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婚約者の残酷な裏切り
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子供の頃からずっと好きだった幼馴染みの龍也兄に私は一世一代の告白をした。
「萌奈は昔から俺の1番大切な女の子だった。俺も萌奈が大好きだよ。これから俺が一生萌奈の側に居る。絶対に幸せにするね?」
余りの嬉しさに泣きじゃくる私を龍也兄はギュッと抱き締めて優しくキスをしてくれた。本当に嬉しくて毎日が凄く楽しくてとても幸せだった。
5歳年上の龍也兄は大学を卒業後、一流企業でバリバリ働いている。現在18歳の私は龍也兄と婚約し短大を卒業後に彼と結婚する事が決まっていた…
………………………
「えっ………誰?」
土曜日の朝
私がいつものように龍也兄のマンションを尋ねると龍也兄のワイシャツを着た見知らぬ綺麗な女の人が気怠げに玄関の扉を開けた。
「あらぁ?龍也さんって妹さん居たかしら?」
「っ!、あの、龍也さんは……?」
「あぁ…彼ならまだ寝てるわよ。昨晩は龍也さんになかなか離してもらえなくて…ウフフッ!ね、知ってた?龍也さんってベッドではすっごく激しいのよぉ?あ、まだお子ちゃまの貴女にはちょーっと刺激が強かったかしら?アハッ!」
色気ダダ漏れの女の人の首や胸元には赤い華が幾つも散らばっていて昨晩の情事の激しさを物語っていた。
まさか…龍也兄はこの女の人を抱いたの?どうして?私は龍也兄の婚約者なのに…
頭の中が真っ白になって呆然としていたら女の人の後ろから慌てた様子の龍也兄が飛び出してきた。上半身裸でスウェットを履いた龍也兄の胸元には女の人と同じように赤い華が散らばっていた。
それを目にした瞬間─
ああやっぱり龍也兄は私を裏切ったんだとやっとこの状況を理解した。同時にこれまでの2人の思い出や作り上げてきた大切なモノがガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
「違うんだ萌奈!彼女とは1度きりって約束で渋々抱いただけなんだっ!俺が愛してるのは萌奈だけだ!」
「酷いわ龍也さん!あんなに私のカラダ好き勝手にしてっ…、朝まで何度も抱いた癖に!私の事愛してるって言ってくれたじゃない!」
「っ!うるさいお前は黙れ!萌奈!萌奈っ、俺の話を聞いてくれっ」
必死に弁解する龍也兄がひどく滑稽に見えた。王子様みたいに格好良くて優しくて頼り甲斐があってあんなに大好きだった龍也兄が今は不潔で醜くて汚くて嫌悪感しかない。
「…最低!もう、いい。もう要らない!龍也兄なんかだいっきらい!」
「萌奈!まっ、待ってくれ!!」
もうこんな所に1秒も居たくない一心で私は龍也兄の静止を振り切り全速力で駆け出した。
「萌奈は昔から俺の1番大切な女の子だった。俺も萌奈が大好きだよ。これから俺が一生萌奈の側に居る。絶対に幸せにするね?」
余りの嬉しさに泣きじゃくる私を龍也兄はギュッと抱き締めて優しくキスをしてくれた。本当に嬉しくて毎日が凄く楽しくてとても幸せだった。
5歳年上の龍也兄は大学を卒業後、一流企業でバリバリ働いている。現在18歳の私は龍也兄と婚約し短大を卒業後に彼と結婚する事が決まっていた…
………………………
「えっ………誰?」
土曜日の朝
私がいつものように龍也兄のマンションを尋ねると龍也兄のワイシャツを着た見知らぬ綺麗な女の人が気怠げに玄関の扉を開けた。
「あらぁ?龍也さんって妹さん居たかしら?」
「っ!、あの、龍也さんは……?」
「あぁ…彼ならまだ寝てるわよ。昨晩は龍也さんになかなか離してもらえなくて…ウフフッ!ね、知ってた?龍也さんってベッドではすっごく激しいのよぉ?あ、まだお子ちゃまの貴女にはちょーっと刺激が強かったかしら?アハッ!」
色気ダダ漏れの女の人の首や胸元には赤い華が幾つも散らばっていて昨晩の情事の激しさを物語っていた。
まさか…龍也兄はこの女の人を抱いたの?どうして?私は龍也兄の婚約者なのに…
頭の中が真っ白になって呆然としていたら女の人の後ろから慌てた様子の龍也兄が飛び出してきた。上半身裸でスウェットを履いた龍也兄の胸元には女の人と同じように赤い華が散らばっていた。
それを目にした瞬間─
ああやっぱり龍也兄は私を裏切ったんだとやっとこの状況を理解した。同時にこれまでの2人の思い出や作り上げてきた大切なモノがガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
「違うんだ萌奈!彼女とは1度きりって約束で渋々抱いただけなんだっ!俺が愛してるのは萌奈だけだ!」
「酷いわ龍也さん!あんなに私のカラダ好き勝手にしてっ…、朝まで何度も抱いた癖に!私の事愛してるって言ってくれたじゃない!」
「っ!うるさいお前は黙れ!萌奈!萌奈っ、俺の話を聞いてくれっ」
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「…最低!もう、いい。もう要らない!龍也兄なんかだいっきらい!」
「萌奈!まっ、待ってくれ!!」
もうこんな所に1秒も居たくない一心で私は龍也兄の静止を振り切り全速力で駆け出した。
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