こおにの手紙

箕面四季

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はつこい その1

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 その様子をおさいせん箱の裏からこっそり見ていたものがありました。

 一本角を持った空色の子おにです。



「みえちゃんは今日もかわいいなぁ」


 子おにはほっぺたを夕日色に染めて、ぐふふと笑います。
 両手いっぱいにお供え物のよもぎもちとごまだんごを抱え、もしゃもしゃと食べながら、子おにはうっとりしました。


「みえちゃんのお肌は、つきたての白餅よりもやわらかいし、お目目はザラメたっぷりのこしあんよりもつやつやだ。トメばあさんも、ヤスコさんもみんな好きだけど、みえちゃんみたいにつやつや、ぴかぴかな子はいないぞ」

 八十八神社にやってくるのはお年寄りばかり。


「人間ってしわしわだな」

 そう思っていた子おにが、初めてみえちゃんを見たときの衝撃といったらありません。
 かみなりがどどんと落ちて、頭にイナヅマがピカリと走ったみたいだったのです。



 それからずっと、子おにはみえちゃんが大好きなのでした。

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