その都市伝説を殺せ

瀬尾修二

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三章

二十三話

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 和義は、早紀や達也の身を案じていたが、彼自身も精神的に追いつめられており、人に気を回す余裕が無くなりつつあった。山田家の面々や家族との歓談で、少し気が晴れたと思っていたら、昨夜の悪夢と化け物の襲来である。
(しかも、友人達が化け物と戦っているだと? 馬鹿馬鹿しいにも程がある…)
 そう思っていなければ、恐怖から叫び出したくなる気持ちを抑えきれなかった。(殺意を持った化け物達が、自分を標的にしたらどうする?)という思考に陥ってしまうからだ。
 「彼を守っている」と言われた化け物の存在も、あまり気持ちの良いものではない。
 鎧の付喪神は、ニメートル近くもある巨躯だ。鎧の内部は空洞で、兜・胴体・小手・すね当て等が宙に浮かんでいる。濃紫の霊気を体中から放ち、地面より数センチ上を滑るように移動してた。
 獅子に迫る体長と、恐ろしい形相を持ち合わせている大鼠は、猛獣と言っても違和感がない。
 この化け物達は、和義と口を交わすつもりが無いようだ。
(早紀が寄越したというが、信用に足る存在なのか?)
 彼は、複数の霊力を感じ取った場所から、離れるように進路をとった。普段は使わない道を早歩きしていると、雑木林を分断する薄暗い小径に入る。放棄された林なのか、細い木々が雑然と広がっており、どこか気味の悪い場所だった。
 突如、胸騒ぎを覚える。火急に行動を起こさなければと、何故か気が逸るのだ。ただ、具体的にどうしたらいいのかが分からない。
 焦りがやがて恐怖となり、その変化に伴って足を早め、遂には走り出す。
 林から抜け出す寸前になっても、何も起こらなかった。
(もう少しで出られる)
 そう思い気を緩めた瞬間、全ての景色が塗り変わった。
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