Evergreen

和栗

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P-Day1-

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「ごめん、勃たない」
和多流くんとしたくて、頑張って、夜に声をかけた。
少しだけ無理やりな感じでされたあの日から、和多流くんが何もアクションを起こしてこなくなったので、やっぱり気まずいのかなと思って誘ったのだけど、頭を下げて謝られた。
ザッと血の気が引いた。
「・・・え、あ、・・・おれ、おれが、もう、」
「違う。ごめん、違うんだ。その・・・」
「・・・あ、うん、・・・や、おれも、誘っちゃってごめん・・・」
「いや、無茶苦茶嬉しいんだけど、やっぱ、ちょっと怖いのと・・・」
「と?」
「・・・今、涼くんが尊すぎて後光が差して見えるから、勃たない。ごめん」
「・・・は?尊い?後光・・・?」
「涼くんが神様に見えるんだ。あまりにも美しいものを見ると性欲って消えるでしょ?」
これは、非常にまずいかもしれない。
あまりにも真剣に言うもんだから、おれは否定の仕方を忘れてしまった。


******************


「成瀬さん、シロさんから神様に見えるとか言われたことあります?」
「お前が変な宗教にハマるのは一向に構わないが、他人に押し付けるのは間違っている」
「違います!」
成瀬さんが顔をしかめたので慌てて訂正する。
相談できる人がいないのでついつい成瀬さんに話を聞いてもらおうとしたけど、全部説明するのは恥ずかしかった。
かといってかいつまんで説明しても通じなさそうだし、どうしたらいいんだ。
公園のベンチに腰掛けたまま、ぼんやりと空を見る。
大きなお弁当をきれいに食べ尽くした成瀬さんはおれの手元を見た。
「お前は弁当とか持ってこないのか?」
「あ・・・作る習慣もないし、持ってくる習慣もなかったから、考えたことなかったです」
「サンドイッチだけで足りるのか」
「慣れちゃってて・・・結構足りますよ」
最近、成瀬さんはこうやっておれのことを聞いてくるようになった。でもずけずけと土足で踏み荒らすことはしなくて、玄関先で立ち話をする感覚に似ている。
少し前の和多流くんと同じ感じ。
「おれは今日、実家に帰る予定なんだが」
「え?あ、はい?」
「シロは暇してるんじゃないか。納品が終わったから」
「・・・え、と・・・声かけてもいいんですか?」
「おれじゃお前の相談にはのれない。シロの方が話しやすいだろ」
「他の男といても、いいんですかって意味です・・・」
「別に」
「・・・すご、余裕ですね」
「お前がシロに興味ないことくらい分かる」
シロさんのこと、すっごい信頼してるんだな。
かっこいいな。余裕があるって。おれは和多流くんが飲みに行く時、すこーしだけ不安になるのに。
最近はあまり行かないし、行くとしたら連れて行ってくれるけど。
「じゃぁ、あの、連絡させていただきます」
「別に許可なんか取らなくていい。友達なら、気兼ねなく誘えばいいだろ」
「はい」
「お前はおれが藤堂さんと2人で会っていたら嫌か?」
2人が並んでお酒を飲んでいるところを想像する。周りから見たらため息もののカップルだろうけど、どっちも化け物級に酒に強いし、酔わないからつまんないんじゃなかろうか。話す内容も、多分シロさんの話が中心だろうし・・・和多流くんからシロさんの話をされて、成瀬さんがヤキモチを妬く姿も想像できない。
て、いうかそもそも成瀬さんは和多流くんのタイプじゃない気がする。どちらかと言えばシロさんの方が好みだと思う。
でもシロさんと飲んでても全くそんな雰囲気にならないし・・・。なってたら成瀬さんと別れてるだろうし、おれも和多流くんと付き合ってないような・・・。
「あれ?嫌じゃないな・・・」
「その感覚と一緒だ」
「想像したけど、つまんなそうだなって・・・。2人ともお酒強いし・・・お金ばっかりかかりそう」
「あぁ。つまらんだろうな。顔にも態度にも出ないからな。おれは」
「シロさんは服とか脱ぎ始めそうですよね」
「よく分かったな。あいつに限界まで飲ませると服を脱ぎ始めるし、全裸になろうとするから、飲みたい時は家で飲ませるようにしてるんだ」
「た、大変すね・・・おれは寝ちゃうからなぁ」
「そりゃ藤堂さんも気が気じゃないだろうな。だからおれと飲んだ時わざわざ迎えに来たのか」
「え?いやいやあれは、単純にお客さんと会った帰りだったって、言ってました」
答えると、成瀬さんはじとっとおれを見つめた。
え、なんか変なこと言ったかな。
「お前、ガキだな」
「え!?ちょ、酷っ!」
「あんまり酒、飲むなよ」
「お、おれだってちゃんとコントロールできるんですから、ガキはやめてください」
「ふんっ、ガキめ」
べし、と額を叩かれた。
なんだよ、もう。


