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しおりを挟む失恋したから話を聞いてくれ、と随分前にクラブで仲良くなった人から連絡が来た。
何度か飲んだことはあるけど、こんな風に言われたのは初めてだった。
別にいいか、と思ってとりあえず涼くんに行ってきてもいいかメッセージを送る。昼休憩中だったのか、すぐに既読になった。が、中々返事が来なかった。慌てて仕事に戻ったのかな。
と思ったら着信音。
『気を付けてね』
と書かれていた。じゃぁ、行ってくるか。
昔通ったバーで、久しぶりに酒を飲んだ。
長く付き合った彼氏に振られて、新しい相手が現れるのか不安だという話を聞いて慰めた。
いきなり出て行ってしまった、と言われたときは同情しまくってしまい、若干引かれたけど事情を離すと慰められた。
そこそこ話が弾む中、おれの携帯が震えたので見てみると、涼くんから電話だった。
あ、わざわざかけてくれたんだ。でも・・・まだそんなに遅い時間じゃないんだけどな。
外に出て耳に当てる。
「もしもし」
『あ・・んと、もしもし。どう・・?』
「ん。友達とだから結構楽しいよ」
『・・・そか』
なんか、元気がない。よく考えたら今日って遅い日じゃなかったかな。
「今職場?」
『・・ううん。家』
「え?あれ?」
『ちょっと、前に代わった先生に代わってもらって・・早く帰ってきたんだ』
え!!??
嘘、マジかよ!!何も聞いてなかったから飲みに来ちゃったよ!!くっそーーー!!
『今日・・・あの、ナスのグラタン作った』
それ、おれが好きなやつ!!!
もしかしておれのために食材、用意してくれてたのかな・・・。
うわぁああ・・・・!失敗した・・・!!
「明日絶対に食べたいからとっておいてね!!?ね!?」
『ん。分かった。・・・友達とって、言ってたけど・・・』
「あ、うん、昔のね・・・。もう少し飲んで帰るね」
『・・・分かったぁ。お迎えはいらないかな』
「ほしい。あ、でも家のそばの駅で・・。酔い覚ましに歩いて帰りたいな。来てくれる?」
『・・うん。行く。じゃぁ、ね』
「ありがと。帰る時連絡するね。遅くなりそうだったら寝てていいからね」
『・・・起きてるよ。起きて、待ってるね』
通話を終える。元気がなかったの、もしかしておれが飲んでるから?
いやー、それは・・ちょっと自惚れすぎ・・・。もしかしたら疲れたのかも。いいのかな、お迎え来てもらって。なるべく早く帰ろう。友達には悪いけど。
店内に戻ってまた少し飲んで、解散した。
予想より早い時間。電車に乗ってメッセージを送ると、分かった、と返事が来た。
グラタンはミートソースかな。トマトソースかも?あ、ホワイトソースかも。ナスに下味はついてるのかな。あってもなくても美味しいのはなんでだろう。不思議でしょうがない。
パンとご飯、どっちだろ。スープもあるのかな。あー、でも、1人分とかは作んないか・・・。コンソメスープ、美味しいんだよな・・・。豆乳のスープとか、トマトスープとか。凝ったもの作ってくれるんだよね。あー、腹減ってきたなぁ。
家帰ったら、食べよ。太るけど・・・。
でもおれがいっぱい食べると、涼くん、嬉しそうなんだよね。可愛い顔をしてくれるんだ。
それが見たくてたくさん食べてしまう。こんなに幸せなことって、今まであっただろうか。いや、ない。絶対にない。
ニヤけるのを堪えて電車を降りる。階段を登って改札を出ると、ちょこん、と涼くんが立っていた。
え。
えぇっ。
いつもロータリーの薄暗いところで人目を避けるように待ってるのに!!
もしくはドラッグストアでお買い得品を吟味しているかコンビニで立ち読みしているのに!!
大きめのロンTにハーフパンツ、裸足にサンダル。大きな目がじーっとおれを見つめて、パタパタと小さく手を振る。待って待って。待って!!それ、おれのシャツじゃないの!?
鎖骨見えてる!!
「おかえり」
「ただいま。えー、もう、嬉しい」
「たまには、うん」
「今日、少し暑いよね。ハーフパンツ似合ってる。可愛い」
「ん。帰ろ」
少しだけ辺りを見渡すと、きゅ、と指先を握られた。
は・・・??
こんな、地元の、駅で。明るいのに。まだほんの少し早い時間なのに。
いいんですか!?
浮かれた頭で涼くんと歩く。
失恋話を聞いてきたというのにおれは幸せの絶頂。
可愛すぎるだろ・・・。
「ご飯食べた?」
「うん。・・・結構、上手くできたから」
「帰ったら食べていい?」
「え、食べてきたんじゃないの?」
「おつまみだけ」
ていうか、あんまり自分の料理を自分で褒めない涼くんが上手くできたって言うことは・・・かなり美味しいってことじゃん。いつもかなり美味しいけど。
あー、出来立てが食べたかったなぁ。
なんで飲みに行っちゃったんだろ。
「ソース、何?」
「トマト」
「マジで?」
「好きでしょ?」
「好き。チーズは?」
「それも好きでしょ?入れたよ」
ニコッと笑う。おれの好きなもの、ばっかりだ・・・!
顔を近づけると、石鹸の香りがした。
あーあ・・・お風呂、入っちゃったか・・・。
「コンソメスープも作ったけど・・・」
「えっ!?」
「え?あ、気分じゃなかった?」
「違う!スープはないと思ってた!嬉しい!」
「・・・えへへっ。作っちゃった。だって、今日、早いの分かってたから」
「前から決まってたの?」
「一昨日かな。・・・驚かせようと思ったんだけどね」
少し寂しげに笑う。つい強く手を握ると、楽しそうに笑ってくれた。
大急ぎで家に帰る。玄関がもう、いい匂いすぎる!!
