「うん」
「・・・結構うざいかもしれないけど」
「そうなの?」
「いやー、んー、傷つけたり、悲しませたり、嫌な気持ちにさせるかもしれない。でも本心」
「じゃあ、余計知りたい」
そっか、と言って少し困ったように目を逸らしたけど、またおれと目を合わせた。真剣に答えてくれる。
「・・・長い人生の中で、涼くんとね、一瞬でも両想いになって、受け入れてもらって、求めてもらった証拠が欲しかった。だから撮ってたの」
「・・・一瞬、」
「うん。もしかしたらおれのところからいなくなるかもって思ってたから、そうなった時に少しでも好かれてたんだって、同じ気持ちだったんだっていつでも見返して思い出せるように、まぁ、未来の自分を慰めるために、残しておきたいなーと思ってさ」
「・・・そっかぁ」
そんな気持ちで撮ってたんだ。
単純に、記録として撮っているものだと思っていた。和多流くんのことだからてっきり、次に活かそうと見返すために研究の意味を込めて撮影していたんだと思っていたけど、そうじゃなかったんだ。
なんだか、少し悲しくなる。
でも和多流くんがそうやって思ってしまった原因はおれにあるわけで・・・初っ端から家出して音信不通になったし・・・。だから、責められない。
「・・・ごめんね」
「・・・んーん。大丈夫」
「最初はそう思って撮ってたんだ。でもね、だんだん、撮るって行為が楽しくなってきて。だっていつも恥ずかしがるし、誰にも見せないでってお願いしてくるし、この前なんて慣れてきてピースサインまでしてくれるし、笑ってくれるし、撮って撮って撮りまくって、涼くんの変化を見つめるのが楽しくなってきてさ。そしたらね、変化を早く肉眼で見たくてカメラをセットする時間が惜しくなっちゃって、最近撮ってなかったんだ」
カーッと顔が熱くなる。ぺち、と膝を叩くと、指を絡められた。
「怒った?」
「・・・理由を聞いたら悲しかった」
「ごめんね」
「・・・おれが聞いたから、答えてくれただけで・・・でも、・・・ねぇ、もう、思ってないよね・・・?一瞬なんて、思ってないよね??」
「思ってないよ。だって、好かれてるなーって感じる。毎日幸せだもん」
目尻を下げて笑ってくれる。この柔らかい笑顔が大好き。抱きつくと、しっかりと抱き止めてくれた。
「それと、諦めがいいふりするのもやめたんだ。どこか行ったら地の果てまで追いかけて捕まえて監禁するんだ。おれ、本来はめちゃくちゃ諦めの悪いタイプだからさ」
「か、監禁はやめてよ」
「絶対に外に出さないからね。ずっと手錠で繋がってるのもいいね。仕事中も一緒だね」
「どこまで本気?」
「全部」
「わぁ・・・」
「ふふっ!」
「・・・よ、よく我慢できてたね、片想いの頃・・・」
「好かれたかったからね」
「・・・好かれたから、我慢しなくなったの?」
「いや、そこそこ我慢してるよ?本当は毎朝毎晩抱きたいし、完全送迎もしたいし、ありとあらゆる人に自慢したいし惚気たい」
「・・・」
「他にも色々あるけど、もう言わない」
「・・・うん、聞かない方が良さそう」
「また撮影してもいい?」
「え?」
「してる最中の撮影、してもいい?」
「・・・だ、誰にも、」
「見せるわけないでしょ」
ちゅ、ちゅ、とキスをしてベッドに寝かされた。ペタリと体を重ねてゆるゆると動かす。ペニスが擦れて、少し反応した。
「可愛い・・・」
「んぁ、う、うひゃ!」
「可愛いなぁ」
「んくっ」
クニュ、クニュ、とゆっくり乳首をこねられる。
マッサージみたいで気持ちいい。
「んむっ、」
「・・・撮っちゃおうかな」
「えっ、今?」
「うん。入っていい?へへ。おれが動くとぷるんって揺れるおっぱい、撮りたい」
「ば、ばか、」
「涼くんにバカって言われるの好き。大好き、に聞こえる」