******************


「僕に相談ってどうしたの?」
夜、待ち合わせていたバーのテーブル席についた瞬間、シロさんは言った。
「あ、成瀬さんに、なんか聞きました?」
「変な宗教にハマったかもしれないって」
「ハマってないです!」
「あはははは!ジョーダンよ!」
なんだよなんだよ。みんなしてからかって。
和多流くんに飲んでくるって連絡した時も、あまり飲まないようにってくどくど言われたし。
「で、どうしたの?」
「・・・からかわないですか?」
「からかわないけど、わたくんがいじめたくなっちゃうの分かる気がするー。美喜ちゃんとはまた違った真面目ちゃんって感じ」
「・・・からかってますよね」
「バレた?あはは。相談は真面目に聞くよ」
「・・・わたくんと、仲、いいんですよね」
「うん。友達よ」
「・・・あの、んと・・・」
やば。
なんで相談したらいいかわからない。
セックスしてくれないとか、こんな相談和多流くんにしかしたことないし・・・。
どう話せば・・・。
成瀬さんに言った時のように話したら、また変にからかわれそうだし・・・。
「あの、」
「うん」
「・・・・・・EDになったことありますか」
「・・・は?」
「あ、ちが、あの、」
「春日部くんがそうなの?」
「や、おれは、違う・・・」
「ぶ、く、・・・!ちょ、やだぁ・・・!わたくん?わたくんなんでしょ?」
わぁー!和多流くんごめん!
否定しても絶対信じないこの人!
愉快そうに笑い、何度も落ち着かせては吹き出している。
「絶倫の名が廃るわねぇ。ザマーミロ!あはははは!」
「や、あの、おれ真剣なんです!」
「知ってる知ってる。んふっ、ふっ!でもごめん、ちょっとおかしくて。死活問題よねぇ」
「・・・おれのせいかも、って、・・・」
「なんか原因とかあるの?」
「・・・か、神様みたいって、訳わかんないこと言われて・・・尊いから、勃たないって・・・なんか隠してるのかな・・・だから変なこと言って誤魔化すのかなって・・・」
「多分本心だよ」
いや、それはそれで困るんだけど・・・意味がわからなさすぎて不安になるんだけど・・・。
シロさんを見ると、少し笑っておれを見ていた。
恥ずかしくて目を逸らす。
本当に、きれいな顔の人だな・・・。
何で和多流くん、こんなにきれいな人のこと好きにならなかったんだろう。
おれより話しも合うだろうし、きれいだし、2人で並んでたらお似合いだと思うんだけど・・・。
成瀬さんがいるから、かな・・・?
お互いに対象外だったのかな・・。
白く光る髪の毛が、視界の端で揺れた。
つい目線を上げると、目があった。
「僕もね、美喜ちゃんが神様みたいに見えること、あるよ」
「え、」
「何で僕なんかといるんだろうって。神様みたいに優しいからなんだって思うんだ」
「・・・成瀬さんは、シロさんのこと、本当に好きで、大切だから、一緒にいるんだと思います」
「どうして分かるの?」
「だって、大切じゃなかったら、成瀬さんは・・・切ってるから・・・」