靴を脱ぎ捨ててキッチンに入ると、涼くんは手際よく温めてテーブルに置いてくれた。
向かい側に座り、じーっとおれを見る。
挨拶をしてグラタンを食べる。うまい。うますぎる。米食べたい。でも、我慢だ。太っちゃうし。酒飲んでるし。
「明日の分もあるよ」
「え!?そうなの!?じゃあこれ全部食べていい?」
「うん」
「嬉しい!あ、ごめん。手ぶらで帰ってきちゃった」
「え?いいよぉ。お土産なんて、いらない。帰ってきてくれてありがとう」
「次の休み、何か甘いものでも買いに行こうね。あー、美味しい。スープも美味しい。具沢山で最高」
「・・・あの、ご、ごめんね・・・」
「え?」
顔を挙げると、涼くんは少し顔を赤らめて目を伏せていた。困ったように笑って、また口を引き結んで、小さくため息をつく。
「・・・か、帰ってきてくれて、ありがと・・・でも、急かして、ごめんなさい・・・」
「え?急かされてないけど・・・」
「わ、分かってたんだ・・・。その、ん、友達とだから、楽しみなんだろうなって・・・。と、友達、って、ぼかしてたから、その、あの、」
「うん・・・」
「・・・じゃ、邪魔したくて、電話しました・・・。ごめんなさい・・・」
そこまで素直に、真面目に、話しちゃうんだ。
涼くんは俯いて少し鼻を啜った。
きっと、すごく可愛い顔をしてるんだろうな・・・。
可愛いこと、言ってくれたな・・・。
嫉妬しちゃったんだ?
どんな友達なんだろうって、不安になったのかな。
顔が熱くなる。
邪魔したかった、なんて・・・普通、言わないよ。なんだよ、この可愛さ。
「涼くん」
名前を呼ぶと肩が跳ねた。
「・・・キミは本当に可愛いね」
「・・・か、可愛く、ない、・・・やな、やつ、だから・・・」
「友達は、昔クラブで仲良くなった人。バリタチ。おれ、ネコとリバの友達っていないんだよね。絶対体の関係になるじゃん?それに、今は涼くんがいるから少しでも不安材料は排除しておきたいんだよね。だから、その点については安心してね。ていうか、涼くんがいるんだから例えいたとしてもそんな関係にはならないけど。時間の無駄だもん。涼くんにだけ、注いでいたい」
「・・・ごめんなさい、嫌なことして、ごめんなさい」
「すげー嬉しいよ。本当。可愛すぎだよ」
「・・・ん、」
「・・・もしかして、寂しかったからおれのシャツ着てるの?」
パッと顔が上がる。目を泳がせてシャツを掴むと、首元まで真っ赤に染まった。
「え、もしかして、忘れてた?」
「っ・・・!!」
「えー?可愛い・・・ねぇ、いつでも着ていいからね。すげーエッチで可愛いから。ね、ね、こっち見て」
「や、」
「いや?そっかぁ・・・じゃあ、気長に待つね。お風呂入ってくるよ。ベッドで待っててね」
食器を片してお風呂に入る。
涼くんが浸かった後は、お湯が柔らかで気持ちいい。
さっき、すごく可愛かったな。意地悪をしたい気持ちを通り越して、可愛がって甘やかしてとろとろに溶かしたくなった。明日も仕事だけど、関係ないよね。可愛いのが悪いんだ。
今頃ソワソワしながらベッドで待ってるかな。おれのシャツ、着たまま。もしかしたら脱いじゃったかな。でもいいや。また着せればいいんだし。どうやって可愛がろうかな。
トントン、と控えめに扉が叩かれた。
なぁにー、と返事をすると扉が開いた。
振り返ると、涼くんが裸で立っていた。
「え、」
「・・・一緒に、」
「え、え、いいの?さっき入ったんじゃないの?本当にいいの?」
「・・・入りたかったから、」
「おいで」
手を伸ばすと、恥ずかしそうに手で前を隠しながら入ってきた。その手を掴んで引っ張ると、ペニスがプルンと揺れて跳ねた。
あら。半勃ち。
「やっ!」
「可愛い。早くきて?」
絶対来ないと思ってたのに。嬉しいな。
無理やり湯船に招き入れると、しおらしく俯いて肩まで浸かった。
「涼くん、可愛いね」
「・・・」
「不安になっちゃったんだね。ごめんね。今度はちゃんと説明するね。・・・涼くん?」
何も答えない。両手で顔を包んで持ち上げると、目を閉じていた。薄く唇が開いている。吸い込まれるように顔を近づけてキスをすると、カプ、と下唇を噛まれた。
そのままもぐもぐと口を動かして吸ってくれる。可愛い・・・。
「・・・お酒の味、する」
「うん。今度一緒に行こうね」
「・・・酔ってないんだね」
「浴びるほど飲んでないから」
膝立ちになり、お湯が揺れる。そっと頭を抱えられたので涼くんの胸に顔を押し付けて、深く呼吸する。涼くんの匂いはいつ嗅いでも興奮する。甘くて優しい匂い。男なのに、普段男臭くないのが不思議。
耳にキスをされて思わずペニスが跳ねる。
「・・・つ?」
「え?何?」
「・・・ん、・・・ちんちん、勃つ・・・?」
「・・・勃ちました」
「・・・ほ、ほんと?」
嬉しそうな声。いや、何で勃たないと思ったの。勃つよ。勃つに決まってるよ。体が温まって乳首がプルンとしているし、肌はスベスベだし、お尻は突き出てるし、顔が、もう、エッチだし!!