「あ、あ、待って!おっきいから待って、」
「待てない・・・ほら、食べて?美味しーって、して?」
「あ、あふ、あぁ~・・・!」
「教えて?ほら」
ずる、と入ってくる。ビクビクと体が跳ねた。
和多流くんは携帯を持ったまま微笑んで、足を抱える。
「ゔ、ゔぅっ・・・!きちゅいぃ・・・!」
「涼くんが締め付けるからだよ」
「あ、な、生?ゴムは、」
「あ、今のエッロ・・・。ごめん、してない。中出ししないからこのまま・・・」
「ん、く、・・・すき、らから、いいよぉ・・・」
「生、好き?」
「う、ん、」
「言って?生ちんぽ大好きって。カメラ見て?」
「は、ん・・・生ちんぽ、あったかくて、大好き、・・・」
「・・・かわい。嬉しい。ほら、生ちんぽトントンしてあげる。おっぱいたくさん、揺れちゃうね」
「んひっ!ゔ、ゔんっ!」
「ほら。ね?ぷるんぷるんって。かわい・・・柔らかくなったね。ふわふわだよ」
さらりと撫でられる。揺れてるの、分かる。恥ずかしい。薄っぺらかった胸板が、和多流くんに可愛がられただけでこんなに、揺れちゃうんだ。
恥ずかしくて両手で隠すけど、すぐに手を払われた。
「んやぁ・・・!」
「逆効果。燃える。ガン堀りして下さいって言って?」
「や、やぁ、!今したら、」
「言うの」
片腕で両足を抱えて固定する。和多流くんの肩に乗った足は逃げ場を失った。ペニスが真っ赤になり、切なく跳ねている。さっき、散々したのに。まだ求めてる。
擦り付けてくる腰に、理性が飛びそうになる。
「んあ゛ぁ~!!」
「言って?ほら。おっぱい揺れてて可愛いんだから。何しても何言っても可愛いよ?照れちゃダメ」
「でちゃ、う!いっちゃう!」
「言うまで寸止めかな?ほらほら」
「止めないで!いや!きもちーの、止めないで、」
「あー、いきそうだねぇ?エッチだなぁ。ほら、おーしまい」
「んぁあ・・・う、う、」
ずる、と半分くらい抜かれた。
奥が、切ない。欲しいって、動いてる。離れないでって、体の奥が泣いてる。
顔を擦って唇を噛む。和多流くんはふくらはぎにたくさんキスをして、噛みついた。
「んぅ、う、ん、」
「可愛いちんちんが跳ねてるね。だらしなく溢してる」
「して、くらしゃい・・・ガン堀り・・・して、ください、」
「ん?もっかい。ね?言ってごらん」
「お、おれの奥、生ちんぽで、ガン堀りして、ドロドロにして、たくさんセーシ出してくらしゃい、」
「・・・かわい・・・。本当に可愛い・・・。出していいんだ?嬉しいなぁ・・・ちゅーして?」
「こっち、顔、」
めいっぱい腕を伸ばすと、顔を近づけてくれた。引き寄せてキスをすると、腰を叩きつけられた。
「ん゛ゔんっ!!」
「も、カメラはおしまい・・・ガン堀りしまくってあげるね」
「ん゛お゛っ!ぐるじ、」
「息して。可愛いよ。たくさんいっていいからね。可愛いねぇ。大好き。本当に可愛い」
「あ゛ー!あ゛ーーー!!」
たくさん叫び、和多流くんにされるがまま、体を揺さぶられた。
頭の中は真っ白で、快楽だけを追うしかない。
それが1番気持ちいいって、おれはもう理解しているから。身を委ねて、たくさん喘いで、和多流くんに可愛がってもらった。


************************


「はい。これ」
「え?ん?」
仕事終わりにお迎えに来てもらって、車に乗り込んだ。ぺらっと紙を差し出されたので思わず受け取ると、検査結果と書かれていた。
陰性、の文字が並んでいる。
「・・・なぁに?」
「いや、あの、・・・性病の検査、」
「・・・えっ!あ、受けたの!?」
「いやー、もうね、最近頻度が高くてやばいから受けておこうと思って!ごめんね、不安だったよね。もっと早く受ければ良かったよ」
体が熱くなる。やばい。おれ、何も考えてなかった・・・!
