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<心配>

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「……ガオンさん何時の間にか、囲まれちゃってます」

何本もの蠢く蔓の先が、ガオン達を捕食しようと取り囲む。

だが怯えるゴブリンの男女を横目に、ガオンは笑い飛ばす。

「ガハハ、デカイが斬れば只の草だろう」

「……草って、大きさではニャいですわ」

「お嬢様心配なさらずとも大丈夫です、きっとガオン様ならば草刈り同然なのです」

ゴブドとウルルとジトー達が円陣を組み、蔓を警戒する中。

ゴブドが活躍する間も無く、宣言通りガオンは手当たり次第蔓を斬り倒し。

一面に蔓の山を量産して、笑い飛ばすのだった。

「ガハハ。ところでゴブド、お前はソイツと結婚しないのか?」

「そんな会ってすぐには、結婚出来ないですよ普通は……」

予想もしていない質問にゴブドは、慌てて両手を振り。

だがゴブリンの女性は興味有りそうに、ゴブドを見つめている。

「そのとおりですわ、私だってガオン様ではニャかったら結婚してないですわ」

「ガハハそうなのか、良かったではないか」

他人事の様にガオンは笑い飛ばし、ジトーがウルルを宥める。

一難去って、ガオン達が笑い有っていた頃。





焦る気持ちが止まらない、頼むから早く着いてくれ。

「あっちの方角ですわ」

指示は的確だから、確実に近付いてはいるのだろうが。

走るのは大変だろうと、クーガーに二人乗りしたのは失敗だった。

最初は偶々当たっているのかと思ったが、違うなネズの野郎。

さっきから、ずっと俺の後頭部を舐めてやがる。

普段も舌が出てる時が在るからと、気付かないフリして黙っていたが。

チクショウ舐めた事しやがって、其処だけハゲたらどうしてくれるんだ。

コイツ俺が何も言わないと解ったら、どんどん調子に乗りやがって。

最初は俺の身体を掴んでいた両手も、今はガッツリ後頭部を掴んでやがる。

エミリの事も当然心配だが、今は首を捻挫しないか不安で仕方ない。

頼むから早く着いてくれ。

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