こおにの手紙

箕面四季

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こおに、手紙を書く その6

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「できたぞ。問題はどうやって届けるかだ」

 子おには、うで組みをして考えました。



「おれが運んでやろう」

 こ~ん、と飛びはねたのはキツネです。


「ただし、カッパのへそをくれたらね」


 カッパのへそとは、空色のおにが持っている、雨を降らす道具のことです。
 カッパのへそに水を一滴たらすと、たちまち空から雨を降らせることができるのです。


「明日の愛娘の結婚式に、すばらしい天気雨を降らせてやりたいんだ。式が終わったら、ぴゅーっと二日で手紙を届けてやるさ」

 子おには少し考えました。
 かっぱのへそは、大切な宝物だったからです。



「みえちゃんのためだもんね」



 みえちゃんのぴかぴかの笑顔が見たくて、子おにはカッパのへそをキツネにわたしました。

 キツネは、風のように去っていきました。





 ところが、一週間が過ぎてもひげもじゃ神さまからの返事はありません。



 それもそのはずです。

 手紙は届いていなかったのです。
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