「・・・やなことしたから、萎えちゃうかと思って、」
「やなことって?なんかしたの?」
「・・・邪魔したから、」
「邪魔じゃないよ。本当に。電話が来て嬉しくて、失敗したなーって思った。早く帰ってくるの分かってたら飲みに行かなかったよ。一緒に食べたかった」
「う、うん・・・必ず、言うね。ごめん・・・」
「ううん。ありがと。グラタン美味しかった。スープも。明日また食べるね。今は涼くんを食べたいよ」
「・・・ち、ちん、ちん、」
「ん?」
「・・・し、下の口で、その、・・・可愛がって、あげたい、なって・・・」
してくれ。
ずーっとしてくれ。
勢いよく立ち上がると、涼くんは目を見開いた。腕を引っ張って風呂から出る。洗面台の前に立たせて後ろから覆い被さると、とろんと目がとろけた。
「こ、ここで?するの?」
「我慢できない」
「でも、あの、・・・あ、あとで、ベッド、」
「もちろん。離さないよ。明日、仕事は寝不足で疲れちゃうだろうけど耐えてね」
「・・・うん」
鏡越しにはにかんだ笑顔が見えた。
たまんねーなぁ・・・。
くるっと向きを変えて正面から見つめ合う。涼くんは何度も目を逸らしながらおれを見て、顔を赤らめた。いつまでも初々しくて困ったものだ。どう抱いてやろうかって、妄想が止まらない。
「え、えへへ・・・」
「ん?」
「・・・好き」
かっっ!!
かわ、いい・・・!!クラクラする・・・!!
「へぷちっ、」
ハッとしてタオルで全身を拭き、さっき着ていたシャツを頭から被せる。涼くんは大事に袖を通すと、すん、とシャツの匂いを嗅いだ。
「くしゃみしちゃった、」
「うん。可愛かった」
「・・・いー匂い、する、」
「・・・おれは?」
「あ・・・」
抱き寄せると、肩に顔を押し付けて目一杯吸い込んだ。細い指がおれの肌を撫でながら、必死に匂いを確かめている。シャツからはみ出たペニスが小さく跳ねておれのペニスにキスをするように触れた。
「好き、な、匂い・・・」
「よかった。早くしたいな。もう、はち切れそう」
「・・・だ、抱かれたい、です。・・・ほ、ほんとは、今日ずっと、期待してて、それで、」
「ねぇ、そういうのは言わなきゃダメだよ?なんで我慢するの?時間もったいないじゃん。次はちゃんと言って。それか、連絡して。セックスがしたいよって、言って」
「ん・・・!だって、早く帰れるから、和多流くんの好きなもの作って、一緒にお風呂入って、ベッド、入れるって、・・・ふ、雰囲気作り、ちゃんとしたくて、」
「可愛すぎるし嬉しいけど、言って欲しかったよ。あー、もう、何で飲みに行っちゃったんだろ。最悪だ。ロスした。顔見せて。セックスしよう?雰囲気作りなんて考えなくていいよ。涼くんのエッチな顔を見たら、すぐ勃つよ、おれ」
「う、うん」
自覚がないんだろうな。
こんなにエッチな顔をしてるんだけどな。
あーあ・・街中や、電車の中で一体どれだけの人がこの顔を見たのかな。悔しいな。おれだけが、見たかったのに。
顔中にキスをして、可愛がる。涼くんははにかんだり照れたり、目を細めて震えたり、たくさん感じてくれた。
「ん、かわい・・・」
「ん、ん、」
「はぁ・・・きもち・・・。雰囲気作り、考えてくれてありがとうね。しなくていいって言ったけど、いつも十分してくれてるんだよ」
「あっ、」
ペニスを包む。腰が逃げた。お尻を掴んで抱き寄せると、首に腕を巻いておれにしがみついた。
「あの、あの、」
「ん?」
「キ、キスで、いきたい・・・」
「うん・・・可愛い・・・」
「んむっ、」
唇を重ねてねっとりと舌を絡める。目を合わせたままキスをしていると、涼くんは大きく体を震わせた。
いつもより早い。したくてたまらなかったんだろうな・・・なんて、官能的なんだろう。
細い腰を目一杯抱きしめて、ペニスを重ねる。
「んはぁ・・・あぁう・・・」
「とろとろ。エッチ・・・ん、」
「あっこ、あっこして・・・!」
足が絡んで、登ってこようとする。甘えてる。可愛い。大好きだ。
お尻を持ち上げて抱き抱える。これ、快楽の逃げ場がなくなるから嫌って、いつも言うんだよね。でも今は、いいんだ。
逃したくないんだ。嬉しいな。
グッと頭を押さえつけられて、唇が隙間なく重なる。
あー、やばい。おれまで持っていかれそう。
「あふ、あぁっ、しゅごい、きもち、」
「ん・・・おれも、」
「いく、いく・・・!いく、いや、汚しちゃ、」
「汚して、」
「んぁ!口、口いく!しゅってぇ!」
「ん゛っ!」
「んぶっ!~~っっ!!・・・~~っ、・・・」
思いきり吸って、味わって、絡めて、歯を立てた。その瞬間涼くんは大きく体を震わせておれを見つめたまま絶頂を迎え、唇を離すと一気に脱力して腕が解けた。慌てて抱え直して寝室へ向かう。
「んぁっ、・・・きもち、かった・・・しゅごい、」
「おれも・・・。次はどこでいこうか?」
「せ、背中、」
「ん?」
「背中、撫でて欲しい・・・」
「しよ。うつ伏せになって?」
「和多流くんは?してほしい、こと、」
「求めて。おれのこと求めて。全部言って、教えて」
うつ伏せのまま、涼くんは枕を緩く握って頷いた。
柔らかでハリのある肌に指を置く。そっと滑らせるとふわふわのお尻が跳ねた。
