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老犬の不思議な話と埋葬
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旅立つ3日ほど前から声も枯れがれのお爺さんが大きな声で家族を呼ぶようになった。必死に呼んで、私達が側に来ると顔をじっと見て安心してました。でもずっと近くに居ると嫌がるし気分屋でした。
あと、不思議と言うか…私はちょっと納得いかない出来事があります。お爺さんが旅立った当日に私は家の中の汚い箇所がどうしてか気になって朝から掃除をしてました。
ホコリまみれの母の部屋や台所の流しの下の収納棚、お鈴やお線香立てを置いている机の汚れに無性にイライラして。
拭き掃除をして不用品をゴミ袋にブチ込みあらかた全てを綺麗にしてホッとした数時間…
お爺さんは旅立ったのです。
思い出したのだけれど『前触れもなく亡くなる人は急に身辺整理をしたり部屋を掃除する』と聞いた事があり複雑な心境でした。
お爺さんってば自分の代わりに私にさせたのかな。はぁ…そんな事になるなら掃除したくなかった。
偶々重なった偶然かもしれないけど他にも当日にお爺さんはお腹の中のモノを絞り出すかのように数回、下痢便をしました。最後のほうは血便でした。嫌いな耳掃除も我慢しました。何度か嘔吐したので顔と身体も蒸しタオルで拭いて全身サッパリと綺麗になった状態でした。
自分の寝てた部屋も、拝む机も、身体も綺麗にして貰って旅立って行ったちゃっかり者のお爺さん。
凄いワンコだったと思う反面なんだか切なすぎます。
………
綺麗になった母の部屋のいつも寝てた場所でお爺さんは埋葬直前まで眠ってた。下の世話やら諸事情で別の部屋で介護していたからようやく自分の部屋に戻れて喜んでたと思います。
もう1つ、かなり前から母は膝が腫れて痛みを感じているんですが(4回目済の近隣の人からの曝露)お爺さんが旅立って少しして物凄く痛かった膝がスーッと楽になったそうです。今も痛みはマシになってます。
『いつもお爺さんに、私も足が痛いんで!言うてたから治してくれたんやろか?』
と言ってました。
お爺さんを見つけて拾って躾けて世話をしたのが母です。だからお爺さんの中では母が1番。自分も苦しかっただろうに母の痛みを少しでも持って行ってくれた優しいお爺さんです(涙)
名残惜しくて堪らなかったけど夕方の薄暗くなってきた頃に埋葬しました。お爺さんの身体にガスが溜まってきたのか頬が膨らんで匂ってきたのでシーツと毛布でくるんで自宅の庭の歴代ワンコ達と同じ場所に埋葬しました。よくお爺さんがシッコしたり悪さしていたお気に入りの場所です。
食べられなかった残りのオヤツやチュール、煮干し、お爺さんの為に買って冷凍していたお肉も全て入れてあげました。沢山持たせたから食うには困らないと思います(^^)
体は自宅の庭だけどお爺さんはまだ家の中に居る気がする。もし叶うのならずっと居てほしいな。
あと、不思議と言うか…私はちょっと納得いかない出来事があります。お爺さんが旅立った当日に私は家の中の汚い箇所がどうしてか気になって朝から掃除をしてました。
ホコリまみれの母の部屋や台所の流しの下の収納棚、お鈴やお線香立てを置いている机の汚れに無性にイライラして。
拭き掃除をして不用品をゴミ袋にブチ込みあらかた全てを綺麗にしてホッとした数時間…
お爺さんは旅立ったのです。
思い出したのだけれど『前触れもなく亡くなる人は急に身辺整理をしたり部屋を掃除する』と聞いた事があり複雑な心境でした。
お爺さんってば自分の代わりに私にさせたのかな。はぁ…そんな事になるなら掃除したくなかった。
偶々重なった偶然かもしれないけど他にも当日にお爺さんはお腹の中のモノを絞り出すかのように数回、下痢便をしました。最後のほうは血便でした。嫌いな耳掃除も我慢しました。何度か嘔吐したので顔と身体も蒸しタオルで拭いて全身サッパリと綺麗になった状態でした。
自分の寝てた部屋も、拝む机も、身体も綺麗にして貰って旅立って行ったちゃっかり者のお爺さん。
凄いワンコだったと思う反面なんだか切なすぎます。
………
綺麗になった母の部屋のいつも寝てた場所でお爺さんは埋葬直前まで眠ってた。下の世話やら諸事情で別の部屋で介護していたからようやく自分の部屋に戻れて喜んでたと思います。
もう1つ、かなり前から母は膝が腫れて痛みを感じているんですが(4回目済の近隣の人からの曝露)お爺さんが旅立って少しして物凄く痛かった膝がスーッと楽になったそうです。今も痛みはマシになってます。
『いつもお爺さんに、私も足が痛いんで!言うてたから治してくれたんやろか?』
と言ってました。
お爺さんを見つけて拾って躾けて世話をしたのが母です。だからお爺さんの中では母が1番。自分も苦しかっただろうに母の痛みを少しでも持って行ってくれた優しいお爺さんです(涙)
名残惜しくて堪らなかったけど夕方の薄暗くなってきた頃に埋葬しました。お爺さんの身体にガスが溜まってきたのか頬が膨らんで匂ってきたのでシーツと毛布でくるんで自宅の庭の歴代ワンコ達と同じ場所に埋葬しました。よくお爺さんがシッコしたり悪さしていたお気に入りの場所です。
食べられなかった残りのオヤツやチュール、煮干し、お爺さんの為に買って冷凍していたお肉も全て入れてあげました。沢山持たせたから食うには困らないと思います(^^)
体は自宅の庭だけどお爺さんはまだ家の中に居る気がする。もし叶うのならずっと居てほしいな。
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