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お家デート

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早いもので和真くんと付き合いはじめて2ヶ月が過ぎた。

今日は和真くんのお家にお邪魔する事になった。家まで迎えに来てくれて手を繋いで和真くんのお家に来た。ほんとに私の家から5分の距離だった。


玄関のドアを閉めて鍵をかけると和真くんは私を抱きしめて唇を重ねた。ヌルリと舌を入れてきてクチュクチュ私の口の中を掻き混ぜる。

今まで何回か唇を合わせるだけのキスはされたけどこんなに激しいのは初めてだ。ちゅうっと舌を吸われて立っていられなくなった私の身体を支えながら和真くんが囁いた。

「はぁ…ちょっと早急すぎたよね?ごめんね瑠奈。我慢出来なくて…」

「…ううん。ビックリしたけど、和真くんに求められて嬉しいから……」

靴を脱いだ私は和真くんにお姫様抱っこされソファの上に降ろされた。和真くんはキッチンでお茶を淹れてきてくれた。物が少なくシンプルですっきりした部屋は和真くんらしい。

ソファに腰掛けた和真くんに膝の上に向かい合わせに乗せられて、私はいつもの癖で彼の首にギュッとしがみついた。


「……和真くんが好き過ぎて胸が痛くなる。今でも私は不思議に思うの。何でザ平凡って感じの私と和真くんが付き合ってくれるのかなって。前に和真くんはモデルやってる綺麗な子や美少女コンテスト優勝者の子に告白されてたのに断ったみたいだし。和真くんが私を好きだと言ってくれる気持ちを疑う訳じゃないの。信じてるから。でもね…私自身が和真くんに釣り合わないなぁって、もっと可愛かったら良かったのになぁって…キラキラ輝いて綺麗な和真くんが眩しすぎて…私、何だか気後れしちゃって…」

話している途中から私を抱きしめている和真くんの腕に段々と力が籠もってきて痛いくらいになってきた。

「俺から離れるなんて許さないよ?」

「違うよ!私は和真くんが大好き。私が和真くんから離れるとしたら和真くんが他の子に心変わりした時だよ」

「っ!瑠奈…冗談でもそんな事2度と言うな」

「ッッ!ごめんなさい…」

なだめるように和真くんが私の背中を優しくさする。私は和真くんの肩に顔を埋めた。

「はぁ…俺の方こそ大きな声出してごめんね。さっきの話だけど俺めちゃくちゃ腹立ってる。俺が好きなのは瑠奈だけ他の誰でもない!平凡?平凡って瑠奈の何処が?瑠奈は自己評価低すぎるよ!俺ほんとは前から瑠奈の事を可愛いなと思って見てたんだ。いつもニコニコしてパッツン前髪が可愛い瑠奈が目に入ってきた。気が付けば俺は瑠奈を目で追ってたんだ。たまにすれ違う時に頬を染めて目をキラキラさせて俺を見てくれてたから……好かれてる自信はあった。」


「そう…なんだ?和真くんに見られてたなんて何か恥ずかしいっ」

和真くんは私の耳元でクスクス笑いながら背中をさする腕に力をこめて私を抱きしめる。

「うん。もうぶっちゃけるけどほんとは俺から瑠奈に告白するつもりで機会を伺ってたんだよね。だから瑠奈から好きだって言ってくれて本当に嬉しかった。」


「……和真くんっ」

嬉しくてどうしようもなくて胸がいっぱいになる。私の頬を両手で掴んで引き寄せた和真くんが真剣な顔で言ってくれた。


「だから俺と瑠奈は両思いなの!お互いがお互いを大好きで愛してるの!不安に思う要素なんて何もないんだよ?分かった瑠奈?」


私は何度もコクコク頷いて和真くんに抱き着いた。彼の背中に腕をまわしてぎゅうぎゅうしたら和真くんが苦しそうにうめいた。


「あっ!ごめん、苦しかったかな?」

腕を緩めて和真くんの顔を見上げると何とも切なげな表情をしている。不安になって尋ねると……

「や…あの、瑠奈って結構おっぱい大きいから当たって気持ち良くて…ちょっと…」

「は?えっ、おっぱい!?」

私はボボボーッと顔が真っ赤になった。うん当たり前だけど和真くんも男の子なんだ。そうだよね、付き合ってるんだから…いづれは、その、そう言うコトするよね。もちろん私は和真くんに全てを捧げるつもりでいる。

アワアワする私に和真くんは優しく微笑み頬を撫でる。

「焦らなくて大丈夫だから。俺は瑠奈を大事にしたい。無理に事を進める気もないし俺と瑠奈のペースでゆっくり愛を深めていこう?」


「ありがとう和真くん。私の欲しい言葉を欲しい時にくれる和真くんは凄いよ。私…和真くんが好きで好きでもう和真くんが居なきゃ生きていけないもん。キャッ!!」


和真くんの胸に押し付けられて顔面が潰されそう。タダでさえ低い鼻がぁー。


「瑠奈がプロポーズまでしてくれるなんて!うんっ結婚しようね。本番は俺から瑠奈に言うからね?はぁ…今日は最高の日だよ。瑠奈愛してるよ」


「……??う、うん……私もだよ?」


はじめてのお家デートは暴走気味の和真くんと楽しくお喋りをしたり合間でいっぱいキスをした。暗くなる前に家まで送ってくれて別れ際にまた優しくキスをしてくれた。


きっと私は前世でたくさん徳を積んできたか逆にあまりに悲惨な人生だった為に今生で最高級のご褒美の和真くんを与えられたのではないだろうか。


そんな事を考えながら私は心の底からこの幸せを噛み締めた。
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