「切る?」
成績が上がらない生徒を下のクラスにうつしたり、分かりづらい説明をする非常勤の先生の教育を打ち切ったり、唯一、成瀬さんの苦手なところといったら、そういうところだった。
見捨てられたくなくて、最初は必死だった。
食らいつかないとついていけないと思った。
最近ようやく普通に話せるようになってきたのだ。
「じゃぁ春日部くんのことも大事なんだ」
「・・・どうなんですかね。おれは、成瀬さんのこと、憧れとして見てて・・・。最近色々話をするようになって、恋人がいることを知って・・・あ」
「ん?」
「あいつはおれにはもったいないって、言ってたな・・・なんでだっけな」
「え、嘘。本当?」
「展覧会の後に、3人で少しコーヒーを飲んだ時に言ってたんだと・・・なんか、芸術家と暮らすってどんな感じなんですかって聞いたらそんな話になって、成瀬さんでもそんなこと思うんだーってびっくりしたんです」
シロさんが嬉しそうに微笑んだ。
グラスの縁を撫でると、背筋を伸ばす。
「もう、美喜ちゃんてば・・・可愛いな」
「・・・あの、神様みたいだって思うと、性欲って消えるんですか?」
「僕は消えないけど、わたくんはどうかなぁ。人それぞれだからね。でもね、エッチできなくなっても落ち込んでないんだから、とにかく春日部くんが大事で仕方ないんじゃない?」
「前に、和多流くんが、大事にする方法は一つじゃないって話をしてて・・・」
「今はじっくり愛でることが大事の方法なんじゃない?」
「めでる?」
「何が好きなのか、何を考えているのか、どう感じているのか思っているのか、知りたくて見つめていたいんだよ。じっくりね」
「じっくり・・・じゃぁ、不安にならなくて、いいんですかね・・・」
「不安なんか必要ないよ。不満は伝えるべきだけど」
あ、そうか。
おれ不安なんじゃなくて、不満なのか。
ハッとした。
おれ、自分の感情を間違えてたんだ。
だからもやもやしてたんだ。
「そっか、不満は、伝えるべきですよね」
「そうよ。インポは嫌いって言ってやればいいのよ」
「や、多分、違うんで言わないです」
「つまんなーい」
「あの、ありがとうございました。おれ、自分の感情ちゃんと解ってなかったんで、話せてよかったです」
「そう?よかった。じゃぁもう一度乾杯」
グラスを優しく重ねて、口に運ぶ。
少しだけ雑談をして店を出ると、なぜか和多流くんが立っていた。
驚いて立ち止まると、シロさんが嫌そうな顔をした。
「ちょっとぉ。ストーカー?」
「違います。変なこと吹き込まれる前にお迎えに来ただけ」
「どーして分かったのよ、ここにいるの」
「それは秘密」
また、アプリ使ったのかな。
普段使ってないって言ってたのに。
シロさんは少し考えてから和多流くんに近づくと、耳元で何か囁いた。
ムッとすると、おれの腕を引いて歩き出した。
少し強引な引っ張り方に驚いたけど、感情剥き出しの和多流くんを見るのは、なんだか胸が締め付けられた。
振り返ると、シロさんが愉快そうに手を振っていた。