腰まで滑らせて止め、また上に上がる。か細く震える肩が可愛くて、ずっと見ていたかった。
「んあっ、あん、」
「可愛いよ」
「あ、ふぅ、ふぅ、んにゃっ」
脇腹を突くと飛び跳ねた。ここ、弱いよね。
「ふひっ!んみゅっ!」
トン、トン、とリズムをつけて突くと、それに合わせて可愛い声が漏れた。
「可愛いね」
「んく、んふっ、ふ、」
「・・・おれと、セックス、したかった?」
「・・・したかった、」
「できたね。どう?」
「・・・寂しい」
「え?」
「もっと、くっついて」
ゾクゾクした。
素早くコンドームをつけて、背中に乗って抱きしめる。
耳元にキスをすると、きゅっと腕を掴まれた。
「んふっ、」
「可愛い・・・噛み跡、たくさんつけてあげる」
「ん、ぅ、」
お尻の割れ目にペニスを押し付ける。小さな秘部をノックすると、ピクピクと震えた。
「涼くん、おしゃべりしよ?ね?」
「ん、・・・好き、」
「おれも。大好き。乳首触りたいな。いい?」
「あ、や、」
「嫌なの?どうして?」
無理やり手を捩じ込んで乳首に触れる。涼くんは上半身を起こすと、細い腕でおれと自分を支えた。大きな乳首を指で転がす。可愛いお尻が押しつけられた。
「くぅうんっ・・・!」
「好きだよね?乳首。可愛い・・・触りやすい大きな乳首。いつもたくさん触らせてくれるから、嬉しいな」
「んやっ、や、やぅ、あ、あ、あぁっ、」
「ん、可愛い。きもちーね?」
肩に軽く噛み付いて、背中にキスをして、耳を啄んで、首筋を舐める。
涼くんはとろけた声で長く喘ぐと、ブルっと体を震わせた。
「んぉ、お、いく、いぅうっ・・・!」
「うん。気持ちいいね」
「ちくび、いく、いく、いくっ、くるの、全部くる、」
「ほら、じわーって、いってごらん。好きでしょ?」
乳首を触るスピードも、強さも、かえない。ゆっくりと快楽を味わって欲しいんだ。
涼くんは喉をそらせて熱にうかされたみたいに喘いだ。強い刺激は与えない。体の奥の芯から果てて欲しい。
「んはー・・・はー・・・いぐぅ・・・!れぅう・・・」
「出してごらん」
「あ、あぅうー・・・もっとぉ・・・ちゅよい、のぉ、・・・いか、せて、いきた、」
「だめだよ。このまま。ほら、ね?怖くないから」
「もれ、ちゃ、もれちゃう、こわれちゃ、いく、いくのっ、んぁ、くるっくるっ、乳首きた、きた、れぅ、ぁめっ、だめ、とけちゃ、でちゃうの、」
「出して。全部出して。涼くん、我慢しなくていいよ。おれが全部見て、舐めて、愉しむから」
「あ゛ー・・・いっ、ちゃう、」
「・・・いけたら、きゅーって、引っ張って噛んであげるよ」
「は、はへっ、あ゛!あ゛ーーーっ!ん゛ぉおっ、あ゛ぐぅうぅっ・・・!!あ、きちゃっ、て、るぅううぅぅ!あゔうぅううぅうぅうううぅ~・・・!!」
涙声で、涼くんは激しく達した。
しつこく乳首をこねて、さらに快楽を与える。逃げ場のない状況で快楽だけを与えられるのが怖いのか、泣き声に変わった。それでも指の動きは止めず、追い立てる。
お尻が押しつけられて、柔らかくて、たまらない気持ちになって、つい、乳首を摘んで引っ張った。
「ゔあ゛ぁーー!いぐーー!」
「いけ、ほら。可愛いよ」
「れるっ!でちゃ、ちんち、っ、壊れ、」
「壊れちゃえ。ほら、脳イキもしてごらん」
手を離して頭を固定し、耳元で囁く。涼くんの足が大きく跳ねた。
「いけ。出せ。全部、漏らしちゃえ」
「お゛!お゛ぉ~っ・・・!あ゛ーーーっ!」
「可愛いね。大好き。ほら、休まないでいき続けて。いけって」
「じゅっと!いってましゅ!いくの!んぉっ!い、い、いぃい、いくっ!いきましゅ!いくのしゅき!しゅき!」
「そうだね。たくさんいくの、好きだね。可愛いね。上手だよ。いって?ほら、だらしねー声出して、いけよ」
「ぅはぁあぁあ!わたぅくんんっ!いくーーー!!」
「お前は本当に、従順だな」
パンっと太ももを叩くと、短く喘いで痙攣した。
ガクガクと震えながら脱力し、枕に頭を埋める。
呼吸をさせようと仰向けにさせると、シーツがびしょ濡れだった。あーあ、漏らしたところ見れなかったな。
たくさん潮を吹いたんだろうに、もったいないことした。
「あ、はぁぁあ~・・・はー・・・」
「涼?大丈夫?お水飲もうか。潮吹いたからね。またあとで吹くもんね?」
「漏らして、ごめんなしゃい・・・」
「よく言えました。可愛い子にはご褒美だね」
足を抱えてお尻を割る。パクパクと濡れて光っていた。やっぱり。ローション、ちゃんと入れておいてくれたんだ。
少し溢れてるよ。やらしいな。
「・・・1人でいじった?ちゃんと答えなさい」
「っ・・・そ、」
「ん?」
「即ハメ、・・・できるように、ほぐし、ました・・・」
「玄関でしたかった?それとも、駅のトイレ?」
「家、家で、でも、でも、」
「うん。しなかったね。悲しかった?」
「・・・いつ、するかなって、こ、こーふん、した・・・」
「・・・ははっ。どスケベ。最高だよ。何でほぐした?答えて」
「ばい、ぶ、・・・」
「いったね?」
「んっ・・・!いきました、ごめんなさいっ、だって、だって、友達に、取られちゃったから、おれのわたくん、取られちゃったから、」
顔を隠して、声を震わせる。今日は本当におれに抱かれたかったんだ。おれのこと、こんなに求めてくれてたんだ。
