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閑話① side バルトロメウス
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俺にはいけ好かない婚約者がいる。いつも、クールぶって対応してくるのだ。見た目も俺の好みじゃない。なぜ俺があんな奴と婚約しなければいけないのかと何度も思った。俺が婚約を解消したいと親父に行ってもダメだの一点張り。だから、会うたびに罵声を浴びせた。これであいつから婚約を解消してくれると思った。
しかし、あいつは婚約を解消してくれなかった。俺はそこで気づいたのだ、あいつは俺のことが好きなのだと。だけど、俺の好みではないし、どこをとっても俺が好きになれるところがなかった。唯一あるとしたらあいつの親がお金を持っているくらいだ。
だから、あいつの親のお金を使って破産させてやろうと思ったのだ。そうすれば、あいつもどうしようもないので婚約はなくなると思った。俺は実際にやってみることにした。しかし、いくら使おうとあいつの家は傾かなかった。もっと使ってやろうと思ったが、親父に折角の金づるがダメになってしまうだろう!と叱られた。
俺はなす術もなく悶々として過ごした。このままあいつと結婚をしてしまうんじゃないかと思うと憂鬱な気分であった。
しかし、俺に転機が訪れのだ。そう、隣国の姫アレクサンドラが我が領地に訪れたのだ。アレクサンドラはすごく美人で儚く物憂げなその表情、そしてすぐに倒れてしまいそうな弱々しくて守ってあげたくなるような人だった。さらに胸が大きかったのだ。実際に俺がエスコートをしようとしたとき旅疲れが出たのか俺に倒れ掛かってきた。その時の表情と胸が当たる感触は今でも忘れられない。ただただ、このような人を追い出した公国の奴らに怒りを覚えるばかりだ。そして俺はアレクサンドラに誓って公国を取り戻すことを決意した。その後俺はアレクサンドラとお茶をしたり散歩をしたりと楽しいひと時を過ごした。アレクサンドラは素晴らしい女性で、いつも俺を心配して気遣ってくれる。本当に俺の理想の女性であった。それにアレクサンドラの話によるとカミラは相当悪どいことをやっているらしい。あの何を考えているのかわからないカミラならやりそうなことだ。そんなこともあってますますカミラとの結婚が嫌になった。俺にふさわしいのはアレクサンドラだけだ。さらにアレクサンドラも俺を好きだと言ったのだ。俺は気持ちを抑えられなくなって親父の部屋に向かった。
「親父!! 俺の婚約者だが……」
俺がそう言いかけた時遮るように親父は言った。
「あぁ、そのことだが、エンデルス家との婚約はなしにすることになった。これからはお前のご執心のアレクサンドラ嬢がお前の婚約者だ」
俺は驚いた。あれだけ俺が婚約を嫌だと言ってもテコでも動かなかった親父があっさりそう言ったのだ。
「本当か!!! 親父!!!」
俺は親父の肩を揺らしそう言った。親父は心底面倒臭そうに俺を抑えた。
「まぁ、落ち着け。本当だ。ただ条件がある」
親父は真剣な顔をした。
「何だ? 誰かを殺せばいいのか?」
「いや、違う。実はゴーティエ家には隠し財宝があるらしい。それは相当なもので我が一族が遊んで暮らせるほどあるらしい。お前にはその情報をアレクサンドラ嬢から聞き出して欲しいんだ」
俺は何がなんでもアレクサンドラを婚約者にしたかったからすぐに同意した。
「わかった。俺に任せろなんでも聞いてやる」
親父は不安そうな顔をして言った。
「頼むぞ」
俺はすぐにこのことをアレクサンドラに知らせるために親父の部屋を後にしたのだ。
しかし、あいつは婚約を解消してくれなかった。俺はそこで気づいたのだ、あいつは俺のことが好きなのだと。だけど、俺の好みではないし、どこをとっても俺が好きになれるところがなかった。唯一あるとしたらあいつの親がお金を持っているくらいだ。
だから、あいつの親のお金を使って破産させてやろうと思ったのだ。そうすれば、あいつもどうしようもないので婚約はなくなると思った。俺は実際にやってみることにした。しかし、いくら使おうとあいつの家は傾かなかった。もっと使ってやろうと思ったが、親父に折角の金づるがダメになってしまうだろう!と叱られた。
俺はなす術もなく悶々として過ごした。このままあいつと結婚をしてしまうんじゃないかと思うと憂鬱な気分であった。
しかし、俺に転機が訪れのだ。そう、隣国の姫アレクサンドラが我が領地に訪れたのだ。アレクサンドラはすごく美人で儚く物憂げなその表情、そしてすぐに倒れてしまいそうな弱々しくて守ってあげたくなるような人だった。さらに胸が大きかったのだ。実際に俺がエスコートをしようとしたとき旅疲れが出たのか俺に倒れ掛かってきた。その時の表情と胸が当たる感触は今でも忘れられない。ただただ、このような人を追い出した公国の奴らに怒りを覚えるばかりだ。そして俺はアレクサンドラに誓って公国を取り戻すことを決意した。その後俺はアレクサンドラとお茶をしたり散歩をしたりと楽しいひと時を過ごした。アレクサンドラは素晴らしい女性で、いつも俺を心配して気遣ってくれる。本当に俺の理想の女性であった。それにアレクサンドラの話によるとカミラは相当悪どいことをやっているらしい。あの何を考えているのかわからないカミラならやりそうなことだ。そんなこともあってますますカミラとの結婚が嫌になった。俺にふさわしいのはアレクサンドラだけだ。さらにアレクサンドラも俺を好きだと言ったのだ。俺は気持ちを抑えられなくなって親父の部屋に向かった。
「親父!! 俺の婚約者だが……」
俺がそう言いかけた時遮るように親父は言った。
「あぁ、そのことだが、エンデルス家との婚約はなしにすることになった。これからはお前のご執心のアレクサンドラ嬢がお前の婚約者だ」
俺は驚いた。あれだけ俺が婚約を嫌だと言ってもテコでも動かなかった親父があっさりそう言ったのだ。
「本当か!!! 親父!!!」
俺は親父の肩を揺らしそう言った。親父は心底面倒臭そうに俺を抑えた。
「まぁ、落ち着け。本当だ。ただ条件がある」
親父は真剣な顔をした。
「何だ? 誰かを殺せばいいのか?」
「いや、違う。実はゴーティエ家には隠し財宝があるらしい。それは相当なもので我が一族が遊んで暮らせるほどあるらしい。お前にはその情報をアレクサンドラ嬢から聞き出して欲しいんだ」
俺は何がなんでもアレクサンドラを婚約者にしたかったからすぐに同意した。
「わかった。俺に任せろなんでも聞いてやる」
親父は不安そうな顔をして言った。
「頼むぞ」
俺はすぐにこのことをアレクサンドラに知らせるために親父の部屋を後にしたのだ。
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