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<デジャブ>
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飛び掛かって来た兎をなんとか避け、反撃を試みるがとにかく角が邪魔だ。
兎は角を活かした絶妙な角度と位置取りで、俺をジリジリと人壁へ追い詰める。
現実世界では黒い悪魔Gにすら苦戦するのに、いきなり角付きの魔物とは。
せめて武器くらい渡せよ、あのカタカタ野郎。
其れに昨日助けてくれた獣人。
のんびり腕組んで観てんじゃね-、今こそ助けてくれよ。
思い虚しく、戦闘は止まる気配も無い。
再び飛び掛かって来た兎を辛うじて避けて、掴み床に投げつける。
すかさず何度か踏みつけ、兎は動かなくなった。
なんとか倒す事は出来たが、踏みつけた感触が残っていて後悔感が止まらない。
だが俺も命懸けなのだ。
此れで牢屋に戻る事が出来ると喜ぶ日が来るとは、不思議なものだ。
さあ早く牢屋に連れ戻せ。
そんな願い虚しく、骸骨兵はピクリとも動かない。
おかしい。嫌な予感がしてきたぞ。
安心していたのも束の間。
またもや向こう正面から骸骨兵が現れ、今度はコウモリを連れている。
まさか。オイ、ふざけんじゃねー。
今、勝ったばかりじゃねーか。
心の叫び虚しく、コウモリは放され。
呼吸も整わない中、再びゴングが鳴らされる。
心の準備も何もねー。
なんて考えてる場合じゃない。
コウモリはバサバサと宙を飛びながら、明らかに攻撃の隙を窺っている。
試しに殴りかかってみるが、コウモリはサラリと避けてしまい当たりそうにない。
襲って来た瞬間を狙うしかないか。
俺の作戦を見抜いているのか、コウモリも安易には襲って来ない。
試しに視線を逸らして、敢えて隙を作ってみる。
狙いどうりコウモリは急下降してきて、襲って来た。
今だ。すかさず拳を突き出すと、カウンターがコウモリの顔面に直撃してコウモリは動かなくなる。
其れと同時に頭に機械的な声が響く。
LV2に上がり[拳闘・弱][能力擬態]を取得しました。
拳闘・弱って、またもや役にたたなさそうなスキルだな。
だが能力擬態の方は何だか良さそうだ。
慌ててステータスオープンを唱え、確認してみる。
<擬態Lv4能力擬態>
<角創成>
自身任意の箇所に角創成・消失する事が出来る。
<超音波探索・回避>
暗闇でも人や壁の距離感が解り、攻撃の回避率上昇。
此れは悪くないぞ。
其れにさっき来る前に言ってた能力。
<擬態Lv3姿真似>
触れた相手に擬態する事が出来る。
此れも悪くない。
観客だらけの今は使えないが、状況次第で此所から逃げる事が出来るかもしれない。
其れにLVが上がった事でMPも回復している。
やっとチャンスが巡って来たのか。
此れなら生き残れるかもしれない。
二戦連続勝利という予想以上の結果に、観客の魔物達は不満そうに騒ぎだす。
「次はオデが殺る」
「殺せ・殺せ」
ブーイングと云うには余りにも柄が悪く、味方は0。
人間だと、勝利の余韻に浸る事すら出来ないのか。
だが流石にもう良いだろ。
さあ早く牢屋に連れ戻せ。
そんな願い虚しく、骸骨兵はピクリとも動かない。
なるほど此れがデジャブというやつか。じゃねーよ。
おい。さっきと同じ雰囲気じゃねーか。
もしかして死ぬ迄続くんじゃねーだろうな。
心の叫び虚しく。またもや向こう正面から骸骨兵が現れ、今度は蜘蛛の魔物を連れている。
彼女を守る為に生き延びる、なんて思っていたが無理だ。
きっと此れは死ぬ迄終わらない。
兎は角を活かした絶妙な角度と位置取りで、俺をジリジリと人壁へ追い詰める。
現実世界では黒い悪魔Gにすら苦戦するのに、いきなり角付きの魔物とは。
せめて武器くらい渡せよ、あのカタカタ野郎。
其れに昨日助けてくれた獣人。
のんびり腕組んで観てんじゃね-、今こそ助けてくれよ。
思い虚しく、戦闘は止まる気配も無い。
再び飛び掛かって来た兎を辛うじて避けて、掴み床に投げつける。
すかさず何度か踏みつけ、兎は動かなくなった。
なんとか倒す事は出来たが、踏みつけた感触が残っていて後悔感が止まらない。
だが俺も命懸けなのだ。
此れで牢屋に戻る事が出来ると喜ぶ日が来るとは、不思議なものだ。
さあ早く牢屋に連れ戻せ。
そんな願い虚しく、骸骨兵はピクリとも動かない。
おかしい。嫌な予感がしてきたぞ。
安心していたのも束の間。
またもや向こう正面から骸骨兵が現れ、今度はコウモリを連れている。
まさか。オイ、ふざけんじゃねー。
今、勝ったばかりじゃねーか。
心の叫び虚しく、コウモリは放され。
呼吸も整わない中、再びゴングが鳴らされる。
心の準備も何もねー。
なんて考えてる場合じゃない。
コウモリはバサバサと宙を飛びながら、明らかに攻撃の隙を窺っている。
試しに殴りかかってみるが、コウモリはサラリと避けてしまい当たりそうにない。
襲って来た瞬間を狙うしかないか。
俺の作戦を見抜いているのか、コウモリも安易には襲って来ない。
試しに視線を逸らして、敢えて隙を作ってみる。
狙いどうりコウモリは急下降してきて、襲って来た。
今だ。すかさず拳を突き出すと、カウンターがコウモリの顔面に直撃してコウモリは動かなくなる。
其れと同時に頭に機械的な声が響く。
LV2に上がり[拳闘・弱][能力擬態]を取得しました。
拳闘・弱って、またもや役にたたなさそうなスキルだな。
だが能力擬態の方は何だか良さそうだ。
慌ててステータスオープンを唱え、確認してみる。
<擬態Lv4能力擬態>
<角創成>
自身任意の箇所に角創成・消失する事が出来る。
<超音波探索・回避>
暗闇でも人や壁の距離感が解り、攻撃の回避率上昇。
此れは悪くないぞ。
其れにさっき来る前に言ってた能力。
<擬態Lv3姿真似>
触れた相手に擬態する事が出来る。
此れも悪くない。
観客だらけの今は使えないが、状況次第で此所から逃げる事が出来るかもしれない。
其れにLVが上がった事でMPも回復している。
やっとチャンスが巡って来たのか。
此れなら生き残れるかもしれない。
二戦連続勝利という予想以上の結果に、観客の魔物達は不満そうに騒ぎだす。
「次はオデが殺る」
「殺せ・殺せ」
ブーイングと云うには余りにも柄が悪く、味方は0。
人間だと、勝利の余韻に浸る事すら出来ないのか。
だが流石にもう良いだろ。
さあ早く牢屋に連れ戻せ。
そんな願い虚しく、骸骨兵はピクリとも動かない。
なるほど此れがデジャブというやつか。じゃねーよ。
おい。さっきと同じ雰囲気じゃねーか。
もしかして死ぬ迄続くんじゃねーだろうな。
心の叫び虚しく。またもや向こう正面から骸骨兵が現れ、今度は蜘蛛の魔物を連れている。
彼女を守る為に生き延びる、なんて思っていたが無理だ。
きっと此れは死ぬ迄終わらない。
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