メッセージを送った時、どんな顔をしていたのかな。返事に時間がかかったのは、葛藤していたからなのかな。
笑顔で送り出すことと、引き留めること、どちらがおれのためなんだろうって、自分のことを置き去りにして考えて、返事をくれたのかな。
「う、うざい、ごめ、ごめんなさい、ごめんね、」
「いやだ。今度から、ちゃんと言って。一緒にいたいから行かないでって、言って。お願いだから」
「ん、くぅ、ふえっ、おれ、性格悪い、」
「悪くないよ。嬉しいよ。ほら、ちゃんと言ってごらん。今日、本当はどうしたかったの?」
「・・・いいの?」
「もちろん。教えて欲しいよ」
「・・・行かないで、お迎え、来て、おれのこと、可愛がって、ほしかった、」
「うん。嬉しい・・・」
「ご飯、好きなもの、作るから・・・行かないでって、言いたかった、」
「おいしかったよ。いつもありがとう。大好き」
顔を包んでキスをする。甘くて、溶けそう。気持ちいいな。
「泣かないでね。可愛すぎてどうしようもなくなるから」
「ん、うぅっ、ごめんなさい、」
「嬉しい。もっと独占して欲しいよ。おれ・・・涼に求められるの、1番幸せ・・・」
「ほ、ほ、ほんと・・・??っく、ほんとぉ・・・?」
「うん。好き」
「・・・うぇ、えっ・・・一緒にいて、」
「いるよ。ここにいる。もっとキスしよ」
「うんっ好き」
「キスでいく?」
「ん、いく、さっきのすごくて、頭、変になる、」
キスをしながら答えてくれる。脳イキの余韻が強いのかな。
きゅっと乳首を摘むと、がくんと跳ねた。
「やぁらぁ!いくのぉっ、」
「今ので?ふふっ。可愛い」
「い、く、のぉ・・・いく、ふぁあ~・・・」
「あーあ、いっちゃった・・・次はどこでいこうか?」
「ん、う、う、・・・!」
「・・・かわい・・・お尻で可愛がってくれる?」
「は、はぃ、わたく、わたくん、」
「大好きだよ。もっとわがままになって、おれのこと振り回してね。それで・・・縛り付けて?」
「ん、う、うんっ、ん、しゅき、」
「おれも大好き」
「ゔうぅぅゔぅー・・・!!おっきぃい・・・!!」
狭くて小さな秘部をこじ開けて、ひだも、シワも伸ばして、中に押し入る。
熱くて、締め付けて、引き込んでくれる。求めてくれる。
「あっちぃ・・・きもちい・・・」
「お、きいっ!まって、おっきい!ふといぃい・・・!」
「んー・・・いつもと、同じだけど・・・涼くんがさ、締め付けすぎなんだよ。おれのこと離さないって、キューキュー締め付けてる・・・」
「ご、ごめん、力、抜けない、」
「抜いちゃだーめ。もっと独占して?ほら、ね?トントンって、するから」
「あぅっ、あっ、あぁっ、ん、ん、ん、っ!」
腰を緩く押し付けるたびに、とちゅ、とちゅ、と柔らかな水音がする。涼くんの足がピンと突っ張って、痙攣していた。いってんのかな・・・?わかんねぇ・・・気持ち良すぎて、気にしてらんねぇ・・・。
「わた、く、!わたくん!わた、あ、あぅう~・・・!」
「んー・・・ごめーん・・・とまんねぇの・・・」
「は、はぅっ、あぁっ、奥、きちゅい、」
「きつい・・・?やめる?」
「やめない!して!して!ゔぅー!意地悪、やだぁ・・・」
「は、んぅっ・・・ごめんね?ね?ほら、キスしよ?お尻とちんちんで、キスしよ?ほら、ほら、ね?ね?」
押し付けると、腰がしなやかに反り、大きく体が震えた。
「んぉおっ・・・あ゛・・・いや、いや、」
「ん?キスがいや?」
「こ、こえが、こえ・・・ゔ、ゔ、ん゛ゔぅ、」
「気持ちいいんだよね?だからそんな可愛い声が出ちゃうんだよ。聞かせて」
「っく、くふ、ふっ、」
「・・・なんか、堪えてない?どうかした?痛いかな?」
パタパタ、と涼くんの肌の上に汗が落ちる。呼吸を荒くして訊ねると、両手で口を押さえて首を横に振った。
そっと手を離し、内緒話をするように口の周りに手を当ててとろとろに光る唇を動かす。吸い寄せられるように顔を近づけてなぁに、と訊ねると、小さく小さく、答えた。
「いっしょに、いこ?」
ビクンとペニスが跳ねる。
涼くんは目を閉じて動きを感じると、ふにゃ、と笑った。
「んふ、可愛い・・・」
「今の、やべー・・・可愛い・・・」
「んあ、」
「もう一回言って」
「やっ」
「お願い」
「飲みに行ったから、いや」
「ん、今度から、急すぎるのは、断るから・・・」
「ダメ」
ギューっと締め付けられる。う、わ。どこまで、締め付けてくるだ、この子・・・。
腰が熱くなる。
「ゔっ、・・・ま、くそっ、」
「跳ねてるぅ・・・」
「うんっ・・・いきてぇ・・・」
「・・・起こして?」
「へ?」
「早く」
細い体を起こして抱きしめる。そっと腕を解くと、いきなり突き飛ばされた。ひっくり返ってベッドに倒れる。
両手を固定されて、顔が近づいた。
「手、動かしちゃダメ」
「ええ?やだよ。触りたい」
「おれはいつもちゃんと言うこと聞いてるよ?和多流くん、してくれないの?」
「・・・分かったよ。もぉ、さっきまで甘えたで可愛かったのに・・・」
「・・・今は可愛くない?」
ビクンとペニスが動いた。い、今の、可愛すぎる・・・。
「エッチすぎんだろ・・・」
「和多流くんのこといかせたいの」
「へ?い、いかせるの?おれを?」
騎乗位で??
