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薬の譲渡は口移しのみ

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「んっ!…ん、ふぅ……あふ…んぅっ…」

「んん…ちゅ………んふ…」

エレナはリチャードの頬を両手で掴み激しく舌を絡ませていた。顔を真っ赤にして必死の形相のエレナとは対照的に涼しい顔のリチャードはクチュクチュ唾液を絡ませながらエレナの口付けを楽しんでいる。

「んっ、はぁ…んぅぅ、もうっ!」

「ん?」

チュポン!と唇を離してエレナが声をあげる。

「いじわるしないでっ、早く…薬!!ちょうだいっ」

「ん。はい、どーぞ?」

リチャードは舌の上に白い錠剤を乗せてペロッと差し出した。エレナは逃がしてなるものかと大きく口をあけ彼の舌をパクリと捕えた。

その瞬間タイミング良く扉がノックされリチャードの舌を咥えたエレナは大きく瞳を見開いた。

──「エレナ?ちょっと良いかし…」

ドアノブを握って扉を開けかけた母と目が合いエレナは固まった。リチャードの膝の上に座り彼の顔を両手で掴み口付けしているエレナ。

母はエレナとリチャードを交互に見てポッと頬を染めた。

「や、やだ私ったら!あ、別に急ぎの用じゃないからまた後でねっ!」

すぐにバタン!と扉が閉められパタパタ母の足音が遠ざかって行く。

「あー。お義母上に見られちゃったね?ふふふっ…恥ずかしいなぁ」

「っ、リチャード!絶対わざとでしょっ!!」

「えっ?たまたま・・・・だよ?もぅ……エレナってば僕とキスしてるのお義母上に見られて恥ずかしいからって八つ当たりしないでよ」

「っ!!してない!そ、そもそも何で口移しなの?普通に薬を渡してくれたら良いのに!」

エレナはリチャードの胸をポカポカ叩きながら目尻を赤く染めて怒るがその様子すら彼には可愛くて堪らない。

「駄目!薬は口移しでしか渡さない。結婚前に赤ちゃん出来ちゃうと大変だよ?ほらお薬。早く僕の口の中から取りなよ…」

「うっ……」

その後もリチャードにしばらく濃厚な口付けをさせられてやっとエレナは薬を口に含んだ。テーブルから水の入ったグラスを手に取り飲もうとするエレナからグラスが奪われリチャードが水を口に含んだ。

えっ?っと思ったエレナの後頭部をリチャードの大きな手が引き寄せそのまま口移しでエレナに水を飲ませる。

「んんっ!ん、んー!!」

リチャードから流し込まれた水がエレナの喉を流れていった。何度か口移しで水を飲まされた後もリチャードはエレナの唇を離さず舌をねじ込んだ。

くちゅくちゅ舌を絡ませエレナにしつこくキスをしてやっとリチャードの唇が離れていった。

「あぁ…水が溢れてエレナのドレスの胸元が濡れてしまったね?僕が着替えさせてあげる」

「や、自分でっ」

リチャードの瞳が妖しく光りエレナを軽々と抱き上げて部屋の奥にあるクローゼットへと歩いて行く。扉を開けると中は広々としていて色鮮やかなドレスがびっしりと吊られている。収納棚には沢山の靴やジュエリー類が並べられていた。これらは全てリチャードがエレナの為に贈った物だ。

リチャードはエレナをクローゼットの真ん中に置かれたソファに座らせて慣れた手つきで背中のファスナーをおろしスルスルとドレスを脱がせた。

「あぁ…下着まで濡れてる。風邪ひくから脱がなきゃね?」

「やっ、やだリチャード!」

エレナがジタバタ暴れるがリチャードにとっては子猫がじゃれつく程度の可愛らしい抵抗で痛くも痒くもない。リチャードはあっという間にエレナの下着を剥ぎ取った。

全裸に絹の靴下だけを身に着けたエレナをソファに押し倒しリチャードはもう我慢出来ないと言うようにキスをした。

「んっ、可愛いエレナ!はぁ…薬も飲んだ事だし…このままヤッても大丈夫だよ?…あぁ…すぅ…はぁ…エレナ…良い匂い……んん…可愛いっ!」

「んぅっ!ん、やぁっ…」

ちゅぴちゅぴ舌を吸われ口の中を嫐られるうちにエレナの強張った身体からチカラが抜けていく。リチャードは大人しくなったエレナの柔らかい身体を遠慮もなしに好き勝手に撫で回した。
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