もー、何、言ったんだよ・・・。
内心焦っていると、裏道に入り急に立ち止まって壁に押しつけられた。
「うっ、く、」
「シロくんと何話してたの」
「・・・痛い」
「あ、・・・ごめん・・・」
小さく、でも強く抗議すると、困ったように怯んだ。
さっきシロさんに言われた。和多流くんは普段自分からぐいぐいきて自分の手のひらで転がそうとするから、それを逆手に取りなさいって。
少し緊張する。チラリと様子を伺うと、何とも言えない顔をしておれの肩を掴んだまま何かを言い淀んでいた。
「・・・何話してたのって、どうして?」
「・・・インポになったの面白いって言われた。何の話?」
「・・・和多流くんが抱いてくれないって話した。寂しいって」
「なん、で!シロくんに話すの!」
「だって他に聞いてくれる人いないもん」
「だからって、」
「だって和多流くんに言っても、勃たないって言うだけじゃん。その言葉がどれだけおれを寂しくさせるか、考えないの?」
「・・・考えて、ないわけないじゃん。おれ、昨日のことは後悔して、」
「おればっかりしたくって・・・おれ、すげーすけべみたいじゃん。嘘つき。絶倫って言ってたのに。毎日したいっていったら、おれもって言ったくせに」
「・・・怒ってる?あの、ごめんね」
わ、すごい・・・。和多流くんが焦ってる。
怒ったふりって、利くんだなぁ・・・。
少しの罪悪感と、なぜか分からないけど少しのときめきと、ドキドキ感。
怒らせないように慎重に言葉を選ぶ。
「背中、痛い」
「ごめん、ちょっと、頭に血が上った・・・」
「肩も痛い」
「あ、ごめん」
「・・・もう帰る」
「うん。車できてるから、」
「歩いて帰る!」
「・・・お、怒らないでよ・・・。ごめんね。・・・ねぇ、寂しいって、シロくんに言ったんだよね・・・?シロくんと、さ、・・・そういう、」
「おれのこと疑ってんの?」
しまった、という顔をして和多流くんは目を逸らした。いつもなら絶対にしないような失敗だった。相当焦ってるんだ。こんな姿見たことがない。
顔を手のひらで擦ると、苦虫を噛み潰したような顔でおれに向き直った。
「寂しい思いさせて、ごめん。おれだってしたいけど、でも、また痛い思いさせたらと思うと怖いんだ。それは、分かってほしい」
「・・・分かった。でも、おれの寂しい気持ちも分かってほしい」
「・・・ん・・・。ごめんね」
「・・・言うこと聞いてくれたら許してあげる」
ホッとした顔になる。
ちょっとキュンとした。
指を握ってみると、嬉しそうに絡めてくる。
ちょんっと軽く引っ張ると、安心したように近づいてきて優しく抱きしめてくれた。
和多流くんでもこんなふうに翻弄されることもあるんだなー。
可愛いかも・・・。いや、可愛い。
「何でも聞く。涼くんにそんなこと言われたら何だってしたい」
「・・・絶対?」
「うん。もちろん。何でも言って」
「・・・おうち帰ろ」
「うん」
ちゅっと優しい音を立てて耳元にキスをされた。
すごく、久しぶりにキスをした気がする。