正直、まだ、ちょっと不慣れなんだよなぁ。だからいつもおれが下から突き上げないと涼くんもいけないのに・・・。
おれの返事が不満だったのか、そっと腰を上げた。あ、抜けちまうっ!
「ちょ、抜けちゃうって!やだよ!」
「さっきたくさん良くしてくれたからお返し、しようと思ったのに・・・そんなこと言うなら抜いちゃうもん」
ずるーっと抜けていく。先っぽがギリギリ入ってるくらい。
「ご、ごめんごめん!抜かないでください!手も動かさないしもう言いません!」
こ、この、緩急・・・!さっきまでおれの下で泣いてトロトロだったのに、今は小悪魔みたいに目を輝かせている。急にスイッチが入るのがたまらなくて、涼くんとのセックスから抜け出せない。
「おれと騎乗位するの、気持ちくない?」
「気持ちいいけど!疲れない?それが心配、」
「嘘。いけないからやなんだ。知ってるもん」
「あ!」
チュ、と音を立てて抜けた。あ、あぁ~・・・すげー、悲しい・・・。すごく良かったから余計に・・・。
「・・・おれ、下手だもんね?知ってるよ・・・分かってるもん」
「涼くん・・・違うよ、」
「でも、練習したもん。だからきっと、大丈夫」
「は!?練習!?ちょっと!?んぐっ!?あ゛ぁっ」
いきなり腰を下ろされて、ズブズブと埋まっていく。
ゴツ、と奥に当たって、締め付けられて、腰が浮いた。
細い腰を掴むと、その手を解かれてお尻に回された。
「ど、どうやって、練習なんか・・・!」
「な、内緒・・・お尻、掴んでていいよ・・・?寂しいんでしょ?」
「う、はい・・・じゃなくて、あの、」
「膝伸ばして?」
「どうやって練習したの?ねぇ、教えてよー・・・」
「後で。ん、、動く、ね」
おれの胸と足に片方ずつ手を置くと、前後に優しく揺れ始めた。
「あ?あ、あ、っ、くっ、」
「ん、ん、ふ、ふっ、ふぅ、」
「ぅあっ・・・あ、ちょっと、ま、」
「おっき、ん、ん、」
「待った待った、これやば、やばい、ゔぅっ、」
いつもと、違う。固定されてるから快楽が逃げないし、涼くんの体も安定している。腰だけがねっとりと押し付けられて、気持ちいい。
コリコリと亀頭が刺激されて、汗が出てくる。
涼くんを見上げながら快楽漬けになるのは、すごく幸せだった。手を伸ばしてツンと立ち上がる乳首を撫でる。
キュン、と切なく締まった。
「ふあっ、あ、あぁ、きもち、」
「おれもっ・・・」
「へへ、上手かな・・・?」
「ごめん、すげー、いいです・・・!ま、前のも好きだけど、あの、今はなんか、その、ゔっ、」
「次、こうね」
「あー・・・!」
だらしない声が出た。
両手を胸に置き、しっかりと足を踏み込んで腰を上下に動かしてくれる。太ももの裏に手を添えてアシストすると、涼くんのペニスが大きく跳ねた。
「きもちい?」
「いいっ、・・・ゔ、うぅ、」
「下手で、ごめんね・・・?これ、いい?」
「いいっ、よ、・・・!いつも気持ちーよ、でも、これは、」
「こぉ?」
くんっと乳首を摘まれた。
くっそ・・・!エロい・・・!