「おれも今度、やる・・・
「うん、いつでもいいから受けた方がいいかも。・・・その、ゴムなしで、しちゃってたから念のため・・・一回したから平気だろうとは思ってたんだけど、ずいぶん前のことだし」
「前も受けたの?」
「涼くんと付き合ってすぐに・・・。念のためね」
「あ、そ、そうなんだ?」
「・・・いや、陰性だからいくらでもしていいわけじゃないんだけど、安心して欲しくて」
「ありがとう。なんか、こんなことまでしてもらったの、初めてだ」
「大事なことだから・・・。・・・・・・た、たまに、は、いいかな?」
「え?」
「その、なし、でも・・・。定期的に検査はするから!あの、いや、陰性だからっていいわけではないし検査するからって交換条件みたいなこと言ってごめんなさいなんだけど!!・・・あったかい、から、うん・・・」
「・・・うん」
そんな、改まって確認をとられるとは思わなかった。
あ、あったかいんだ・・・。嬉しいかも・・・。
照れながら頷くと、和多流くんはパーっと笑顔になった。だけど、すぐに我に返りきゅっと真剣な表情になる。
「嫌な時とか、気分じゃない時は言ってね。基本、必ずつけるんだけど、いきなり腰、進めちゃう時もあるから」
「・・・んと、ん・・・嫌な時は、ないよ」
「そ、そう?」
「・・・だって生ちんぽって言われると興奮するでしょ?嬉しいもん」
「・・・・・・あ、のねぇ!今言わないでよ!!」
「えぇっ!?」
「もぉーー!!帰ったら絶対抱くから!」
「は?!な、なんの宣言してんの!?」
「そ、そんなさぁ!スーツ着たまま、塾の先生が、生ちんぽとか、もぉお~・・・!!」
耳まで赤くして、ハンドルに項垂れる。
相変わらず妄想と想像が逞しいようだった。
こういうとこ、面白いし可愛いなぁ。
そっと顔を寄せる。
「ね、生ちんぽいれたい?」
「っ」
「・・・先生のあったかいとこ、入りたい?入ってるとこ、動画に撮りたい?」
「ぐっ・・・」
「えっ」
バッと手で鼻を覆ったと思ったら、上を向いた。
慌ててハンカチを引っ張り出して押しつけると、じろっと睨まれた。
「ちょっとぉ、もぉー・・・!」
「・・・毎回思うけど、興奮して鼻血を出す人って本当にいるんだね」
「今のは涼くんが悪いでしょ!?」
「ごめんごめん。運転するよ。あと、家で安静にしてて」
「ゔー・・・とまんねぇ・・・」
「今日は無理そうだね」
「はぁ!?絶対する!!涼くんがいったんじゃん!!ぜーったい絶対、する!!」
「止まったらね」
「止まんなくてもする!」
「わ、分かったよ。とりあえず帰ってご飯食べようね」
「絶対だからね。約束ね」
「うん」
目、こわ・・・。
はいって言わないと無理やり抱かれそうな勢い。
ちょっとからかいすぎたなーなんて思いながら、どんなプレイを要求されるのかと少し不安になった。
まぁ、どんなプレイでも結局絆されちゃうんだけども。
「止まるといいね」
「止める!」
車を走らせる。和多流くんは必死に鼻を拭っていた。
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