********************


「・・・涼くん、これは酷い」
「何でもするって言ったじゃん」
家に帰ってきて、少し食事をしてお風呂に入った。もちろん2人で。
服は着ないで、ベッドに入った。
わざと和多流くんのペニスに太ももを押し付けると、びくりと跳ねた。
ちゃんと、勃ってるじゃん。
「気持ちいい。裸で抱き合うの」
「・・・これ、生き地獄だ・・・。すっげーいてぇ、ちんこ」
「ふははっ!ちんこ、だって。へへっ。勃ってるじゃん」
「勃つよ・・・。あんなふうに体洗ってもらって・・・」
動かないように指示して、丁寧に丁寧に、隅から隅まで洗った。
指先で撫でながら、手のひらを滑らせながら、何度も何度も。もちろんペニスも。
すぐ大きくなったけど、知らんぷりしてベッドに来たんだ。
「眠いなぁ・・・。少しお酒飲んだからすぐ寝られそう。和多流くんにもぎゅーってしてもらってるし」
「・・・あの、したいんだけど・・・」
「今日はこうやるだけって言ったでしょ」
「・・・ごめんなさい。謝るからお願い、したい」
「しません。しなーい。しないしない」
「~っ!あ゛ーー!!も、最悪!くっそぉー!昨日のおれぶん殴りてぇ!」
「わぁ!びっくりした!」
初めて聞いた叫び声に驚いて飛び起きる。
和多流くんも起き上がっておれを壁に押しつけ、壁に手をついた。
「ねぇ、待ては無理。ほんっと無理」
「・・・神様を抱くの?」
「・・・涼くんを、抱きたい」
「やっと分かってくれた?おれが人間って」
「いや、ほんと、尊いんだけど・・・理性が保てない。絶対乱暴にしないから、お願いします」
必死に食らいついてくるから、すごく嬉しい。
本当はおれもしたいけど、ここは我慢したい。
グッと堪えて、とんっと胸に指先を当てる。
「・・・したいことがあるんだ」
「何?何でもするよ。おねだり嬉しいし、涼くんと、」
「ポリネシアンセックスって知ってる?」
少しぽかんとした後、顔を歪めた。
あ、これは、知ってるな。
「したことある?」
「ないよ」
「したい」
「マジで言ってる?」
「マジ」
「・・・じゃぁ、今日は、」
「ぎゅってするだけ」
「そんなの酷すぎる」
「何でもするって言った。和多流くんは嘘つきなの?違うでしょ?約束守ってくれるでしょ?ね?」
頑張って上目遣いをすると、和多流くんは少しだけ顔を赤らめた。意外とベタなことに弱いって、シロさんに教えてもらっといてよかった。めっちゃくちゃ恥ずかしいけど。
目を合わせたまま首に腕を回すと、すかさずキスをしようと顔を寄せてきたので、本当はしたかったけど顔を背けた。
子供みたいに唇を突き出す。
「涼くんっ」
「キスは明日」
「キスくらい、いいでしょ」
「ダメだよ。ルールがあるもん」
「明日まで待てない」
「昨日まで全然近寄ってこなかったくせに」
「だ、からぁ!ごめんって、言ってるでしょ!」
「・・・怒るのやだ」
目を伏せると、慌てて何度も謝られた。
これって女の子がやると可愛いやつだと思うんだけど・・・。
和多流くん、こういうの好きなんだな・・・。
おれって今まで可愛げなくてつまんなかったかも。
たまにこういうことしたら喜ぶのかな。
「・・・泣いてる?」
「え?あ、泣いてない・・・。んと、キスは明日ね」
「・・・オナニーは?」
「・・・ルール上ダメなんだけど・・・おれの中で出したいなら、我慢してほしいかな」
「出したい。我慢する」
「おれがリードしてあげる」
「え?」
「その代わり、最終日は和多流くんにしてもらいたいなって。いい?」
「もちろん。何してもいいの?」
「ルールがあるから、それクリアしたらいいんじゃないかな」
「・・・おれのこと、怖くない?」
不安そうな顔になった。
どうしてそんなこと聞くんだろう。
「うん。ちっとも。和多流くんは怖い?」
「んー・・・やっぱ、少しだけ・・・」
「リハビリを兼ねてるんだ、これ」
「リハビリ?」
「うん。おれは大丈夫だよって全力で伝えて、和多流くんが気持ちいいことをしたいって素直に、それだけを思えるようになるように、リハビリ」
頬を撫でると、おれの腰を抱いてパタリと倒れた。
ぎゅーっと抱きしめられて、胸に顔を押し付ける。
肩を撫でてみると、さらに強く抱きしめられた。
「和多流くん?」
「大好きだよ」
「えへへ、おれも」
やばー・・・めっちゃくちゃ嬉しい。
和多流くんの肌が気持ちいい。
好きって言われて、天にも昇る気持ちだった。
ぎゅっと頭を抱え込んで抱きしめ返すと、背中を撫でられた。
何度も何度も好きだよ、を繰り返して目を閉じた。




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