「ふ、はぁっ!んぐ、ぐ、」
「い、いきそ・・・?」
「やばい、はぁ、涼くんは?まだ?う、締まる、ヤバいって、」
「気持ちいい・・・」
コリコリと乳首を転がされる。
くそー、やられっぱなしは嫌だ。
肩を掴んで抱き寄せて、腰を押さえる。下から突き上げると、涼くんは大きく喘いだ。
「あぁあん!あ、こえ、こえきもち!好き!」
「はぁ!はぁ!おれも、好き!」
「やだ!やぁ!いくの!」
ぎゅーっと抱きしめられた。少し首が絞まる。でも、それも、気持ちいい。ガブ、と肩を噛むと同じように噛まれた。
腰を小刻みに叩きつける。中が収縮した。涼くんの肩が痙攣してさらに強く抱きつく。
「んあー・・・いく、やべぇ・・・」
「いくいくいくっ、いく、いくの、おれ、いっちゃう、」
「んゔっ、ぐ、搾り取って・・・!」
そう言った時、ギューっと締め付けられた。
腰がブルブルと震える。肩に噛みついたまま射精すると、涼くんはだらしなく、長く、喘いだ。
「あ゛ー・・・!あ゛、あ゛、・・・」
「はぁ、はぁあ・・・やば、・・・すげー、よかった、」
「っ、・・・きてる、」
「え?」
「ん、ぅうっ、ふ、ふぅ、」
ゆるゆると腰を動かし始めた。力の抜けた体を支えて体を起こし、ペニスを掴んでしごくと、天井に向かって吠えた。
「ひぃ!あ゛ー!」
「いけ、ほらっ」
「でる、でぅ、でぅのっ、れぅっ、れちゃ、あ、ああぁああっ・・・」
親指で割れ目を擦ると、プシッと潮を吹いた。
優しく擦り続けると中が収縮し、潮を吹き続けた。
声も出なくなり、天井を見上げたまま痙攣し、全身に汗をかいてそのまま後ろに倒れそうになった。支えて抱きしめると、ぜーぜーと息を切らしておれの背中を撫でた。
「しゅ、しゅごいの・・・」
「あー・・・涼くん、すげー・・・ちんこ溶けるかと思った・・・」
「・・・ふへへっ。よかったぁ・・・一緒にいけたぁ・・・」
「・・・ダメだ、出し切った・・・」
「一回なのに?ふふっ」
「うん・・・」
息を整えていると、涼くんが静かになった。あれ?寝ちゃったかな?顔を覗き込もうとした時、ポツリと呟いた。
「・・・ざ、雑魚ちんぽ」
「はぁ??」
体を離してマジマジと顔を見る。目を泳がせると、すこーしだけ笑いながら、もう一度言った。
「ざ、雑魚ちんぽ。もう、終わりなの・・・?」
「・・・おい、待て。聞き捨てならない。泣かす」
「え?わぁ!」
「誰が雑魚ちんぽだって?もっぺん言ってみろ」
「あ、ごめんなさい!違う違う!そう言えばたくさんできるって、言って、」
「誰が言ったんだよ!言え!ほら!早く言えっての!」
「あ゛ゔぅん!!ごめんなさい!ごめんなしゃいぃ!!」
「許すか!!この、雑魚まんこ!!犯してやる!」
「あ゛ーー!!だめぇーー!」
我を忘れてガツガツと腰を叩きつける。
涼くんは泣いて喘いで叫んで気絶した。
************************
「・・・で?これもサプライズ?」
「う、うん・・・」
目が覚めたのは昼の12時。おれは青ざめた。
涼くんは完全に遅刻。冷や汗をかきながら慌てて起こすと、今日は休み、とふにゃふにゃした声で言われた。
ぽかんとしていると、前に代わった分を代わってもらった、とニコニコ笑い、また目を閉じて寝た。そして13時。
覚醒した涼くんはベッドで正座をして上目遣いでおれを見た。
「めちゃくちゃ焦ったんですけど」
「ご、ごめんね?許して?」
小さく両手を合わせて、首を傾げる。可愛い。けど!
「聞きたいことがあるんですけど?」
「あ、う、うん・・・」
「とりあえず、雑魚ちんぽって何?」
「・・・そう言えば興奮するかなって、」
「しないよ」
「えっ!!」
心底驚いた声と、顔。
まったく、どこで聞き齧ったんだ。
「あのさ、時と場合によるよね?涼くんだっていつもそう言うじゃん」
「・・・」
「・・・そりゃ、おれだって涼くんにそういうこと、言うけど・・・最中に言うでしょ?自分で言うのもあれだけど、涼くんが嫌な気持ちにならないように、ケアもしてるつもり・・・」
「き、嫌いになった・・・?」
「飛躍しすぎ。プレイとしてはどうかって話で、」
「怒ってるもん・・・。ごめんなさい・・・だって、だって、いつも和多流くんが、言うから、おれ、和多流くんがそう言う時、嬉しそうに言うから、嬉しくて・・・。和多流くんもおれに言われたら嬉しいのかなって、勘違い、しました・・・。ごめんなさい、ごめんなさい・・・」
「・・・いや、まぁ、んと、そんなに悲観しなくても・・・」
スイッチが完全に壊れたのは事実だし、抱き潰したし、その後何度もお仕置きできて大満足だったのは事実というか・・・。
ていうか、言われるの、嬉しいんだ。それは、ね?うん、嬉しいです。
「もぉしません・・・」
「うん・・・いや、あの、ちゃんと話し合って決めようか?」
「と、とられたく、なかったんだもん・・・」
「え?」
「と、友達、に、わたくん、とられたくなくて、昨日、気持ちが、コントロール出来なくて、だって、友達って、ゲイの人、だも・・・!バリタチって、いうけど・・・!わたくんかっこいいし、抱かれたいって、思ってたかも、しれないもん・・・!」
「いやいやいやいや、絶対にないから」
「そんなの分かんないじゃんっ」
「いや、ない!!長く付き合ってた彼氏と別れたから慰めてきたけど、原因が抱かせてくれないから、だから!!おれの友達が、元カレに、抱きたいって相談されて断ったらいきなり出て行っちゃったの!!どーしてもお尻だけは無理だって、嘆いてて!おれと同じなの!!」
「へ、」
「だからありません!!つーかお互いにタイプじゃありません!!あいつはどっちかというとメンヘラで幸薄そうな細身の男の子が好きなマニアックなやつなの!依存してくれそうな子がタイプなの!おれじゃない!」
「・・・おれみたいな?」
「全然違う!!涼くんは自立してるし確かに細身だけど筋肉もついてきてしなやかだし全然幸薄そうじゃないし可愛いじゃん!てか何の話してんの!おれは、どこにも行きません。涼くんだけなんだから!」
「・・・ひどいこと、言っても?」
「どこで得た知識なの。問題はそこだよ」
涼くんは顔をこすりながらおれを見ると、鼻を啜った。
キョロキョロしながら立ち上がり、ローテーブルにあった携帯を持ってきておれに差し出した。動画が映されている。騎乗位のやり方?あぁ、こういうのを見て勉強したのか。
「AV男優さんがレクチャー動画出してた」
「うん・・・あぁ、はいはい・・・」
た、たしかに、雑魚ちんぽって言ってるわ。
いや、でもこれ、おふざけで言って笑い合ってて、あぁもう、そうか、おれともこうなるって思ったのね?イチャイチャしたかったのね?その当てが外れてびっくりしちゃったのね?はいはい・・・。
「こういうのはもう、禁止」
「えっ。でも、おれ、上手く出来てたよね?和多流くんのこと気持ちよくしたくて、練習したんだよ?」
「すっごい良かったけど、変な知識聞き齧って実践されても混乱するよ」
「・・・う、うん・・・」
「・・・た、確かに、良かったんですけどね?」
前の、辿々しいのも、好きなんだよなーって・・・思うのは贅沢かな・・・。
「てか、練習って・・・」
「あ、布団をね、丸めて跨って・・・そうやると、良いって、言ってたから」
「・・・」
「・・・ごめんなさい、もうしません」
「・・・後で見せてくれるなら、許します」
「え?見るの?いいけど・・・」
「じゃあ、今・・・」
「う、うん、いいよ?こうやってね、あとね、枕・・・こうして・・・」
掛け布団を巻き、タオルを巻いた枕を股の下に押し込んで腰を揺らす。おれの枕だし・・・!ぜってー洗わねぇ!
