タチバナ

箕面四季

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空蝉の声

モルモットのマッチングサイト

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「ナツ先生、モルモットのマッチングサイトって知ってます? これっすけど」

 高杉君が見せてきたのは、モルモットの飼い主たちがペットのモルモットの伴侶を見つけるためのマッチングサイトだった。
 ペットのモルモットと飼い主のプロフィールを記入して、それぞれの写真を添付するらしい。

「ほら、この子とか可愛くないっすか? オレもモルちゃん飼おうかな」
「高杉は、飼い主が目的でしょ」

「山田、そんな汚物を見るような目をむけるなよ。オレ、泣くよ?」
「泣けば?」

「ナツ先生、山田のこの態度どう思う? 酷くね?」
 返答に困った時は、とりあえず微笑んでおく。

 近頃、高杉君と山田さんは仲がいい。

 佐々木さんに猛アプローチを繰り返していた高杉君は「何度告白されても、無理です」と、佐々木さんにきっぱり断られ、数日落ち込んでいたが、「失恋の痛みは、新しい恋でしか癒せない」と、すぐさま新しい恋に向かって迷走し始めた。

 ああだこうだと言い合う高杉君と山田さんを眺めて、付き合いだすのは時間の問題だなと微笑ましく思う。
 他人の恋愛を微笑ましく感じている自分にちょっと驚く。

 モルモットのマッチングサイトか。

 人間はさておき、生物にとって子孫を残すことは重要だ。

 さっそく染谷さんに相談してみようと、考えていた。
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