「こ、こう・・・あの、恥ずかしいね。へへ、」
「・・・もしかしてその時バイブでほぐした?」
「ひぇっ!?え?違うよ!」
「本当に?こんなことしてお尻疼かなかった?」
「な、ないよ。だって、集中して、練習してたし・・・」
「ふぅん?・・・エッチなまんこ、疼かなかった?」
「んぅっ、」
つん、と乳首を突いて耳元で囁くと、体が跳ねた。
「・・・おれに跨るの想像して、1人でしなかったの?」
「し、してないもん、・・・するなら、わたくんと、したいもん・・・」
「甘えてるね。わたくんって呼ぶもんね」
「えっ、」
「無意識?可愛い」
顔が真っ赤に染まる。おっと、危ない。また襲うところだった。
「あ、いや、つまりね??勉強はしなくていいし変なことも言わなくて良いよ?ってことです。分かった?」
「・・・確かに、雑魚まんこは、ちょっと、嫌だったかも・・・」
「う、うん。ごめんね?」
「ていうか、ま、まんこ、じゃ、ないし!アナルでしょ?」
そういうことじゃない気がするんだけども!?
でも、まぁ、可愛いからいいか・・・。
「おれも、酷いこと言ってごめんね?こんなに立派なのに・・・」
両手で包んで撫でられる。これ、素でやってんだよ。信じられないでしょ?今、下心ゼロなんだよこの子。
「・・・可愛いね。柔らかくて、あったかくて、なんか、生まれたての動物の赤ちゃんみたい」
「・・・」
「許して、くれる?」
「う、うん・・・つーか、ケアというのは、こういうことですので、ちゃんとしてくれるなら、別にまた言っても・・・」
「え?怒ってたのに?」
「プレイだって分かればいいよ。昨日は出し切ったーって言った後に言われてプライドが傷ついたというか・・・」
「あ、そ、そっか・・・。もっとしたくて、ごめんね?」
ち、ちんこに向かって、謝ってるし・・・!!
天然すぎんだろ・・・!!
可愛すぎんだろ・・・!!
「・・・昨日は、ヤキモチが止まらなくて、ずっとモヤモヤしてて、・・・せめて、体だけでも求めてって思っちゃってて・・・」
「それは1番よくないよ。おれら、付き合ってて恋人同士なんだよ?相手が傷つく考え方はしちゃダメ」
「うん。・・・でも、んと、ヤキモチ、は、わたくんの、せいだから・・・」
「ん?」
「・・・ご、ご機嫌、取らないと、ダメなんだよ・・・」
「・・・」
「わっ!?ちょっと、何で大きくなるの!?」
「むしろ何でならないと思ってたの!?」
「わ、わ、収まりきらなくなっちゃったじゃん!せっかく撫でてたのに・・・」
「馬鹿!余計に煽ってどーすんの!?もー!」
「煽ってないもん!」
「ていうかさ!休みなら休みって言ってよ!知ってたらもっとエッチできたしお風呂でもエッチできたし、玄関で即ハメだってできたじゃん!」
「和多流くんがいきなり飲みに行くって言うから黙ってたんじゃん!!よ、喜ぶかなと思って、お迎えに来てもらった時に言おうと思ってたのに!!和多流くんが悪いんだ!」
「悪くねーもん!おれだって急に用事が入ることくらいあるし、ちゃんと連絡を入れて、」
「じゃあおれも!今日は軍司くんのところ行ってご飯食べてこようかな!」
「はぁ!?絶対行かせないから!!」
「ちゃんと言ったもん!言ったからいいんでしょ!」
「よくない!!行かせない!!そもそも良いよって言ってないし!!今から抱くんだから!!」
「えっ、え、するの!?」
「しますよ?今更何言ってんの?まずはお風呂。ほら、行くよ」
「・・・体洗っていーの?」
「うん」
「・・・えへへっ」
な、何、何で急に、照れるのさ。
可愛いじゃんかよぅ。
さっきまで言い合いしてたのに。
ぶにゅっとほっぺを摘むと、また笑って抱きついてきた。くしゃくしゃの髪の毛を撫でる。
突拍子もないし、突っ走るし、急に落ち込んだり笑ったり、忙しい子。でもさ、この、振り回されてる感じ?全然嫌じゃないんだよね。
「全身くまなく洗ってね」
「うん。えへへ。新しいガーゼタオル買った」
「背中用の?」
「うん。それで洗ってあげる。へへ」
「ありがと」
「・・・萎えないねぇ」
「まぁある意味雑魚ちんぽですね」
「えー?ムキムキだよ。だって筋、見えるもん。ほら、ここ」
ぷにぷにと触られて、もう限界。
抱え上げてお風呂に走った。今日は一歩も外に出ません!!
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